2008年12月24日
拝啓総理大臣殿 これが日本を元気にする処方箋です(フォーラム21・明日の健やかな日本を考える会著、東洋経済新報社)
この本は、36人のサラリーマンが日本のことを真剣に考えて作ったものだ。
であるだけに参考になる点が多かった。そこで、これはと思った箇所を掲載します。
人づくりのよりどころ
「学ぶ力×人間力=総合力」
このよりどころが道徳。「道徳心がない拝金主義の日本人が世界を席巻しているというのは」私たちの欲する姿ではありません。
吉田松陰の言葉「今日よりぞ 幼心を打ち捨てて 人と成りにし 道を踏めかし」
道徳教育においては「形から入ること」も重要。
本を読む重要性
(略)親が率先して「毎日30分は読書をする」「毎日一回は子どもと対話をする」などと決めるのも良いでしょう。
江戸中期の経世家であり海防学者であった林子平は『父兄訓』(1786年)のなかで、「子どもの出来不出来は親の教育によることが大半であり、生まれではない。不徳の子どもになったことを後で後悔しても始まらない。子どもは親の真似をするものだから親自らが文武に励み修行することが大事だ」と説いています。
フィンランドの親たちは世界で一番多くの本を読みます。韓国の親たちは良い親になるための教育を受けます。『父兄訓』から200年以上たった今、これを新鮮に感じるのは私たちだけでしょうか。
さらなる飛躍に向けて、私たちが今やるべきこと
縮む日本を飛躍のバネとして確かな未来をつくるためには、まず私たち自身の意識と行動を変えなければなりません。
第一に「自主自立の精神」を徹底することです。自ら考え、自ら学ぶ、そして自らが行動を起こさなければ社会は変わりません。誰かが助けてくれる、誰かがやってくれるという他人任せの体質が今の日本に蔓延しています。これではいつまでたっても何も変わりません。俺がやらなきゃ誰がやる!強い自主自立の精神と参加意識をもってものごとに取り組まなければなりません。
第二に「多様性」を認知することです。社会の主体は国家から企業、そして個人に移ってきました。これからの新たな価値観と豊かさの時代においては、個人を尊重すること、したがって多様な価値観やものさしを尊重することがますます重要になります。同質の人間同士でこぢんまりまとまるムラ意識を捨てて、自分にとって異質な人間とも積極的に交流しなければなりません。
第三に「ライフスタイル」を転換することです。物質的な豊かさだけにとらわれず精神的・文化的な豊かさを求めるのであれば、個人は社会や組織の奴隷になってはいけません。とくに私たちは企業に使われてはいけないのです。一人ひとりの自己実現を目指してライフスタイルを見直す必要があります。このところロハス、スローライフ、ワーク・ライフ・バランスなどがブームになっていますが、自分自身の生活パターンを見直して、今すぐにでもこれを思い切って変えることが大切です。
第四に「健全な競争」と「正当な評価」がなされる社会を目指すことです。悪平等の社会には活力を期待できません。頑張って結果を出せばほめられる、尊敬される、そして金銭的にも報われる社会でないと活力は生まれないのです。たとえば志の高い首長や官僚はもっと報われてもよいでしょう。ポストと責任に見合った待遇をしないと、優秀な人材がどんどん他へ流れてしまいます。
第五に「和」の精神を忘れないことです。グローバル化の世界で行きすぎた資本主義や競争環境にさらされ、企業も個人も疲弊しています。「和を以て尊し」とする日本人古来の精神に則った社会形成、組織運営を進めることが求められています。競争・格差社会における弱者救済や敗者復活のルール作り、短期的なリターンをねらう株主に振り回されることなく幅広いステークホルダーを大切にした会社経営などがそうです。
人口減少の時代を迎えて日本はいったん縮みます。しかしこれは新たな飛躍への好機なのです。新たな価値観と豊かさを求めて私たち一人ひとりが意識を変え、そして行動することで日本は「まほろば」に一歩一歩近づいていくのです。
であるだけに参考になる点が多かった。そこで、これはと思った箇所を掲載します。
人づくりのよりどころ
「学ぶ力×人間力=総合力」
このよりどころが道徳。「道徳心がない拝金主義の日本人が世界を席巻しているというのは」私たちの欲する姿ではありません。
吉田松陰の言葉「今日よりぞ 幼心を打ち捨てて 人と成りにし 道を踏めかし」
道徳教育においては「形から入ること」も重要。
本を読む重要性
(略)親が率先して「毎日30分は読書をする」「毎日一回は子どもと対話をする」などと決めるのも良いでしょう。
江戸中期の経世家であり海防学者であった林子平は『父兄訓』(1786年)のなかで、「子どもの出来不出来は親の教育によることが大半であり、生まれではない。不徳の子どもになったことを後で後悔しても始まらない。子どもは親の真似をするものだから親自らが文武に励み修行することが大事だ」と説いています。
フィンランドの親たちは世界で一番多くの本を読みます。韓国の親たちは良い親になるための教育を受けます。『父兄訓』から200年以上たった今、これを新鮮に感じるのは私たちだけでしょうか。
さらなる飛躍に向けて、私たちが今やるべきこと
縮む日本を飛躍のバネとして確かな未来をつくるためには、まず私たち自身の意識と行動を変えなければなりません。
第一に「自主自立の精神」を徹底することです。自ら考え、自ら学ぶ、そして自らが行動を起こさなければ社会は変わりません。誰かが助けてくれる、誰かがやってくれるという他人任せの体質が今の日本に蔓延しています。これではいつまでたっても何も変わりません。俺がやらなきゃ誰がやる!強い自主自立の精神と参加意識をもってものごとに取り組まなければなりません。
第二に「多様性」を認知することです。社会の主体は国家から企業、そして個人に移ってきました。これからの新たな価値観と豊かさの時代においては、個人を尊重すること、したがって多様な価値観やものさしを尊重することがますます重要になります。同質の人間同士でこぢんまりまとまるムラ意識を捨てて、自分にとって異質な人間とも積極的に交流しなければなりません。
第三に「ライフスタイル」を転換することです。物質的な豊かさだけにとらわれず精神的・文化的な豊かさを求めるのであれば、個人は社会や組織の奴隷になってはいけません。とくに私たちは企業に使われてはいけないのです。一人ひとりの自己実現を目指してライフスタイルを見直す必要があります。このところロハス、スローライフ、ワーク・ライフ・バランスなどがブームになっていますが、自分自身の生活パターンを見直して、今すぐにでもこれを思い切って変えることが大切です。
第四に「健全な競争」と「正当な評価」がなされる社会を目指すことです。悪平等の社会には活力を期待できません。頑張って結果を出せばほめられる、尊敬される、そして金銭的にも報われる社会でないと活力は生まれないのです。たとえば志の高い首長や官僚はもっと報われてもよいでしょう。ポストと責任に見合った待遇をしないと、優秀な人材がどんどん他へ流れてしまいます。
第五に「和」の精神を忘れないことです。グローバル化の世界で行きすぎた資本主義や競争環境にさらされ、企業も個人も疲弊しています。「和を以て尊し」とする日本人古来の精神に則った社会形成、組織運営を進めることが求められています。競争・格差社会における弱者救済や敗者復活のルール作り、短期的なリターンをねらう株主に振り回されることなく幅広いステークホルダーを大切にした会社経営などがそうです。
人口減少の時代を迎えて日本はいったん縮みます。しかしこれは新たな飛躍への好機なのです。新たな価値観と豊かさを求めて私たち一人ひとりが意識を変え、そして行動することで日本は「まほろば」に一歩一歩近づいていくのです。