2015年03月

2015年03月31日

新・安全保障法制に関するQ&A(その1)

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 このたび与党協議の結果、「安全保障法制整備の具体的な方向性について」(3月20日)が取りまとめられました。
 これを機会に、新たに「安全保障法制に関するQ&A」を作成しました。
 以下、掲載します。

(全般)

問1 なぜ、今、安全保障法制の整備が必要なのですか?その意義と必要性について教えてください。

(答)
 国民の命と平和な暮らしを守ることは政府の最も重要な責務です。
我が国を取り巻く安全保障環境は、大きく激変しており、もはや、どの国も、一国のみで平和を守ることはできません。
 いかなる事態にあっても、国民の命と、幸せな暮らしは断固として守り抜く。そして、国際社会の平和と安全に、これまで以上に積極的に貢献していく必要があります。
 安全保障に想定外は許されません。
このような状況下において、国民の命と平和な暮らしを守っていくためには、日米間の安全保障・防衛協力を強化するとともに、友好国との信頼及び協力関係を深め、その上で、武力攻撃に至らないグレーゾーン事態から、国の存立に関わる事態まで、あらゆる事態に切れ目のない対応を可能とする法整備を行うことが必要不可欠です。
 ただし、自衛隊が海外で戦争する、武力行使をするという海外派兵は、一般に許されない、という従来からの政府の原則は一切変わりません。
また、徴兵制は明確な憲法違反であり、いかなる場合であっても、導入する余地はありません。


問2 我が国を取り巻く安全保障環境の変化とは、具体的にどのようなものですか。

(答)
 例えば、大量破壊兵器や弾道ミサイル等の軍事技術が高度化・拡散していること、中国の急速な台頭、北朝鮮が日本の大部分をノドンミサイルの射程に入れており、核開発も行っていることなどが挙げられます。
 さらに、グローバルなパワーバランスの変化があり、国際テロの脅威や、海洋、サイバー空間へのアクセスを妨げるリスクも深刻化しています。


問3 議論が尽くされておらず、国民の理解が得られないのではないですか?

(答)
 安全保障法制の整備に反対する人たちは、いつも、議論が足りない、議論が尽くされていない、慎重審議が必要と言います。
 そもそもこの問題は、第1次安倍政権時の8年前(平成19年5月)、総理の下に有識者による「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会(安保法制懇)」を開催し、具体的検討を始めました。
 第2次安倍内閣では、平成25年2月、再度「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会(安保法制懇)」を立ち上げ、平成26年5月15日に報告書の提出を受けました。
 総理が検討の方向性を示して以降、国会の予算委員会などでは議員から質問があり、政府は真摯に考え方を説明してきました。
 自民党では衆議院選挙や参議院選挙の公約や総合政策集において、集団的自衛権の行使を可能とすべきことや、関連する法整備を主張してきました。
 その後、自民党では「安全保障法制整備推進本部」を設置し、党幹部や有識者が講演を行ったほか、与党協議会開催後には、その内容についても議論してきました(「推進本部」14回、「与党協議会」11回開催)。また、この問題は、国会の予算委員会や外交防衛委員会でも集中審議を行ってきました。
 昨年(平成26年)7月1日の閣議決定「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」は、自民党、公明党の連立与党が濃密な協議を積み重ねてきた結果です。
 その後、アベノミクス解散・総選挙が行われ、自民党は政権公約に「いかなる事態に対しても国民の命と平和な暮らしを守り抜くため、平時から切れ目のない対応を可能とする安全保障法制を速やかに整備します」と掲げ、選挙に勝利しました。
 そこで、安倍総理は、今通常国会において、関連法案を一括して提出し、成立を期すと明言し、与党も連立合意で「先の閣議決定に基づく安全保障関連法案を速やかに成立させる」としています。
 自衛隊の活動を可能ならしめるためには国内法が必要であり、立法の過程において、国会承認を含め具体的な手続を定めることとなります。
 こうした状況を踏まえ、与党は、今年(平成27年)2月から与党協議会を再開させ、政府から検討状況を聴取し、閣議決定の内容を踏まえた個別法制の在り方を議論し、「安全保障法制整備の具体的な方向性について」(3月20日)を取りまとめ、3月23日に安倍総理に報告しました。
 政府は、それを受けて自衛隊法改正をはじめとする安全保障法制の作成作業を行い、4月中旬頃から、与党協議会で法律案が議論されます。そこで成案が得られれば、自公両党の党内手続きを経て、5月の連休明けに法案が閣議決定・国会提出され、与野党による慎重な審議がなされ、採決が行われます。
 国会審議を通じて国民を巻き込んだ広範な議論が行われ、国民の理解が得られるものと考えます。

【参考】 自民党の政権公約等
【2014衆院選政権公約「政策BANK」】
「いかなる事態に対しても国民の命と平和な暮らしを守り抜くため、平時から切れ目のない対応を可能とする安全保障法制を速やかに整備します」

【2012衆院選政権公約】
「日本の平和と地域の安定を守るため、集団的自衛権の行使を可能とし、 『国家安全保障基本法』を制定します」「国際貢献をさらに進めるために、『国際平和協力一般法』を制定します」

【2013参院選選挙公約】
「『国家安全保障会議』の設置、『国家安全保障基本法』『国際平和協力一般法』の制定など、日本の平和と地域の安定を守る法整備を進めるとともに、統合的な運用と防衛力整備を主とした防衛省改革を実行します」
※参考(J−ファイル)
「政府において、わが国の安全を守る必要最小限度の自衛権行使(集団的自衛権を含む)を明確化し、その上で『国家安全保障基本法』を制定します」


問4 戦後日本の大前提である平和憲法が根底から破壊されるのではないですか?

(答)
 破壊されません。
 現行憲法の下で認められる自衛権の行使は必要最小限度の範囲内にとどまるという従来の基本的立場を変えるものではありません。武力行使を目的としてかつてのイラク戦争や湾岸戦争での戦闘に参加するようなことは、これからも決してありません。
 これまでも、日本人は時代の変化に対応しながら、憲法が掲げる平和主義の理念の下で最善を尽くし、外交、安全保障政策の見直しを行ってきました。決断には批判が伴うものです。しかし、批判をおそれず、私たちの平和への願いを責任ある行動へと移してきたことが、平和国家日本を創り上げてきたのです。
 平和国家としての日本の歩みはこれからも決して変わりません。その歩みをさらに力強いものとする必要があります。
 日本を取り巻く世界情勢は一層厳しさを増しています。あらゆる事態を想定して、国民の命と平和な暮らしを守るため、切れ目のない安全保障法制を整備する必要があるのです。


問5 日本が戦争する国になるのではないですか?

(答)
 1960年には日米安全保障条約を改定しました。当時、「戦争に巻き込まれる」という批判が随分ありました。正に批判の中心は今と同じです。
 しかし、50年たってどうだったでしょうか。この改正によって、むしろ日本の抑止力が高まり、アジア太平洋地域においてアメリカのプレゼンスによって、今、平和がより確固たるものになるというのは、日本人の常識になっています。
 そうした対応をしっかりとしていくことによって抑止力は高まり、戦争に巻き込まれる可能性はより低くなっていくわけです。
 また冷戦が終結し、日本は国連PKOへの自衛隊参加に道を開きました。当時も「自衛隊の海外派兵反対」「戦争への道」だと批判されました。しかし、カンボジア、モザンビーク、南スーダンなど自衛隊の活動は世界の平和に大きく貢献、感謝され、高い評価を得ています。
 その結果、当時、猛烈に反対した人の多くでさえも、今では評価に転じているのです。

 現行の憲法解釈の基本的考え方は、今回も何ら変わることはありません。
 海外派兵は一般に許されないという従来からの原則も全く変わりません。
 自衛隊がかつての湾岸戦争やイラク戦争での戦闘に参加するようなことはこれからもないのです。外国を守るために日本が戦争に巻き込まれるというようなこともあり得ません。
 日本国憲法が許すのは、あくまで我が国の存立を全うし、国民を守るための自衛の措置です。他国を防衛することがすなわち我が国を防衛することとなるということは想定されるとしても、外国の防衛それ自体を目的とする武力行使は今後とも行いません。むしろ、万全の備えをすること自体が日本に戦争を仕掛けようとする企みをくじく大きな力を持っているのです。これが抑止力です。
 今回の安全保障法制整備によって日本が戦争に巻き込まれるおそれは一層なくなっていきます。日本が再び戦争をする国になるというようなことは断じてあり得ません。
  

問6 将来、自分達の子供や若者が戦場に行かされるのではないですか。徴兵制になるのでは?

(答)
 全くの誤解です。
 現行憲法18条で「何人も(中略)その意に反する苦役に服させられない」と定められており、徴兵制が出来ない根拠になっています。
 今回、安全保障法制整備が行われても徴兵制は出来ません。
なお、自民党が平成24年に発表した新憲法草案においてもこの点は継承されています。
 また、軍隊は高度な専門性が求められており、多くの国は現在の自衛隊と同じように「志願制」に移行しつつあります。憲法上も安全保障政策上も徴兵制が採用されるようなことは全くありません。


問7 自衛隊員が、海外で人を殺し、殺されることになるのではないですか。

(答)
 自衛隊が海外に派遣される場合、他国領域での武力行使は憲法上一般に許されません。
 また、現行憲法の下で認められる自衛権の行使は必要最小限度の範囲内にとどまるという従来の基本的立場を変えるものではありません。
 したがって、自衛隊がかつての湾岸戦争やイラク戦争での戦闘に参加するようなことはこれからもないのです。
 ですから、PKO活動などで自衛隊が海外に派遣される目的は、平和維持活動とか人道支援活動などで、人を殺すために行くのではありません。
 また、いままでの自衛隊の海外での活動で、自衛隊員が殺されたことはありませんでした。今回の安全保障法制整備では、自衛隊の海外における活動の参加に当たっては、自衛隊員の安全の確保に必要な措置を定めることとなっています。


問8 自衛隊員が戦闘に巻き込まれ、血を流すリスクがこれまで以上に高まるのではないですか?海外では武力行使しないといういままでの考え方から、場合によっては海外で武力攻撃を行使することになるのでは?

(答)
 自衛隊員は、事に臨んでは危険を顧みず、国民の負託にこたえると宣誓しており、国民の命と幸せな暮らしを守ることが自衛隊員の任務である。これまでも、我が国有事における任務は、命がけのものです。
 新たな法制備で与えられる任務も、これまで同様、国民の命と平和な暮らしを守り抜くためのものであり、自衛隊員の任務には、何ら変更はありません。
 今後とも自衛隊員が、海外で、国民を守ることと無関係な戦争に参加することはないのです。
 そもそも部隊の安全が確保されていなければ、任務を十分に果たすことはできない。その意味で安全に配慮するのは当然です。
 また、我が国の安全の確保や国際社会の平和と安定のために活動する他国の軍隊に対して、いわゆる後方支援といわれる支援活動を行う場合については、これまでと同様、現に戦闘行為が行われていない現場において、自衛隊の部隊の安全を確保しつつ行うようになっています。
 なお、万一、状況の変化により、自衛隊が支援活動を行っている場所が現に戦闘行為を行っている現場となる場合には、直ちに活動を「休止」することになります。
 したがって、自衛隊が海外で戦闘に巻き込まれることはなく、武力攻撃を行うこともないのです。
(続く)

2015年03月30日

香港デモ、背後にAIIBの米中暗闘――占領中環と全米民主主義基金NED(遠藤誉氏)

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 昨年起きた「雨傘革命」には複数の流れがあり、その内の占領中環(オキュパイ・セントラル)運動の背後にはアジアインフラ投資銀行AIIBをめぐる米中の暗闘があった。その動かぬ証拠(動画)をご紹介する。

 昨年9月末、香港特別行政区長官の民主的な普通選挙をめぐって、香港の若者たちが中心となって抗議運動が起き、警察側の催涙スプレー攻撃を雨傘で避ける姿から「雨傘革命」と呼ばれるようになった。

 この雨傘革命に関して、筆者は学生たちの授業ボイコットという下から自主的に立ちあがった運動要素と、占領中環(オキュパイ・セントラル)運動の間には、微妙な温度差があると、2014年12月8日付本コラム「香港デモ学生とオキュパイ派(占領中環)との温度差」 で書いたが、その証拠を見つけてしまった。


 中環というのは香港の金融街がある街路の名前で、占領中環は「金融街を占拠せよ」という意味を指す。

 これは2011年9月17日、アメリカ、ニューヨーク市マンハッタン区にある金融街ウォールストリートで起きた「オキュパイ・ウォールストリート(Occupy Wall Street)」(金融街を占拠せよ)という抗議運動の流れを引くものだ。このことから筆者は『香港バリケード  若者はなぜ立ち上がったのか』を執筆する時点(昨年末)で、ある動画を見つけたのである。

 それはオキュパイ・セントラル運動の発起人の一人である香港大学法律学系准教授・戴耀廷(1964年〜)(ベニー・タイ)の元上司・李柱銘がアメリカの全米民主主義基金(National Endowment for Democracy(以下、NEDと略称)の地域副理事長であるルイサ・グレーブ(Louisa Greve)とともにオキュパイ・セントラルに関して開いているトークショーの動画だ。

 李柱銘(1938年〜)(マーチン・リー)は香港の民主党の創設者で、オキュパイ・セントラル運動の発起人・戴耀廷は、かつて李柱銘が率いる民主党本部で秘書として働いていた。香港大学の先輩後輩にあたる中でもある。

 NEDは1982年にレーガン政権により「アメリカ政治財団」の研究による提案という形で設立が決定された組織で、それまでCIA(Central Intelligence Agency、アメリカ中央情報局)が非公然でやってきたことを公然とやる目的をもったものである。

 アメリカ国務省から資金を受け、国際共和協会(International Republican Institute:IRI)、全米民主国際研究院(National Democratic Institute for International Affairs:NDI)、国際民間企業センター(Center for International Private Enterprise :CIPE)、米国国際労働連帯センター(American Center for International Labor Solidarity :ACILS) の4つの組織の内のいずれかを通して資金を分配している。

 NED は毎年米国家予算から資金提供を受けている。そのうちには国務省の米国国際開発局(United States Agency for International Development:USAID) 向けの予算も含まれているが、非政府組織の扱いを受けている。2004年9月の会計年度における NED の歳入は8,010万米ドルであり、そのうち7,925万米ドルが米国政府部局から、60万米ドルが他の寄付収入などであった。

 2014年4月2日、李柱銘と陳方安生(アジソン・チャン)(香港政府の元政務司司長、女性)はワシントンでNEDの地域理事長ルイサ・グレーブ(Louisa Greve)とともに、1時間にわたるトークを行っている。

 トークのタイトルはWhy Democracy in Hong Kong Matters(なぜ香港の民主主義が重要なのか?)である。

 香港側の二人は、NEDにオキュパイ・セントラル運動の性格、狙いや要求などを説明している。

 このトークショーで、李柱銘氏は「中国本土を、香港にもともとあった欧米流の機構や法律あるいは権益で染めること」が香港の役割だと強調している。

 香港側の二人は、「中国が香港をどのように統治していくかに関して、中国は世界の目を気にしているので、いまオキュパイ・セントラル運動を展開することは、北京から譲歩を引き出すチャンスになる」という趣旨のことを述べている。

 これほど決定的な映像はまたとないほど、大きな衝撃を与える。

 もう、問答無用だろう。

 中国中央はよくスパイを使って「やらせ」をやり、金で買った「敵」に「中国に有利な真実」を吐かせるという手法を取るので用心しなければならないが、しかし、「肉声と映像」は、否定のしようがない。

 この動画をスクープしたのは、Land Destroyerというウェブサイトのトニー・カルタルッチ(Tony Cartalucci )で、そのスクープ映像のURLはhttp://landdestroyer.blogspot.jp/2014/10/entire-occupy-central-protest-scripted.html で、公開された日時は2014年10月5日である。

 問題は、なぜNEDがこのようなことをしたのかということだ。

 実はアジアインフラ投資銀行の覚書が2014年10月24日に、北京で開催されるAPEC首脳会談を前に交わされようとしていた。

 習近平政権は国際金融のセンターをアメリカ(ワシントンとニューヨーク)から中国(北京と上海)に移そうと、2013年から動いていた。

 しかし民主と自由のないところに国際金融センターは成立しない。

 そのことをアメリカは「香港」という、中国の管轄下にある国際金融都市の現状をアピールすることによって世界に見せつけたかったのだろう。

 1997年に香港がイギリスから中国に返還されて以来、香港では民主と自由を求めて中国中央政府への抗議運動が絶えたことがない。一国二制度で香港の自治を約束しながら、実際は香港特別行政区基本法の改正権と解釈権が全人代(全国人民代表大会)常務委員会にあるという法的事実を行使して、香港の自治は年々蝕まれている。

 このように中国の傘のもとにある限り、香港でさえ国際金融都市としての機能を失ってしまうのだということを立証し、アメリカとしては何としてもAIIBが成功するのを阻止したかったものと思われる。

 明日3月31日、このAIIB創設国の申請申し込みの期限が締め切られる。

 現時点で40カ国が参加しているようだ。G7を構成する西側諸国もロシアも韓国も陥落してしまった。

 日米だけはまだ踏み止まっており、運用の透明性を理由に参加を見合している。

 どこまで頑張ることができるのか。日米の動向に目が離せない。


遠藤誉
東京福祉大学国際交流センター長、筑波大学名誉教授、理学博士

2015年03月26日

江沢民の実父は売国奴? ――認めるのか、習近平(遠藤誉氏)

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 江沢民元国家主席の実父が売国奴(日本傀儡政権の役人)だったことは知る人ぞ知る事実。それを暴いた者は投獄されてきたが、その中の一人、呂加平氏を習近平は釈放した。習近平はタブーを破るのか?その思惑は?

◆江沢民が隠してきた事実

 江沢民の実父・江世俊が(大日本帝国時代の)日本の傀儡政権であった汪兆銘率いる南京政府のスパイ機関に勤務していたことは、中国大陸以外ではよく知られた事実だ。江沢民は父親のお蔭で、1943年には汪兆銘傀儡政権下の南京中央大学に入学し、贅沢三昧の日々を送っていた。
 だから江沢民はピアノやダンスなどの芸事に長(た)けている。そのときの写真も名簿もある。

 ところが日本が敗戦すると、漢奸(かんかん)=売国奴と罵倒されるのを逃れるため、江沢民は慌てて、叔父の江世候(またの名を江上青)の養子になったと偽装。江世候は中国共産党の幹部で、1939年に戦死している。江世候は江沢民の父親の弟に当たるが、祖父が妾に産ませた子供とされ、その家族は極貧の中にあり、江沢民が養子になってピアノやダンスを習えるような状況とは無縁。

 このことを最初に暴いたのは元北京市書記(1992年〜1995年)だった陳希同(1930年〜2013年)(ちん・きどう)で、陳希同はその告発状をトウ小平に渡した。ところがトウ小平はそれを江沢民を推薦した薄一波(薄熙来の父親)に見せたため、陳希同は投獄され獄死している(最後は獄外病院で死去)。

◆江沢民の出自を暴き、国家転覆罪で投獄されていた呂加平

 中国のネットには「嘘も百回言えば真実になる」という諺だけが削除されずに残っているが、江沢民の出自に関する真実を書くことは「死」を意味するので、あまり書こうとしないし、また書いても削除されるか逮捕される。

 呂加平(1941年〜)は2004年2月21日に自分のブログで「江沢民が出自をごまかして中国共産党に入党していた事実」を書いてしまった。

 2004年3月の全人代では、江沢民が中華人民共和国中央軍事委員会(国家中央軍事委員会)主席から、いよいよ身を引かねばならないタイミングだった。

 胡錦濤・元国家主席にとって、実は呂加平の「暴露」は、非常にありがたいことだったにちがいない。

 しかし江沢民は、もちろん激怒。

 当時、腹心の周永康は中共中央政治局委員ではあったが、まだ国家公安部長の身分。江沢民は周永康に命じて直ちに呂加平を拘束。同年2月23日深夜には、呂加平の家宅捜索を行い、パソコンや彼が書いた文章など、全ての資料を持ち去っていった。その後、自宅軟禁の形を取り、警察やパトカーあるいはサーチライトなどに囲まれた日々を送るようになる。呂加平の息子夫妻も連座して拘束された。

 それでも呂加平が自宅軟禁の状態にありながら、2009年12月1日に、さらに江沢民の出自を告発する「二奸二假(偽)」という文章をネット上で公開できた裏には、いわゆる「江胡闘(ジャン・フー・ドウ)(江沢民・胡錦濤の闘い)」があったからだろう。

 しかし、2007年からチャイナ・ナイン(胡錦濤時代の中共中央政治局常務委員)入りして中共中央政法委員会書記になっていた周永康の力は、2004年の公安部長のときとは比較にならないほど大きくなっていた。周永康は「公安、検察、司法」を牛耳る政法委員会の力を発揮して、ただちに呂加平を逮捕。2011年5月13日に「国家転覆罪」として10年の懲役刑を科している。

◆じきじきの恩赦で呂加平を釈放した習近平の思惑は?

 だというのに、習近平国家主席と李克強国務院総理によるじきじきの恩赦で、2015年2月17日午後6時、呂加平は釈放され、警察の車で湖南省の実家に連れ戻されたという。

 これはまた、いかなるシグナルと読めばいいのだろうか?

 もちろん、江沢民の息子・江綿恒といえども容赦はしないというシグナルの一つではあろう。

 また江沢民の大番頭・曽慶紅(2015年3月4日付けの本コラム「次の大虎は江沢民の大番頭、曽慶紅!――全国政協の記者会見で暗示」参照)逮捕への準備ということもあろう。

 しかしなんと言っても江沢民はかつて国家のトップに立っていた中共中央総書記であり、国家主席、中央軍事委員会主席でもあった人物だ。その江沢民を逮捕することになれば、いくらなんでも中国共産党の権威に傷がつき、統治の正当性を失うだろう。したがって、江沢民そのものを(本人を)逮捕するところにまでは行きにくい。

 しかしそれでもなお、もし江沢民にそもそも「中国共産党員になる資格さえなかった!」という事実が明るみに出れば、この「逮捕しにくいバリヤー」は下がる。正当な理由が付くからだ。

 少なくとも江沢民の腐敗の巣窟に斬りこむことに対して、人民を納得させる材料にはなろう。

 それは同時に、「それなら中国共産党の何を信じればいいのか?」という疑念を人民に惹起させる。「習近平政権よ、それなら、お前は大丈夫なのか?」と誰もが思い始めるかもしれない。

 いや、誰でもがすでに思っているだろうが、この分岐点を習近平がどう乗り切るのか、見ものだ。

(ただ、自らの出自をごまかすために反日を叫び、反日へと大きく舵を切った江沢民の「日帝」売国奴の事実を、この「抗日戦争勝利70周年記念」の年に明るみに出すのか、という疑問は残る。呂加平を釈放したのは、その事実を明るみにすることを許したことにつながるのだから。)
(ヤフーより)

遠藤誉
東京福祉大学国際交流センター長、筑波大学名誉教授、理学博士

2015年03月25日

訪米について(高村正彦副総裁)

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 明日から四日間アメリカに行って参ります。

 アメリカの有力シンクタンクであるCSISで講演すると同時に、カーター国防長官とお会いしたいと思っています。ケリー国務長官はワシントンを留守にしておりますので、国務副長官とお会いする予定であります。

 戦後日本は70年間平和を維持してきました。

 占領時代はもちろん、米軍の軍事力が直接抑止力になっていたわけですが、主権回復後も日米同盟が抑止力になる、それと同時に平和外交努力を展開する。そのことによって、長い間どこの国とも戦争することなくやってこられたのは、非常に良かったと思います。

 日米同盟でありますが、日本の積極的平和主義とアメリカのリバランス政策の2つがマッチして、アジア太平洋の平和と安定を守るための公共財としての役割がますます重くなっていくと思いますが、二国間は常に同盟関係を深化させる、深めるという努力をしていかなければなりません。

 今比較的良好ではありますが、今まで例えば冷戦末期には、アメリカ議会では、ソ連の軍事力より日本の経済力の方が怖いという「ただ乗り論」というのが展開されたこともありますし、常に双方が甘えることなく、しっかり同盟関係を深化させる、深めるという努力を形成し続けなければならない。その一環として行って参りたいと思っています。

 当然相手側から日本の安全保障法制整備についての質問があると思いますから、それについてはしっかりと答えてきたいと思いますし、私の担当ではありませんが、日米ガイドラインについて私の意見を聞きたいということであれば、安保法制整備と密接な関係がありますので、私なりの意見を申し述べて参りたいと思います。

2015年03月24日

平成26年度 防衛大学校卒業式 内閣総理大臣訓示

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 本日、伝統ある防衛大学校の卒業式に当たり、今後、我が国の防衛の中枢を担う諸君に対して、心からのお祝いを申し上げます。
 卒業、おめでとう。
 諸君の、礼儀正しく、誠に凛々しい姿に接し、自衛隊の最高指揮官として、大変頼もしく、大いに誇りに思います。
 本日は、卒業生諸君が、幹部自衛官としての新たな一歩を踏み出す、門出の日でありますので、一言申し上げたいと思います。

 その日のガダルカナル島には、70年前と同じように、雲一つなく、強い日差しが降り注いでいたそうであります。
 昨年秋、練習艦「かしま」のタラップをのぼる、諸君の先輩たちの胸には、かの地で収容された百三十七柱の御遺骨が、しっかりと捧持されていました。そして、御遺骨に、無事祖国へと御帰還いただく。今回の練習航海では、その任務にあたってくれました。
 遠い異国の地において、祖国の行く末を案じ、家族の幸せを願いながら、戦場で倒れられた多くの尊い命。そのご冥福を、戦後70年という節目の年に幹部自衛官への道を踏み出す、諸君たちと共に、お祈りしたいと思います。
 そして、こうした尊い犠牲の上に、我が国の現在の平和がある。そのことを、私たちは、改めて、深く胸に刻まなければなりません。
 二度と戦争の惨禍を繰り返してはならない。私たちには、その大きな責任があります。

 戦後、我が国は、ひたすらに平和国家としての道を歩んできました。
 しかし、それは、「平和国家」という言葉を唱えるだけで、実現したものではありません。
 自衛隊の創設、日米安保条約の改定、そして国連PKOへの参加。国際社会の変化と向き合い、憲法が掲げる平和主義の理念のもと、果敢に「行動」してきた、先人たちの努力の賜物である。私は、そう考えます。
 「治に居て、乱を忘れず」
 自衛隊、そして防衛大学校の創設の父でもある、吉田茂元総理が、防大一期生に託した言葉であります。
 「昨日までの平和」は、「明日からの平和」を保障するものではありません。大量破壊兵器の拡散や、テロの脅威など、国際情勢は、私たちが望むと、望まざるとにかかわらず、絶えず変転しています。
 「不戦の誓い」を現実のものとするためには、私たちもまた、先人たちに倣い、決然と「行動」しなければなりません。

 いわゆるグレーゾーンに関するものから、集団的自衛権に関するものまで、切れ目のない対応を可能とするための法整備を進めてまいります。
 「行動」を起こせば、批判にさらされます。過去においても、「日本が戦争に巻き込まれる」といった、ただ不安を煽ろうとする無責任な言説が繰り返されてきました。しかし、そうした批判が荒唐無稽なものであったことは、この70年の歴史が証明しています。

 「事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に努め、もって国民の負託にこたえる」
 この宣誓の重さを、私は、最高指揮官として、常に、心に刻んでいます。
 自衛隊員に与えられる任務は、これまで同様、危険の伴うものであります。しかし、その目的は、ただ一つ。すべては、国民の命と平和な暮らしを守り抜くため。そのことに、まったく変りはありません。
 その強い使命感と責任感を持って、これから幹部自衛官となる諸君には、それぞれの現場で、隙のない備えに万全を期し、国防という崇高な任務を全うしてほしいと思います。

 東日本大震災をはじめ相次ぐ自然災害のたび、自衛隊は、昼夜を分かたず、また危険を顧みず、救助活動にあたってきました。自衛隊に対する国民の信頼は、今や、揺るぎないものとなっています。
 「軍事力は、戦うためだけのものである」という発想は、もはや、時代遅れであります。災害救援に加えて、紛争予防、復興・人道支援。あらゆる機能を備えた軍事力の役割は、国際社会において、大きく広がりつつあります。
 24年前、ペルシャ湾における掃海活動から、自衛隊の国際協力活動の歴史は始まりました。湾岸戦争で敷設された1200個もの機雷が、我が国にとって死活的な原油の輸送を阻んでいました。
 「『爆破成功』の声で、世界は日本の存在を知った。」
 派遣された隊員の言葉からは、当時の誇らしげな気持ちが伝わってきます。気温50度にも及ぶ厳しい環境、それも、海の中では石油パイプラインが縦横に走る、緻密さが要求される現場で、3か月以上にわたり稼働率100%。自衛隊の高い士気と能力を、見事に、世界に示してくれました。

 内戦によって傷ついたカンボジアでは、初のPKO活動に臨みました。自衛隊がつくった道路や橋が、平和を取り戻し、復興するための、大きな力となったことは、間違いありません。部隊がタケオの町から撤収する日には、感謝し、別れを惜しむ、現地の皆さん、大勢の子供たちで、沿道は溢れていたそうであります。

 今この瞬間も、自衛隊は、灼熱のアフリカにあって、独立したばかりの南スーダンの自立を助けるため、PKO活動にあたっています。
 ジュバの町で自衛隊員が通う病院。その運営はカンボジアのPKO部隊が行っています。内戦から復興したカンボジアは、今、PKO活動に積極的に参加し、共に汗を流す、パートナーとなっています。その隊長が、現地の自衛隊員に、こう語ってくれたそうであります。
 「UNTACでの日本の活躍は、母国カンボジアの人々の記憶に、今も鮮明に残っている。・・・このカンボジア病院も、本当は、誰よりも日本人に使ってほしい。私たちは、日本人のためならば、24時間いつでも診療する用意がある。」
 これまでの、20年以上にわたる自衛隊の国際協力は、間違いなく、世界の平和と安定に大きく貢献している。大いに感謝されている。私は、自信を持って、そう申し上げたいと思います。そして、のべ5万人にのぼる隊員たちの、揺るぎない使命感と、献身的な努力に、心から敬意を表したいと思います。

 海の大動脈・アデン湾における海賊対処行動では、本年5月、戦後初めて、自衛隊から多国籍部隊の司令官が誕生します。これは、これまでの自衛隊の活動が、国際的に高く評価され、信頼されている証に他なりません。
 世界が、諸君に、大いに期待しています。
 世界が、諸君の力を、頼みにしています。
 その誇りを胸に、自衛隊には、より一層の役割を担ってもらいたいと思います。

 本日ここには、インドネシア、カンボジア、タイ、大韓民国、東ティモール、フィリピン、ベトナムそしてモンゴルからの留学生の皆さんもいらっしゃいます。
 言語や習慣の異なる中での生活、学びの日々は、大変なものであったと思いますが、この日を迎えられたことを、心からお慶び申し上げます。
 それぞれの母国に戻ってからも、どうか、この小原台で培った絆を大切にしてほしい。皆さんの母国と我が国との防衛協力を、更に発展させていくため、皆さんの活躍を期待しています。
 そして日本は、皆さんの母国をはじめ、国際社会と手を携えながら、戦後70年を機に、「積極的平和主義」の旗を一層高く掲げ、世界の平和と安定に、これまで以上に貢献していく覚悟であります。

 南太平洋に浮かぶパラオ・ペリリュー島。この美しい島は、70年前の大戦において、1万人を超える犠牲者が出る、激しい戦闘が行われた場所であります。
 守備隊長に任ぜられた中川州男中将は、本格的な戦闘が始まる前に、1000人に及ぶ島民を撤退させ、その命を守りました。いよいよ戦況が悪化すると、部下たちは、出撃を強く願いました。しかし、中川中将は、その部下たちに対して、このように語って、生きて、持久戦を続けるよう、厳命したそうであります。
 「最後の最後まで務めを果たさなければならない。」

 諸君の務めとは、何か。
 それは、二度と戦争の惨禍を繰り返さない。そのために、自衛隊の中核を担う幹部自衛官として、常日頃から、鍛錬を積み重ね、隙のない備えに万全を期すことであります。そして、いかなる事態にあっても、国民の命と平和な暮らしを、断固として守り抜くことであります。

 私は、諸君の先頭に立って、この責務を全うする決意であります。どうか諸君におかれても、全身全霊をかけて、この国民への務めを果たしてほしいと願います。
 御家族の皆様。皆様の大切なご家族を、隊員として送り出して頂いたことに、自衛隊の最高指揮官として、感謝に堪えません。

 皆、こんなに立派な若武者へと、成長いたしました。これは、防衛大学校での学びの日々だけでなく、素晴らしい御家族の背中を、彼らがしっかりと見て育ってきた。その素地があったればこそ、だと、考えております。本当にありがとうございました。
 大切な御家族をお預かりする以上、しっかりと任務を遂行できるよう、万全を期すことをお約束いたします。
 最後となりましたが、学生の教育に尽力されてこられた、國分学校長をはじめ、教職員の方々に敬意を表するとともに、平素から、防衛大学校に御理解と御協力を頂いている、御来賓、御家族の皆様に、心より感謝申し上げます。
 卒業生諸君の今後益々の活躍、そして防衛大学校の一層の発展を祈念して、私の訓示といたします。

 平成27年3月22日
 内閣総理大臣 安倍 晋三

「紅い皇帝」反腐敗の狙い――その先には国際金融界の覇者(遠藤誉氏)

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 習近平政権が激しい勢いで反腐敗運動を進めている先には、国際金融界の覇者となる狙いがある。そのため、腐敗、環境汚染、不透明性などで反撃を強めるアメリカに対抗し、環境汚染をもたらす腐敗構造を変ようとしている。

 中国が主導権を握るアジアインフラ投資銀行(AIIB)に関しては、3月14日付本コラム国際金融センターをアメリカから中国に――習近平政権のもう一つの狙いおよび3月18日付本コラムイギリスのアジア投資銀参加で日本孤立化?――キッシンジャー訪中は如何なるシグナルか?で書いたが、今回は、習近平政権の反腐敗運動そのものの最終的な狙いが、実は国際金融界の覇者となることにあるという点に焦点を絞って、ひとこと述べたい。

 AIIBの創始国メンバーとなるための申請期限が3月末と迫っているのを前に、イギリスに加えて、その後ドイツ、フランス、イタリヤなどが参加を表明した。G7が雪崩を打ったように中国主導の投資銀行に参画を表明したことは、どの国も「中国発の経済特急列車に乗り遅れまい」としている証しだ。

 実は筆者は3月16日に民放のあるテレビ番組にナマ出演していたのだが、番組内で放映された麻生財務大臣のコメントは「AIIBは透明性が保証されていないので、どうも……」といった趣旨の、かなり否定的なものだった。

 しかし3月20日には「(AIIBに参加して、その中で)協議の可能性」を示唆した。

 日本が指摘している融資の審査などの意思決定の透明性や、返済能力を考慮した融資姿勢が確保されれば「少なくともこの(AIIBの)中に入って協議していくことになる可能性はある」という考えを示したのである。

 このままいけば、G7は総崩れで、日米までが揃ってAIIBに入れば中国の思う壺だ。

 そのきっかけを作ったのが、3月18日のコラムに書いたように、元をただせば実はダライ・ラマ14世であったことを考えれば、なんとも皮肉なことである。

 イギリスのチャールズ皇子やキャメロン首相がダライ・ラマ14世に会っていなければ、中国から「イギリス外し」の憂き目に遭うことはなかっただろうし、それ故にイギリスが中国にひれ伏すことにもならなかっただろう。

 こういった敵の弱点を自らの勝利につなげていく中国の戦略は、長い歴史から培われてきたものであり、一党支配体制がもたらしたものではない。

 しかし強権的な一党支配を逃れたダライ・ラマ14世が、結果的には、一党支配の中国に救いの手を差し伸べたことになる。

 これまで国際取引の主軸だったドルに代わって人民元が基軸通貨となれば、中国は資本送金の自由化や人民元の変動相場制への移行を強めていくしかない。

 すでに資金の 50%以上である500億ドルを越える出資をして圧倒的主導権を握る中国が、参加国に対してどれだけ譲歩するのか見ものだ。

 2010年〜2020年のアジアにおけるインフラ整備には8兆ドル(約1000兆円)以上の資金が必要とされている。中国はそのため、すでに鉄道を中心としたインフラ建設に関して関係各国に中国資本の投入を約束した。

 インフラは主として高速鉄道や高速道路の開発を対象とする。

 資金だけでなく、中国はこれまで蓄積してきた高速鉄道技術をも投資するとしている。しかしその技術、実は日本やドイツなど数カ国の技術を部分的に頂いて創った「寄せ集め技術」に過ぎない。そのため何度も大きな鉄道事故を起こしている(たとえば2111年7月に浙江省温州市で衝突脱線事故が起き、証拠を隠ぺいするため脱線車両を事故後すぐに埋めようとしたことで有名)。

 インドでは高速鉄道開発に当たり、日本の(価格もレベルも高い)新幹線技術を導入するか、(安価だがレベルが低い)中国の「寄せ集め技術」を導入するかで最終的決断を迫られているが、中国はこれを新たな「抗日戦争」と称して、何としても「日本」(の新幹線)を打ち負かし、「中国」(の寄せ集め技術)を勝利に導こうとしている。そのためにもAIIBのゆくえは重要だ。

 このような中、日米が懸念する透明性がどれほど確保されるかは疑問だが、万一にも日米までが加入することになれば、「紅い皇帝」習近平は高笑いだ。

 習近平政権の反腐敗運動を、権力闘争などと位置付けて日本人を喜ばせていた一部のチャイナ・ウォッチャーやメディアは罪作りなことだ。

「紅い皇帝」習近平の力は、政権スタート時から毛沢東を越えている。

 彼は「中国の夢」から始まり、「アジアの夢」を語り、今は「アジア太平洋の夢」を語っている。

 それが夢物語で終わればいいが、AIIBに群がる先進国の動きを見ていると、チャイナ・マネーが「世界の夢」を買いそうな勢いである感を否めない。

 アメリカが中国の「腐敗」や「環境汚染」を取り上げて、国際金融センターとしての資格を欠くとAIIB成長の可能性を否定したため、「紅い皇帝」はそれをクリヤーしようと腐敗撲滅に躍起になっていた。

 腐敗撲滅は党幹部の汚職により「紅い王朝」が崩壊するのを防ぐことが第一義的な目標だったが、聖域にまで斬りこんだいま、「紅い皇帝」は国際金融の覇者としての条件を整えようと、最後の一手を打とうとしているのである。

遠藤誉
東京福祉大学国際交流センター長、筑波大学名誉教授、理学博士

2015年03月19日

安全保障法制整備の具体的な方向性について(とりまとめ案)全文

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 昨日(18日)、安全保障法整備に関する与党協議会で「安全保障法制整備の具体的な方向性について」(とりまとめ案)が提示された全文です。


 安全保障法制整備の具体的な方向性について
(とりまとめ案)


 今般の安全保障法制の整備については、「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」(平成26年7月1日閣議決定)(以下「閣議決定」という。)に示された基本方針に基づき、政府において検討作業が進められてきた。

 自由民主党、公明党の両党は、平成26年12月15日の連立政権合意において「先の閣議決定に基づく安全保障関連法案を速やかに成立させる。」とするとともに、政府においても、平成27年度予算成立後において、「国の存立を全うし国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備関連法律案」の提出を目指していることから、平成27年2月13日に「安全保障法制整備に関する与党協議会」を再開した。同協議会においては、再開後第1回の協議会で示した考え方に従い、政府の説明を聴取しつつ、○回にわたり精力的に議論を重ねてきた。

 こうした検討の結果、与党として、現時点における法整備の具体的な方向性について、別紙のとおり、一定の認識を共有するに至ったところである。政府はこの方向性に即して作業を加速化し、必要な法案を本年5月半ばには国会に提出できるようさらに準備を進めていくよう求める。

 政府における法案の準備状況を踏まえつつ、さらに与党協議会での議論を継続し、法案審査に向けた検討を行うこととする。


 別 紙

1.全般

○我が国が日本国憲法の下で平和国家として歩んできたことを踏まえつつ、いかなる事態においても国民の命と平和な暮らしを守りぬくため、切れ目のない対応を可能とする国内法制を整備する。
○特に自衛隊の海外における活動の参加に当たっては、以下の3つの方針を確立し、その下に適切な判断を行う。
ー衛隊が参加し、実施する活動が国際法上の正当性を有すること
国民の理解が得られるよう、国会の関与等の民主的統制が適切に確保されること
参加する自衛隊員の安全の確保のための必要な措置を定めること

2.武力攻撃に至らない侵害への対処
米軍等の武器等の防護(自衛隊法(昭和29年法律第165号)関連)

○現行自衛隊法第95条の趣旨を踏まえつつ、以下の法整備を検討する。
・我が国の防衛に資する活動に現に従事する米軍の武器等について自衛隊の部隊による防護を可能とする。
・米軍以外の他国軍隊の武器等の防護についても法整備の検討の対象とするが、以下の点を踏まえたものに限る。
 峅罎国の防衛に資する活動」として認められるものであること
我が国の防衛義務を負う米軍の武器等と同様な「我が国の防衛力を構成する重要な物的手段」に当たり得る場合であること
・米軍及び米軍以外の他国軍隊の武器等の防護に当たっての手続について国家安全保障会議の審議を含め内閣の関与を確保すること

(注)海上警備行動や治安出動の下令手続の迅速化については、「大規模テロ等のおそれがある場合の政府の対処について」(平成13年11月2日閣議決定)等も参考に、いくつかの典型事例についての手続に関して、(別途)閣議決定を行う。

3.我が国の平和と安全に資する活動を行う他国軍隊に対する支援活動
(周辺事態安全確保法(平成11年法律第60号)関連)

○安全保障環境の変化や日米安保条約を基盤とする米国との防衛協力の進展を踏まえつつ、我が国の平和と安全に重要な影響を与える事態において、日米安保条約の効果的な運用に寄与し、当該事態に対応して活動を行う米軍及びその米軍以外の他国軍隊に対する支援を実施すること等、改正の趣旨を明確にするため目的規定を見直すほか、これまでの関連規定を参考にしつつ、対応措置の内容について必要な改正を検討する。
○このような改正の検討に当たっては、以下の要件を前提とする。
‖捷颪痢嵒靂呂旅垰函廚箸琉貘硫修鯔匹阿燭瓩力帆箸澆鮴瀋蠅垢襪海
国会の関与については、対応措置の実施につき原則国会の事前承認を要するという現行周辺事態安全確保法の枠組みを維持すること

4.国際社会の平和と安全への一層の貢献

(1)国際社会の平和と安全のために活動する他国軍隊に対する支援活動
(新法を検討)
○国際社会の平和と安全のために活動する他国軍隊に対する支援活動を自衛隊が実施できるようにするため、以下の要件を前提として法整備を検討する。
‖捷颪痢嵒靂呂旅垰函廚箸琉貘硫修鯔匹阿燭瓩力帆箸澆鮴瀋蠅垢襪海
国連決議に基づくものであること又は関連する国連決議があること
9餡颪隆慷燭砲弔い討蓮対応措置の実施につき国会の事前承認を基本とすること
ぢ弍措置を実施する隊員の安全の確保のための必要な措置を定めること

(2)国際的な平和協力活動の実施
(国際平和協力法(平成4年法律第79号)関連)

○国連PKOにおいて実施できる業務の拡大及び業務の実施に必要な武器使用権限の見直しを行う。
○国連が統括しない人道復興支援活動や安全確保活動等の国際的な平和協力活動の実施については、以下の要件を前提として法整備を検討する。
 ―祥茲裡丕烹六臆達妓饗Г汎瑛佑慮軍覆併臆淡饗Г砲茲襪海
 国連決議に基づくものであること又は関連する国連決議等があること
 9餡颪隆慷燭砲弔い討蓮△修亮損椶砲弔国会の事前承認を基本とすること
 せ臆辰垢訛皸の安全の確保のための必要な措置を定めること

5.憲法第9条の下で許容される自衛の措置
(自衛隊法、事態対処法(平成15年法律第79号)等事態対処法制関連)

○憲法第9条の下で許容される自衛の措置については、閣議決定及びその後の国会における質疑において明らかにされた政府の考え方を踏まえ、事態対処法、自衛隊法などに規定されている「武力の行使」の要件を精査し、「新三要件」及び上記考え方をそれらの条文に過不足なく盛り込むこととする。具体的には以下の方向性で法整備を検討する。
 嵜兄依弖錙廚砲茲辰匿靴燭法嵒靂呂旅垰函廚可能となる新事態については、既存の武力攻撃事態等との関係を整理した上で、その名称及び定義を現行の事態対処法に明記すること
⊂綉の整理を踏まえ、新事態に対応する自衛隊の行動及びその際の武力行使については、必要な改正を盛り込んだ上で、現行の自衛隊法第76条(防衛出動)及び第88条(防衛出動時の武力行使)によるものとすること
新事態に対応するために自衛隊に防衛出動を命ずるに際しては、現行自衛隊法の規定と同様、原則国会の事前承認を要すること
○事態対処法や自衛隊法のほか、上記を踏まえ改正が必要となる関連法律の改正を検討する。

6.その他関連する法改正事項

(1)船舶検査活動(船舶検査活動法(平成12年法律第145号)関連)
○現行の船舶検査活動法について、周辺事態安全確保法の見直しに伴う改正を検討するとともに、現行の船舶検査活動法の自衛隊部隊の権限を基本として、国際社会の平和と安全に必要な場合の船舶検査活動の実施について法整備を検討する。その際、国会の関与のあり方について、検討する。

(2)自衛隊法の規定に基づく他国軍隊に対する物品・役務の提供
(自衛隊法関連)
○自衛隊と米軍が共に活動することが想定される具体的な場面において、情報収集・警戒監視等具体的なニーズが存在する分野についても、物品・役務の提供が実施できるよう法整備を検討する。

(3)在外邦人の救出(自衛隊法関連)
○領域国の受入れ同意がある場合には、武器使用を伴う在外邦人の救出についても以下の要件を前提に対応できるよう法整備を検討する。
 [琉莵颪瞭碓佞及ぶ範囲、すなわちその領域において権力が維持されている範囲で活動すること
 派遣手続については内閣総理大臣の承認を要すること
 在外邦人の安全を含む活動の安全な実施に必要な措置を定めること

(4)国家安全保障会議の審議事項
(国家安全保障会議設置法(昭和61年法律第71号)関連)
○国際的な平和協力活動や憲法第9条の下で許容される自衛の措置にかかる審議事項等について整理し、必要な法改正を検討する。

2015年03月18日

イギリスのアジア投資銀参加で日本孤立化?――キッシンジャー訪中は如何なるシグナルか?(遠藤誉氏)

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 中国が主導するアジア投資銀にイギリスが参加を表明し、フランスも続く見込みで日米は厳しい状況に。ウィリアム王子訪中はチャールズ皇太子と英首相のダライラマ会見の尻拭い。さらにキッシンジャー訪中が続く。

◆イギリスが中国に対して持つ弱み――ダライ・ラマをめぐる中英間相克

 3月14日付本コラム国際金融センターをアメリカから中国――習近平政権のもう一つの狙いの内容と多少重なるが、イギリスが「アジアインフラ投資銀行」(AIIB)に参加表明せざるを得ないところに追い込まれた理由を、もう一度明確に位置付けたい。

 イギリスのチャールズ皇太子はチベット仏教のダライ・ラマ14世を「法王」と位置づけて尊重し、2008年3月に起きたチベット騒乱を受けて、同年8月に開催された北京オリンピックには出席しない旨、「フリー・チベット運動」に書簡を送付したことさえある。

 フリー・チベット運動は、中国のチベット自治区における人権弾圧などに抗議して中国政府を非難している団体だが、チャールズ皇太子はこの団体の支援者だった。

 2012年5月〜6月、中国政府の猛反対を押し切ってイギリスのキャメロン首相とダライ・ラマ14世が会談し、チャールズ皇太子もダライラマを自宅に招待して歓待した。

 これにより英中関係は最悪の事態になる。

 まだ胡錦濤政権だった中国政府は、内政干渉だと激しくイギリスを非難して抗議した。そのため中英間の経済交流にも悪影響が及び、キャメロン首相は人権問題と経済の間で苦しんだ。それでも謝罪を求める中国政府側に対して、イギリスは「誰が誰とどこで会うかは、自分で決める権利がある」として、突っぱねてはみたものの、中国からの投資は急減していった。リーマン・ショック以降、貧富の格差が増大して経済破綻の危機に喘(あえ)いでいたイギリスにとっては、チャイナ・マネーは魅力的だったにちがいない。  

 そこで2013年12月2日、キャメロン首相はついに折れて中国訪問に漕ぎ着けた。

 「イギリスは西側世界における最強の中国支持国になるだろう」

「イギリスは中国の主権と領土保全を尊重し、チベットが中国の一部であることを承認しており、これまで通りチベット独立は認めない」

 など、キャメロン首相は中国を礼賛し屈服。


◆イギリスをジリジリと追い込む習近平の戦略

 しかしそれでもなお、習近平はイギリスを追い込む戦略の手を緩めなかった。

 2014年3月、オランダのハーグで開かれた核セキュリティ・サミット(NSS)閉幕後、フランスやドイツ、ベルギーなどを歴訪した習近平国家主席は、このヨーロッパ歴訪の旅から「イギリスを外した!」のである。

 目標はAIIBにイギリスを参加させて、G7の切り崩しを図ることになる。そして日本が主導している「アジア開発銀行」を骨抜きにして中国がアジアの覇者になることだ。中国は早くから、G7(G8)などは虚構だと鼻であしらっていた。

 李克強首相の姿がウインザー城に現れ、優雅なエリザベス女王と握手したのは、その3カ月後の2014年6月18日のことである。

 中国の「上から目線」対英外交が始まった。

 エリザベス女王に会わせないのなら、「何なら訪英を取り消しましょうか?」と言ったとされている。

 こうして英中経済交流に関する数々の協定が結ばれた。

 だから2014年の9月末から香港デモ「雨傘革命」が起きると、英上院(元王室系貴族院)のパウウェル卿(薄熙来の息子の下後見人。2014年12月6日本コラム英上院パウウェル卿、香港デモで中国擁護参照)を使って中国政府を擁護させることなど、中国にとってはたやすいわざだったのである。パウウェル卿は香港デモが不当であることとともに、英中貿易交流の重要性を強調した。

 そして極めつけは今年3月1日の、ウィリアム王子訪中だ。

 その背後には、このたびのイギリスのAIIB参加を取り付ける、中国の権謀術数があった。 

 G7の大国の一つであるイギリスがAIIB創設メンバーになれば、G7は実態を持たない虚構と化す。アメリカがロシアを外させたところで、イギリスが中国主導型のAIIBに参画すれば、フランスも続くにちがいない。

◆キッシンジャー・習近平会談――日米主導型の金融界に激震か?

 G7諸国が相次いでAIIBの宗主国になることは、日米にとっては手痛い話だ。特にAIIBと拮抗するアジア開発銀行の歴代総裁を輩出してきた日本にとっては、孤立化を招きかねない事態が待っている可能性がある。

 なぜならあの「忍者外交」(1971年)で日本の頭越しに中国に接近したことのあるキッシンジャー元国務長官が、3月17日、人民大会堂で習近平と会談した。

 キッシンジャーは当時の周恩来首相と機密会談を行い、日米同盟は日本の軍事暴走を食い止めることになり、米軍が日本に駐在していないと日本がいつ暴走するか分からないためだと、周恩来に行っているような人物だ。習近平が国家主席だった時代(2007年〜2012年)から、習近平とは非常に緊密な仲だ。

 よもや、あの忍者外交のときのようにアメリカが掌を返すようなことはあるまいが、しかし油断は禁物。

 麻生外務大臣はAIIBには透明性がないので(世界はついていかないだろう)という趣旨の発言をし、筆者も言論の自由のないところに国際金融センターは似合わないと書いたが、しかし「チャイナ・マネーが民主を買った」香港の例を考えると、楽観視はできない。

 AIIB創設メンバー参加申請の締め切りは、今月一杯だ。

 中国の戦略とチャイナ・マネーが勝つのか、「自由と民主」が勝つのか、人類の「試験」が始まっている。


遠藤誉
東京福祉大学国際交流センター長、筑波大学名誉教授、理学博士



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