2009年07月29日

民主党マニフュストを読売社説が連日批判

 7月29日付の「財政再建 先進国最悪の赤字をどうする」では、

「民主党の政権公約(マニフェスト)には、財政再建についての具体的な記述はない。
 それどころか、多額の歳出が必要な政策が並んでいる。
 子ども手当支給、公立高校教育の無償化、農家への戸別所得補償、高速道路無料化などだ。これらの施策は、国民生活の負担軽減につながるように見えるが、そうではない。いずれ税金で負担せねばならないものばかりだ。

 民主党は、予算の無駄を見直したり、いわゆる“埋蔵金”を活用したりして、17兆円近い財源を確保するという。だが、それほどの額が見いだせるとは思えない。

 民主党は消費税率について、今後4年間は引き上げない、としている。鳩山代表は、議論すらしないとの考えを示していたが、岡田幹事長に押される形で、その封印を解いた。
 そうであるなら、選挙戦で大いに議論し、消費税の将来像を示すのが指導者としての責任だ。」と述べている。



 7月28日付・読売社説の「民主党政権公約 現実路線化がまだ不十分だ」は、以下に全文掲載する。

 民主党が衆院選の政権公約を発表した。政権交代を意識し、内政、外交両面で現実路線に踏み出したことは歓迎するが、十分とは言えない。

 政権公約は内政面で、子ども手当、高校の無償化、ガソリンの暫定税率の廃止など、国民生活に深くかかわる直接給付型の政策を、ずらりと並べている。

 ただ、どんな魅力的な政策も、必要な費用や具体的な財源措置を一体のものとして検討しなければ、その是非は判断できない。

 民主党は、政策を4年間で段階的に実施する工程表を示し、最終的費用を年16・8兆円と試算した。

 財源は、公共事業や人件費、補助金の削減で9・1兆円、埋蔵金の活用などで5兆円、配偶者控除の廃止など税制見直しで2・7兆円を工面し、賄うという。

 一昨年の参院選公約と比べれば政策の実施時期を特定し、財源も具体的になった点では前進だ。だが、国の総予算207兆円の組み替えで巨額の財源を本当に確保できるか、との疑念が依然残る。

 例えば、国家公務員の人件費5・3兆円を約2割削減し、1・1兆円の財源を確保するという。その手法として、地方分権による職員の地方移管などを挙げる。

 だが、職員を自治体に移せば、財源は一緒に移すのが筋で、節約にはならない。結局、国家公務員の数と給与・手当の計2割分の純減が必要だが、民主党支持労組の抵抗を排し、断行できるのか。

 国債の金利や為替の変動に左右される財政投融資、外国為替資金の両特別会計の運用益など、埋蔵金4・3兆円の恒久財源化にも、大きなリスクが伴う。

 外交・安全保障政策では、反対していたインド洋での海上自衛隊の給油活動に言及しなかった。当面は継続する方針という。日米地位協定の改定や在日米軍駐留経費の見直しも表現を緩めた。

 外交の継続性や日米関係を重視する姿勢は間違っていないが、その路線転換は唐突すぎる。

 政策変更の象徴である給油活動について、小沢一郎・前代表は「憲法違反」と決めつけ、政府・与党と全面対決の末、4か月近くも中断に追い込んだ。それを思い起こせば、今回の対応がご都合主義と言われても仕方がない。

 民主党は、給油活動に反対なのか、条件付き容認なのか、その立場を明確にし、きちんと国民に説明すべきだ。外交の基本部分で、あいまいな態度は許されない。

shige_tamura at 15:00│Comments(0)TrackBack(0)clip!民主党 

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