2008年06月16日
前原誠司氏の『ボイス』誌での発言
民主党の前原誠司氏の月刊『Voice』(7月号)の論文「民主党は政権を担えるか−代表選挙とこれからの日本政治」が話題となっています。その中で、いくつかを紹介します。
「先の通常国会において、民主党は暫定税率の廃止、つまりガソリンの値下げに重きを置きすぎた。
私は当初から、道路特定財源を一般財源化できるなら、暫定税率については譲っても構わないという主張だった。日本のガソリン価格は、フランスやイギリスなどの欧米諸国と比べてけっして高いものではない。
環境問題を考えても、ガソリン税率の引き下げにこだわるのは時代に逆行している。仮に暫定税率の廃止をいうのであれば、約2.6兆円の財源を、国民が納得できるかたちで具体的に示さなければならない。
後期高齢者医療制度についても、廃止によってすべての問題が解決するわけではない。もちろん、ネーミングも悪いし、そもそも75歳以上だけで1つの保険にまとめることに大いに疑問はある。
ただ、元に戻すと、いままでの問題が再び浮かび上がってくる。
市町村単位の保険では、国民の負担にバラつきがあり、維持できない基礎自治体が顕在化していたので、都道府県単位の広域行政に変える仕組みを後期高齢者医療制度では取り入れた。この方向性は間違っていない。
問題点だけを過度にクローズアップしても、民主党が政権をとったとき、バラ色の解決策があるわけではない。批判・反対だけで政権をとっても、政権をとったときに困るだけだ。」
「あくまでも問題は政策である。
今年9月の民主党代表選挙で、われわれは高い次元で政策を徹底的に戦わせることによって「民主党が政権をとれば、こんな政策を実行してくれる」という予感を国民に与えなければならない。
たとえば、先の参議院選挙のマニフェストに掲げた農業の個別所得補償や子育て支援などの「財源」について、小沢代表の述べるような行革努力だけで、ガソリンの暫定税率廃止も含めて18兆円の資金を捻出することは厳しい、と私は思う。」
「18兆円もの額を即、フローの財源として生み出すのは無理である。
財源については私が民主党代表の時代に掲げた、年金を目的とする3%の目的税に加え、現在であれば年金プラス医療、介護、社会保障の目的税というかたちで3%から5%の消費税アップは必要である。」
「安全保障政策につては、小沢代表が唱える国連中心主義を貫けば、日本は国連が決めなければ何もできない国になってしまう。
世界のパワーバランスを考えると、今後、国連安保理の常任理事国である中国やロシアの力はさらに増していくだろう。常任理事国が1カ国でもノーといえば議論が進まないのが国連という場であり、国連至上主義を掲げることは、我が国の選択肢を狭めることになりかねない。」
「小泉・竹中改革の方向性や認識はまったく正しい。」
「日本には不断の構造改革が必要であって、民主党と自民党がともに改革に逆行して「ばらまき合戦」を行ない、短期的な人気取りに汲々とするようでは、国民に日本の将来を指し示すことはできない。」
「民主党のなかにも体制維持派がおり、関係団体との関係を引きずっている。」
「目下、民主党の最大の支持母体は労働組合である。
私はかつて民主党代表に就任したとき「労働組合とは是々非々の関係で臨む」と申し上げた。その意識は、いまもまったく変わっていない。
応援を頂ける方は大事にすべきだが、思想や政策まで左右されてはならない。
われわれが改革を行えるかどうかの大きなポイントは、官公労(中央政府や地方自治体、公社の職員組合)との関係にある。民間企業は、グローバリゼーションの中で生き馬の目を抜く企業競争、国際競争を経験している。民間企業の労働組合は、厳しい経営の実態を知っており、グローバルな改革に対しても現実的にならざるをえない。
しかし、官公労の人々にはそうした意識が低いのではないだろうか。大胆な行政改革を実行しようとすれば、抵抗は必至である。
そこで彼らのいうことを聞くか、日本の将来を考えて説得を図るかである。政治家が国民全体の側に立つか、官公労の立場に立つかにより、民主党の改革派、守旧派の明暗が分かれる。」
「民主党の政策に実現性がなく「やはりできませんでした」となるのが、最悪のシナリオである。国民は失望感とともに「自民党に任せるのがいちばんよい」と感じ、民主党は下野したまま二度と立ち上がれない。」




