2008年11月26日

民主党のマニフェストはウィッシュリスト(おねだり集)

小沢 かつて竹中金融・経済財政担当大臣は、「(民主党のマニフェストについて)経済の専門家として、がくぜんとした。ウィッシュリスト(おねだり集)だ。高速道路をタダにすると書いてある。タダより高いものはない。誰が払うのか。えせマニフェストにごまかされないように」と述べている。 

 自民党が、「治安強化に関する緊急提言」をまとめ、警察官の増員を来年度から「今後3カ年計画で1万人の増員を図る」こととしたら、「民主党は3万人を増員する」といってきた。

 また、財源についても、塩川財務大臣が「子どものおもちゃねだり」と批判した。

 民主党のマニフェストは、ウィッシュリスト(おねだり集)で、公共投資を無料化するという形を変えたバラマキをやっている。
 何でも、自民党よりは上を行けば、また安くすれば、できればタダがいい、といったたぐいの「バナナの叩き売り」のような民主党のマニフェストである。

 それが最近はもっと酷くなっている。
 民主党は、「国民の生活が第一。」ということで、

・全ての年金制度を一元化し、年金の基礎(最低保障)部分は全額税で賄う。
・後期高齢者医療制度は廃止し、医療制度を一元化する。
・子ども1人当たり月額2万6000円の「子ども手当」を支給する。
・公立高校の授業料を無料化し、大学などの奨学金制度を拡充する。
・農業者への「戸別所得補償制度」を創設して、農業経営を安定させる。
・漁業についても、同様の所得補償制度の創設を検討する。
・全国の高速道路を無料化し、流通コストを引き下げる。
・ガソリン、軽油の暫定税率を廃止し、増税分を国民に還元する。               
ーといったことがマニフェストの重点として並ぶことだろう。

 マニフェストとは、これで良いのだろうか。

 PHP総合研究所 代表取締役社長 江口克彦氏は、自民党関連の「シンクタンク2005・日本」の金曜研究会 第9回会合(平成20年2月25日(金))で行った講演の中で、以下のことを述べている。

 私は、マニフェスト政治には反対です。北川(正恭)さんとは友達ですから、個人的には北川さんの批判はしたくありませんが、マニフェスト政治をやり始めた結果、ものすごく短期的な視点になってしまいました。
 マニフェストは、いくつ項目を挙げても、自分がやれること、住民からやったと認められる範囲でしかありません。
 マニフェスト政治には、「遠望の眼差し」がないのです。「遠望の眼差し」を持って日本の姿を見て、日本をこういう国に変えていかなければならないという国のあるべき姿を描いて、そのためには今こうしなければならないということを考えるのではなく、今できることだけを並べるというマニフェスト政治になってしまっています。

 企業でも、マニフェスト経営は失敗してしまっています。
 マニフェスト経営とは、成果主義のことです。成果主義を日本の企業が取り入れ、多くの日本企業は低迷しています。
 日本の電機メーカーも韓国のサムスンに負け、今では、世界的なブランドはサムスンです。それは、日本企業の中に「経営における成果主義」が入ってきたからです。社長が、自分の任期中に成果を上げることばかり考え、そのための事業計画を立てるようになってしまったということです。

 昔の松下幸之助、本田宗一郎、土光敏夫という経営者達は、20年後あるいは30年後の我が社の姿を描けました。昔は十指に余るぐらい優れた経営者の名前を挙げることができましたが、いま優れた経営者の名前を挙げることができますか?挙げられないのではないですか?

 言わば、哲学、ビジョン無き経営者ばかりになってしまったことで、結局は日本企業が世界の中で、競争に勝てなくなってきているという状態になってしまったのです。
 それは、政治、日本の国も同じです。みんな、短期的、近視眼的な見方しかしなくなってきたのです。今の政治家何人かに、「10年後の日本のあるべき姿はどうですか」と聞きましたが、答えられませんでした。本当に10年後の日本をどうするかという考え方がないのです。それよりも、今は年金問題、ガソリン税問題の方が重要だということばかりしか言いません。こんな状態で、日本の国が良くなっていくはずはありません。

 近視眼的なものの見方しか出来ず、しかも中央集権という悪しき土壌の上で、政治が行われていると、これは大変な問題です。

shige_tamura at 15:00│Comments(0)TrackBack(0)clip!民主党 

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