2009年09月17日

米国の鳩山政権の補給支援中断に関する真意

日米 昨日の読売新聞夕刊を読んでいたら、「給油継続『要求してない』米国防総省報道官が修正」とあった。
 (ワシントン=小川聡)
 米国防総省のモレル報道官は15日午後(日本時間16日未明)の記者会見で、海上自衛隊によるインド洋での給油活動を来年1月以降は継続しないとする民主党の方針について、「古くからの日本の同盟国として、日本が給油活動を継続するのを見たい」としたうえで、「私は(日本に)要求はしていない。ゲーツ国防長官が『日本に給油活動の継続を要求してくれ』と言ったとは、聞いていない」と述べた。

 報道官は9日の記者会見で、給油活動の継続について、「強く促したい」との表現で「要請」していた。しかし、日本側から「日本が主体的に判断していく」(藤崎一郎駐米大使)などと反発されたことを受け、修正した格好だ。

―という記事であり、米国は了解したのか、と思ってました。

 ところが、僕もよく登場する「平河総合戦略研究所 [メルマ!:00133212] [trans_g0g2g8hu539e877e@melma.com]」で、
「孫崎享 マスコミは正確に米国の意図を伝えよ!」―との記事があり、「なるほど、そうだったのか」と思いました。
 以下、掲載します。

-------------------------------------   
 鳩山新政権で、最も難しい問題が日米関係の処理である。
 何となく、従来の流れを変えたいとする民主党と、これまでどうりの流れを維持したい米国との対立が早晩出てくる。
 その中で最初に対立点として出てくるのがインド洋給油問題である。
 すでに給油を中止することを方針として出している民主党と、アフガニスタンを最重要案件として位置付け、同盟国を一段と引きつけ、脱落は許さないとする米国の中にあって、その処理は難しい。

 かかる中、報道関係は米国の真意を伝える重要な役割を果たす責任がある。
 米国の人々の言葉を捉えるのみならず、何を考えているかを理解していないと、とんでもない報道を行うことになる。
 その一例が最近の読売記事報道である。

 記事内容は、米国の意図を理解していません。
 米国は、「我々は依頼することなど、するわけがない。アフガニスタンは重要な問題であり、同盟国側も貢献することは当然だ。このことを考えれば、日本は米国の依頼がなくても何をすればよいか、わかるはずで、恭順の意を示すしかないだろう」といっているのである。
 「日本が自由にしていい、我々は日本のとった選択を何の問題もなく受け入れる」とは全然言っていない。
 しかし、下記の読売の記事は言葉の断片的訳しかしないで解釈し、全く異なるメッセージを伝えている。このレベルの低さ、驚きです。180度解釈を間違っている。 参考のため、報道官のブリーフ(英文)を合わせて掲載してありますので、原文も見て下さい。

【ワシントン=小川聡】米国防総省のモレル報道官は15日午後(日本時間16日未明)の記者会見で、海上自衛隊によるインド洋での給油活動を来年1月以降は継続しないとする民主党の方針について、「古くからの日本の同盟国として、日本が給油活動を継続するのを見たい」としたうえで、「私は(日本に)要求はしていない。ゲーツ国防長官が『日本に給油活動の継続を要求してくれ』と言ったとは、聞いていない」と述べた。

 報道官は9日の記者会見で、給油活動の継続について、「強く促したい」との表現で「要請」していた。しかし、日本側から「日本が主体的に判断していく」(藤崎一郎駐米大使)などと反発されたことを受け、修正した格好だ。

 報道官はまた、「日本政府にとって、内政面で考慮すべき問題があるのは当然で、日本政府はそれらに対処しなければならない」と述べ、日本の判断を尊重する考えも示した。

(2009年9月16日10時28分 読売新聞)
9/15MR. MORRELL: Well, listen. I -- let's take this separate and aside from the change of government that's under way in Japan for a moment, and just tell you that we, as a member of a coalition that's operating in Afghanistan; we, as an old ally of Japan's, believe that their contribution to the war on terror, to the world's efforts in Afghanistan is vitally important, and we would like to see them continue it.

It is a real benefit to our warfighters and thus it's of real benefit to the people of Afghanistan. I wouldn't read too much politically into this statement. I think I'm stating something that's rather obvious. They have made an enormous contribution, and we'd like to see them continue that contribution. (読売はこの重要な部分を除いて報道してますから、全く違うメッセージになっている)

孫崎 享まごさき うける
(元外務省勤務・元防衛大学校教授)1943年旧満州国生まれ。66年東京大学法学部中退、外務省入省。英国、ソ連、米国、イラク、カナダの大使館勤務を経て、駐ウズベキスタン大使、国際情報局長、駐イラン大使、防衛大学校教授を歴任。09年3月退官。著書に『日米同盟の正体 迷走する安全保障』、『日本外交 現場からの証言』など。

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この記事へのコメント

1. Posted by haniko   2009年09月17日 14:25
本当に理解できないのであれば全く驚きですが、ねじ曲げて伝えようとしているのであればとんでもない犯罪です。
2. Posted by 高峰康修   2009年09月17日 18:19
これは本当に酷い話です。
9日のモレル報道官の会見では「給油活動の継続をencourageする」といっており、15日の会見では「給油活動を引き続き見せていただきたい(would like to see)」と言っているのだから、米側の主張には何の変化もありませんね。むしろ苛立ちが滲んでいると見る方が正しいのかもしれません。
一般の国民は、国防総省のステートメントの原文なんかわざわざ見にいきませんから、この「誤報」は罪一等重いと思います。
3. Posted by 自民党支持者   2009年09月17日 22:16
米国がやけに素直に譲歩したなと驚いていましたが、まさか曲解していたとは。
恐らくはマスメディア全体に流して『事実化』する為の悪意有る操作だと思います。
これで「米国とも対等にものを申せる民主政権」を演出したいのでしょうが、相手が誰だか忘れているんじゃないでしょうか?
日米首脳会談の時に、鳩山さんが吊し上げを喰らわなければいいですね。

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