2007年12月26日

小沢一郎の実像と虚像

小沢論壇「ものぐさ一郎瓩亮汰と虚像」(12月21日、静岡新聞)というタイトルで政治評論家の今井久夫氏が書いていました。
 参考に掲載します。


 討論回避、逃げの姿勢先行

 国会での党首討論が来年一月九日にセットされた。党首討論は定期的に行われることになっているが、その度に民主党の要請で延期されている。来年一月の分は前回から持ち越されること実に四回目だ。
 
 原因は小沢代表の都合が悪いためだ。どうも小沢氏は党首討論にあんまり乗り気でない。しかし、党首討論を導入した張本人のひとりは小沢代表だ。いざ、それが実現してみると小沢代表の出席率は低調を極めている。民主党以前の小党派の党首時代の割り当て時間はせいぜい五分前後だ。これでは討論にはならない。小沢代表は持ち時間を野党第一党の党首に譲って自らの権利放棄をキメこんだものだ。

 前回の福田首相との一問一答も、小沢代表としては上出来とはいいがたい。福田首相のクリンチ作戦に辟易気味だった。小沢代表は政治家としては訥弁の上に口下手だ。討論を苦手とする気持ちには同情するにやぶさかではない。

 しかし、討論回避や、説明不足は独断専行のそしりを招き、トップダウンの小沢手法のイメージを与えるばかりだ。小沢代表の本来の姿は実直でシャイだといわれる。これでは、虚像が実像より先行しているようなものだ。

(略)
 
 小沢代表には昔から悪い癖がある。都合が悪くなると土遁の術を使ってドロンすることだ。これは逃げの姿勢だ。最悪の場合は敵前逃亡と非難されかねない。野党第一党の党首には不似合いだ。

 野党の党首なら「ものぐさ一郎」の道楽で済む。しかしいまの小沢代表はかつての万年野党の社会党委員長と違う。福田首相に万一のことがあれば、次の政権に最も近いポジションに立っている人物だ。逃げ腰の首相では国民が心細い。


一挙手一投足に国民が注目

 小沢代表は毀誉褒貶さまざまだ。いいところもあれば悪い点もある。しかし一番の美徳はポストを求めないことだ。これには敵も味方も感心している。いま、政権奪取に目の色を変えているが、政権を取ったら案外首相の座を他に任せるかも知れない。これがものぐさ一郎の魅力のひとつだ。

 しかし、公私の別というものがある。正式の順序を踏み、それなりの手続きを経て首相に選ばれた以上、ものぐさ一郎の一存の我が儘は許されない。「形の上のトップより、裏の実力者を目指す」これは小沢代表の持論だ。しかし、すべての権力の頂点に立つ首相ともなれば表も裏もない。持てる力をフルに発揮して日本を動かすことができる。いや、世界を引っ張っていくことさえ不可能ではない。いまさら、「イヤ」とはいえないはずだ。

 ただし、小沢代表は心臓に爆弾を抱えている。それが不安といえば不安だ。しかし、だれに聞いても「心配ない」との答えが返ってくる。政治家の健康問題ほど不思議なものはない。

 小沢代表の行住坐臥は端倪(たんげい)すべからざるものがある。その思考過程も複雑多岐だ。その意味では不可解の固まりのような人物だ。だからこそ国民はその一挙手一投足に注目する。くれぐれも誤解されないよう自粛自戒を忘れるなかれだ。 (政治評論家)


shige_tamura at 12:49│Comments(0)TrackBack(0)clip!小沢一郎 

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