2009年06月11日

民主党の第三者委員会報告書の問題点

 西松建設の違法献金事件を受け、民主党が今年4月に設置した「政治資金問題をめぐる政治・検察・報道のあり方に関する第三者委員会」(座長=飯尾潤・政策研究大学院大教授)は10日、報告書をまとめ、岡田幹事長に提出した。

 この報告書については、マスコミでも読売・産経新聞などが社説で批判するなど、問題点を指摘している。

 問題の第1は、座長の飯尾潤氏だ。
 飯尾潤は、従来から民主党シンクタンク「プラトン」との関係が深く、いわば民主党の応援団という立場、だから、第三者委員会座長となったことだ。
 僕も、大学に関係し、学者・文化人、マスコミ関係者との付き合いが多い。それでわかることだが、第三者委員会といいながら、飯尾潤氏が座長となったことで、最初から民主党に都合の悪い報告書はあり得ないと思っていたが、結果は、その通りとなった。

 次に、報告書の問題点だ。いろいろの批判がマスコミに出ている。
 その中で、今朝の読売新聞社説に問題点が指摘されている。
そこで、「民主「西松」報告 検察・報道批判は的はずれだ」(6月11日付)を、以下に掲載する。


 これが第三者委員会の名に値する公正な報告なのか。はなはだ疑問と言わざるを得ない。
 小沢一郎・前代表の公設第1秘書が逮捕・起訴された西松建設違法献金事件を受けて、民主党が設置した有識者4人による第三者委員会が報告書を発表した。
 検察当局や報道機関への批判に重点を置き、小沢氏の説明不足には軽く触れただけ――という印象がぬぐえない。
 さらに、法相に捜査中止の指揮権発動を求めるかのような表現も盛り込まれている。一方的に小沢氏の側に立った報告書と言われても、仕方あるまい。
 民主党の対応については、小沢氏の政治家個人の立場と、政党の党首としての立場を切り離さずに対応した「危機管理の失敗」と指摘するにとどまった。

 的はずれもいいところだ。小沢氏に持たれた疑惑の核心部分はもっと別のところにある。
 秘書が西松建設幹部と相談し、ダミーの政治団体からの献金額や割り振り先を決めていたとして、検察当局は悪質な献金元隠しと認定した。
 小沢氏はこれまで、「献金の出所は知る術(すべ)もないし、詮索(せんさく)することはない」「秘書に任せていた」などと繰り返してきた。
 だが、同様に献金を受けた他の与野党議員と比べても巨額だ。出所や趣旨を吟味するのは、政治家として当然の責任だろう。

 小沢氏は今なお、疑惑に正面から答えようとしていない。代表辞任で、国民が求める説明責任を免れることはできない。
 委員会も、小沢氏から事情聴取したが、小沢氏は「資金をどう捻(ねん)出(しゅつ)したか尋ねるのは失礼」と従来の主張を繰り返しただけだった。委員が突っ込んだ質問をしたようには見受けられない。

 鳩山代表は、こんな報告書で、今回の問題に幕を引けると思っているのだろうか。既に保釈されている秘書から事情を聞き、事実関係の解明に取り組むこともできるはずである。
 これから西松事件の公判が始まる。報告書が疑問点として挙げたことは、検察も公判の中で丁寧に答えていく必要がある。
 報道のあり方について、報告書は「検察情報に寄りかかった報道」などとしている。
 しかし、報道機関は、検察当局だけでなく、さまざまな関係者への取材を積み重ねている。客観的かつ正確な報道を期すためだ。批判は当たらない。




なお、検察・識者から疑問の声もあがっている。

 民主党が設置した第三者委員会の報告書について、法務・検察や識者からは疑問の声も出た。
 ある検察幹部は「検察がなぜこの事件を捜査したのか、公判を見てもらえればてもらえばわかるはず。
どんなに批判されても、中立に粛々と仕事をするだけ」と話した。
法務省の一人は、「法相による恣意的な指揮権発動を認めているようにも受け取れ、怖いと思った」と不快感を示した。

 委員のヒヤリングに出席し、「小沢一郎・前民主党代表側への違法献金は軽視していいはずがない」と発言していた元最高検検事の堀田力弁護士は、「ダミー団体を通じた西松建設の献金は国民の目から見ても受け取ってはならない献金だった。にもかかわらず、報告者は『違反か否かに疑問がある』とするなど、前提となる法解釈に誤りがある」と指摘した。

 また、小林良彰・慶大教授(政治学)は「国民の関心は、今回の事件に関する民主党の自浄作用能力だったが、第三者委員会の報告は党の主張の範囲を超えるものではない。法相の指揮権発動にも言及しているが、自民党議員側が摘発された事件でもこうした指摘をするのだろうか」と語った。
(読売新聞より)

shige_tamura at 08:56│Comments(1)TrackBack(0)clip!民主党 

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この記事へのコメント

1. Posted by 高峰康修   2009年06月12日 14:43
5 まさかよりによって「指揮権発動のすすめ」などが飛び出してくるとは思いも寄りませんでした。民主党の体質がファッショ的であることをよく物語っています。こんな政党に政権を託すわけにはいきません。

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