2007年12月25日

国の安全と自衛隊(依田智治著、朝雲新聞社)

依 田 智 治続「依田智治の主張」国の安全と自衛隊(依田智治著、朝雲新聞社)―――重要な国家の基本と国際的視点―――
という本が依田智治元参議院議員から送られてきた。

 依田智治元参議院議員とのお付き合いは、氏が防衛庁の事務次官のときだった。その後、参議院議員になり、自民党の国防部会長も務めた。依田氏は、元参議院議員・元防衛総括政務次官・元防衛事務次官として活躍し、また、中曽根康弘総理の秘書官も務めた。
警察官僚出身である。

 今回の本は、氏がホームページにまとめていたのを本として出版したものである。 
 その点については、はじめにで、
「今から六年前の平成十三年夏の参議院選挙で議席を失った後、安全保障・防衛・危機管理問題を中心に、ホームページに、二十六回にわたり、「依田智治の主張」を掲載し、これらの主張について、できる限り、関係資料を添えて、平成十六年七月、朝雲新聞社から、牴罎国安全保障の前進に向けて「依田智治の主張」―米国同時テロ・日本自身の戦いだ―瓩鮟佝任靴拭

今般出版する本書は、その後の三年間、同ホームページに、掲載した三十六回の主張を、続「依田智治の主張」として纏めたものである。

前回発行の「依田智治の主張」では、国会における審議や世論の推移等に平行して、「主張」をホームページ掲載順に纏めたが、今回の続「依田智治の主張」では読者の理解に資するため、八つの項目に別け、各項目のはじめに、主張の経過や今後の課題等について、犲臘イ離櫂ぅ鵐鉢瓩魴悩椶気擦督困い拭

今回の参議院選挙が終了して、私が二度目に立候補した参議院選挙から六年が経過し、私は自由民主党参議院比例代表候補者名簿(ウェーティングリスト)から、完全に消えることになったが、今後は、よりフリーな立場で、引き続き、安全保障・防衛・危機管理問題、特に国の基本たる憲法改正問題等を中心に研究を継続し、ホームページ等で、主張を続けてまいりたいと考えている。」

と書かれていた。


 今、福田康夫内閣で、防衛省改革を検討している。そのなかで、シビリアン・コントロール(文民統制)についての議論が行われている。

 本には、その点、役に立つ文章があった。以下を記述する。


「六 文民統制に関する中曽根元総理の発言について

(略)去る九月八日、小泉総理も出席して挙行された防衛庁・自衛隊五十周年記念式典における来賓代表としての中曽根康弘元総理・防衛庁長官の祝辞のなかで、シビリアンコントロールに関する発言の真意が、必ずしも正確に伝えられていないと思われるので、以下に触れておきたいと思います。

 中曽根さんは、祝辞の中で、戦後の防衛庁設置法等制定当時の体験を踏まえつつ、「文民統制というのは、文官が制服を統制することではない、国家や政治家が自衛隊を統制することだ」(要旨)と述べられた点を取り上げ、現在の参事官制度を見直し、文民統制は「政治家主導」で行うべきことを強調する論調を掲載した一部報道がありました。
 勿論、近代議会制民主主義国家では文民統制は、最終的には、国会の、政治家の主導で行うべきは当然ですが、そのためにも、防衛参事官等による、その間にあっての、国会や政治家等に対する具体的判断に資する情報の積極的提供等様々な形での精力的活動が必要であることは、論を俟ちません。

 ただ、その後、中曽根さんにお会いし、直接伺いましたが、中曽根さんも、参事官制度の重要性は認めており、ただ、文官と制服相互の、より一層の理解の増進が不可欠なので、例えば、内局幹部でも、事務次官や防衛局長など基幹になるポストを除き、制服幹部も内局の幹部に任命されてもいいのではないか、逆に、基幹ポスト以外の幕僚監部のポストにも、内局の文官が任命されることがあっても良いのではないか、そうすれば、より一層、相互の理解が深まり、真の意味での、シビリアンコントロールの実があがるのではないか(要旨)といっておられました。

 どの程度まで人事交流を深めることが妥当かつ可能かについては、意見が分かれると思いますが、私は、内幕の人事交流を深めるべきだという中曽根さんの考えには同感であり、是非、この点、具体的検討を進めていく際の参考にしていただきたいと考えています。

 七 むすび
ー民主主義国家における安全保障・防衛体制確立のために―
 国家、国民を守り、国の独立を確保していくという崇高な防衛任務を遂行していくためには、防衛庁・自衛隊の内幕一体となった不断の努力が必要であることは勿論ですが、更に、国の防衛に対する国民の理解と協力が不可欠です。
 
 従って、重ねて強調しますが、国民、ひいては、その代表たる国会や政治家の、防衛に対する真の理解を得ることが極めて重要であり、シビリアンコントロール、軍事に対する政治の優先の問題も、特に我が国の場合、この点に帰するのではないかと考えます。
 
 参事官制度の見直し等も、真に、民主主義国家における安全保障・防衛体制確立のために、是非こういう視点に立って、慎重に検討を進めて欲しいと考えています。

 そのためには、
○防衛参事官制度の維持
○内幕人事交流の一層の推進
○各級レベルの内幕連絡調整会議の制度化
○有事ないし緊急時の、内幕一体の長官補佐体制の確立
等々、十分検討して欲しいと考えています。」

というように「国の安全と自衛隊」を考える上で大いに役立つものである。

shige_tamura at 15:56│Comments(0)TrackBack(0)clip!本の紹介 

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