2009年09月27日

最後のサムライ 山岡鐵舟(全生庵七世平井正修編著、教育評論社)

平井本











 この本は、昨日(9月26日)日本論語研究会で平井正修師(全生庵第七世現住職)が
(テーマ、『最後のサムライ 山岡鐵舟』から学ぶもの」)講演されたときに紹介された本です。山岡鐵舟を知る上で、参考になります。
 ご一読をお薦めします。

「命もいらぬ、名もいらぬ、金もいらぬ、なんとも始末に困る人」とは、山岡鐵舟の一生を貴く精神で、西郷隆盛をして言わしめた言葉です。


以下、まえがきから紹介します。

 全生庵は明治十六(一八八三)年に山岡鐵舟居士が富山県高岡の国泰寺より越叟(えっそう)禅師を迎え、幕末、明治維新の際にこの国のために命を落とした英霊達の菩提を弔い、また何事にも西欧化をすすめようとする明治政府に対して日本人としての伝統的な精神を伝えるために建立された寺であります。

 居士は勝海舟、高橋泥舟(でいしゅう)とともに幕末三舟のひとりとして、また江戸無血開城の立役者、明治天皇の侍従、剣・禅・書の達人として世に知られています。しかし、残念ながらその実像、実際の働きについては本人が書き残したものはほとんどないため、不明な事も多く、従って諸説入り交じる点も少なくありません。

 居士は明治二十一(一八八八)年にその生涯を閉じましたが、没後、種々の遺品、資料等が山岡家より当庵に寄贈され、その資料をもとに、大正七(一九一八)年、当庵三世牧田(ぼくでん)和尚が二十年にわたり心血をそそいで正確を期し、居士正伝の資料として『繊舟居士乃真面目(しんめんもく)』を公刊いたしました。さらに六世玄恭和尚がこれを再版し以来版を重ねること八版、居士の言行についていたずらに神格化することなく、多くの人々にその実像を伝える一助となってまいりました。
 しかしながら当時としては読みやすかったであろう、文体、ふりがな、印刷等も時代を経て現代の私たちにはいささか読みにくいものとなってまいりました。

 居士の一生を貴く精神は、あの西郷隆盛をして「命もいらぬ、名もいらぬ、金もいらぬ、なんとも始末に困る人」と言わしめた通り、いついかなる立場においても、自分のなすべきことをしっかりと見つめ、私心をもたず全生命をもってことにあたる、ということに尽きると思います。
 今、「美しい国づくり」ということが叫ばれていますが、具体的にどうしていくことが「美しい国づくり」につながるのかは示されぬままです。あまつさえ、現実新聞紙上を騒がせている事件はその言葉とはかけはなれたものばかりです。
「美しい」とはいったいどのようなものでしょうか。それは人心の美しさであり、身の処し方の潔さではないでしょうか。
 鐵舟居士も決して完壁な人間ではありませんが、その一生を見るに、そこには今まさに私たちが学ぶべきものがあると思うのです。
 この一冊が居士をより深く知る一助となり、また皆様の生き方の指針となることを心より願っております。

shige_tamura at 13:44│Comments(1)TrackBack(0)clip!日本論語研究会 

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この記事へのコメント

1. Posted by alpha   2009年09月27日 21:31
本日のお題とは違う話で恐縮ですが、公明党が在日外国人参政権法案を提出するとの噂が有りますね。

また、民主党が国籍法案や夫婦別姓を容認する民法改正案、戸籍法改悪法案等の提出を考えているようですが、これらの法律こそが日本の家族制度の根幹であり、日本における低い犯罪率を支え、信頼し安心できる社会の形成に寄与してきたことを思うと、民主党が自ら掲げたマニフェストの実現よりも早くこれらを出してきたことに彼らの正体がうかがえると思います。

マスコミはこれらについてだんまりを決め込んでいますので彼らを当てにすることはできません。
全国に急速にこれらの問題法案を知らせるため自民党広報掲示板、新聞折り込みチラシ、ポスティング等あらゆる手段を使って、国民に知らせ、その反対意見を集約しなければ手遅れになりますよ。

これらの法案に対して対抗策を打ち出せなかったならば、その時には自民党は終わりだと思います。日本の社会そのものが破壊されては、自民党も生き残れません。

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