2008年05月07日

防衛省改革について

 連休前に、知り合いの読売新聞の社説担当の論説委員から、電話があった。
 彼は、防衛担当をするなど、防衛問題に詳しい記者であり、今回の防衛省の防衛省改革を心配していた。
 連休中に社説を出すと言っていたが、それが5月6日に掲載された。
 彼の意見は参考になるので、掲載した。


防衛省改革 極力、慎重に議論を進めよ(5月6日付・読売社説)


 国防を司(つかさど)る防衛省の組織改革は、失敗が許されない。極力、慎重に議論を進める必要がある。

 自民党が防衛省改革の提言をまとめた。内局を文官(背広組)と自衛官(制服組)の混合組織とする。部隊運用を担当する内局の運用企画局を廃止し、自衛隊の統合幕僚監部に統合する。こうした内容が柱だ。

 内局の混合組織化は、背広組と制服組の意思疎通の円滑化に役立つだろう。制服組に、行政官の経験を積ませるという人材育成面の効果も期待できる。

 運用企画局の統幕監部への統合は、部隊運用業務の一元化による効率化が狙いだが、課題もある。内局に、運用企画局に代わる新たな部署が必要になることだ。

 自衛隊は、部隊運用において軍事的な合理性を最優先する。ただ、実際には、世論や国会情勢、法令解釈などを勘案することが必要だ。関係国・省庁との折衝もあり、内局の関与は不可欠である。

 自民党の提言も相当踏み込んだ内容だが、防衛省は、石破防衛相の指揮の下、より急進的な改革案を検討中だ。

 運用だけでなく、内局と陸海空3自衛隊幕僚監部の防衛力整備業務も一本化する。現在は各700〜800人の3幕僚監部を大幅に縮小する。3幕僚長は指揮系統のラインから外し、防衛相の助言役にする、といった内容という。

 防衛力整備の一元化も、効率化が狙いだが、組織はいじらずに、装備購入を検討する仕組みを変えれば十分だ、との指摘もある。

 3幕僚監部の大幅縮小について、制服組は「幕僚監部の解体だ」などと反発している。背広組にも慎重論が多い。

 省内の混乱や士気低下という大きなリスクを冒すだけのメリットが、本当にあるのだろうか。

 石破防衛相は、閣僚が3幕僚長を通さず、部隊を直接指揮する体制を作りたい意向とされる。文民統制を強化するため、防衛省・自衛隊を「閣僚が使いやすい」組織に変えたい、との理由からだ。

 しかし、軍事的知識が“豊富”な石破防衛相が使いやすい組織が、後任にも同じとは限らない。

 最も重要なのは、「使いやすい」ではなく、「有効に機能する」組織に改革することだ。

 そもそも防衛省改革の原点は、給油量取り違え、情報漏洩(ろうえい)、前次官の汚職、艦船衝突など不祥事の再発防止だった。今の改革は無関係な方向に進んでいないか、と懸念する関係者は少なくない。分かりやすい説明が必要だろう。


shige_tamura at 10:02│Comments(0)TrackBack(0)clip!安保・防衛政策 

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