2008年06月30日

マイケル・グリーン氏の講演録(その4)

グリーン 去る6月11日、「日米同盟について」というテーマで、マイケル・グリーン氏・米国CSIS(戦略国際問題研究所)日本部長、元NSC上級補佐官が、自民党本部で講演した。
 以下、講義録(その4)を記載する。


 2点目は貿易ですね。

 民主党の予備選の際、ヒラリーさんが労働組合の票を取るためにかなり保護主義的な公約を出して、例えば米韓自由貿易協定に反対、米国コロンビア自由貿易協定に反対、彼女の旦那さんが交渉した北米自由貿易協定NAFTAに反対、何でも反対。
 彼女は政治家として票を取るために言っていただけではなくて、彼女をよく知っている人によると、心の中で本当に自由貿易は信頼していなかったそうですね。

 オバマさんはどちらかというと国際派で自由貿易主義者だと思うのですが、ただヒラリーさんと戦うために、自由貿易、日米韓自由貿易協定に反対したとか、コロンビア自由貿易協定反対、NAFTAも反対と言っています。
 一回公約で言うと、政権を取った後、どこまで自由貿易協定を交渉できるかというのは疑問です。

 実は日本もそうかもしれないんですが、今は自由貿易はそれほど票にはならないんですよ。
 逆にポピュリズムを利用して票を取るならば、保護主義の方が使いやすいのです。 ただ、マケインさんは政治家としてものをはっきり言う、原則を守る、理念を守る、本当のことを言うという「小泉型」です。
 比較は適切じゃないかもしれないけれど、小泉さんがイラクに自衛隊を派遣したことは国民の間には人気が無かったけれども、彼が自分の主張を通すべく、決断力を発揮したこと自体は人気があったそうですが、同じようなマケインさんの考え方、自由貿易はそれほど人気がないのですが、自分の信念を貫いて、ものをはっきり主張するならその姿勢が逆に票になるのではないかというのが彼の計算です。

 ですから貿易に関する政策にはかなりの差があると思います。
 マケインさんは自由貿易協定をまず完璧にやって、それから日本とのEPAとかの形での経済の統合協力などを拡大する方向で考えていると思います。

shige_tamura at 11:18│Comments(0)TrackBack(0)clip!安保・防衛政策 

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