2008年05月26日

教育再生のために ― 親子で『論語』を素読する気運を(その1)

論語「「論語」百章ー子供と声を出して読みたい」(岩越豊雄著、致知出版社)で有名な石塾 塾長 岩越豊雄さんが「日本論語研究会」(4月12日)で講演をされました。岩越先生は、小田原市立小学校長もされていました。

 今回から、その時の講演を掲載します。


教育再生のために ― 親子で『論語』を素読する気運を

一、 はじめに

 今ご紹介いただきました岩越です。
 この度「子供と声を出して読みたい『論語』百章」を致知出版社から上梓しました。この本を担当してくださった番園(致知出版)さんが、以前から懇意にされている田村重信先生に本を送り、そのご縁で本日この日本論語研究会でお話することとなりました。お話の機会を与えてくださったことに、まず感謝いたします。

 出版事情をよく知っている方から、全く無名な者の本が企画出版されることは宝くじに当たるぐらい稀なことだと言われました。
 『論語』を特に研究した訳でもない者が、『論語』の解説書を書くなど、おこがましい話ですが、出版に至るまでには、何か機縁というか、不思議な縁のつながりのようなものがありました。今日は、この本の出版の経緯や、その趣旨についてお話したいと思います。

 私は、三年前小学校の校長を退職し、江戸時代の「寺子屋」をモデルにした書道塾をはじめました。まず『論語』の素読から入り、書道の練習、短歌俳句の暗誦で終わる塾です。「石の上にも三年」ということで、石塾といいます。
 その子供用のテキストを作ろうと思い、子供達に話したことを基に、書き溜めていました。そもそも、私が『論語』に関心を持ち続けていたのは、子供の頃に父親から『論語』の素読を受けたからでした。

 そうこうしているうちに、世に『論語』を見直そうという機運が高まってきました。
 例えば、雑誌『サライ』に、「人生の真理すべてはここに極まれり、『論語』を今こそ」という特集号が出されたり、経営者関係の雑誌には、「経営に『論語』をどう生かしたか」というような特集が出されたりしました。この本の推薦文を書いてくださった、JR東海会長、葛西敬之様も、子供頃、父親から論語の素読を受け、それを経営に生かした方です。

 これはと思ったのは、平成十九年の元旦の日本教育新聞に掲載された、伊吹文明文部科学大臣(当時)とピーター・ミルワード上智大学名誉教授との新春対談の記事でした。
 「教育基本法の改正をはじめてする教育界の動きの中で『伝統文化の尊重』『、規範意識の確立』が焦点となっている。」、ではどうしたらよいか、というテーマでの対談です。
 最後に、ミルワードさんが「日本の人が『論語』を学ばなくなったのは残念です。」と結ばれていました。

 私も意を強くしました。
 是非、子供向けの『論語』の本を世に出したいと思い、原稿をまとめました。

 はじめ、ある出版社に原稿を持ち込みましたが、断られました。
 この一月にその出版社は倒産しました。
 その出版社で採用されていたら、この本はそのまま日の目を見なかったかと思います。
 その後、たまたま私が所属している国民文化研究会の宴席で致知出版社の番園さんと知り合う機会がありました。
 『論語』の原稿のことを話し、出版を検討してくれるようにお願いしました。
 昨年の五月頃だったと思います。
 その後、何の音沙汰もありませんでした。
 十一月になって、担当の方から、出版を検討するので社に出向くようにと連絡を受けました。

 「子供と声を出して読みたい』というサブタイトルに目を向けてくださったということでした。その後、致知出版社社長の藤尾秀昭様より、「玉稿一読その平明な文章と内容に、これなら、この国の親と子の『松明』たり得る思い、出版を決意させていただきました。
 
 この国の混迷を照らす一灯となることを念じてやみません」という、誠に身に余る、ありがたいお手紙をいただきました。確かに、全く無名の者の本を自費出版ではなく、出版社で出す訳ですから、相当の『決意』がいったかと思ひます。
 早々と十二月には本が出版されました。

 初めて自分の本が世に出るというのは本当にうれしいものです。うれしくて、うれしくて、とっかえ、ひっかえ眺めては読んでいました。
 すると、家内が横から見ていて、「お父さん、これおかしいんじゃない、『人の品格を磨くために』の真下に『岩越豊雄』とある」というのです。家内は、私に品格がないのをわかっている(笑)ので、そういったのです。
 私も、そのとき、多少恥ずかしく思い、困ったなと思いました。
 でも、ある方が、なにも「品格がある」とは言っていない。
 品格を「磨く」となっている。品格がないから「磨く」のだから、いいじゃないかと言われました。私もそれを聞いて安心しました。

 今日はみなさんとこの『論語』を素読しながら、教育関係に長年携わっていた経験を元に、日本の教育再生をどうしたらよいかということについて、その視点と具体的な方策についてお話したいと思います。

 親子で「論語」を素読することが広がれば、日本は必ず良くなるのではないかと思っています。私の教育経験から、『論語』を通して、日本の教育再生をどう図っていったらよいのかについてお話してみたいと思います。


shige_tamura at 12:42│Comments(0)TrackBack(0)clip!日本論語研究会 

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