2009年01月30日
尾辻秀久参議院議員の代表質問全文(その1)
前回も大変好評だった尾辻秀久参議院議員の代表質問(1月30日)の全文を掲載します。
(はじめに―自殺対策)
一年前に、私は二日続けてこの壇上に立たせていただきました。
最初の日は今日と同じ代表質問でありました。次の日は山本孝史先生の哀悼演説でありました。先生が「尾辻に頼んでほしい」といっておられたとお聞きを致しましたので、お引き受けしたのでありますが、大変お見苦しいところをお見せしてしまい、申し訳なく存じております。
先生の一年忌の質問でもありますので、型破りではありますけれども、山本先生が大変心配をしておられたにも関わらず、今日、状況が更に悪化している問題について、まず質問をさせて頂きます。
山本先生を中心にして、私たちは自殺対策基本法を制定致しました。今日本では、年間三万人の方が自殺でなくなっておられます。
総理が、施政方針演説で述べられた通りであります。三万人といいますと東京マラソンの全出場者の数であります。この十年間で三十万人。毎日九十人もの方が、自ら命を絶たざるを得ない状況に追い込まれています。
自殺する人の数が急に増えたのが、平成十年の三月だったということを、総理に是非知っておいて頂きたいのです。つまり北海道拓殖銀行や山一證券が破綻した年の年度末・決算期に、月の自殺者の数が一・五倍に急増し、年間では八千人以上も増えたのです。
今日の状況は、平成十年より、もっと深刻であります。このことを大変心配致しております。「自殺実態白書」によりますと、自殺は平均して四つの原因が重なって起きており、そのきっかけとして一番多いのは経済的な理由です。
まず、私たちは人の命を救わなければいけません。自殺者統計の緊急公表など、万全の対策をお願い致します。
総理、ぜひ一度、自殺の多い東尋坊や秋田などで活動しているボランティアの方々の生の声をお聞き下さい。「お聞き頂けますか」というのが、最初の質問であります。お聞きになれば総理もじっとしてはおられないと存じます。
(規制改革会議)
次に、最高の自殺対策であり、今日の緊急課題である雇用問題についてお尋ねを致します。私たち参議院は、「一緒に頑張りましょう」という思いを込めて、「雇用と住居など国民生活の安定を確保する緊急決議」を行いました。この機会に、全会一致となるべく努力をされた皆さんに敬意を表します。
今、早急に解決すべきは、職を失った派遣社員の支援でありますが、雇用については、後で、お尋ねすることとして、まず、こういう派遣制度が作られてきた経緯・背景を検証してみます。
政府は、規制改革を目指して、平成六年十二月に行政改革委員会を発足させております。
それ以来、会議は名称を変えつつ継続され、数度にわたって、派遣対象業務の原則自由化など、段階的に労働者派遣法を変えてきました。私はこの間の会議の在り方に強い疑念を持っております。
発足当時から、委員として、会議に参画し、数度の取り纏めの任にあたったのは、企業の一経営者であります。
経営者の視点で規制改革が進められ、その結果、派遣の大量打ち切りとなり、多くの人を失業に追い込んだのであります。
私たちの決議が、政府にだけでなく、企業にも注文をつけている所以であります。これほどの厳しい事態を招いたことについて、規制改革会議は、少なくとも結果の責任をとらなければなりません。
更に、規制改革会議には、言っておかねばならないことがあります。それは会議が自らの主張をするのは自由ですが、その主張が己の利権につながっているという疑惑を持たれてはいけないということです。「小泉改革を利権にした」と言われてはいけません。
規制改革会議でそのことを主張した人の関係会社が、真っ先に株式会社の病院を作ったと言われています。
規制改革会議に問いたい。医療を自らのビジネスチャンスにしていませんか。
理容・美容や保育にも手を伸ばそうとしていませんか。介護の世界を(株式会社の不当な)利益追求の場として貪り、自家用ジェット機を買った会長がいたことを、忘れていませんか。
バス・タクシーの事故が増えたことに対する反省はないのですか。
今、話題になっております「かんぽの宿」についても同じ疑惑が持たれています。
鳩山総務大臣は「李下に冠を正さず」と言っておられます。ここまで申しましたことに対して、総務大臣のご所見をお聞かせ下さい。
関連して厚生労働大臣にお尋ね致します。
規制改革会議が主導して市販の薬の市場を、なし崩しに開放してきました。これがインターネット販売に及ぼうとしています。簡単に買える利点がないわけではありませんが、十分な知識のない未成年が催眠鎮静剤を大量購入し、自殺を図るなど、多くの問題が生じております。
処方の重要性が考慮されず、副作用の強い薬が個数制限なしに販売された結果であります。今後どのように対応なさるおつもりかお尋ねを致します。
経済財政諮問会議については、昨年の質問でも国会決議など無視すればいいのだと言い放ったその傲慢さに触れました。経済財政諮問会議は、新自由主義、市場原理主義を唱えて参りました。
平たく言えば日本をアメリカのような国にすればいいのだと言ってきたのであります。それが間違いであったことは、今回の世界の不況が証明をしました。
その責任は重く、私は、経済財政諮問会議と規制改革会議を廃止すべきと考えますが、総理はどのような総括をしておられるのかお尋ねを致します。
また、このように審議会を隠れ蓑にするやり方を改めて政治と政府が前面に出て責任を明確にすべきと考えますが、総理のお考えをお聞かせ下さい。
(雇用問題)
次に、雇用問題について伺います。
国内失業者数は急増しております。本日発表された厚労省の調査では、昨年十月から今年三月までの失職予定の非正規労働者は十二万五千人に及ぶ見込みであり、十一月の調査から初めて十万人を超えました。
厳しい経営環境はあるにせよ、今まで企業を支えて来た労働者を簡単に切り捨てる事は、企業の社会的責任の放棄であります。
企業には、雇用維持・確保に全力で努めるよう要請致します。特にワークシェアリングの導入を前向きに検討して頂きたい。
一方、政府は、企業に対し、雇用維持のための十分な支援を行うとともに、離職者の円滑な再就職、職業訓練の実施など必要な支援を行うべきであります。
住居の確保など生活の安定に不可欠な支援措置も講じるべきであります。
先日、経団連と連合から「雇用安定・創出に向けた労使共同宣言」がなされました。まさに労使一体の叫びであります。百年に一度の不況というなら、百年に一度の雇用対策をとるべきであります。
私は、今こそ「清水の舞台から飛び降りる」覚悟が必要と考えます。総理も施政方針演説で「異例な対応が必要です」と述べられました。
また、「日雇い派遣を原則禁止にするなど労働者派遣制度を見直す」とも言われました。
更なる雇用対策をどのようにおとりになるおつもりか、お伺い致します。
(財政)
今、「清水の舞台から飛び降りる」覚悟でと申しました。当然、「財政はどうする」という議論になります。財政について伺います。
政府は、「経済財政の中長期方針と十年展望」を閣議決定致しました。その中で「財政健全化に向けて二千十一年度までにプライマリーバランスを黒字化させるというのは困難になった。しかし、目標はそのままにする」としました。これは分かりにくいです。
はっきりと、「二千十一年の目標達成は無理になったので新たに何年を目標にして黒字化を目指す」と言うべきです。
そもそも総理は、「当面は景気対策、中期的には財政再建」と言っておられますし、「日本経済、全治三年」とも言っておられます。そうであるならば「これからの三年間は、ひたすら病を治すことに集中する。その間は、貯めていたへそくりも使うし、借金は少し増えるかもしれない。しかし、三年後病気が治ったら、ばりばり働いて稼ぐ。財政健全化はその時の話」と、めりはりをつけてお話になった方が国民にも分かりやすいですし、一体感を感じるのではないでしょうか。総理、どのようにお考えになりますか。お尋ね致します。
「骨太の方針二〇〇六」では、歳出・歳入一体改革による財政健全化を標榜しながら税の自然増収と歳出削減を柱としただけで、税制、抜本改革については具体的に述べていません。
この度の中期プログラムで、初めて、「社会保障給付や少子化対策に要する費用の見通しを踏まえつつ、経済状況を好転させることを前提に、消費税を含む税制抜本改革を二千十一年度より実施できるよう、必要な法制上の措置をあらかじめ講じ、二千十年代半ばまでに持続可能な財政構造を確立する」と明記されました。
ここまで言われましたので、抜本的税制改革の中で消費税をどうなさるおつもりか伺います。
総理、野に下ることは恥ずかしいことではありません。恥ずべきは政権にあらんとして、いたずらに迎合することです。総理、毅然としてお進み下さい。ご一緒に参ります。
(社会保障費二千二百億円削減)
関連して社会保障費の二千二百億円削減について、お尋ねを致します。昨年の質問で「もはや乾いたタオルを絞っても水は出ない」と申しました。しかし、政府は来年度予算でも乾いたタオルを絞ろうとしました。挙句、やっと、二百三十億円は滴り落ちましたが、あとは出ませんでした。
「出来ませんでした」と素直に言えばいいのですが、つじつま合わせのために、訳の分からないことを言っていますので質問を致します。
その話は日本の年金が厚生年金しかなかった頃に遡ります。そのときは給付の二割を国が持つという約束になっておりました。
ところが、年金会計は積立金などを持っていて余裕があるということで、国は支払いを延ばして、借金にしてきました。
この借金が溜まりに溜まって、平成元年時点で何千億円かになっていました。ここで、政府は奇妙なことをしたのです。
一兆五千億円持ってきて「借金を今返すのではない、これは今後の利息の分も入れてあるからそのまま置いておいて、国にまた貸して欲しい。当然利息は払う。」と言ったのです。
その利息で、健康保険組合などに毎年約二百億円ずつを補助してきました。
ここで、本年度の二千二百億円削減についても理解しづらいことがあったことを指摘します。
今年度の二千二百億円削減のうちの一千億円を、財政が厳しいという理由で、二百億円の補助をしてきたその健保組合から出させることにしてあったのです。
二百億円出して、一千億円取り上げるというのは理解できません。よしよしとなでた後で、ぶん殴るのは禁じ手です。
来年度のつじつま合わせの話に戻します。今お話ししました一兆五千億円をこの際、清算することにしています。
清算すれば、一千三百七十億円出てきて、それに二百三十億円を足して一千六百億円、道路特定財源からの六百億円で、ちょうど二千二百億円になると説明しています。
ここまで、申し上げたことを、ご理解頂けた方は少ないだろうと思います。
分からないということを分かって頂くために申しました。無理なつじつま合わせはしない方がいいと思います。
総理、もう一度申し上げます。乾いたタオルを絞ってももう水は出ません。いさぎよく社会保障費の二千二百億円のシーリングはなし、と言われませんか。お尋ねを致します。
(はじめに―自殺対策)
一年前に、私は二日続けてこの壇上に立たせていただきました。
最初の日は今日と同じ代表質問でありました。次の日は山本孝史先生の哀悼演説でありました。先生が「尾辻に頼んでほしい」といっておられたとお聞きを致しましたので、お引き受けしたのでありますが、大変お見苦しいところをお見せしてしまい、申し訳なく存じております。
先生の一年忌の質問でもありますので、型破りではありますけれども、山本先生が大変心配をしておられたにも関わらず、今日、状況が更に悪化している問題について、まず質問をさせて頂きます。
山本先生を中心にして、私たちは自殺対策基本法を制定致しました。今日本では、年間三万人の方が自殺でなくなっておられます。
総理が、施政方針演説で述べられた通りであります。三万人といいますと東京マラソンの全出場者の数であります。この十年間で三十万人。毎日九十人もの方が、自ら命を絶たざるを得ない状況に追い込まれています。
自殺する人の数が急に増えたのが、平成十年の三月だったということを、総理に是非知っておいて頂きたいのです。つまり北海道拓殖銀行や山一證券が破綻した年の年度末・決算期に、月の自殺者の数が一・五倍に急増し、年間では八千人以上も増えたのです。
今日の状況は、平成十年より、もっと深刻であります。このことを大変心配致しております。「自殺実態白書」によりますと、自殺は平均して四つの原因が重なって起きており、そのきっかけとして一番多いのは経済的な理由です。
まず、私たちは人の命を救わなければいけません。自殺者統計の緊急公表など、万全の対策をお願い致します。
総理、ぜひ一度、自殺の多い東尋坊や秋田などで活動しているボランティアの方々の生の声をお聞き下さい。「お聞き頂けますか」というのが、最初の質問であります。お聞きになれば総理もじっとしてはおられないと存じます。
(規制改革会議)
次に、最高の自殺対策であり、今日の緊急課題である雇用問題についてお尋ねを致します。私たち参議院は、「一緒に頑張りましょう」という思いを込めて、「雇用と住居など国民生活の安定を確保する緊急決議」を行いました。この機会に、全会一致となるべく努力をされた皆さんに敬意を表します。
今、早急に解決すべきは、職を失った派遣社員の支援でありますが、雇用については、後で、お尋ねすることとして、まず、こういう派遣制度が作られてきた経緯・背景を検証してみます。
政府は、規制改革を目指して、平成六年十二月に行政改革委員会を発足させております。
それ以来、会議は名称を変えつつ継続され、数度にわたって、派遣対象業務の原則自由化など、段階的に労働者派遣法を変えてきました。私はこの間の会議の在り方に強い疑念を持っております。
発足当時から、委員として、会議に参画し、数度の取り纏めの任にあたったのは、企業の一経営者であります。
経営者の視点で規制改革が進められ、その結果、派遣の大量打ち切りとなり、多くの人を失業に追い込んだのであります。
私たちの決議が、政府にだけでなく、企業にも注文をつけている所以であります。これほどの厳しい事態を招いたことについて、規制改革会議は、少なくとも結果の責任をとらなければなりません。
更に、規制改革会議には、言っておかねばならないことがあります。それは会議が自らの主張をするのは自由ですが、その主張が己の利権につながっているという疑惑を持たれてはいけないということです。「小泉改革を利権にした」と言われてはいけません。
規制改革会議でそのことを主張した人の関係会社が、真っ先に株式会社の病院を作ったと言われています。
規制改革会議に問いたい。医療を自らのビジネスチャンスにしていませんか。
理容・美容や保育にも手を伸ばそうとしていませんか。介護の世界を(株式会社の不当な)利益追求の場として貪り、自家用ジェット機を買った会長がいたことを、忘れていませんか。
バス・タクシーの事故が増えたことに対する反省はないのですか。
今、話題になっております「かんぽの宿」についても同じ疑惑が持たれています。
鳩山総務大臣は「李下に冠を正さず」と言っておられます。ここまで申しましたことに対して、総務大臣のご所見をお聞かせ下さい。
関連して厚生労働大臣にお尋ね致します。
規制改革会議が主導して市販の薬の市場を、なし崩しに開放してきました。これがインターネット販売に及ぼうとしています。簡単に買える利点がないわけではありませんが、十分な知識のない未成年が催眠鎮静剤を大量購入し、自殺を図るなど、多くの問題が生じております。
処方の重要性が考慮されず、副作用の強い薬が個数制限なしに販売された結果であります。今後どのように対応なさるおつもりかお尋ねを致します。
経済財政諮問会議については、昨年の質問でも国会決議など無視すればいいのだと言い放ったその傲慢さに触れました。経済財政諮問会議は、新自由主義、市場原理主義を唱えて参りました。
平たく言えば日本をアメリカのような国にすればいいのだと言ってきたのであります。それが間違いであったことは、今回の世界の不況が証明をしました。
その責任は重く、私は、経済財政諮問会議と規制改革会議を廃止すべきと考えますが、総理はどのような総括をしておられるのかお尋ねを致します。
また、このように審議会を隠れ蓑にするやり方を改めて政治と政府が前面に出て責任を明確にすべきと考えますが、総理のお考えをお聞かせ下さい。
(雇用問題)
次に、雇用問題について伺います。
国内失業者数は急増しております。本日発表された厚労省の調査では、昨年十月から今年三月までの失職予定の非正規労働者は十二万五千人に及ぶ見込みであり、十一月の調査から初めて十万人を超えました。
厳しい経営環境はあるにせよ、今まで企業を支えて来た労働者を簡単に切り捨てる事は、企業の社会的責任の放棄であります。
企業には、雇用維持・確保に全力で努めるよう要請致します。特にワークシェアリングの導入を前向きに検討して頂きたい。
一方、政府は、企業に対し、雇用維持のための十分な支援を行うとともに、離職者の円滑な再就職、職業訓練の実施など必要な支援を行うべきであります。
住居の確保など生活の安定に不可欠な支援措置も講じるべきであります。
先日、経団連と連合から「雇用安定・創出に向けた労使共同宣言」がなされました。まさに労使一体の叫びであります。百年に一度の不況というなら、百年に一度の雇用対策をとるべきであります。
私は、今こそ「清水の舞台から飛び降りる」覚悟が必要と考えます。総理も施政方針演説で「異例な対応が必要です」と述べられました。
また、「日雇い派遣を原則禁止にするなど労働者派遣制度を見直す」とも言われました。
更なる雇用対策をどのようにおとりになるおつもりか、お伺い致します。
(財政)
今、「清水の舞台から飛び降りる」覚悟でと申しました。当然、「財政はどうする」という議論になります。財政について伺います。
政府は、「経済財政の中長期方針と十年展望」を閣議決定致しました。その中で「財政健全化に向けて二千十一年度までにプライマリーバランスを黒字化させるというのは困難になった。しかし、目標はそのままにする」としました。これは分かりにくいです。
はっきりと、「二千十一年の目標達成は無理になったので新たに何年を目標にして黒字化を目指す」と言うべきです。
そもそも総理は、「当面は景気対策、中期的には財政再建」と言っておられますし、「日本経済、全治三年」とも言っておられます。そうであるならば「これからの三年間は、ひたすら病を治すことに集中する。その間は、貯めていたへそくりも使うし、借金は少し増えるかもしれない。しかし、三年後病気が治ったら、ばりばり働いて稼ぐ。財政健全化はその時の話」と、めりはりをつけてお話になった方が国民にも分かりやすいですし、一体感を感じるのではないでしょうか。総理、どのようにお考えになりますか。お尋ね致します。
「骨太の方針二〇〇六」では、歳出・歳入一体改革による財政健全化を標榜しながら税の自然増収と歳出削減を柱としただけで、税制、抜本改革については具体的に述べていません。
この度の中期プログラムで、初めて、「社会保障給付や少子化対策に要する費用の見通しを踏まえつつ、経済状況を好転させることを前提に、消費税を含む税制抜本改革を二千十一年度より実施できるよう、必要な法制上の措置をあらかじめ講じ、二千十年代半ばまでに持続可能な財政構造を確立する」と明記されました。
ここまで言われましたので、抜本的税制改革の中で消費税をどうなさるおつもりか伺います。
総理、野に下ることは恥ずかしいことではありません。恥ずべきは政権にあらんとして、いたずらに迎合することです。総理、毅然としてお進み下さい。ご一緒に参ります。
(社会保障費二千二百億円削減)
関連して社会保障費の二千二百億円削減について、お尋ねを致します。昨年の質問で「もはや乾いたタオルを絞っても水は出ない」と申しました。しかし、政府は来年度予算でも乾いたタオルを絞ろうとしました。挙句、やっと、二百三十億円は滴り落ちましたが、あとは出ませんでした。
「出来ませんでした」と素直に言えばいいのですが、つじつま合わせのために、訳の分からないことを言っていますので質問を致します。
その話は日本の年金が厚生年金しかなかった頃に遡ります。そのときは給付の二割を国が持つという約束になっておりました。
ところが、年金会計は積立金などを持っていて余裕があるということで、国は支払いを延ばして、借金にしてきました。
この借金が溜まりに溜まって、平成元年時点で何千億円かになっていました。ここで、政府は奇妙なことをしたのです。
一兆五千億円持ってきて「借金を今返すのではない、これは今後の利息の分も入れてあるからそのまま置いておいて、国にまた貸して欲しい。当然利息は払う。」と言ったのです。
その利息で、健康保険組合などに毎年約二百億円ずつを補助してきました。
ここで、本年度の二千二百億円削減についても理解しづらいことがあったことを指摘します。
今年度の二千二百億円削減のうちの一千億円を、財政が厳しいという理由で、二百億円の補助をしてきたその健保組合から出させることにしてあったのです。
二百億円出して、一千億円取り上げるというのは理解できません。よしよしとなでた後で、ぶん殴るのは禁じ手です。
来年度のつじつま合わせの話に戻します。今お話ししました一兆五千億円をこの際、清算することにしています。
清算すれば、一千三百七十億円出てきて、それに二百三十億円を足して一千六百億円、道路特定財源からの六百億円で、ちょうど二千二百億円になると説明しています。
ここまで、申し上げたことを、ご理解頂けた方は少ないだろうと思います。
分からないということを分かって頂くために申しました。無理なつじつま合わせはしない方がいいと思います。
総理、もう一度申し上げます。乾いたタオルを絞ってももう水は出ません。いさぎよく社会保障費の二千二百億円のシーリングはなし、と言われませんか。お尋ねを致します。
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1. 大人のカタリバスペシャル [ 修士への道 ] 2009年02月01日 21:35
NPOカタリバ http://katariba.net/ ここが母体となって企画したイベント。 大人のカタリバスペシャルに参加しました。 http://www.katariba.net/otokata/special/ http://goen.in/otokata/cat4/post_1.html 途中からで、あまりちゃんとしたメモをとってい...
この記事へのコメント
1. Posted by やすひろ 2009年02月01日 10:32
いつも楽しく拝見させていただおり、ありがとうございます。
尾辻議員代表質問の、規制改革会議についての特に後半の部分ですが、尾辻議員の族議員としての本領が発揮されており、非常に残念に思いました。
尾辻議員代表質問の、規制改革会議についての特に後半の部分ですが、尾辻議員の族議員としての本領が発揮されており、非常に残念に思いました。