2006年10月20日

党首討論(10月18日)に関する社説など

党首討論(10月18日)に関する新聞各紙社説(10月19日)と中川秀直自民党幹事長の公式Webサイトより)



・読売新聞では、社説で次のように述べている。

[党首討論]「民主党は『北』にどう向き合うのか」


 「国難」というべき事態に民主党はどう取り組むのか。それがさっぱり見えてこない。
 安倍首相と民主党の小沢代表による初の党首討論は、北朝鮮の核実験にどう対応すべきかが、焦点になった。政府は既に、様々な対応を検討している。誰しも野党第一党の党首がどう考えているかに関心を寄せただろう。
 周辺事態法について、小沢氏は、朝鮮半島有事などを想定した日米同盟に基づく対米支援のための法律であり、国連決議に基づく国際社会の制裁に適用するのは無理がある、と主張した。
 麻生外相は、北朝鮮の核搭載ミサイルの攻撃があるとすれば、標的となるのは中国や韓国ではなく、日本ではないかと言明している。日本は北朝鮮の核武装から最も脅威を受ける「当事国」だ。
 国連決議を受けて、国際社会が北朝鮮の核武装阻止に動くとしても、この局面で最も重要なのは、日本として、何ができ、具体的に何をするかではないか。
 それが、小沢氏の発言になかったのはどうしたことか。
 周辺事態法での対応は筋が通らない、というのであれば、民主党は国連決議に基づく活動にどう取り組むべきだというのか。具体的に示すべきだ。
 北朝鮮の核武装化を放置すれば、日本の平和と安全に深刻な影響を与える。「周辺事態」に至る、との認識を持つのは当然だ。首相が言うとおり、「国民の生命と財産を守る責務を果たすために、日本としてあらゆる法令を検討する」のは、当たり前ではないか。
 その場合、首相が言うように、日米同盟と国連決議に基づく国際社会の取り組みを別々に考えるのではなく、「日米同盟を国際社会の中での協力に生かしていく」のは極めて重要なことだ。
 小沢氏は、国連決議に対する政府の対応を「場当たりのやり方で、大きく国を誤ることになる」とも指摘した。
 だが、「場当たり」と言うなら、必要な立法の提言や法整備への協力を怠ってきた民主党にも責任がある。
 民主党は年内に外交・安保の基本政策をまとめるという。しかし、極めて深刻な事態に立ち至っているというのに、「年内に」というのでは、あまりにも無責任ではないか。
 民主党は国連の制裁決議を受けた談話で、「危機のリスクの認識を広く国民と共有しつつ、国会において国民の負託を受けた政党としてその責任をまっとうする」としていた。
 具体的な対処方針を示さず、「責任をまっとう」できるはずがない。


・産経新聞の社説では、「党首討論 日本守る具体策議論せよ」というタイトルで、次のように述べている(一部抜粋)。

(略)
 小沢氏は17日、菅直人代表代行らと協議し、周辺事態の認定に反対することを決めた。
 これに対し、前原誠司前民主党代表は本紙とのインタビューで「周辺事態と認定できる。(民主党は)反対のための反対もいいが、日本が動かないという選択はありえない」と、執行部を批判した。民主党は、前原氏の国益を重視する安全保障政策の提起を真摯(しんし)に受け止めるべきだ。
(略)


・朝日新聞の社説では、「党首討論 精彩を欠いた初対決」というタイトルで、次のように述べている(一部抜粋)。

(略)
 では、民主党政権ならこの事態をどうするのか。国連決議に基づく平和活動への参加は、いわゆる自衛権の範囲が問題になる行動とは違う。これが小沢氏の持論だ。
 けれど、小沢氏はこうした考え方をあまり明確にせず、あいまいな言い回しで終わった。まだ党全体の論議を踏まえた政策にはなっていないからだろう。
 自衛隊の動かし方だけでなく、経済、外交も含めてどう対応すべきなのか、民主党としての対案が問われている。今回の討論がかみ合わなかったのは、そのあたりにも原因があったのかもしれない。


・毎日新聞の社説では、「党首討論 『安倍対小沢』もっと聞きたい」というタイトルで、次のように述べている(一部抜粋)。

 (略)
 もっとも、民主党にも当面は周辺事態法で対応するほかないという意見がある。また、国連活動への日本の参加も党内が必ずしも一致しているわけではない。政府部内と同様、民主党内の意見集約も急ぐ必要がある。
 

・日経新聞の社説では、「緒戦は攻めあぐねた小沢氏」というタイトルで、次のように述べている(一部抜粋)。

(略)小沢氏は憲法改正問題と北朝鮮の核開発問題の2点に絞って質問したが、白熱した論戦を期待した人は肩すかしにあった気分だろう。小沢氏が攻めあぐねたという印象は否めない。
(略) 
 いま一つ議論がかみ合わなかったのは、小沢氏の質問が抽象的で、その意図が明確に伝わらなかったからだろう。もっと手短にして、テンポよく質問するなどの工夫が要る。45分という限られた時間のなかで、かなりの時間を憲法改正問題に費やしたのもふに落ちない。
 北朝鮮の核開発問題は、今国会の最大の論点に浮上した。論議を実りあるものにするには、寄り合い所帯ゆえに党内がばらばらと批判されてきた民主党が、早急に安全保障の基本政策をまとめる必要がある。
 小沢氏の政治経歴は、52歳の若さの首相よりもはるかに長い。しかし「安倍政権を打倒して民主党政権を作らなければならない」と自ら宣言したように、今の小沢氏は挑戦者の立場だ。野党の最大の武器は国会論戦である。次回はもっと切れ味の鋭い質問を期待したい。


・東京新聞の社説では、「安倍VS小沢 原則論で溝 続編期待」というタイトルで、次のように述べている(一部抜粋)。

(略)
 小沢氏は北朝鮮の核実験をめぐる政府の対応に「原則」を求めた。
 国連安保理の制裁決議を受け、政府や与党に周辺事態法を適用する考え方があることを「場当たり」と批判。「その場しのぎの対応がよけいに政府の対応を混乱させている」として、首相の基本認識をただした。
 周辺事態法はあくまで日本有事を想定したものであり、国際社会が一致しての安全保障活動にそぐわないとの論理立てだ。そして、国連の決議を受けて日本は憲法の枠内でどのような役割を果たすか、政府としての原則を明確にするよう迫った。
 これに首相は「国連の決議に日本は責任を持っている。決議を実効たらしめるために、あらゆる法令を検討する」とだけ答えた。与党席からヤジが飛んだように、小沢氏も「ならば、どうする」に次は答えねばなるまい。(略)


・また、中川秀直自民党幹事長の公式Webサイト(10月19日)で、次のように述べている。

 小沢代表のよって立つ考えが何なのか、理解できなかった ―党首討論より―

 安倍総理はまさに危機における宰相として、非常に安定感、安心感のある対応をされた。国民にもそういう印象を持っていただけたのではないでしょうか。挑発にものりませんでした。一方、小沢代表のおっしゃっていることが、民主党内の右派の立場と左派の立場と両方から質問されていた感じを受けました。小沢さんご自身のよって立つ考えが何なのか、私にはよく理解できませんでした。国民の皆さんにも、よくわからなかったのではないでしょうか。
 例えば、北朝鮮の核実験問題について、「国際協力への参加の問題」と割り切っておられましたが、この問題は、日本国民の皆さんが圧倒的に脅威と感じている問題であって、地球の裏側で起きていることではない。近隣同士の問題です。まさに日本国民が脅威の中にあるわけで、「国際協力への参加の問題」という割り切りは、私にはまったく違うのではないかと思われてなりません。そういう脅威に対して、現行憲法、法令の中でどういうふうに国民の生命・財産・安全を守っていけるのか、必死に答えを出していこうと安倍総理はしているわけです。そんな「国際協力への参加の問題」などというものではない。もし、「国際協力への参加の問題」であり、しかも強制力のある国際協力にも参加するべきだと言うなら、民主党としてそういう法律をしっかり出してもらいたいと思います。
 94年に確か、北朝鮮の核保有という動きに対して、小沢さんは新生党でしたが、社会党を切ってまでそれに対応しようとしたように私は記憶をしています。その小沢さんはどこにいってしまったのか。党内の何もしない左派の「ゼロ論」と、前原前代表などが言う「これは脅威の問題だから、周辺事態法で十分、6項目目でできる」という右派の「きちんとやるべき100論」の両方から質問しているように思えてなりません。安倍総理の場合は「ゼロと100の間」の中で、国民の安全を守るために何ができるか、今必死になって答えを出そうとしているわけで、そちらの方が国民の皆さんにご理解いただけるんじゃないかと思います。
 それから憲法論も、占領下のものであるから、無効であるから破棄をしろと言っているのか、あるいは戦後の日本が良かったと言っているのか。小沢代表こそ、どうもはっきりしないし、そうおっしゃるなら、早く民主党も憲法改正草案をお示しになるべきだという感じがしました。
 自身のよって立つ立場をはっきりさせていないわけですから、正直言って国民には伝わらないと思います。その政権交代の正当な理由が。それは世論調査でも表れています。
(平成18年10月18日(水)16:35〜16:42 於:党本部4階ロビー)




shige_tamura at 14:42│Comments(0)TrackBack(0)clip!小沢一郎 

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