2007年08月27日

マイケル・グリーン前米国家安全保障会議上級アジア部長らの小沢代表批判

グリーン
 マイケル・グリーン前米国家安全保障会議上級アジア部長らが、民主党の小沢代表のテロ特措法への対応を批判しています。
 これは、非常に重要だと思い掲載しました。


以下、朝日新聞(8月27日)の記事「私の視点」です。


カート・キャンベル元米国防次官補代理
マイケル・グリーン前米国家安全保障会議上級アジア部長

◆テロ特措法 日本は長期的影響を考えよ

 民主党の小沢一郎代表は、テロ対策特別措置法の延長を阻止し、現政権を窮地に陥れようと決意したようだ。約20年前、官房副長官として日米同盟を守ろうと努力したことを記憶している米国人は失望している。小沢氏は、延長阻止が日米関係を損なっても、米国で民主党政権が誕生し、日本でもそうなれば忘れられてしまうと考えていると聞く。私たちはそれは誤りだと考える。(略)
 民主党関係者は、海上自衛隊の艦船をインド洋から撤退させても、傷つくのはブッシュ・安倍関係だけだと考えているようだ。両指導者とも国内で批判にさらされており、特に米国内の世論はイラク戦争で二分されている。
 しかし小沢氏が葬り去ろうとしている法律は、アフガニスタンでのテロとの戦いに日本が艦船を派遣する根拠となっているもので、イラクとは関係がない。アフガンでの戦いについては、米国内では党派を超えた幅広い支持がある。タリバーンやアルカイダに対峙(たいじ)する有志連合から日本が抜けたら、米の次期政権が日本の同盟国としての信頼性に疑問を抱くことは避けられない。それは共和党でも民主党でも変わらない。

 日本の国益に対する損害も、日米関係にとどまらない。パキスタンのムシャラフ大統領とアフガンのカルザイ大統領はともに、海自の貢献を高く評価している。インド政府も日本との戦略的関係の強化に熱心でインド洋における海自の活動を歓迎している。
 ペルシャ湾岸諸国の間では、イラクの将来が不透明であるうえ、中国が石油資源の豊富なこの地域に対するアクセスと影響力を強めようとしているなか、日本の陸海空自衛隊の派遣は高く評価されている。各国はさらに、地域安定化のため日本が軍事・外交プレゼンスを強化するよう求めている。
 日本との関係の基礎は外交と経済だ。しかし、日本が軍事的貢献もする容易があるということは、南アジア、南西アジア地域を通じて、日本が戦略的役割を果たすことにいかに真剣かを示す指標となっている。
 日本が撤退したら、有志連合の他の国々に対する影響も出る。(略)
 
 小沢氏がテロ特措法の延長阻止に成功し、民主党が近い将来政権の座についたとして、その首相はカナダや豪州の首相に何と語るのか。テロとの戦いで強く連帯していると言えるだろうか。日本は国際社会でより大きな役割を果たす準備ができていると主張できるのだろうか。また、日本の国連大使は、テロ特措法が期限切れとなり海自が撤退した後に、日本は安保理の常任理事国として責任を果たす準備ができていると説明できるのだろうか。
 北朝鮮が民主党のそうした決定をどう見るかは想像するに難くない。同盟の力は、地域だけではなく世界規模でも測られるものだからだ。日本がインド洋から撤退し、日米同盟が力を失って漂流状態に陥れば喜ぶだろう。そうなってしまったあと、拉致問題の解決に向けて北朝鮮と交渉する外交官はあわれだ。
 世界各国はそれでも、日本の決断を尊重し、日本との関係は引き続き大事にすると表明するだろう。しかし、各国はひそかに、日本が世界で果たす役割について、それぞれの考えを見直すことになる。
 
(略)湾岸戦争の後(略)イラクがクウェートに侵攻した際、日本が指導的役割を果たすことに期待が高まったが海部内閣はそれに応えることができなかった。当時、小沢氏は自民党内で誰よりも熱心に、日本の外交的立場が崩壊することを防ごうと努力した。後に「普通の国」というビジョンを掲げ、国際社会で相応の役割を果たす考えも示した。
 しかし、世界が再び日本を真剣に相手にするようになるまでには10年という長い時間がかかった。これは思い起こす意味のある経験だ。たとえ連合諸国が海自の撤退で空く穴を埋めることができて野党が政権与党と取って代わることができたとしても、国家の傷ついた評価を回復するためには何年もの時間がかかるからだ。


 英文は29日付ヘラルド朝日に掲載します。



shige_tamura at 14:12│Comments(0)TrackBack(0)clip!安保・防衛政策 

トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔   
 
 
 
ランキング一覧

人気blogランキング

人気blogランキングに参加しました。
応援よろしくお願いします。
月別アーカイブ
最新コメント