2008年07月29日

『ジャーナリズム崩壊』(上杉隆著 幻冬舎新書)

上杉 『官邸崩壊』の著書で有名なジャーナリストの上杉隆氏が『ジャーナリズム崩壊』(上杉隆著 幻冬舎新書)を出版した。
 
 僕は、昨年、上杉氏の番組 ASAHI NEWSTAR(朝日ニューススター)の「ニュースの深層」に生出演しました。テーマは、「シリーズ・テロ特措法」というものでした。そこで、僕の本を紹介してもらいました。

 今回の本は、まさに上杉氏ならではのものだ。
 
 日本の記者クラブの問題点などジャーナリストのタブーに切り込んだ内容だ。
 読んでいて非常に参考になる。

 その中で、ブログと匿名報道について紹介する。以下について、僕も賛成!!

 
 自己防衛としてブログを開設

 日本のメディアには、堂々と面と向かってモノを言う記者よりも、陰で想像を逞しくして噂を広める輩のなんと多いことか。
 ジャーナリストならば誰もが受けるこの種の中傷について、どのように対応していくべきか、かつて櫻井よしこ氏から一種の指針を教わった。
 「私はですね、匿名での中傷や、姿を見せない卑怯な陰口などは、一切相手にしないことにしています。自ら名前を名乗って、正々堂々と議論をしてくるような方だけには、きちんと応対することにしています。だってそれはそうでしょう」
 米紙の先輩である櫻井氏のアドバイスに倣ったわけではないが、それ以降、筆者も同様の対応をすることにしている。
 また、ちょうどそうした的外れな批判が激しくなってきた頃、防衛手段として「ブログ」というものを開設することを思いつき、すぐに実践した。決してオフィシャルなものではないが、ブログは自己防衛のためだけではなく、その後の筆者の多くの仕事に寄与している。
 ブログは、何気なく書き留めたものでも証拠として残り、前出のようなことを言ってくる大手マスコミの人間が一気に減ったものだ。
 海外のジャーナリストの多くが個人のブログを開設している。
 ブログなど、インターネットの発達によって、既存のメディアは変化を余議なくされている。これまでは手段を持たなかった一般の人々が、自分のメディアを所持することで、マスコミへの対抗手段として使い始めたのだ。これは不健全な記者やジャーナリストにとっては脅威となった。

 
 朝日新聞「素粒子」の<死に神>報道

 署名記事で言えば、たとえばブロガーたちを見ていても、そうした差は歴然としている。海外のブロガーたちの多くは本名も、顔写真も、経歴もだしていることが多い。ところが、日本は圧倒的に匿名のブログが幅を利かせている。
 やはり、氏名などを出して正体を明かしたほうが、人間、その匿名性に隠れるよりもより慎重であるべきだという意識が働くものではないかと思う。誰しもが少なからず持っている自己顕示欲によって、自らをよく見せたいという気持ちは必ず発生するのだ。それがまた自制心に繋がり、相手に対する言葉遣いにも影響がでるのではないか。
 「素粒子」のように相手を批判しておいて、自らは誰だか名乗らないのはまったくもって卑怯な話だ。書かれた者、この場合は鳩山法相だが、彼からすれば一体、誰に反論していいのかすらわからない。果たして、そんなことが許されている日本の新聞に、匿名のブログや「2ちゃんねる」などのインターネット匿名掲示板を批判する権利があるのだろうか。


shige_tamura at 14:09│Comments(1)TrackBack(0)clip!本の紹介 

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この記事へのコメント

1. Posted by デルタフォース   2008年07月30日 15:05
5 記事の提供者や著作権者の事を英語でクレジットと呼びますが、クレジットのもう一つの意味は「信用」でもありますね。
署名入りの記事は確かに顔が見える分だけ信頼できます、産経新聞の野口記者などはその好例でしょう。

実名か否かについては、全くの匿名でなければ(例えば、分かる人には分かるならば)ペンネームやハンドルネーム等でもありかなと個人的には思っています。『ジャーナリズム崩壊』読みたくなって来ました。後ほど買って帰ります。

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