2008年08月18日

日本の人的国際貢献の遅れ

 通常国会が六月二十日に閉会した。
 同日、自民党と公明党は、与党政策責任者会議で、与党・国際平和協力の一般法に関するプロジェクトチーム(座長・山崎拓衆議院議員)から「中間報告」があった。

 報告の内容は、「五月二三日に第1回会合を開催し、四項目の論点について九回に亘り議論を行った。今後、引き続き協議する」となった。
 論点の第一は、国連決議のある場合・ない場合で、PKO活動などで国連決議のある国際平和協力活動とない場合についての参加をどうするか。
 第二は、活動内容で、停戦監視任務、後方支援任務の実施。人道復興支援任務の内容の拡充、新たに警護任務を付与するか否かについては、武器使用権限との関係も併せて検討。文民の任務を拡充など。
 第三は、憲法第9条との関係では、従来の憲法解釈を前提に、PKO参加5原則を維持。
PKO以外の活動は、いわゆる「非戦闘地域」に限定など。
 第四は、国会の関与で、自衛隊の部隊の派遣については、原則として個別案件ごとに国会の事前承認を要する。
 といった内容で、与党は国際平和協力の一般法に関する法制の要綱をまとめることができなかった。

 これは、昨年の参議院選挙の結果、民主党が参議院で多数となり、いわゆる「ねじれ国会」となったことが大きく影響している。インド洋での海上自衛隊の補給活動について民主党が反対し、テロ特措法の期限切れとなって、海上自衛隊の活動は一時中断され、その後、補給支援特措法の成立で活動が再開された。

 自民党は、国際的なテロリズムの防止・根絶に貢献しているインド洋での海上自衛隊の補給支援活動と航空自衛隊のイラクでの輸送業務等の活動根拠となっている法律の期限がそれぞれ来年1月と7月に来るために、これらへの対応策の一環として、国際平和協力に関する一般法を策定する必要があると考えていた。

 公明党は、何が何でも一般法というのではなく、PKO法の改正や特措法での対応でも良いのではないか、という考え方でもあった。

 さらに、一般法はメニュー法のために、具体的な自衛隊派遣の場合には国会の事前承認を伴うこととなる。そのため、法律を無理に成立させても、国会承認の際に民主党から反対されると自衛隊派遣は不可能となり、一般法の成立には民主党の合意が必要となる。

 ところが、通常国会の終盤に民主党が参議院で首相問責決議案を提出したことで、与野党の対決姿勢が激化した。民主党は、一刻も早い解散総選挙を望み、日本の政治は政策から政局重視の状況となった。

 政府は、アフガニスタンに調査団を送り、陸上での輸送などの協力支援活動が可能か否かを調査してきた。民主党は、昨年十二月にアフガニスタン復興支援等に関する特措法を参議院に提出した。今後、政府がアフガニスタン復興支援を考えて民主党と協調ができるのか、あるいは補給支援特措法の単純延長となるかは、政局との関係で流動的である。

 いずれにしても、現在の日本の政治は、政局に重点が移り、極めて内向きの状態にある。
 政治によって、日本の人的国際貢献は大幅に遅れを取っている。
 現在、国連PKO等への派遣は、日本が二つのミッション・五一名派遣で第八三位、中国は、一二ミッション・一九八一名派遣で第一二位、同じ敗戦国のドイツも八ミッション・六二二名派遣で第二九位という状況にある。

 「世界の中の日本」として、日本は人的な国際貢献を積極的に推進する必要があり、そのための各政党間の協調が望まれる。

shige_tamura at 17:17│Comments(0)TrackBack(0)clip!安保・防衛政策 

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