2006年08月31日
「伊藤昌哉 政論」小枝義人著、春風社
写真の本が9月10日頃に書店に並ぶ。
著者は、「日本の連立政権」を一緒に書いた小枝先生だ。
彼は、ジャーナリスト出身の政治学者である。
講演もうまい。テレビのコメンテーターもつとめている。
その彼が、伊藤昌哉氏のことを本にした。
伊藤昌哉氏は、池田勇人首相の政務秘書官をつとめた。
今の小泉純一郎首相の飯島勲政務秘書官のような役割を果たしたのだった。
僕は、伊藤昌哉氏に会ったこともあるが、話したことはない。
僕が大学を卒業して、すぐに宏池会で仕事をした。
池田勇人首相が作った宏池会は、自民党の名門派閥で、当時は、大平正芳大蔵大臣が会長で、鈴木善幸氏がいつも宏池会事務所で「デン」としていた。
当時の宏池会は、政策も熱心に研究をしていて、金曜研究会には、下村治氏や高橋亀吉氏などのすごい経済学者が集まっていた。そこに、伊藤氏が顔を出していた。
その下請け機関に、土曜研究会があった。
そこは、大蔵省の現職官僚や銀行員、経済学者などがいた。
そこに、僕も末席のメンバーで加えてもらうようになった。
そんな関係で、金曜研究会のすごいメンバーと話す機会は僕のレベルではできなかった。
でも、土曜研究会は下村氏の下請けの関係で、僕は下村氏から直接学ぶことができた。それと、一度だけ高橋亀吉先生に質問をした。
「今、アメリカの経済政策がうまくいっています。なぜ、日本はそれができないのですか」と、すると高橋先生は、「それはね。日本は日本だからで、アメリカではないのだよ」と言われた。この言葉は、今でも鮮明に憶えている。
伊藤氏からは、「池田勇人 その生と死」という著書から多くを学んだ。
伊藤氏にならって、自主的に新聞のスクラップを始めた。
それが、総裁選挙関係で、鈴木善幸氏から「総裁選の仕組み」についての依頼があり、その関係記事を「さっと」説明することができた。
この時の、「役に立った!」という感動は、今でもおぼえている。
今晩、この本を読めると思うと「うれしくなる」
きっとためになると思う。
小枝さん、ありがとう。