2007年03月28日
ヒゲの隊長・佐藤正久氏講演(その2)
第二五回日本論語研究会
日時 平成一九年三月一七日(土)一六時三〇分〜一八時
場所 慶應義塾大学第一校舎一階一〇二教室
講師 佐藤正久(元陸上自衛隊イラク先遣隊長「ヒゲの隊長」)
演題 「自衛隊と国際貢献」
(二)「佐藤商会」開業
今回、私たちは住民の要望を受けて仕事をしなければなりません。人道復興支援ですから。
住民の要望を受けていない仕事をやっても評価されません。しかも仕事の場所は住民のど真ん中なんです。
田舎に行けば、大勢の住民が近寄ってきます。だから住民との信頼関係がないと危ないんです。だから溶け込む気持ちが大切なんです。
私たちは今回、人道復興支援をやる。
日本政府からは三つの分野で仕事をするよう言われました。
一つは「医療支援」です。そして、汚い水をキレイにして配る「給水」。もう一つは学校、道路などの「公共施設の修理」です。
どの分野も治安さえ安定していれば、普通は民間企業がやる仕事です。
ただ今回は治安が十分ではない。かつ生活インフラが不十分なため、自衛隊のような自己完結性を持った組織じゃないといけない。
しかし、やっている仕事の中身は民間企業に近いんです。
今までいろんな国際貢献をやってきました。
カンボジアでは国連平和維持活動、その主任務は道路の補修。それはある意味、民間企業とは違う部分がある。やっていることは同じですが目的が違う。
何のために補修するのか。それは他国の軍隊が通るためなんです。平和維持活動ですから、極端なことを言えば、住民の生活に直結していなくてもいいわけです。
中国の工兵隊は穴しか埋めていません。その代わり早いです。
それに比べ日本の工兵隊は遅い。丁寧なんですが、側溝まで掘らないと落ち着かないのが自衛隊の特性なんです(笑)。
今回は平和維持活動ではなく人道復興支援です。住民の生活に直結していないと意味がないんです。
まず全体のマスタープランをつくる。一部から始めると「おいおい、何で向こうの地域からやるんだ。俺たちのところもやれよ」と言われます。そうなると、その地域が反自衛隊の温床になるんです。
復旧と復興は違います。ここは多くの方が勘違いされています。
今回のイラクもカンボジア、ゴラン高原のイメージで自衛隊の部隊を編成しました。つまり復旧をイメージしているんです。質は問わず、とにかく急いで元通りにする。これが復旧です。
復興は、さらに高める。いいものにする。これが復興なんです。だから時間がかかる。
「日本の戦後復旧」とは言いません。「日本の戦後復興」です。
だから中長期的な計画を持ってやらないといけない。
イラクの人から見れば、私たちのやっていることは民間企業と同じなんです。しかも世界第二位の経済大国です。
現地の人は勘違いしています。自衛隊とゼネコンを(笑)。
当たり前なんです。彼からは自衛隊として見ないです。とにかく「世界第二位の経済大国である日本から私たちを助けに来てくれた」と。それだけなんです。区別ができない。
私は「佐藤商会」の会長です(笑)。
「佐藤商会」という会社を初めてサマーワに出店するといった視点がないと失敗すると思ったんです。
やっている場所は住民の真ん中で、やっていることは民間企業と同じなんです。




