2015年05月

2015年05月28日

民主党・後藤祐一委員への反論(高村正彦副総裁)

ウイル 26日、『月刊ウイル7月号』が発売されました。
僕の「安保法制Q&A35」26頁が載っています。
これを読めば、当分は完全です。
今、話題になっています。

『月刊ウイル7月号』を拝読しました。よく耳にする質問に対して、平易な言葉で簡潔に分かり易くご説明されておられると思いました。
といった意見が寄せられています。


 午前中の平和安全法制特別委員会の質疑で、民主党の後藤祐一委員が、あたかも私が、NHKの番組の中で、「北海道で凍死者が続出するような事態にならなければ、存立危機事態にならない」と言ったかのごとく発言していましたが、これは全くの事実無根であります。

 私は確かに、存立危機事態にあたる典型的な例として、そういうことを挙げたことはありますが、「そこまで至らなければならない」などと言ったことは一度もありません。

 私はこのことについて、限界線上について語ったことは、今までないだろうと思います。

 限界線上というのは、あらゆる条件を列挙することは不可能なので、事前に限界線上を示すことは、不可能、もしくは、著しく困難で、実際起きた時に新三要件に当たるか当たらないかで判断するというのが私の基本的な考え方でありまして、「そこまで至らなければならない」などと言ったことは一度もありません。

 はっきりとした間違いでありますから、後藤委員に心あるならば、訂正、謝罪をお願いしたいと思います。

 後藤委員は、一見緻密に見える質疑をしていましたが、人の言葉の引用が全く不正確、はっきり言って嘘であれば、すべてがデマゴーグだと判断されても仕方ないと思います。

2015年05月26日

平和安全法制、衆院代表質問(全文)・自民党政調会長 稲田朋美

ウイル本日、『月刊ウイル7月号』が発売です。
僕の「安保法制Q&A35」26頁が載っています。
これを読めば、当分は完全です。
読売、毎日、産経各紙に広告が載っていました。


1.はじめに

 自由民主党の稲田朋美です。自由民主党を代表して、「平和安全法制」について質問いたします。
 我が国の平和と独立、国民の生活と幸せな暮らしを守り抜くことは、政府に課せられた最も重要な使命です。我が国は、先の大戦から、70年にもわたり、日本国憲法の平和主義、法の支配、民主主義の理念の下、平和国家としての歩みを続けてきました。この間、自衛隊の創設、日米安全保障条約の改定をはじめ、現実の問題に対応すべく、必要な安全保障政策を講じてきました。特に、日米安保条約の改定は、戦後日本の平和の礎を築いたものであり、これを実現した政治家が、岸信介総理です。安倍総理は5月16日に高野山を訪問され、岸総理が晩年写経され、昭和59年の弘法大師御入定1150年にあたって奉納された般若心経1150巻を目にされたと聞いております。安倍総理は、この岸総理の1150巻もの写経にどのような思いが込められているとお考えでしょうか。冒頭にお伺いいたします。


2.法整備の必要性について

 平和安全法制の必要性についてお伺いいたします。
 我が国が講じてきた安全保障政策は、特に1989年の冷戦終結以来、世界情勢の変化にともなって大きく動いています。湾岸戦争後のペルシャ湾の機雷掃海の実施、カンボジアPKOへの参加、日米ガイドラインの改定と関連法律の整備、9.11テロを受けたインド洋での給油活動の実施、有事法制の整備、イラクにおける人道復興支援活動など枚挙にいとまがありません。
 今日、我が国を取り巻く安全保障環境は一層厳しさを増しています。それは第1に、世界、そしてアジア太平洋地域におけるパワーバランスの変化であり、第2に、我が国全土を射程に入れるノドンミサイルを200発保有するとされる北朝鮮のミサイル配備、核開発の問題であり、そして第3に、軍事費を急激に増やし、軍事活動を活発化させている中国の台頭であり、また第4に、テロの脅威の拡大や、宇宙やサイバーなど新たな領域における脅威の出現という問題であります。
 こうした安全保障環境の厳しさは、平和安全法制の大前提です。まずはこの我が国をとりまく安全保障環境の大きな変化について、具体的な説明をお願いします。

 さらにこれらの安全保障環境の変化を踏まえて、我が国としてどのように対応していく必要があるのでしょうか。現在の日本において、戦争を望む者は一人もおらず、みんなが平和なくらしを願っています。しかし、平和は、単に願うだけでは実現できません。まさに具体的な行動が必要なのです。
 最も大切なことは、抑止力、すなわち紛争を未然に防止する力をしっかりと維持、強化することです。今回の平和安全法制が実現することによって、具体的にどのような形で、我が国の抑止力が強化されるのか、また、日米安全保障体制にどのような影響を与えるのかについて、総理のご認識をお伺いいたします。

 総理は、第2次安倍政権発足以来、精力的に外交活動に取り組んでおられます。訪問地域や首脳会談を実施した人数は、歴代1位であると聞いています。総理がこうした積極的な平和外交を展開されているのは、いかなる紛争も、武力や威嚇ではなく国際法に基づいて平和的に解決するという原則を踏まえたものであると考えます。我が国の平和と安全を確保するために、必要な外交努力を今後どのように進めて行かれるのかお伺いいたします。


3.憲法との関係等について

 平和安全法制については、最大限の外交努力によって我が国と国際社会の平和と安全を確保することが肝要ですが、他方、万が一の事態に備えて、法整備を行うことも重要です。にもかかわらず、今般の平和安全法制に対して「戦争法案」であるとの根拠のないレッテル貼りがなされております。

 先ほど述べた通り、日本が戦後70年間守り続けてきた平和国家としての在り方はまったく変わりません。また、徴兵制が採用されるとか、米国の戦争に無制限に巻き込まれ世界中のどこででも戦争するようになるとか、どれもこれもまったく的外れの批判です。我が国の平和国家としての歩みは不変であり、このような無責任な批判が根拠のないものであること、そして、この法制が、国民の命と平和な暮らしを守るものであることを、総理から明確にしていただきたいと存じます。

 また、昨年7月の閣議決定については「解釈改憲」「立憲主義の逸脱」という批判がなされています。しかし、この閣議決定は、昭和47年の政府見解の「基本的な論理」のみならず、憲法の番人である最高裁判所が示す考え方、すなわち、昭和34年の砂川事件判決の「我が国が、自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛のための措置を取りうることは、国家固有の権能の行使として当然のことといわなければならない」をいささかも踏み外すものではなく、「解釈改憲」というそしりは全く当たりませんし、立憲主義に反するものではないと考えますが、総理のご認識をお伺いいたします。

 次に、先日の党首討論において、議論になった点について、改めてお伺いします。
 まず、今回の法制と海外派兵、すなわち海外における自衛隊の武力の行使についてお伺いいたします。ここでいう海外派兵にはPKOや後方支援は含まれません。自衛隊の海外派兵については、政府が長年維持してきた海外派兵の一般的禁止、すなわち、武力の行使を目的として自衛隊を他国領域に派遣することは一般的に「自衛のための必要最小限度を超えるもの」であり許されないという解釈は、集団的自衛権の一部を容認する今回の法改正でも変わりません。しかし例えばホルムズ海峡の機雷掃海のように、我が国への直接の攻撃が行われることがなくとも、我が国の存立が危機に陥るような場合において、「必要最小限度」の解釈のなかで、例外的に他国領海で機雷掃海が認められうるということですが、このような解釈でよいのか総理にお伺いいたします。

 次に、後方支援活動についてお伺いいたします。後方支援活動については、実質的に戦争への参加である、活動を行っている自衛隊員は容易に戦闘に巻き込まれうる、米国からの要請は断れないという批判がなされています。しかしながら、米国を始めとする国際社会が一致団結して我が国や国際社会の平和と安全を守ろうとしている時に、我が国においても憲法の許す範囲内で積極的に支援を行うことは、我が国の安全保障上もそして総理がおっしゃっている『人間の安全保障』の実現のためにも必要です。米国からの要請は断れないという批判については、国権の最高機関である国会として、さらには、主権国家として恥ずかしい議論です。我が国は湾岸戦争での教訓を踏まえ、四半世紀にわたり様々な経験を積み、検討を続けてきました。その成果が今回の平和安全法制です。後方支援活動の意義に加え、我が国の判断の自主性に関し、後方支援すべてに必要とされる国会承認の意義と仕組みについてのご説明をお願いいたします。

 また、法整備に伴う自衛隊員のリスクについてもお伺いいたします。野党からは、総理が自衛隊員のリスクについて率直に説明すべきとの批判があります。自衛隊の最高指揮官としての総理から、自衛隊員のリスクと自衛隊員の安全を守るための法制上の仕組みについてご説明ください。


4.各論

 さて次に、この平和安全法制の個別論点についてお伺いいたします。
 まず、集団的自衛権の限定容認について、総理はこれまで、邦人輸送中の米艦防護やホルムズ海峡での機雷掃海を具体例として挙げておられますが、集団的自衛権が限定的に行使可能な存立危機事態の典型例とはどのような事態でしょうか。石油供給が途絶えることなどが、どのような場合に存立危機事態になり得るかについて、あたかも経済的影響が生じただけで存立危機事態となるといった誤解があるように思われます。この点についてわかり易くご説明ください。

 また、重要影響事態安全確保法についてもお伺いいたします。軍事技術の進展や各国の相互依存関係が密接になっていることなどから、世界のどの地域においても、我が国の安全保障に影響を及ぼす事態が起こり得ます。従来の「周辺事態」は、事態の性質に着目した概念であって地理的概念ではないとされてきましたが、「周辺」という言葉が法文に含まれていたことや、国会答弁で中東・インド洋で生起することは現実の問題として想定されないとされていました。そこで、今回、周辺事態法を重要影響事態安全確保法に改正することにより、これらの実質的な地理的制約がどのように変わるのか、総理のご認識をお伺いいたします。

 次に国際社会の平和と安全に関する法整備についてお伺いいたします。今回の平和安全法制では、国際平和支援法の制定と国際平和協力法の改正によって、国際社会の平和と安全に資する活動の実施を大きく拡充することとなります。
 このうち、国際平和支援法については、個別の特別措置法で対応すべきであり、一般法を制定する必要があるのかという意見も聞かれます。また、法律がなければそれを理由に各国からの協力要請を断れるなどという主権国家としてあるまじき主張も聞かれますが、今回、一般法として国際平和支援法が制定されることの必要性、また、具体的な利点について、総理のご見解をお伺いいたします。

 国際平和協力法、いわゆる「PKO法」の改正についてお伺いいたします。
 自衛隊は過去20年以上にわたり、国際平和協力に従事してきました。今回の改正では、これまでの経験を踏まえつつ、国連が統括しない活動に参加できるようになりました。しかし、その中で、例えば、アフガニスタンにおける国際治安支援部隊ISAFに参加し、タリバンを殲滅・掃討するような活動も行うことになるのでしょうか。今回の改正によっても、そのような活動は実施できないと考えますが如何でしょうか。


5.おわりに

 私の政治信条は、「伝統と創造」です。伝統なき創造は空虚、創造なき伝統は枯渇です。平和安全法制において、守るべき伝統は、憲法9条の平和主義の理念、法の支配の貫徹した立憲主義の堅持、そして、専守防衛と一般的な海外派兵の禁止です。創造は憲法下において国民の生命と安全そして国家の独立をまもり人間の安全保障に貢献する今回の法整備です。
 最後に、国民の皆様に総理が本法案で目指す日本の姿と本法案の成立にかける決意をお伺いいたします。
 我が党は、この国会審議を通じて国民の皆様のご理解が深まるよう努力を尽くします。野党の皆様におかれましても、本法案の審議をより充実したものとすべく、建設的な議論をされることを心からお願いし、私の質問を終わります。

2015年05月20日

維新の党・松野新代表と平和安全法制の国会審議(高村正彦副総裁)

田村 紀伊国屋書店、新宿本店週間ベストセラー
(新書)5月4日〜5月10日
第6位になりました。
改正・日本国憲法(講談社+α新書 ) 


 維新の党の松野さんが新代表になられた。

 まずは、お祝いを申し上げたいと思います。

 遠くから見ているだけですが、松野さんの印象というのは、極めて民意に敏感な方だというふうに思っています。

 民意に敏感というのは、民主主義は国民による政治でありますから、政治家にとって極めて重要なことだと思います。

 一方で、国民のための政治ということも民主主義にとって大切なことでありますから、そういう点から言うと、単にその時の民意を反映するだけでなくて、中長期的に国民の利益になる、そういう民意を形成するための努力も政治家にとって必要だと思いますので、そのバランスを取ってやって頂きたいと思います。

 平和安全法制が国会に提出されて国会審議が始まるわけですが、国会審議が本舞台でありまして、今までの与党協議や閣議決定は、その準備行為にすぎないわけであります。

 閣議決定というのは、政府の意思を統一して、こういう法律を出すということでありますが、それは政府が決めること。そして、それを国会で審議するということが、まさに本舞台であります。

 閣議決定で決めたからと言って、自衛隊を動かせるわけでもなんでもない。閣議決定で決めたからと言って、それが国会を拘束するわけでもなんでもない。

 国会が最終的に決めるということでありますから、政府側はしっかりと国民に理解を得られるよう懇切丁寧に説明して頂きたいと思いますし、野党側も是非、刹那的に世論を反映するだけでなくて、歴史の審判に耐えうるような質疑をして頂きたいと思っております。


2015年05月19日

龍と象の「一帯一路」――中印蜜月、「紅い皇帝」のもう一つの狙い(遠藤誉氏)

田村 紀伊国屋書店、新宿本店週間ベストセラー
(新書)5月4日〜5月10日
第6位になりました。
改正・日本国憲法(講談社+α新書 ) 


 インドのモディ首相を「紅い皇帝」習近平が西安で迎えたのは、西安が新シルクロード経済圏の起点だからだ。龍と象の争いを抱える中印両国だが、「紅い皇帝」は中露と中印の蜜月により日米同盟強化に抵抗している。

◆「紅い皇帝」自ら西安まで行った深いわけ

「紅い皇帝」習近平が自ら西安に赴き、訪中したインドのモディ首相を歓待したのは、昨年9月に彼がインドを訪問したとき、モディ首相が自分の故郷であるグジャラートで習近平を歓待したお返しだと言われている。

 だが、習近平が生まれたのは北京であって、西安ではない。

 習近平が生まれるとき、父親の習仲勲(しゅう・ちゅうくん)は北京に入城したので、北京(当時の呼称は北平、ベイピン)に近づいたとして「近平」という名をつけたのである。しかし国家主席になる前から「紅い皇帝」になることをイメージしてきた習近平は、自らを「延安の人」として位置づけ、中国建国の父、毛沢東が革命の聖地とした「延安」をあたかも自分の故郷のように位置づけてきた。

 たしかに習仲勲は陝西省の生まれであり、また習近平は文化大革命時代に延安に下放されて青春を送った。

 正確に言えば、習近平が下放先として自ら延安を選んだのだが、中国では「習近平国家主席の故郷は陝西省」ということになってしまっており、延安も西安も陝西省であることから、「モディ首相の故郷・グジャラート」vs「習近平国家主席の故郷・陝西省(西安)」ということになっている。

 しかしそれは表面上の説明であって、実際の目的は「一帯一路」(陸の新シルクロード経済ベルトと21世紀の新シルクロード海路)にインドをしっかり引き込むことにあるのは、いうまでもない。

 習近平国家主席は、5月9日にロシアを訪問してプーチン大統領との間で中露蜜月を演じて見せたばかりだ(詳細は5月11日付の本コラム新たな冷戦構造か、モスクワの「赤の広場」式典――「紅い皇帝」習近平が存在感)。

 アメリカのオバマ大統領が、自国における人気取りと外交業績を残すためにロシアに対する経済制裁の大号令を出した。ロシアとの貿易関係が深いヨーロッパはしぶしぶアメリカに同調したが、「紅い皇帝」習近平は違った。

 堂々とモスクワで開催された反ファシスト戦勝70周年記念式典に国家主席として参加しただけでなく、プーチン大統領と緊密度を、これまでになく深めた。

 そこにはもちろん「一帯一路」とアジアインフラ投資銀行AIIB成功のための布石があった。

 今般またインドのモディ首相を西安まで自ら出向いて歓待したのは、ここが新シルクロード経済ベルトの起点であるだけでなく、かつてインドと中国が古代文明発祥の地として、西安を中心に交流していたからである。

 そのため、このたびのモディ首相訪中では、やたら「文化」と「伝統」という言葉が飛び交い、仏教経典の経路を辿るだけでなく、インドのヨガと中国の太極拳が共通のルーツを持つことにも深く触れ、「精神性」が強調された。

◆アメリカ発の「価値観同盟」対に対する抵抗

 それは5月14日付の本コラム日米有識者、共通の価値観を提言――中国には不似合いで触れたように、アメリカが日本との間に「共通の価値観」という精神性で「社会主義的価値観」あるいは「共産主義的価値観」で固まっている中国を「異なる存在」として包囲しようとしていると、中国が見ているからだ。

 AIIBや一帯一路に加盟しながら、日米と精神性において共通点を見出し、同一の「価値観同盟」に近づこうとする国は少なくない。オーストラリアやフィリピンなどは、安全保障の上でも(軍事的に?)日米と結びついておこうとしている。これは一種の「保険」のようなものだ。

 そこで「紅い皇帝」は歴代王朝の「文化」に目を付けた。

 仏教など信じてもないし、また社会主義以外の信仰を奨励していないのに、インドを惹きつけるために「古代文明発祥の地」という共通項に目を付けたのである。

 それが「西安」を選び、「紅い皇帝」の脚を西安まで運ばせた最大の理由だ。

 社会主義という、インドでは受け入れられない精神性を避けて、「文化」「伝統」に光を当て、中印は「同一の価値観」を持ち、古代文明発祥の地の王座を共有していると、モディ首相に印象づけようとした。

◆チャイナ・マネー100億ドルで「象(=インド)」を買う

 鉄道に関して日本の新幹線を選ぶのか、あるいは中国の高速鉄道を選ぶか決めかねていたインドは、中国の高速鉄道を選ぶ決定をしたのだろう。

 インドの鉄道事情はあまりに立ち遅れており、毎日400人ものインド人が鉄道事故に遭っているという。インドにとって鉄道は、インフラの中でも喫緊の課題だ。9大路線のうち、すでに一路線は中国の高速鉄道と決めてしまったインドは、レールの幅や他路線との共有上、すべて中国の高速鉄道を選ぶしかない。細部の技術は日本の新管制技術を使う可能性は残しているが、中国の鉄道に関する「抗日戦争」は、どうやら勝利を迎えつつあるようだ。

 このたびの中印交渉で、中国はインドに100億ドルの投資を行う事業契約を締結した。経済、貿易、インフラ建設はもとより、ITや宇宙・航空開発など、24項目のプロジェクトにわたっている。

 アメリカ・カリフォルニアにあるシリコンバレーではICチップを“Indian Chinese”のICに置き換えているくらい、IT関係は実はインド人と中国人によって占められている。リモートコントロールの武器も、IT技術に依るところが大きい。

 モディ首相と会見した習近平首相は、中印両国で約26億人(中国13.9億人、インド12.5億人)の人口を有し、全人類の36%を占めるとして「中印新時代」の出現を強調した。

 「紅い皇帝」習近平は、44億人(全人口の61%)を含んでいるとされている一帯一路を、中国を中心として、「北にロシア、南にインド」という形で中心軸を形成しようと計算している。

◆このたびの「象」は三面相?

 ただ、必ずしも計算通りにはいかないのは、モディ首相に代表される「象」の多面相だ。中国、アメリカ、日本のどの国に対しても「貴国こそは!」と、にこやかに握手している。

 しかし、文明発祥の地として西安を選んだ「紅い皇帝」は、今のところ象の三面相を一面に塗り替えたかに見える。

 龍(=中国)と象(=インド)が手を携えて「新しいアジア」を形成しようとしているのである。

 インド自身は、どうだろうか?

 本当に多面相を放棄して一面相になっているのだろうか?

 アメリカの強いニーズと期待によって安保法制を閣議決定した日本と、アジアを放棄しきれないアメリカにも、にこやかに頬笑むモディ首相は、やはり三面相を保つことによって「保険」をかけているように思われる。

 これまで龍と象は隣接する領土をめぐって長い争いを抱えてきた。

 一帯一路とAIIBは、アメリカ主導のTPPや日米同盟強化などに対抗するため、龍と象の争いには触れずに、新しいアジアへの道を歩ませようとしている。

 アクションとリアクションという「せめぎ合い」が新しい世界の秩序を形成するのか。目が離せない。


遠藤誉
東京福祉大学国際交流センター長、筑波大学名誉教授、理学博士

2015年05月15日

平和安全法制、安倍内閣総理大臣記者会見(5月14日)

田村 紀伊国屋書店、新宿本店週間ベストセラー
(新書)5月4日〜5月10日
第6位になりました。
改正・日本国憲法(講談社+α新書 ) 

【安倍総理冒頭発言】

 70年前、私たち日本人は一つの誓いを立てました。もう二度と戦争の惨禍を繰り返してはならない。この不戦の誓いを将来にわたって守り続けていく。そして、国民の命と平和な暮らしを守り抜く。この決意の下、本日、日本と世界の平和と安全を確かなものとするための平和安全法制を閣議決定いたしました。
 もはや一国のみで、どの国も自国の安全を守ることはできない時代であります。この2年、アルジェリア、シリア、そしてチュニジアで日本人がテロの犠牲となりました。北朝鮮の数百発もの弾道ミサイルは日本の大半を射程に入れています。そのミサイルに搭載できる核兵器の開発も深刻さを増しています。我が国に近づいてくる国籍不明の航空機に対する自衛隊機の緊急発進、いわゆるスクランブルの回数は、10年前と比べて実に7倍に増えています。これが現実です。そして、私たちはこの厳しい現実から目を背けることはできません。
 ですから、私は、近隣諸国との対話を通じた外交努力を重視しています。総理就任以来、地球儀を俯瞰する視点で積極的な外交を展開してまいりました。いかなる紛争も、武力や威嚇ではなく国際法に基づいて平和的に解決すべきである。この原則を私は国際社会で繰り返し主張し、多くの国々から賛同を得てきました。外交を通じて平和を守る。今後も積極的な平和外交を展開してまいります。
 同時に、万が一への備えも怠ってはなりません。そのため、我が国の安全保障の基軸である日米同盟の強化に努めてまいりました。先般のアメリカ訪問によって日米のきずなはかつてないほどに強くなっています。日本が攻撃を受ければ、米軍は日本を防衛するために力を尽くしてくれます。そして、安保条約の義務を全うするため、日本近海で適時適切に警戒監視の任務に当たっています。
 私たちのためその任務に当たる米軍が攻撃を受けても、私たちは日本自身への攻撃がなければ何もできない、何もしない。これがこれまでの日本の立場でありました。本当にこれでよいのでしょうか。
 日本近海において米軍が攻撃される、そういった状況では、私たちにも危険が及びかねない。人ごとではなく、まさに私たち自身の危機であります。私たちの命や平和な暮らしが明白な危険にさらされている。そして、その危機を排除するために他に適当な手段がない。なおかつ必要最小限の範囲を超えてはならない。この3つの要件による厳格な歯止めを法律案の中にしっかりと定めました。さらに、国会の承認が必要となることは言うまでもありません。極めて限定的に集団的自衛権を行使できることといたしました。
 それでもなお、アメリカの戦争に巻き込まれるのではないか。漠然とした不安をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。その不安をお持ちの方にここではっきりと申し上げます。そのようなことは絶対にあり得ません。新たな日米合意の中にもはっきりと書き込んでいます。日本が武力を行使するのは日本国民を守るため。これは日本とアメリカの共通認識であります。
 もし日本が危険にさらされたときには、日米同盟は完全に機能する。そのことを世界に発信することによって、抑止力は更に高まり、日本が攻撃を受ける可能性は一層なくなっていくと考えます。
 ですから、戦争法案などといった無責任なレッテル貼りは全くの誤りであります。あくまで日本人の命と平和な暮らしを守るため、そのためにあらゆる事態を想定し、切れ目のない備えを行うのが今回の法案です。
 海外派兵が一般に許されないという従来からの原則も変わりません。自衛隊がかつての湾岸戦争やイラク戦争での戦闘に参加するようなことは、今後とも決してない。そのことも明確にしておきたいと思います。
 他方、海外において、自衛隊は原油輸送の大動脈、ペルシャ湾の機雷掃海を皮切りに、これまで20年以上にわたり国際協力活動に従事してきました。今も灼熱のアフリカにあって、独立したばかりの南スーダンを応援しています。そこでは日本がかつて復興を支援したカンボジアが共にPKOに参加しています。
 病院を運営するカンボジア隊の隊長が現地の自衛隊員にこう語ってくれたそうであります。国連PKOでの日本の活躍は、母国カンボジアの人々の記憶に今も鮮明に残っている。この病院も本当は誰よりも日本人に使ってほしい。私たちは日本人のためならば24時間いつでも診療する用意がある。
 これまでの自衛隊の活動は間違いなく世界の平和に貢献しています。そして、大いに感謝されています。延べ5万人を超える隊員たちの献身的な努力に私は心から敬意を表したいと思います。
 そして、こうした素晴らしい実績と経験の上に、今回PKO協力法を改正し、新たに国際平和支援法を整備することといたしました。これにより、国際貢献の幅を一層広げてまいります。我が国の平和と安全に資する活動を行う、米軍を始めとする外国の軍隊を後方支援するための法改正も行います。しかし、いずれの活動においても武力の行使は決して行いません。そのことを明確に申し上げます。
 これらは、いずれも集団的自衛権とは関係のない活動であります。あくまでも紛争予防、人道復興支援、燃料や食料の補給など、我が国が得意とする分野で国際社会と手を携えてまいります。
 我が国の平和と安全に重要な影響を与える事態にとどまることなく、日本は積極的平和主義の旗を高く掲げ、世界の平和と安定にこれまで以上に貢献していく決意であります。
 戦後日本は、平和国家としての道を真っすぐに歩んでまいりました。世界でも高く評価されている。これまでの歩みに私たちは胸を張るべきです。しかし、それは、平和、平和とただ言葉を唱えるだけで実現したものではありません。自衛隊の創設、日米安保条約の改定、国際平和協力活動への参加、時代の変化に対応して、平和への願いを行動へと移してきた先人たちの努力の結果であると、私はそう確信しています。
 行動を起こせば批判が伴います。安保条約を改定したときにも、また、PKO協力法を制定したときにも、必ずと言っていいほど、戦争に巻き込まれるといった批判が噴出しました。
 しかし、そうした批判が全く的外れなものであったことは、これまでの歴史が証明しています。私たちは、先の大戦の深い反省とともに、70年もの間、不戦の誓いをひたすらに守ってきました。そして、これからも私たち日本人の誰一人として戦争など望んでいない。そのことに疑いの余地はありません。
 私たちは、自信を持つべきです。時代の変化から目を背け、立ち止まるのはやめましょう。子供たちに平和な日本を引き継ぐため、自信を持って前に進もうではありませんか。日本と世界の平和のために、私はその先頭に立って、国民の皆様と共に新たな時代を切り拓いていく覚悟であります。
 私からは、以上であります。


【質疑応答】
(記者)
 幹事社の朝日新聞の円満と申します。
 御質問させていただきます。
 閣議決定された安全保障関連法案ですけれども、報道各社の世論調査では、賛否が分かれて、慎重論は根強くあると思います。
 また、野党からは、集団的自衛権の行使をすることについての反対に加えて、先の訪米で総理が議会で演説された「夏までに実現する」という表明についても、反発の声が出ております。
 総理はこうした声にどうお答えしていく考えでしょうか。例えば今後の国会審議で法案の修正の選択肢はあるのでしょうか。

(安倍総理)
 先ほど申し上げましたように、国民の命と平和な暮らしを守ることは、政府の最も重要な責務であります。
 我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、国民の命と平和な暮らしを守るために、あらゆる事態を想定し、切れ目のない備えを行う平和安全法制の整備は不可欠である、そう確信しています。
 例えば、海外で紛争が発生しそこから逃れようとする日本人を、同盟国であり能力を有する米国が救助し我が国へ移送しようとしているとき、日本近海で攻撃を受けるかもしれない。このような場合でも、日本自身が攻撃を受けていなければ、救出することはできません。この船を守ることはできないわけでありまして、国民の命と平和な暮らしを守り抜く上で、十分な法制となっていないのが現状であります。
 当然、先ほど申し上げましたように、国民の命と幸せな暮らしを守る、それが最も重要な責務である以上、その責務をしっかりと果していくために、この法改正は必要である。
 もちろんそんなことが起こらなければいいわけでありますが、そうしたときに備えをしていく。これは私たちの大きな責任だろうと思います。
 こうしたことをしっかりとわかりやすく丁寧に、そのためにこそ必要な法整備であるということを、これから審議を通じて説明をしていきたいと思います。
 また、先般の米国の上下両院の合同会議の演説において、「平和安全法制の成立をこの夏までに」ということを申し上げました。
 しかし、これは平成24年の総選挙以来、私は総裁として、また我が党として、この平和安全法制を整備していくことを公約として掲げています。一貫して我々は公約として掲げてきたということであります。
 特に、先の総選挙においては、昨年7月1日の閣議決定に基づいて、平和安全法制を速やかに整備することを明確に公約として掲げ、国民の審判を受けました。
 ですから、選挙で全く公約もせず何も述べずにいきなり何かを政策として政権をとって実行するということとは全く違うということは、御理解いただけるのではないかと思います。
 3回の選挙戦で私たちはお約束をしてきて、そして昨年の7月1日の閣議決定を受けて、そして総選挙において速やかに法整備を行うと言いました。そして、12月24日総選挙の結果を受けて発足した第3次安倍内閣の組閣に当たっての記者会見において、皆様も覚えておられると思いますが、平和安全法制は通常国会において成立を図る旨、はっきりと申し上げております。国民の皆様にはっきりと申し上げたはずであります。
 さらに、本年2月の衆議院の本会議において質問をされまして、その質問に対しまして二度にわたり、この国会において、本国会において成立を図るということを申し上げているわけでございますから、当然これは今まで申し上げてきたことを、米国議会における演説で更に繰り返し述べたということでございます。
 そこで、私どもが提出をするこの法案につきましては、与党において25回にわたって協議をしたものであります。それまで長きにわたって有識者の皆様に御議論をいただいたものでございますから、私たちとしてはベストなものであるとこう考えております。しかし、国会審議はこれからでありまして、国会にかかわる事項、事がらにつきましては、政府として申し上げることは差し控えたいとこのように思いますが、政府としては、国会審議を通じて、この平和安全法制が必要だということを各議員の皆様に御理解をいただくべく、努力をしていきたいとこう思っております。

(記者)
 テレビ朝日の足立と申します。
 総理は、今もありましたけれども、今国会中の法案成立を目指しておられますが、成立後、直ちに自衛隊の参加を検討している活動は具体的に念頭にあるのでしょうか。
 例えばで例を挙げさせていただきますと、世界各地のPKOで、法改正に基づいた活動の拡大を行うことは考えておられるのか。また、アメリカが南シナ海で中国が基地の建設を一方的に進めている島、ここの周辺に艦船や偵察機の派遣を検討していますけれども、この活動を日米共同で行うようなことは考えておられるのでしょうか。
 もう一つ具体例なのですが、ISIL、イスラム国の掃討作戦がアメリカを含む有志連合によって行われていますが、これの後方支援を行うようなことは考えておられるのでしょうか。よろしくお願いします。

(安倍総理)
 先ほど説明いたしましたように、今回の法案については、例えば紛争があった国から逃れてくる日本人、その日本人を米艦が運んでいる。その艦艇が攻撃を受けても、その艦艇を日本は守ることができない。これを変えていくものでもあります。
 そして、現在の安全保障状況というのは、テロにしろそして核やミサイルにしろ、国境を容易に超えてくるわけでありまして、もはや一国のみで自国を守ることができないそういう時代であります。その中において、国際社会そして同盟国の米国と協力をしながら日本自身、そして地域の平和と安定を守るのは、当然これは日本人の命と平和な暮らしを守っていくことにつながっていくと、こう確信をしています。
 PKO活動におきましても、万が一ともに活動している他国の部隊が襲われて救助を頼まれたときに、今まではその救助の要請に応えることができなかったり、あるいは日本人を輸送しに派遣された自衛隊が、万が一その救出・輸送しようとする対象の日本人がテロリストに襲われようとしているときにも、全く救出することができない。そうしたことを変えていく法案であります。
 正にそういう意味におきまして、日本人の命や平和な暮らしを守るための法案でありまして、そうしたことが起こったときのために備えていくものであって、この法案が整備されたからどこに行くかというものではないということは、まず申し上げておきたいと思います。
 例えば、今例として挙げられましたPKOです。PKOについては、必要な活動をより効率的に行うことができるようにする。例えばPKO活動を自衛隊がしていて、近傍にNGOの方々がいて、そのNGOの方々は日本人である可能性も高いのですが、そういう方々からいわば救出を要請された場合にも、救出活動ができるということになってくるわけであります。いわば機能が、日本人の命やあるいはPKO活動として役割を果たす上において、向上していくものなのだということを御理解いただきたい。新たな活動を広げていくという、新たな拡大を行っていくということではない。よりこれは確かなもの、日本人の命を例えば守っていく上においては確かなものとなっていくものであるというふうに御理解をいただきたいと思います。
 例えば南シナ海における件におきましては、これは全く私も承知しておりませんので、コメントのしようがないわけであります。
 そしてまた、例えばISILに関しましては、我々がここで後方支援をするということはありません。これははっきり申し上げておきたいと思います。今まで行っている難民や避難民に対する食料支援や医療支援等、大変いま感謝されています。こうした非軍事的な活動を引き続き行っていくことになるのだろうと、このように思います。

(記者)
 フジテレビの西垣と申します。お疲れさまです。
 この機会なので、まだ、これから法制が始まる、国民の不安、懸念などについて説明を伺いたいと思います。
 先ほど、総理は、戦後日本が平和国家の道を歩む、そういうことに胸を張るというお話と、自衛隊の方々の活動の平和に貢献というのがありました。
 これまで、自衛隊発足後、紛争に巻き込まれて自衛隊の方が亡くなるようなことはなく、また、戦闘で実弾を使ったりすることがないことが、日本人の国内の支持であったり、国際的な支持というのも日本の平和にあったかと思います。
 今回、その平和安全法制が成立した暁に、こういった自衛隊の活動が重要事態に行くとか、あとは任務遂行型の武器使用になるとかいうことで、すごく危険だとか、リスクな方に振れるのではないかというような懸念があるかと思われるのですけれども、そういったことに対する総理の御説明をお願いいたします。

(安倍総理)
 先ほど申し上げましたように、例えばPKOについて、駆けつけ警護ができるということは、近傍で活動している地域の、例えば子供たちの健康のために、医療活動のために従事している日本のNGOの人たちがいて、その人たちに危険が迫って、自衛隊員の皆さんに救援に来てもらいたいと頼まれて、しっかりとした装備をしている自衛隊員の皆さんが救助に行けなくていいのでしょうか。そういう訓練をしている、まさに自衛隊員の皆さんは、日ごろから日本人の命、幸せな暮らしを守る、この任務のために苦しい訓練も積んでいるわけであります。まさにそういう任務をしっかりと、これからも同じように果たしていくものだということであります。
 そして、今までも自衛隊の皆さんは危険な任務を担ってきているのです。まるで自衛隊員の方々が、今まで殉職した方がおられないかのような思いを持っておられる方がいらっしゃるかもしれませんが、自衛隊発足以来、今までにも1,800名の自衛隊員の方々が、様々な任務等で殉職をされておられます。私も総理として慰霊祭に出席をし、御遺族の皆様ともお目にかかっております。こうした殉職者が全く出ない状況を何とか実現したいと思いますし、一人でも少ないほうがいいと思いますが、災害においても危険な任務が伴うのだということは、もっと理解をしていただきたいと、このように思います。
 しかし、もとより、今、申し上げましたように、自衛隊が活動する際には、隊員の安全を確保すべきことは当然のことであります。今回の法制においても、例えば後方支援を行う場合には、部隊の安全が確保できない場所で活動を行うことはなく、万が一危険が生じた場合には業務を中止し、あるいは退避すべきことなど、明確な仕組みを設けています。
 また、自衛隊員は自ら志願し、危険を顧みず、職務を完遂することを宣誓したプロフェッショナルとして誇りを持って仕事に当たっています。日々高度の専門知識を養い、そして、厳しい訓練を繰り返して行うことで、危険な任務遂行のリスクを可能な限り軽減してまいりました。それは今後も変わることがないのだということを申し上げておきたいと思います。

(記者)
 読売新聞の中島です。
 総理は、安全保障法制を整備する必要性について、常々日本を取り巻く国際情勢が厳しさを増しており、万全の備えをする必要があるということをおっしゃっているかと思います。厳しさを増す国際情勢というのは、具体的にどのような点なのでしょうか。そして、なぜ、今、万全の備えをとる必要があるとお考えなのでしょうか。
 また、本日閣議決定された法案には、将来にわたって万全の備えをとるために必要な点が全て盛り込まれたとお考えでしょうか。

(安倍総理)
 先ほど申し上げましたように、日本を取り巻く安全保障環境は一層厳しさを増しています。
 例えば北朝鮮の弾道ミサイルは、日本の大半を射程に入れております。そして、なかなか北朝鮮の行動については予測するのが難しいというのが、これが実態だろうと思います。そして、また、残念ながら何人もの日本人の方々がテロの犠牲となったわけであります。
 今や脅威は国境を簡単に越えてくるという状況の中においては、切れ目のない対応が必要になってくるわけであります。そして、その切れ目のない対応をしっかりと整えていくこと。そして、日本は米国と日米安保条約で同盟によって結ばれています。この同盟関係がしっかりとしているということは、抑止力、いわば事前に事態が起こることを防ぐことにつながっていくことは間違いがないわけであります。同盟に隙があると思えば、日米間においていわば連携が十分にできない、日米同盟は機能があまりスムーズにしないのではないか、1足す1が2になっていないのではないか、このように思われることによって、むしろこれは攻撃を受ける危険性というのは増していく。いわば地域の不安定な要素となっていく可能性もあるわけであります。そうした可能性をあらかじめしっかりと潰しておく必要があるわけでありまして、これは正に国民の命と幸せな暮らしを守るためであります。
 そのような意味におきまして、今回の法整備において、集団的自衛権の一部行使を限定的に認めていくことからグレーゾーンに至るまで、しっかりとした整備を行っていかなければならない。そのことによって、結果として、いわば全くそうした紛争に巻き込まれることも、日本が攻撃を受けることも、日本人の命が危うくなることも、リスクとしてはより減少していくというふうに考えています。

(記者)
 テレビ東京の宮といいます。
 防衛関連の費用についてお伺いします。
 今回の安全保障体制の変更により、安倍政権の中では防衛関連費は年々増加をしているのですけれども、今回の変更により、今後の防衛費の推移を総理はどのようにお考えでしょうか。また同時に、財政再建をかなえていかなければいけない中、こちらに対する対応をどのように考えておられるのかお伺いしたいと思います。

(安倍総理)
 約11年近くにわたって日本はずっと防衛費を減少してきました。その中で、安全保障環境は逆に厳しさを増しているわけであります。何のための防衛費か。それは、正に日本人の命や幸せな暮らしを守るための防衛費であり、先ほど申し上げましたように、しっかりと備えをしている国に対して攻撃をしようという国はあるいは人々は、少なくなっていくわけであります。
 そこで安倍政権においては、ずっと減らしてきた防衛費を11年ぶりに増やしました。増やしたといっても、これは消費税が上がった分のものもあります。それを除けば0.8%であります。既に防衛計画の大綱及び、これは一昨年末でありますが、中期防衛力整備計画を閣議決定をしておりますが、この中において、中期防衛力整備計画において5か年の防衛費の総額を既に明示をし、閣議決定をしているわけでございまして、いわばこの法制によって防衛費自体が増えていく、あるいは減っていくということはないということは申し上げておきたいと思います。
 これは、防衛費について詳しい方はよく御存じのことでありますが、いわば中期防衛力整備計画において5年間の総枠を決めますから、その中で防衛力をあるいは整備をしていくということになっている。これは変わりがないということであります。それはもう既に一昨年決まっているということであります。
 例えば、かつて第1次安倍政権時代に防衛庁を防衛省に昇格させました。そのときも同じ質問を受けたのです。防衛省に昇格させると防衛費が増えますねと。結果はどうだったか。その後ずっと防衛費は減少してきたということでありますから、いわばそれと同じように、関わりなくやっていかなければいけないとこう考えています。

2015年05月13日

平和安全法制について(高村正彦副総裁)

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 平和安全法制について、明日閣議決定される予定であります。

 これからは国会において論戦が行われることになると思いますが、政府側が懇切丁寧に説明することによって、国民のご理解を得るように努力して頂きたいと思います。

 野党側も自分の主張に自信があるのであれば、間違っても何か口実を付けて審議拒否などすることがないように期待しているところであります。

 それとは別に、今までは中身が確定していない中で説明すると言っても限度があったわけですが、党としても精一杯、必要性を、国民に対して説明していきたいと思います。

 どうしてもプロ同士の話になると、「歯止めはどこか」という話になりがちですが、その前の状態として「なぜ必要なのか」が重要です。

「歯止めはどこか」というのは、国民が選んだ民主的な政府であるわが国の政府が暴走することを止めようということでありますが、紛争を未然に防ぐというのは、例えば北朝鮮のような、人の国の国民を平気でさらってしまうような国、それがミサイル・核を開発している。

 民主的な国よりはるかに暴発する蓋然性が高い国が暴発しないように未然に防ぐ、そのための日米同盟の強化による抑止力ということなんだということを、分かりやすく何度も何度も説明することが必要になってくると思います。

 そうすると、分からないと言う人の大部分が理解してくれる。

 反対だと言っている人の中でも、聞く耳を持たないという一部の凝り固まった人を除いて、分かってくれるのではないかと思います。

2015年05月01日

訪中について(高村正彦副総裁)

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 5月4日から6日まで中国に行ってまいります。
 今度の訪中の目的は、外交交渉をやりにいくわけではない。
 政府同士が外交交渉をやりやすい雰囲気を作る、そういうお手伝いするために行くということであります。お互いの国民感情が悪いと、お互いにこれが国益だと思ってもやりにくいということがあるわけで、少しでも国民感情が良くなるように、お手伝いしたいと思っています。

 毎年5月に訪中しているわけですが、昨年は、やはり5月4、5、6と3日間行ってきて、全人代常務委員長で中国共産党序列第3位の張徳江氏とお会いしたわけであります。

 その時に私から申し上げた第1点は、総理からの11月のAPECで首脳会談をしたいということ、そのメッセージを率直にお伝えしました。
 2番目には、議会交流が休止しているので、議会交流を再開したいということを申し上げました。そしてそういうこと含めて、ありあらゆる分野、レベルの交流を活発にしていきたいと、この3点を申し上げたわけです。

 結果的には、昨年11月、日中首脳会談を実現し、そして先週、ジャカルタで2回目の首脳会談行なわれました。
 それから中国から吉 全人代常務副委員長が来日されて、議会間交流も再開しました。そして、首脳会談行なわれたことに伴って、あらゆる分野、レベルでの交流が盛んになりつつある。
 そういう意味では、昨年の訪中は一定の成果を挙げたと思っているところであります。

 今年もさらに、あらゆる分野、レベルでの交流が盛んになりつつあると言いましたが、最盛期ほどではないので、これからもさらに両首脳が約束している戦略的互恵関係といえる状態を作るのにふさわしい国民感情作るべく各分野、各レベルの交流を盛んにしていくよう努力していきたいと思っています。

 いま、安保法制の問題、AIIBの問題もありますが、それは、政府同士が外交交渉でやるべき話なので、指導者との会談においては、私からは話は出しませんが、先方から話があれば、先方が出した程度に応じて、私からも日本側の考え、安保法制について説明をする、AIIBについて日本側の考えを説明するということになると思います。

 指導部との会見とは別に、解放軍のシンクタンクである中国国際戦略学会の人との座談会を入れていいかと中国側から申し入れがあったので、結構ですと言っておきました。
 そこでは多分、指導者との会談と違って、当然、安保法制等についての話が出ると思いますので、こちらもしっかり対応していきたいと思います。
 向こうから懸念の表明があれば、懸念を払拭するように努力すると共に、中国の軍事力の拡大等について、当方の懸念も率直伝えてきたいと思います。

 いずれにしても、政府同士が外交しやすい、そういう国民感情の改善を図るということが第1の目的で行くということです。

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