2007年11月21日

伊吹文明幹事長インタビュー

伊吹 文明 「衆参ねじれ」国会の運営をどうするのか、伊吹文明幹事長が自民党・機関誌のインタビューに答えています。以下、「自由民主」(11月27日号)より転載しました。


 十二月十五日まで三十五日間の会期延長が行われた第一六八回臨時国会。
 参院で民主党が第一党となり、法案審議はかつてのようにはいかない現実にわが党は直面している。
 この「衆参ねじれ」下での国会運営について、「三つの常識が非常識になった」という伊吹文明幹事長に聞いた。


――「衆参ねじれ国会」の状況について幹事長は、「三つの常識が非常識になった」と繰り返し強調しておられます。


伊吹文明幹事長 
 総理大臣の指名、予算の承認、条約の批准の三つ以外、衆参両院の権限は対等です。
 いま問題になっているインド洋上の補給支援特措法案も、国会承認人事も、参院第一党の民主党が反対すれば、日の目を見ることはできません。
 そこで私は「三つの常識は非常識」ということを申し上げています。

 自分たちの政策や法律が、紆余曲折はあっても、最終的には衆参両院で必ず通るというかつての自民党・与党の常識は非常識になった。これが一つ目。

 それから二番目は、野党がいくら反対しても自民党が法律を必ず通し、現実を処理してくれるから、自民党を批判して、一部の国民に溜飲を下げさせるのが野党の役割だという野党の常識も非常識となっている。
 民主党はいまや参院第一党として、政策実現の責任を負っているのですから、反対するだけという時代は終わったということです。

 三番目は、政府を預かっているのは自民党だから、自民党さえ批判すれば記事が書けるというマスコミの常識も非常識となったということ。これが「従来の三つの常識は今の非常識」という意味です。

 これを自民党、民主党、マスコミの三者が認識しないと、法律は一本も通りません。その被害者は国民ですから、この衆参のねじれの下でも、できるだけ国民に迷惑をかけないということに政治生命を賭けるのが自民党の姿勢です。


――福田康夫総裁(総理)は、党首会談で局面の打開を図られました。

伊吹
 今のような状況では、与野党が話し合いをしていかない限り、迷惑は国民に及びます。先般の福田総理と小沢民主党代表との党首会談は、「ねじれ国会」を解決していくひとつの方法として、国民の立場に立ち、憂国の心からお二人がなさったことだと思います。

 ねじれ国会の下でも問題を解決していくには、平成十年の金融国会のように、国家にとって大切な個別の政策テーマ、例えば補給支援特措法案に代表されるような日本の国際貢献のあり方について、与野党の枠を超えて政党間で政策協議を行うというのが第一ステージです。

 次にある程度の理解ができれば、参院第一党の民主党と自民党と公明党とで全体的な政策について協議機関をつくるというのが第二ステージ。
 そして政策が合意していけば第三ステージの連立内閣という話になるのが順序でしょう。

 この手順を踏みながら、国民のことを考えて、ぜひ民主党に話し合いに応じてもらいたいというのが、民主党に対するわが党の一貫した姿勢です。


――衆院での補給支援特措法案の審議では、民主党から対案は出てきませんでした。

伊吹
 政権担当能力を国民に示して、将来の選挙に臨まれるのであれば、民主党は古い常識のまま反対ばかりせずに、党の考え方を法律案の形でお出しになるべきです。
 その場合は当然、提案者は答弁席に座り、国会で質問を受けます。党内に「自分はその考えとは違う」と言う人がいない法律対案にしていただかないと困ります。衆院での審議では、民主党議員の中には自民党よりも踏み込んだ、ご立派な意見もありましたが、個人的な各々の見解か、民主党はこの件については、ばらばらのようですね。

 報道によれば民主党は、党内で甲論乙駁、意見が一致しないから対案を出せないようにも見えます。
 党内をまとめ切れないなら、各々の信念に基づく自由投票にしていただくのが一番ありがたいけれども、それでは政党の体をなしませんから、国民のためにも、早く党内をまとめて対案をお出しになるのが筋です。
 それをなさらずに、政府の出した案に反対と言い続けているのは、まだ昔の常識の二番目を振り回しておられるということではないでしょうか。

 参院の外交防衛委員会で、民主党案と政府与党案の二つを議論して、案をまとめて賛成し、そして衆院へ送り返してくだされば、衆院で自公と民主党が一緒になって再び可決できます。それで国民は救われるわけです。

 とにかくまず、民主党内を早くまとめていただきたい。
 私も鳩山由紀夫幹事長に幹事長会談を申し入れています。民主党内の心ある方々は、このまま国民が不幸になってもいいとは考えておられないと思います。


――幹事長が描くあるべき議会の姿とは。

伊吹
 議会というのは、基本的にお互いが話し合っていくものです。出した法案はやや無理をしてでも必ず通すという自民党の姿勢は、今や非常識になりました。
 民主党も、自分たちは政府ではないから、「財源のない法案を出すのも自由」、あるいは「反対さえしていればいい」という従来の常識は非常識になった。そのことをお互いに確認し合ったうえで、話し合いに臨む以外に方法はありません。

 ねじれ状況を招いたのは、参院選でのわが党の惨敗の結果です。
 国民は一昨年の衆院選で「自民党に勝たせすぎた」と感じたようです。
 特に先の通常国会の終盤に、多数による採決を使い過ぎたという感じが私にはありました。謙虚に話をし、合意を得ながら、二歩進んで一歩退くという姿勢で政治を運営していくことが必要でしょう。

 今は法律の成立に、与党も野党も二分の一ずつ責任を持っています。
 わが党は謙虚に話し合いを呼びかけて、そして話し合いを通じて問題解決の道を探り、堅実に日本を運営したいのが、福田総裁の心のなかです。


shige_tamura at 10:08│Comments(0)TrackBack(0)clip!自由民主党 

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