2009年09月28日
暫定税率廃止 財政にも環境にもよくない
民主党の政策で、一番良くないと思うのが、ガソリンの暫定税率廃止だ。
これは、ガソリンが急騰したときに、民主党が悪乗りして「ガソリンの暫定税率廃止」を叫び、それが、そのままマニフュストにもなり、今度はそれを実行することになるが、問題は多い。
今日(9月28日)の読売新聞は、その点を批判している。以下、掲載します。
暫定税率廃止 財政にも環境にもよくない(9月28日付・読売社説)
ガソリンが安くなればドライバーには朗報だ。だが、減税であく財政上の大穴は、どう埋め合わせるのだろう。
藤井財務相が、ガソリン税や軽油引取税などに上乗せされている暫定税率を来年4月から廃止する方針を表明した。
実現すれば、ガソリンの小売価格は1リットルにつき25円下がる。その反面、国と地方は、あわせて消費税1%分に相当する2・5兆円の財源を失ってしまう。
鳩山内閣は温室効果ガスの国内排出量を1990年より25%削減するという厳しい中期目標を掲げるが、暫定税率の廃止は地球温暖化対策にも逆行しよう。廃止は撤回すべきである。
民主党は昨年3月、「ガソリン値下げで国民生活を守る」として暫定税率の期限延長に反対した。この結果、根拠法が失効して暫定税率は昨年4月にいったんなくなった。約1か月後に当時の与党の再可決で復活した経緯がある。
それ以来、暫定税率の廃止は民主党の看板政策となってきた。党内の一部にあった慎重論を抑えて来年度の廃止を打ち出したのは、来夏の参院選に向け、新政権の成果としたい思惑からだろう。
しかし、国の財政は巨額の財源を手放していい状況ではない。度重なる景気対策で今年度の新規国債発行額は44兆円に達し、税収は当初の予想をさらに下回ることが確実と見られている。
民主党は「歳出のムダを減らせば減収分は穴埋めできる。地方には迷惑をかけない」というが、具体策は不明確なままだ。
今年度から道路特定財源が一般財源化され、ガソリン税などの税収は、福祉や医療、教育などに回せるようになった。しかし、今年度予算では、税収の9割が相変わらず道路予算に使われ、一般財源化はかけ声倒れになっている。
新政権は道路予算を洗い直し、一般財源化を名実ともに実現することにまず力を注ぐべきだ。
道路整備のために導入された一時的な上乗せ税率が35年も続いてきたのが問題というなら、暫定税率を本則として位置づけし直すことを検討すべきであろう。
民主党内には暫定税率をいったん廃止した後、その一部を取り込む形で地球温暖化対策税を創設する構想もある。工場などの温室効果ガス排出を抑えるため、あわせて産業分野への新たな環境関連課税も検討されるとみられる。
だが、新たな企業課税は経済界の活力をそぎかねない。拙速な導入は禁物だ。
これは、ガソリンが急騰したときに、民主党が悪乗りして「ガソリンの暫定税率廃止」を叫び、それが、そのままマニフュストにもなり、今度はそれを実行することになるが、問題は多い。
今日(9月28日)の読売新聞は、その点を批判している。以下、掲載します。
暫定税率廃止 財政にも環境にもよくない(9月28日付・読売社説)
ガソリンが安くなればドライバーには朗報だ。だが、減税であく財政上の大穴は、どう埋め合わせるのだろう。
藤井財務相が、ガソリン税や軽油引取税などに上乗せされている暫定税率を来年4月から廃止する方針を表明した。
実現すれば、ガソリンの小売価格は1リットルにつき25円下がる。その反面、国と地方は、あわせて消費税1%分に相当する2・5兆円の財源を失ってしまう。
鳩山内閣は温室効果ガスの国内排出量を1990年より25%削減するという厳しい中期目標を掲げるが、暫定税率の廃止は地球温暖化対策にも逆行しよう。廃止は撤回すべきである。
民主党は昨年3月、「ガソリン値下げで国民生活を守る」として暫定税率の期限延長に反対した。この結果、根拠法が失効して暫定税率は昨年4月にいったんなくなった。約1か月後に当時の与党の再可決で復活した経緯がある。
それ以来、暫定税率の廃止は民主党の看板政策となってきた。党内の一部にあった慎重論を抑えて来年度の廃止を打ち出したのは、来夏の参院選に向け、新政権の成果としたい思惑からだろう。
しかし、国の財政は巨額の財源を手放していい状況ではない。度重なる景気対策で今年度の新規国債発行額は44兆円に達し、税収は当初の予想をさらに下回ることが確実と見られている。
民主党は「歳出のムダを減らせば減収分は穴埋めできる。地方には迷惑をかけない」というが、具体策は不明確なままだ。
今年度から道路特定財源が一般財源化され、ガソリン税などの税収は、福祉や医療、教育などに回せるようになった。しかし、今年度予算では、税収の9割が相変わらず道路予算に使われ、一般財源化はかけ声倒れになっている。
新政権は道路予算を洗い直し、一般財源化を名実ともに実現することにまず力を注ぐべきだ。
道路整備のために導入された一時的な上乗せ税率が35年も続いてきたのが問題というなら、暫定税率を本則として位置づけし直すことを検討すべきであろう。
民主党内には暫定税率をいったん廃止した後、その一部を取り込む形で地球温暖化対策税を創設する構想もある。工場などの温室効果ガス排出を抑えるため、あわせて産業分野への新たな環境関連課税も検討されるとみられる。
だが、新たな企業課税は経済界の活力をそぎかねない。拙速な導入は禁物だ。
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この記事へのコメント
1. Posted by 6-4-3 2009年09月28日 11:51
マスコミが騒ぐ→野党(当時)が批判
政府の支持率が下がる。
この無限ループでしたね。
基本理念や政治信条のない選挙互助会は
解散して頂きたいです。
記念の外交(笑)もした事ですし。
もう、いいでしょう。
外国人参政権、男女別姓、戸籍の廃止など
マニフェストに敢えて載せなかった政策から
取り組むって、詐欺ですよ。
デメリットを伝えない契約は、無効の筈なんですが
厳しい現実を突きつけられそうです。
政府の支持率が下がる。
この無限ループでしたね。
基本理念や政治信条のない選挙互助会は
解散して頂きたいです。
記念の外交(笑)もした事ですし。
もう、いいでしょう。
外国人参政権、男女別姓、戸籍の廃止など
マニフェストに敢えて載せなかった政策から
取り組むって、詐欺ですよ。
デメリットを伝えない契約は、無効の筈なんですが
厳しい現実を突きつけられそうです。
2. Posted by ムラサメ 2009年10月01日 23:43
。。゚(ノ△T;)゚。
たった一回の友愛外交でアジア構想に給油撤退に削減目標に核カードの返上に基地問題に、どんだけ夢いっぱい語ってるんですか。
素人にはよくわかりませんが外交の伝統とか今まで与党が積み上げた防波堤とかシビアな駆け引きとか全部ブッ壊したと思うんですが。
ニュースや新聞は信用出来ないしネットの情報は氾濫気味でチョイスが難しいので先生のブログはとても勉強になります。
たった一回の友愛外交でアジア構想に給油撤退に削減目標に核カードの返上に基地問題に、どんだけ夢いっぱい語ってるんですか。
素人にはよくわかりませんが外交の伝統とか今まで与党が積み上げた防波堤とかシビアな駆け引きとか全部ブッ壊したと思うんですが。
ニュースや新聞は信用出来ないしネットの情報は氾濫気味でチョイスが難しいので先生のブログはとても勉強になります。
3. Posted by Tom 2009年10月03日 16:50

「ガソリンの暫定税率」についてですが、自民党にも言いたいのですが、”暫定”っておかしいでしょう。
私は税金を何がなんでも無くせと言っているわけでは有りません。必要ならちゃんと取れと言っているのです。この「ガソリンの暫定税率」が必要だった時代の理由は分かりますが、「何時までも取ってしまえばこちらの物」だと言わんばかりです。暫定は暫定でしょう。
本当に必要なら、ちゃんと説明して正式な税金として取ってください。何故”〜暫定”でいいのか分かりません。
ただでさえ「ガソリン税」と「軽油取引税」には問題があるのだから。消費税との二重課税(軽油取引税は二重課税にはなっていない)が有ったり、長い間見直されない(特にガソリン税、軽油取引税はトラック協会など企業がおおいため)。
とにかく、税金は必要ならちゃんと説明して、ごまかさず取ってほしい。