2009年08月31日

自民惨敗 民主圧勝、国民はマニフェストの実行を注視している

 自民党の303議席が119議席に。
 民主党の112議席が308議席になった。自民惨敗 民主圧勝となった。
 小選挙区の恐ろしさが現れた。
この結果は、事前の世論調査通りとなった。政党支持率、党首の支持率で、選挙結果が予測できる。小選挙区は、票差が僅差でも負けは負けとなり、総議席数に大きな影響を与える。
 政治評論家の花岡信昭氏が今朝のメルマガで“「小泉選挙」の裏返しだ”と書いていた。(終わりに花岡氏のメルマガを掲載)

 自民党は1955年以来、第1党の座から転落し、本格的な「政権交代」が実現した。いつか、この日がくるかと思っていたが、それが今回だった。

 敗因は、自民党長期政権への飽き、選挙前の党内抗争、党首の不人気、国民の閉そく感が自公政権への批判となったこと。
 背景は、冷戦後の日本の経済停滞がじわじわと国民生活に及び、失業、格差などの影響が国民に直接、肌で感じられるようになったことで、その不満が自公政権に向けられたことだ。
 鳩山代表は、グローバリズムは良くないといっても、その中で日本は生きていることを忘れてはならない。
 なぜ、ユニクロが一番なのか。それは、商品のすべて(9割)を中国で生産しているからだ。その分、日本国内の繊維・衣料業界は衰退し、省かれたその製造・問屋などの流通に携わる雇用は失われる。
 日本は、いやでも世界の競争の中で打ち勝っていかなければならない。

 子ども手当て、高速道路料金の無料化、福祉の充実、すべて良いが、そのための財源をどうして生み出すかが重要だ。内需拡大・消費拡大といっても、それがすべて借金では、あとで返済が大変である。
 借金でなく、働いて稼いで儲けた金(税収)であれば良いのだが、借金ならばあとが大変になる。結局は、その付けが子どもや孫に行くことになる。

 小泉改革は、日本を再生するための構造改革で、それには痛みが伴うというものだ。
 そこで、苦しいからといって国債に依存するのではなく、子どもや孫にその付けを回さない政策を行うということだ。
 ところが、痛みがでてくると全てが小泉改革のせいだ、という批判になる。

 今回、小泉改革を批判して民主党が政権の座に就いたが、子ども手当て、高速道路料金の無料化、農業の戸別所得補償などのバラマキ政策で、その恩恵をうけた関係者は良いかもしれない。でも、その負担は、「自公政権のような国債発行はしない」「4年間は消費税を上げない」「行財政改革で生み出す」ということで本当に可能なのだろうか。

 小泉純一郎元首相ではないが「民主党マジックを見てみたい」ものだ。
 
 今日の日本の状況は、誰が政権を取っても舵取りが大変である。耳触りの良いことばかり言っても政策の実行はできない。

 例えば、後期高齢者医療制度だ。
 今、医者に行くと「世界一の日本の医療制度・日本医師会」というポスターが貼ってある。アメリカのオバマ大統領は、医療改革で大変な思いをし、そのために支持率が低下している。イギリスでは、医療費が無料でも、医者に行きたくても順番を数日待つという。

 後期高齢者医療制度、民主党は廃止という。
その対案は「選挙後」というのだから、早く代案を示してほしい、妙案はないと思う。批判は、簡単、しかし、具体案をだすと必ず皆が満足できるものはない。批判がでる。

 かつての日本は、高度経済成長で税収が伸び、その税収で手当てができた。今はそれができない。
 社会福祉予算は、毎年、だまっていても1兆円増える。
 福祉の充実は良いが、北欧では20%程度の消費税など高い税負担である。民主党は、福祉の充実のための税負担を国民に求めない。それで辻褄があうのだろうか。

 なお、クリス・フッド氏(英王立国際問題研究所研究員)は、民主党の政策は1997年に英国で保守党から政権を奪ったニューレーバー(新しい労働党)の考えに似ている。異なるのは日本は英国よりも所得税や消費税の税率が低い点であり、財源問題が焦点となるだろう。民主党は国民に対し「これらの政策を実現するためには税率の引き上げに踏み切らざるを得ない」と説明する必要が出てくる。(日経新聞、8月31日)―と述べている。

 鳩山政権に望むのは、選挙で示したマニフュストを着実に実行することである。
それができれば、民主党への不安が解消されて、国民も再評価するが、できなければ信を失うことになる。




(以下が、花岡氏のメルマガです)

≪「小泉選挙」の裏返しだ ≫

 長い間、政治の世界を見続けてきて、本格的な政権交代に初めて遭遇した。
 メディアの事前予測が出ていたから衝撃度は少なかったものの、民主300超が現実のものになるとは、この選挙戦がスタートした時点では想像もつかなかった。
 まあ、小選挙区制を軸とした選挙制度だから、こういうことが起きるのも、あり得ない事態ではない。カナダなどで前例はある。
 国民の審判なのだから、結果は厳粛に受け止めなくてはなるまい。とはいえ、民主党が勝った、というよりも、自民党が自滅的敗北を喫した、というイメージのほうが強い。

 今回の結果は4年前の裏返しである。小泉氏が「郵政改革」の一点に焦点を絞り、自民党をぶっ壊すとやって圧勝したのは、いったいどういうことだったのか。その総検証を自民党は怠ってきた。そのツケが一気に噴き出した。

 将来への漠たる不安が横溢する中で、民主党は「生活第一」を掲げ、「政権交代」の一点で大きな仕掛けに出た。ワンフレーズ・ポリティクスという点では、小泉氏と小沢氏の手法は同じだ。
 小泉チルドレンと同様の小沢チルドレンが主役となった。勝てば官軍の世界であって、「小沢ガールズ」と揶揄されようと何だろうと、選挙をしのいでしまえば怖いものはない。政治家は選挙で負ければタダの人、とはよくいったものだ。

 「鳩山政権」がスタートするわけだが、まだ現実感覚が出てこない。民主党のマニフェストは「ばらまき満載」のとんでもない代物だ。これを踏まえての政権運営がいかなるものになるのか、そこが見えてこない。
 だが、そんなこともこれだけの圧勝となると、すべて吹き飛ばされてしまう。だいたいが、マニフェスト選挙という掛け声の一方で、有権者はマニフェストなどまったく抜きにした投票行動に出た。

 鳩山氏の会見を聞いていて、国民のみなさまの「お暮らし」という表現に辟易とした。「お暮らし」である。なんでもかんでも「お」をつければいいというものではない。その「お」にポピュリズムがにじんでいる。

 それにしても308議席である。中曽根政権時代に自民300というのに出くわして驚いた記憶があるが、これをさらに上回る。
 そこで、民主党に対して心配するのもなんだが、巨大化したがゆえの「分裂圧力」が出てきはしないかと、そこが気になる。

 これが一部メディアの予測したように320に達していたら、また違った展開になっていただろう。320は3分の2ラインだ。ここに達すると、衆院再可決が可能になる。
 つまり、参院では単独過半数に至っていないことを気にする必要がなくなる。社民党に連立の誘いをしなくてもすむのだ。

 鳩山氏は社民党、国民新党との連立政権をつくると言明した。党内には旧社会党グループを抱え、社民党との連立でスムーズな国会運営を目指す。
 そこに、この政権のあやうさが浮かんでくる。日米安保体制をどう認識するかといったことから始まって、社民党は旧来型社会党と同じ体質だ。ここを気にしていたら、現実的な外交・安保政策など出てこようがない。

 実質的に選挙戦を仕切った小沢氏は、またまた「神話」をつくってしまった。これで一段とパワーアップし、事実上の院政体制が確立することになる。
 となると、党内の「反小沢グループ」がいつまでおとなしくしているか。これが自公と拮抗してかろうじて多数を制したぐらいの結果だったら、党内に結束力が強まるだろうが、これだけ膨張すると、存在感を誇示しようといろいろな動きも出かねない。

 自民党は自民党で、これだけの大敗北を喫してしまえば、そういってはなんだが、「さばさばした」対応も可能になる。新総裁がだれになるのかはともかく、ある種の求心力が出てくるだろう。

 しばらくは鳩山新政権への「ご祝儀感」が作用していくのだろうが、政治の世界、場面転換も早いのである。

shige_tamura at 10:08│Comments(3)TrackBack(0)clip!自由民主党 | 民主党

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この記事へのコメント

2. Posted by ネガティブキャンペーンではない   2009年08月31日 12:10
 TBSの夜の選挙番組だったと思いますが、ゲストで来ていた世耕と平沢議員が、「選挙後半の自民の強烈なネガティブキャンペーン」について聞かれての返答で、2人揃って「あれは間違いだった」と発言してました
が、
あれは間違いではありません。
 こういう風に言って下さい。
 「あれはネガティブキャンペーンで、間違っていた」なんて、言ってはいけないと思います。

 『先ずあれはネガティブキャンペーンではない。「現行の状態つまり自民党から、民主党案に変わると、これだけ増税になりますよ」という政策比較。
 鳩山代表は「一つでも(公約が)できなかったら総理を辞める」と言っていましたから、絶対に実行するのでしょう。
 政策選挙なのですから、政策を比較して批判するのは当たり前です。
 政策選挙でないならば、結局はマスコミ受けの良い、つまりテレビ映りの良い政策ばかりの選挙になってしまい、財源を使い果たして、結果的に国家が疲弊してしまいます。
 ネットのアニメCMも、事実を言っているまでです。』
4. Posted by 応援団   2009年08月31日 19:46
マニフェストはね。民主もデタラメだと分かっているんだと思いますよ。民主議員がやたらテレビに出て、野党ともよく協議してというでしょ。
つまり「マニフェストどうりにならないのは、野党と協議した結果」だという言い訳を言って、現実路線に舵を切りたいということでしょ。
本来なら自民は、そんなできないデタラメ並べていたのかと怒っていいところなんですけど、マスコミの伝え方によっては、「話合いに応じない自民」のようにどうにでもなる。
今回の結果は、小沢さんの手腕もあったのでしょうが、何といってもマスコミの民主びいきがひどかった。
次の党総裁に課せられた使命でもありますね。
5. Posted by 月光   2009年08月31日 21:17
民主党がマニフェストを実行するのは困る。
こども手当という所得制限なしのバラマキ政策のために、子育てが一段落した家庭の控除が無くされるなんて不公平!!

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