2008年01月21日
福田康夫自民党総裁 党大会年頭演説


【党大会】 福田総裁年頭演説
=====================================================
私は、昨年9月に、安倍総裁を引き継いで総裁となりました福田康夫でございます。
自由民主党の総裁として、ごあいさつをさせていただきます。
本日は、第75回自由民主党大会に、皆さま方にご出席をいただきまして、大変ありがとうございます。
全国各地からおいでをいただきました、自民党の党員・党友の皆さま方、また、先ほどごあいさついただきましたご来賓はじめ、多くのご来賓の方々にも、心から御礼を申し上げる次第でございます。
そしてまた、このように盛大に党大会が開催されるということを非常に嬉しく存じておる次第でございます。
心から、党を代表いたしまして御礼を申し上げたいと思います。
ありがとうございます。
自由民主党は、お配りいたしております、本日決定をいたします運動方針の中で、立党以来の最大の危機」だと、このように書いてございます。
これは、私ども、率直に認めているところでございます。国民の政治に対する不信、自由民主党に対する不満、皆さま方も日々実感されていらっしゃるのではないかと痛感いたしておるところでございます。
国民は、年金問題をはじめといたしまして、政治や行政に対して、憤っているのであります。
その国民の願うことは、将来の不安を取り除き、安心して生活ができる社会保障と、いろいろな制度の確立であると、私は思います。
その期待するところは、政権与党の強いリーダーシップによって、国民本位の政治を確立して、活力ある経済を日本のすみずみまで普及させることにあるんだというよう思っております。
自由民主党は、国民の味方であります。国民の支持によって、国民のための政権を担ってまいりました。立党以来50年、政権を担当してきたのは、国民の期待が高く、それに応え続けてこられたからであります。
期待が高い政党だからこそ、期待値に達しなければ、それは国民の支持は大きく失われることになります。では、党再生のために、いま何をなすべきか。
それは極めて単純なことでございます。すなわち、国民の中に入り、国民の声に耳を傾け、国民の、われわれ自由民主党に対する、まだ消えぬ期待の炎を、燃えさかる支持と支援の炎に変えていくことだと思います。
世の中や、国民の意識が早いスピードで変化しつつある中で、私たちは過去の成功体験にこだわることなく、真摯に国民の声に、期待に応えていかなければなりません。
私は総理・総裁に就任して以来、「国民の立場に立つ政治」を主張してまいりました。
それはなぜか。いま申しましたとおり、国民の目線、すなわち国民の思いや、国民の声を、政治に反映させなければならないためであります。
年金をはじめ、社会保障の問題や、食品偽装など、生活の安全・安心第一。
政治や行政が、国民の、消費者の視点に立たなかったからであります。
国民の声を彼らに届け、国民の代わりにいいかげんな仕事はさせない、そういった強い指導を行うことが、自由民主党の大きな使命のひとつであります。
必要なことは、国民から見て、不幸、不要、不都合な制度は大胆に変更していくことであります。その勇気を、私たち自由民主党は持たなければなりません。
50年前、わが党の先人たちは、自由民主党の立党宣言のなかで、「政治は国民のもの」、このように高らかに謳い上げたのでございます。
いまこそ、政治も行政も、国民の立場に立って発想を大きく転換しなければなりません。
私はすべての法律や制度について、真に国民の、消費者の立場に立ったものとなるように、根本から見直してまいりたいと思います。未来の人々が、今年を顧みて、「平成20年は、消費者・生活者が主役となる社会への転換点だ」、こう振り返ってもらえるような年にしたいと思っております。
国際都市の発展、大都市の存在、これは大変大事なことであります。
しかし、地方が元気がよくなければ、日本全体も元気がなくなります。
いま、日本を覆っているのは、何とはなしの閉塞感、活気の乏しさだと思います。
私はこのような状況を、何とか変えていきたい。
そしてそのために、来年度の予算も、地方に対してばらまきでない形で配慮していきたいと、このように考えております。
そしてまた現今は、原油価格の高騰、そしてまたそれに影響されて輸入食料品の高騰、また、昨今は株価が下落するという大きな変化に見舞われております。
このような事態というのは、短期的なのか長期的なのか、そこをよく見極めたうえで対応を考えていかなければいけません。
しかし大事なことは、そのようなことが、国民生活にどのような影響を与えていくのかということも併せ考えて、そして対応していかなければなりません。
昨年末には、寒冷地における灯油の値段が暴騰している、これをどう対応していこうかということについて、与党で決定をいたしました。
そのようなきめの細かな対応というものは、これから私は、国民のことを考えた場合にはどうしても実施・対策していかなければならない問題だと思っております。
いろいろな課題がございます。そして、これからはいよいよ通常国会が始まります。
まさに、国民本位の諸政策を実践する場が始まるわけでございます。
まずは、来年度予算と、そして関連の法案の審議が待っております。
この予算審議を順調に行わないと、このような経済に対して不安のある中で、何か国民に迷惑を与えるようなことになってはいけない。
そのようなことを思うと、この国会の中で何としてでも、乗り切っていかなければ
いけない。そのことに私どもは全力を傾注してまいりたいと思っております。
いろいろな課題、ございますけれども、それに対応して、国民の皆さま方のお一人
おひとりの気持ちを考えながら、これからの施策をすすめていく。
国会審議も順調にいくような努力をしていく。
これが私に課せられた大きな使命だと思っております。
もちろん、国会は非常に難しい状況にありますから、私が申し上げたとおりにいくということにはならないかもしれない。しかし、それは民主主義であります。
国会も、世論の背景があって、国会運営ができる。そのことを考えますと、私どもは国会で苦労する、当然であります。
しかし、それを支えてくださる皆さま方の、この思いと応援がどうしても必要だと思います。
そのことを考えますと、皆さま方に今日申し上げますことは、どうか、自由民主党はこれから、思い切って国民中心の対応をしてまいりますから、応援をしていただきたい、このことをお願いを申しあげる次第でございます。いかなる困難があろうとも、党利党略でなくて、真に国民のための結論を得るという立場に立って、忌憚なく議論し、前向きに努力するという、そういうことでおのずと道を開いていきたい、このように思っております。
自由民主党は、国民のための政党であります。自由民主党に寄せる国民の期待感を、絶対に裏切ることなく、徹底的に国民の立場に立つ政治を貫徹いたします。
どうか、本日お集りの党友・党員の皆さん、自由民主党の再生はすなわち、国民政治の再生であります。立党宣言に戻って、ここは大きな転換をしたい。
そのように考えておりますので、どうぞよろしくご支援を賜りたい。
心からお願いを申しあげまして、私のごあいさつとさせていただきたいと思います。
どうも本当にありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。