2008年11月06日

民主 参院選の公約は嘘だらけ(農業者戸別所得補償法案の問題点)

小沢自民党の機関紙「自由民主」(2345号)に、「民主 参院選の公約は嘘だらけ」「宮腰光寛農林部会長に聞く」が掲載されています。以下、掲載します。

 昨年の参院選公約として民主党が法案化した農業者戸別所得補償法案は、今年五月の衆院本会議で否決、廃案になりました。
 法案審議を通じて同法案が訴える戸別所得補償制度は参院選公約とは全く違うものであることも明らかになりました。
 しかし、民主党はこの制度を今後も同党の政策の柱として押し出していく方針です。先の臨時国会で衆院農林水産委員長を務めた党農林部会長の宮腰光寛衆院議員に、同制度と民主党の農業政策の問題点について聞きました。

――農業者戸別所得補償法案の問題点について。

宮腰光寛党農林部会長)
 はじめに、民主党側では同法案が「与党に否決された」という事実を訴えたいがために、成立ではなく、むしろ否決を望んでいたということを申し上げておきたいと思います。
 先の参院選の公約で民主党は生産調整の廃止を訴えていましたが、法案化したものを見てみると、生産調整という用語は出てこないものの、受給調整という基本的に生産調整と何ら変わりのないものが支援の条件になっていました。つまり、生産調整廃止は嘘だったということです。
 対象についても、民主党のチラシを見た農家の方々は、米だけではなく野菜、畜産などすべての農産物が対象になると思ったに違いありません。しかし法案では、野菜と畜産については、生産費よりも販売価格の方が高いので所得補償の対象にはならないということになっていました。
 この誤りについても民主党は何も説明していません。
 また、戸別所得補償制度実現のための支払い総額「当面一兆円」の積算根拠についても曖昧で、どんなものに対してどのようなルールで支援をしていくのかも民主党は示していません。

 この「戸別所得補償制度」という名前にも偽りがあります。「所得」というのは、生産費にプラスアルファがあって初めて所得といえます。しかし、この制度では生産費までしか補償されません。農家の皆さんは「所得まで補償してくれるもの」と誤って受け止めてしまったと思います。

――民主党は米一俵の価格が五千円まで下がったら一万円を補償するとしていますが。

宮腰)そもそも現実的に考えて米一俵が五千円まで下がるという状況は、貿易自由化を前提としているからです。
 農産物の輸出規制をはじめる国が増えてきている現状下で、自由化を前提とした民主党の基本的政策は破たんしていると言わざるを得ません。
 小沢代表が自由化論者であることは知られているところですが、民主党幹部の皆さんはこの貿易自由化の部分については触れないように国会答弁をされていました。民主党農政の問題点の根っこの部分はここであるとわれわれは見ています。


――民主党農政とわが党農政の最大の違いは何ですか。

宮腰)民主党農政の最大の罪悪は、何も工夫しなくても民主党を信じれば報われるといった誤ったイメージを農家の皆さんに植え付けたということです。
 仮に民主党の農業者戸別所得補償法案が成立したとしたら、農業の現場で一生懸命になってコスト削減などに努力されている方々の努力は意味のないものになってしまいます。
 また、諸外国から見れば、民主党の戸別所得補償制度は、わが国が貿易自由化に踏み込む意思表示と受け止めることでしょう。
 これに対し、わが党は、水田のフル活用に重点を置き、生産調整を守って頂いている農家に対しての支援策を拡充します。国内自給率の低い大豆や小麦の生産拡大、また、エサ用米や米粉用米の生産・需要の拡大、肥料高騰対策など、新たに生産調整の実施に踏み出して頂く方を対象にした対策も行います。
 食料自給率の向上と耕作放棄地の解消を進め、努力している農家が報われる農業を目指すのが、わが党農政の基本的な考え方です。

shige_tamura at 10:25│Comments(2)TrackBack(0)clip!民主党 

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この記事へのコメント

1. Posted by TK43   2008年11月06日 13:07
3 民主党の公約が嘘だらけなことに異論はありませんが、与党側にもひと言注文をつけたいと思います。輸入小麦価格が上がっているのですから、国産小麦との価格差は小さくなっているはず。国内農家向け助成金を名目にした、輸入小麦価格への上乗せ分は当然減らすべきでしょう。ここで輸入原価の倍以上に値が跳ね上がっているのですから。
2. Posted by 民主党は日本を衰退させる   2009年05月20日 08:54
戸別所得補償制度は税金による農家への集票対策であると同時に、税金を使った農業衰退策である。
零細農家の農業収入は年収で100万円以下である。
一方、大規模農家の年収は1千万円を超えている。
農業の構造改革により、農業の大規模化を計り、ほとんどの農家が年収1千万円を超えるようにすることが真の農業政策である。
農業の生産額約5兆円に対比してみれば、農業就業人口は約300万人はあまりにも多すぎる。この人口に目をつけた民主党は、農家に税金をばら撒くと宣言して、参議院選挙で大勝した。高齢化で農業従事者が減ることは望ましいことである。大切なのは、耕作放棄地とならないようにする制度を作り、農業の大規模化を進めることである。民主党には考え及ばないことである。

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