2009年09月08日
自民党の総選挙結果分析
以下は、自民党の総選挙結果分析(自由民主、9月15日号)です。
第45回衆議院総選挙はわが党にとって厳しい結果となった。獲得議席は、小選挙区で64議席、比例代表で55議席の119議席にとどまり、平成17年に行われた前回の総選挙の296議席から、大きく減らすことになった。
今回の総選挙は告示前から、わが党に大きな逆風が吹き荒れていた。しかし、前回の選挙結果と比較して見ると、党組織や友好団体などが必死の運動を展開した結果、その影響を最小限に食い止めたことがわかる。今回選挙の特徴をまとめた。
小選挙区
小選挙区でのわが党の公認候補の得票数は全国合計で約2730万票。4年前の約3251万票との差は約521万票だった。得票率では今回は38.7%で、前回との差はわずかに9.1%に過ぎない。
しかし、当選者数は大きく落ち込み、前回の219人に対し、今回は64人にとどまった。得票数においては16%ほどの減少だったにもかかわらず、当選者は約70%も減少したことになる。小選挙区制の特徴がはっきりと表れた結果といえる。
それを裏付けるように、惜敗率を見ると、70%以上の惜敗は118選挙区にも及び、敗れた選挙区の半数以上を占めている。90%以上も24選挙区で、1割を超える。 一方、30%台での敗戦は10選挙区しかない。わが党候補が圧倒的に劣勢だったのではなく、最後の最後まで勝敗の行方がわからない、僅差の接戦が各地で繰り広げられていたことを証明する数字といえる。
地域別では、前回、民主党を圧倒した都市部での逆転現象が目立つ。東京で自民4対民主20(前回23対1)、神奈川で3対14(同16対0)、千葉で2対11(同12対1)。また、前回12対3だった埼玉では全敗。前回は与党で全選挙区で勝利した兵庫でも、今回は1議席しか獲得できなかった。
その一方、福井、鳥取、島根、高知の各県では全選挙区で勝利したほか、青森、山口、愛媛などの各県でも大きく勝ち越している。
その時々の“風”の影響を受けやすい都市部での選挙結果が、そのまま全体の勝敗につながる形となった。
議席獲得には至らなかったが、厳しい逆風のなか、前回と比べ、それほど票を減らさなかったのは、各陣営と党員・党友、支援者の奮闘の結果だ。今回、小選挙区の全議席を失った秋田、大分、沖縄の各県や、負け越した岐阜、広島、徳島、佐賀の各県では、得票数は4年前を上回っている。
一方、民主党は、小選挙区での得票率は47.4%で、前回との差は11.0%だ。二大政党制への期待から共産、社民、国民新党などの支持層が流れたことなどを考慮すれば、4年前と比べ民主党への支持が、マスコミが報じているほど飛躍的に拡大したとはいえない。
比例代表
比例代表では、わが党の得票数は約1千881万票で、過去最高となった前回の約2千588万票と比べると約707万票の減少。得票率は26.7%で前回との差は11.5%だった。
当選者数も前回の77人から55人に落ち込んだ。県別では、細田博之幹事長の地元、島根県で1万票近く増やしているのを除いて、全県で得票を減らしている。
わが党の小選挙区と比例代表の得票数の乖離は約849万票(68.9%)で、前回よりも約186万票以上差が広がっている。小選挙区でわが党候補に投票した有権者の3割以上が比例代表では他党に投票したことになる。
対する民主党は約363万票(89.2%)で、小選挙区と比例の両方で投票した人の割合が高い。
公明党との選挙協力があったにせよ、小選挙区と比例代表との連動強化は今後の大きな課題といえる。
しかし、比例代表でも小選挙区同様に1割程度の減少にとどまったことは、逆風の中、比例代表でも健闘したといえる。
第45回衆議院総選挙はわが党にとって厳しい結果となった。獲得議席は、小選挙区で64議席、比例代表で55議席の119議席にとどまり、平成17年に行われた前回の総選挙の296議席から、大きく減らすことになった。
今回の総選挙は告示前から、わが党に大きな逆風が吹き荒れていた。しかし、前回の選挙結果と比較して見ると、党組織や友好団体などが必死の運動を展開した結果、その影響を最小限に食い止めたことがわかる。今回選挙の特徴をまとめた。
小選挙区
小選挙区でのわが党の公認候補の得票数は全国合計で約2730万票。4年前の約3251万票との差は約521万票だった。得票率では今回は38.7%で、前回との差はわずかに9.1%に過ぎない。
しかし、当選者数は大きく落ち込み、前回の219人に対し、今回は64人にとどまった。得票数においては16%ほどの減少だったにもかかわらず、当選者は約70%も減少したことになる。小選挙区制の特徴がはっきりと表れた結果といえる。
それを裏付けるように、惜敗率を見ると、70%以上の惜敗は118選挙区にも及び、敗れた選挙区の半数以上を占めている。90%以上も24選挙区で、1割を超える。 一方、30%台での敗戦は10選挙区しかない。わが党候補が圧倒的に劣勢だったのではなく、最後の最後まで勝敗の行方がわからない、僅差の接戦が各地で繰り広げられていたことを証明する数字といえる。
地域別では、前回、民主党を圧倒した都市部での逆転現象が目立つ。東京で自民4対民主20(前回23対1)、神奈川で3対14(同16対0)、千葉で2対11(同12対1)。また、前回12対3だった埼玉では全敗。前回は与党で全選挙区で勝利した兵庫でも、今回は1議席しか獲得できなかった。
その一方、福井、鳥取、島根、高知の各県では全選挙区で勝利したほか、青森、山口、愛媛などの各県でも大きく勝ち越している。
その時々の“風”の影響を受けやすい都市部での選挙結果が、そのまま全体の勝敗につながる形となった。
議席獲得には至らなかったが、厳しい逆風のなか、前回と比べ、それほど票を減らさなかったのは、各陣営と党員・党友、支援者の奮闘の結果だ。今回、小選挙区の全議席を失った秋田、大分、沖縄の各県や、負け越した岐阜、広島、徳島、佐賀の各県では、得票数は4年前を上回っている。
一方、民主党は、小選挙区での得票率は47.4%で、前回との差は11.0%だ。二大政党制への期待から共産、社民、国民新党などの支持層が流れたことなどを考慮すれば、4年前と比べ民主党への支持が、マスコミが報じているほど飛躍的に拡大したとはいえない。
比例代表
比例代表では、わが党の得票数は約1千881万票で、過去最高となった前回の約2千588万票と比べると約707万票の減少。得票率は26.7%で前回との差は11.5%だった。
当選者数も前回の77人から55人に落ち込んだ。県別では、細田博之幹事長の地元、島根県で1万票近く増やしているのを除いて、全県で得票を減らしている。
わが党の小選挙区と比例代表の得票数の乖離は約849万票(68.9%)で、前回よりも約186万票以上差が広がっている。小選挙区でわが党候補に投票した有権者の3割以上が比例代表では他党に投票したことになる。
対する民主党は約363万票(89.2%)で、小選挙区と比例の両方で投票した人の割合が高い。
公明党との選挙協力があったにせよ、小選挙区と比例代表との連動強化は今後の大きな課題といえる。
しかし、比例代表でも小選挙区同様に1割程度の減少にとどまったことは、逆風の中、比例代表でも健闘したといえる。
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この記事へのコメント
1. Posted by ? 2009年09月09日 00:47
君は、かなり甘い分析だね
2. Posted by Carlos 2009年09月09日 20:24
たいへん参考になりました。
「圧倒的に民主党が支持されているのだ」とばかりのマスコミ報道がたいへん気になります。自民党も自己批判ばかりしていないで早く反撃を開始してください。待っています。
「圧倒的に民主党が支持されているのだ」とばかりのマスコミ報道がたいへん気になります。自民党も自己批判ばかりしていないで早く反撃を開始してください。待っています。