2007年01月30日

小沢一郎代表・民主党の自虐性(その2)

 民主党・小沢一郎代表は、昨日(29日)安倍首相への代表質問を行ったが、批判のために都合の良い数字を並べて、「日本はひどい国になった」と宣伝する。
 日本は、本当に小沢代表が主張するように悪い国になったのだろうか、あまりにも自虐的ではないか。

 小沢代表は、代表質問で格差を強調するために「サラリーマンの4人に1人は年収200万円以下、4世帯のうち1世帯は預貯金が全くないという惨状であります。生活保護を受けている人たちは、昨年まで5年間で32%も急増しました」と述べている。

 よく格差を強調するデータとして「年収200万円以下の世帯が5世帯に1世帯」が使
われる。これは、厚労省の国民生活基礎調査で、平成15年で17.5%であるが、総務省の全国消費実態調査によると、平成16年で10.4%であり、データの取り方によって異なる。
 厚生省は17.5%、総務省の同様の数値は10%にとどまっている。


 次に、「4世帯のうち1世帯は預貯金が全くない」という点だ。
 日銀の「国民生活基礎調査」と金融広報中央委員会の世論調査がある。
「国民生活基礎調査」における「貯蓄がない」世帯の割合は、2004年に9.4%であり持続的な上昇傾向は認められない。
 “貯蓄率ゼロ世帯の増加”は、その年に新たに貯蓄に回すフロー(流動性)の割合の貯蓄率は高齢化社会では当然下がる。
しかし、日本の高齢者の持家比率や平均保有資産は国際的にも高く、生涯所得で見ると、日本は世界の先進国中で最も格差が小さいとの統計もある。

※「国民生活基礎調査」における貯蓄の定義
 金融機関への貯金、貯蓄型の生命保険等への払込み保険料、株式及び債権等、その他の社内預金など広義の貯蓄。
    

次に、生活保護世帯については、100万を超えている。
 生活保護については、昭和59年度から平成7年度まで保護率は減少し、以後、今日まで上昇を続けているが、近年は、景気の回復を受けて、伸びは鈍化してきている。


・・・・・・・ 昭和59年度・・・ 平成7年度・・・平成17年度
保護率     1.22%     0.7%   1.16%
被保護人員   147万人    88万人     148万人
被保護世帯   79万世帯   60万世帯      104万世帯


 被保護世帯が増えているのは、高齢者の単身者や独身世帯が増えているからである。
 生活保護の動向は景気との関連が高く、まずは景気回復を確実なものとしていくことが重要である。生活保護制度においても、平成17年度から、福祉事務所とハローワークが連携して、自立が見込める者の就労を促すなどの取り組みを進めている。

 小沢・民主党のようにマイナスデータだけ集めて、安倍政権を批判するというやり方に批判が出ている。


 1月30日の読売新聞・社説では、[代表質問]「民主党は説得力ある対案を示せ」とのタイトルで、以下のように批判している。
 

 小沢代表が最重要課題と位置づけたのは、格差の是正だ。小泉、安倍両政権で、日本が「世界で最も格差のある国」になったからだと主張している。
 政府は再チャレンジ支援としてパート労働者の待遇改善など労働関連法案を国会に提出する。民主党は、「格差是正緊急措置法案」(仮称)を提出して政府に対抗する方針だ。格差をどういう手順、手法で是正するのか、その具体策を早急に明らかにすべきである。


shige_tamura at 16:36│Comments(0)TrackBack(0)clip!小沢一郎 

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