2006年11月29日

民主党の基本政策で「現実に対応できますか」

昨日、発表された民主党の基本政策に、読売新聞・社説が批判していましたが、安保政策については、東京新聞も記事の中で批判していました。

最初に、東京新聞(11月29日)の関連記事を掲載します。

 安保分野であいまいさ   党内融和へ表現を配慮

 民主党が発表した政権政策原案は、小沢一郎代表が九月に発表した「小沢ビジョン」をほぼ踏襲した内容だ。ただ、焦点の安全保障分野などで、ややあいまいな表現も。(略)憲法解釈で禁じられた集団的自衛権行使をめぐる議論だ。
 小沢ビジョンは「個別的であれ集団的であれ、急迫不正の侵害を受けた場合に限って(自衛権を)行使する」としていたが、今回の原案では「個別的・集団的といった概念上の議論の経緯に拘泥せず、専守防衛の原則に基づき、急迫不正の侵害を受けた場合に限って行使する」と微妙に変化。結果として、集団的自衛権行使を部分的に容認している点は同じだが、原案は、議論自体を回避しようとしている印象も否めない。
(略)
 民主党内は、集団的自衛権行使容認に前向きな保守系議員と、慎重な護憲派議員が混在している。党所属国会議員が原案を討議する段階で異論が噴出すれば、小沢氏の求心力低下が露呈してしまう。このため、当たり障りのない表現に落ち着いたとしても不思議ではない。
 別の委員は「この原案で党内はまとまるはずだ」と自信を示すが、護憲派には集団的自衛権行使容認への抵抗は強く、小沢氏の期待通り運ぶとは限らない。


次が、
読売新聞・社説(29日)
[民主党基本政策]「これで現実に対応できるか」


 民主党が基本政策の原案をまとめた。来夏の参院選公約のたたき台というが、疑問な点が少なくない。
 社会保障制度改革についてはすべての年金を一元化し、公的年金は基礎部分と所得比例部分の2階建てにする。消費税を福祉目的税とし、税率を5%に据え置いて、税収の全額を基礎部分に充てるという。
 だが、消費税の1%分は、地方に帰属する地方消費税だ。さらに国分のうち、3割が地方交付税として地方に配分される。この分をどう取り扱うのか、税財政改革の全体像を示さないと、現実的な考え方なのかどうかわからない。
 民主党はこれまで、基礎年金の財源を全額税方式とし、そのために3%の年金目的消費税を導入するとしていた。
 原案は、これを転換し、増税を否定するものだ。だが、高齢化が急速に進み、社会保障費の増加は避けられない。小沢代表自身が、現に、将来的には税率引き上げで負担を求める以外にない、とも語っている。
 方針転換の理由も明確にしなければ、有権者の反発を恐れて増税方針を撤回したと見られても仕方ない。小沢氏は共産、社民両党との選挙協力を視野に入れているが、増税反対の両党への配慮と受け止められかねない。

 安全保障では「個別的、集団的といった概念上の議論の経緯に拘泥せず、専守防衛の原則に基づき、わが国の平和と安全を直接的に脅かす急迫不正の侵害を受けた場合」に自衛権行使を容認した。
 これだけでは、集団的自衛権の行使がどういうケースなら可能なのか、よくわからない。例えば、北朝鮮から米国に向けて発射されたミサイルを、自衛隊がミサイル防衛システムで迎撃することもできないのではないか。
 日米の共同対処の根幹にかかわる問題があいまいなままでは、原案の言う「日米両国の相互信頼関係を築き、対等な真の日米同盟を確立する」ことも絵に描いた餅(もち)になる。

 原案は、国連平和活動について「主権国家の自衛権行使とは性格を異にする」とし、国連憲章42条に基づく軍事行動も含めて「積極的に参加」するとした。
 小沢氏の国連中心主義の考え方を示したものだろう。だが、国連活動に参加する部隊は、自衛隊なのか、小沢氏の持論である自衛隊とは別組織の「国連待機部隊」なのか、それも明らかではない。

 原案は党内で議論のある憲法改正や、原子力発電政策に触れていない。政権を目指す責任政党と言うなら、こうした基本政策を明示すべきではないか。


(参考)
民主党 政権政策(たたき台)
11月  政権政策委員会
(安全保障関連部分)

7.自衛権の行使は専守防衛に限定

日本国憲法の理念に基づき、日本及び世界の平和を確保するために積極的な役割を果たす。自衛権は、これまでの個別的・集団的といった概念上の議論の経緯に拘泥せず、専守防衛の原則に基づき、わが国の平和と安全を直接的に脅かす急迫不正の侵害を受けた場合に限って、憲法第9条に則り、行使する。それ以外では武力を行使しない。

8.国連平和活動への積極参加

国連は二度に亘る大戦の反省に基づき創設された人類の大いなる財産であり、これを中心に世界の平和を築いていかなければならない。
国連の平和活動は、国際社会における積極的な役割を求める憲法の理念に合致し、また主権国家の自衛権行使とは性格を異にしていることから、国連憲章第41条及び42条に拠るものも含めて、国連の要請に基づいて、わが国の主体的判断と民主的統制の下に、積極的に参加する。


shige_tamura at 10:32│Comments(0)TrackBack(0)clip!民主党 

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