2009年09月30日

地経学で読む爆走中国(森田靖郎著、原書房)

本 最近は、書店でたくさんの中国本が並んでいる。
 この本は、歴史・地理・経済を連結する「地経学」で中国を読み解き、国際情報戦に翻弄される日本に活を入れる、という帯の解説だ。
 最初は、米中サイバーテロ・電脳戦争の話からだ。とても面白い。
 今回は、中国が提唱する「東アジア共同体」の箇所を以下に引用した。


 私は、オリンピックがスポーツの祭典だけとは思っていない。政治的な、地政学的な要素を含んでいることは、これまでのオリンピックを見ても明らかだ。一九三六年のベルリン・オリンピックと二〇〇八年の北京オリンピックは政治プロパガンダという面から見れば共通性がある。
 ベルリン・オリンピックは、ドイツが世界に軍事的成果をアピールするための舞台として利用した。
 だがオリンピック後、ドイツの国家社会主義政策が行き詰まり、その矛盾を解決すべく膨張政策に転じた。それが第二次世界大戦へと導いた。
「北京オリンピック後、中国が同じ道を歩むという危険性がある」
 と、袁博士は指摘する。
 中国は、ヒトラーの「国家社会主義」と似た政治体質がある。中国が提唱する「東アジア共同体」は、ドイツの膨張政策に近い。
「ヒトラーはレーベンスラウム(生存圏)としてドイツ民族が満足に暮らせる資源と市場を確保するために、ドイツの東側、ウクライナに至る地域を支配下に置こうと、軍事的な拡大政策を取ってきた。
 これが第二次世界大戦に繋がった。中国の東アジア共同体は、この生存圏と同じ考えだ。また、牋譴弔量餌押一つの言語、一つの国家瓩鮠Г┐襯劵肇蕁爾劉爛▲鵐轡絅襯后淵淵船后Ε疋ぅ弔砲茲襯ーストリア併合)″は、中国のチベット人やウイグル人の民族浄化、台湾併合政策と同じ発想だ」

 ポスト・北京オリンピック、中国がこれから向かう道は、否応なく地球が歩く道ということにもなりかねないと、袁博士も危険視する。
 かつてイギリスのチャーチルは第二次世界大戦の回想録で、「防ぐことが容易であったにもかかわらず、ナチス・ドイツの膨張に対し決然たる意思を示さずにいたことが、ヒトラーの暴走を生み、まったく必要のない無用の戦争に至った」と、悔いている。
――世界の盟主を目指す、中国の暴走をどうやって食い止めるのか。
「チャイナ“9”シンドローム……。世界の市場で中国頼み現象が起きる」
 中国人が世界で大きな顔して商売をしているということだと、袁博士はいう。経済の成長率を維持するために、石油をはじめ天然資源を、少なくとも一〇年分は独り占めにしようとなりふり構わぬ資源漁りが続けられているだろう。中国の資源外交政策は、まさしく「爆食」である。地球の資源や食糧を食い尽くしてしまうのではないか。
「中国の光と影」
という言葉で、袁博士は中国の今後の発展を評した。

「楽観的な見方では二〇二〇年までは、中国の経済は減速するにしても成長を続けるでしょう。一方、悲観的な見方では二〇一〇年の上海万博後に、中国のバブル経済が崩壊し、暗い未来が待っている」

shige_tamura at 12:54│Comments(1)TrackBack(0)clip!本の紹介 

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この記事へのコメント

1. Posted by 観音寺   2009年09月30日 14:20
5 そう言えば「全体主義国家がオリンピックを開催すると10年後に体制が崩壊する」というジンクスがあるそうです。ナチスドイツばかりでなく、旧ソ連もそうだった、と。

中国の体制崩壊は望む所ですが、戦争は勘弁です。日本も色々と備えをしておく必要がありますね。

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