2009年01月07日

政務調査会長 保利耕輔氏の衆議院での代表質問

コイ(写真のコイは伊勢神宮のものです。3日撮影)
昨日、衆議院での自民党政務調査会長・保利耕輔氏の代表質問全文を掲載します。とても内容のある良い演説でした。

(はじめに)
 いよいよ昨日から通常国会が始まりました。この際、私は自由民主党を代表して日本の政治が直面する諸課題に対する麻生内閣総理大臣のご所見を伺い、また中川財務大臣及び関係大臣に対して質問を行います。


(経済状況について)

 まず始めに、今般提出された平成二十年度第二次補正予算に関連し、我が国の経済情勢等に関して総理のご所見をお伺い致します。
昨年を表す漢字一文字は変化の『変』でありましたが、日本の経済状況もまた、二つの大きな波に見舞われ、大きく変化した一年でございました。
“いざなぎ”景気を上回る、二〇〇二年二月からの六十九ヵ月もの息の長い景気回復を続けてきた状況から一変し、原油や輸入穀物価格の高騰、それに続き九月十五日の米国リーマンブラザーズの破たん以降、『百年に一度』と言われるような世界的な経済危機の影響で、我が国も景気後退局面に突入し、実体経済へも既に深刻な影響が出ております。
 「疾風に勁草(ケイソウ)を知る」という中国・後漢時代の言葉がございますが、このような困難な時代にこそ、そこを切り拓いていくという堅固な意志が日本を率いていくリーダーには必要不可欠ではないのかと思います。
 麻生総理は年末の記者会見で『世界で最初にこの不況から脱出することを目指す』と述べられ、おとといの年頭記者会見では「安心して暮らせる日本、活力ある日本を創る」とおっしゃられました。その御決意について、改めて国民の皆様の前でお述べ頂きたいと存じます。


(国民生活について)

 麻生総理は昨年九月二十四日の就任直後から、現下の厳しい経済状況に対応するべく、間髪入れず、矢継ぎ早に対策を講じてこられました。
 総理は、八月から十二月にかけて取りまとめた「安心実現のための緊急総合対策」「生活対策」、「生活防衛のための緊急対策」と、現時点で考えられる限りの施策を総動員し、事業規模で総額七十五兆円もの総合的な経済対策を講じ、三段ロケット方式で、切れ目なく景気を支えようとしておられます。国際的に比較しても、特に、米国や欧州等、金融・経済へ大打撃を被った国々と比べましても遜色ないものとなっていると思います。
 しかしながら、当然のことではございますが、これらの対策は財源の裏打ちである補正予算と本予算が成立しなければ、執行に移すことはできません。
 平成二十年度第一次補正予算につきましては、野党の御協力により、提出からわずか二週間足らずで、スピード成立させることができました。今般提出された二次補正及び今月中に提出予定である、一般会計総額、過去最大の八十八兆円超の二十一年度本予算、これらについても、迅速な審議によって早期に成立させ、国民生活と日本経済を守らなければなりません。まさに、総理が名付けられたように「生活防衛のための大胆な予算」なのでございます。
 特に、定額給付金の年度内実施は、ボーナスカットや賃金の減少等、景気悪化による家計の収入減が現に起こりつつある状況において、まさしく「生活支援」として必要不可欠であります。かつ、給付金が消費に回れば「景気回復」にも資するものと思います。この点、総理より定額給付金の意義と必要性について国民の皆様に再度御説明頂きたいと存じます。
 雇用の問題につきましても対応は焦眉の急でございます。景気の急激な悪化により、全労働者人口の三割以上を占めるまでになった非正規社員へは、真っ先にシワ寄せが及び、派遣労働者の契約打ち切りが始まっております。そうした厳しい雇用情勢、突然の解雇によって、この年末、収入が途絶え、住むところにも窮し、不安を募らせた方々が多数ありました。
 また、前途に夢膨らませた大学生の内定取り消しが相次ぐ等、胸が痛む事案の続出は社会問題となりました。
 そうした雇用不安を一刻も早く払拭するためにも、私は、雇用創出のための産業政策、公共政策をはじめ国の各般の施策を総動員する必要があります。
 総理には、是非とも不退転の決意で、先頭に立って国民生活と直結する雇用問題に取り組んで頂きたいと思いますが、舛添厚生労働大臣より、雇用維持対策や再就職支援といった政府の取り組みについて、お答え頂きたいと存じます。


(金融市場・資金繰り対策について)

 次に、中小・小規模企業をはじめとした資金繰り対策と金融システムの安定化についてお尋ね致します。
 政府は、与党からの要望を受け、全国の信用保証協会の相談窓口を年末三十日までの間、土曜、日曜、祝日を含め営業するよう指導して下さったこと、まず感謝申し上げます。年末は中小・小規模企業にとって非常に大事な時期であり、資金面での円滑化に向け、十分な態勢を整えて頂けたことは画期的、かつ大変意義深いことだったと存じます。十月三十一日から十二月三十日までの緊急保証実績は十七万件を超え、保証額も三兆九千億円強となりました。また、セーフティーネット貸付は四万九千五百件、五千六百四十八億円と報告を受けております。
 中小・小規模企業数は全企業数の九十九%以上を占める等、日本経済の縁の下を支えるという大変重要な役割を担ってこられましたし、これからもそれは不変であると私は考えております。
 そのような中小・小規模企業にとりましては、血液とも言うべき資金の不足・不安はまさに死活問題であり、政府・与党と致しましては万全を期さなければなりません。平成二十年度第一次補正予算の成立によって、緊急信用保証枠として六兆円、セーフティーネット貸付枠で三兆円の計九兆円を準備することができましたが、年末の貸し出しを含め、昨年十月の貸し出し開始から現在までの資金繰り対策の状況については先程述べた通りでございますが、二十年度末、つまり今年三月末へ向けての対応方針を二階経済産業大臣にお伺い致します。
 勿論、中小・小規模企業だけでなく、中堅・大企業も資金繰りで苦慮していることは十分承知しておりますし、それらの中堅・大企業向け対策について、経営者としての経験を持たれる総理御自身から、お答え頂ければ幸甚でございます。
 さて、借り手の環境整備だけでなく、貸し出し環境の整備、すなわち今回の世界的な金融・経済危機の影響により軋みが生じた金融システムの安定化というのも、当然行わなければなりません。借り手及び貸し手の対策は車の両輪であります。
 異常な経済的危機の中、国民の皆様の生活を守るためにも、貸し手に対する必要な対応を大胆に実行する必要があると考えます。金融市場の安定化について中川財務・金融担当大臣の御所見をお聞かせ頂ければと存じます。


(地方について)

 続いて、地方についてお尋ね致します。
 総理は御自身の著著『とてつもない日本』の中で、「地方の底力の集合体が日本」と述べておられるように、三段ロケットでの景気回復のメニューにおいても、地方を活性化、元気にさせるような、底力の発揮に資する施策が数多く講じられております。
 地方公共団体への支援としては、昨年度の地域再生対策費から二千億円上積みした「地域活性化交付金」や道路特定財源の今年度からの一般財源化に際して道路にも使える一兆円程度の「地域活力基盤創造交付金」の創設、地方における雇用創出等のための地方交付税の増額等が挙げられます。
 また、大都市圏を除く高速道路料金の大幅な引き下げや食料自給率向上に向けた水田での麦・大豆等の作付け拡大、耕作放棄地の解消支援等を盛り込んでおります。
 このように、真水でも兆単位の相当な額が振り向けられることになり、総理がいかに地方の実情に深い御理解を示しておられるかを窺い知ることができます。
 私の選挙区も地方でございますので、近年の疲弊した地方の現況というのは目を覆いたくなるばかりです。しかしながら、憂いてばかりでは何も始まりません。
 総理の、その持ち前の明るさによって日本全体を明るくして頂き、地方に力強さを取り戻せるよう、私共も全力で取り組んで参る所存でありますが、ただ「地域活性化」という言葉だけが独り歩きし、地方で暮らす人々にとって実感が伴わないものになってしまうことは避けなければなりません。
 それらを踏まえ、改めて総理の地方に懸ける意気込みのほどをお伺いしたいと存じます。


(財政への責任)

 政府・与党は消費税を含む税制抜本改革の道筋、すなわち、持続可能な社会保障構築とその安定財源確保に向けた「中期プログラム」を、昨年末策定いたしました。
 あらゆる将来不安、特に社会保障に対する不安を払しょくすることを国民の皆様にお約束申し上げた総理のそのご決断に、賛意を表したいと存じます。
 我が国は、先進国中最悪の債務残高対GDP比で百五十%以上を抱える中で、持続可能な社会保障制度を構築するためには安定財源を確保する必要があり、国民の皆様にもご負担をお願いしなければなりません。
 出来得ることなら、どの政党も避けて通りたい道であるのは言うまでもありません。
 しかしながら、そうした将来の国民生活の安心や国家ビジョンを真剣に考え、明確に提示できるのはどの政党でありましょうか。
 総理並びに中川財務・金融担当大臣に、国家の財政を預かる責任について、そのご決意をお伺いしたいと存じます。


(おわりに)

 私共は立党以来、幾多の困難も果敢に乗り越えて参りましたが、今回もあらゆる政策手段を総動員させて、まずは現下の厳しい経済状況を克服しなければなりません。
 総理、私達は国民の皆様に対して「誠実・清潔」でなければならず、将来への「責任」をも負っている立場にあります。そして、それらを実行することではじめて「信頼」を勝ち得ることができると考えます。
 私の選挙区内には、一七〇八年に創建され、日本で三番目に古い『孔子廟』がございます。その孔子の言葉に「知者は惑わず、仁者は憂えず、勇者は懼(オソ)れず」と、ございますが、年頭に当たりまして、この言葉を総理にお贈りしたいと存じます。
 同時に、私達自由民主党も公明党との協力のもと、全力で総理をお支えし、一丸となって現下の難関の克服と経済の再興に取り組んで参ることを国民の皆様にお誓い申し上げ、私の質問を終わります。     


shige_tamura at 09:02 │Comments(0)TrackBack(0)clip!自由民主党 

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