2013年12月

2013年12月27日

幹事長 石破 茂論(田 史郎)

ウイル田村 












『改正 日本国憲法』(田村重信著、講談社+a新書)
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稀代の堅物、清濁併せ呑めるか
幹事長 石破 茂論

時事通信解説委員 田 史郎


【石破茂幹事長】(衆院鳥取1区・当選9回・56歳)
身長:176 体重:82
ウエスト:102 血液型:B型
座右の銘:「至誠の人 真の勇者」「勇気と真心を持って 真実を語れ」
政治の師:渡辺美智雄元蔵相、竹下登元首相。田中角栄元首相は「神」
愛読書:夏目漱石、森鴎外、井上靖、五木寛之の全著作
主な著作:『国難』、『国防』、『職業政治の復権』、『真・政治力』など
趣味:車の運転、料理、夜行列車乗車、船・飛行機を眺めること。温泉入浴


苦言にも耳を傾け 自らの行動に生かす
苦かった離党|復党の決断

 長く政治記者をしていると、政治家の岐路に図らずも立ち会うことがある。
 平成8年(1996年)9月27日、橋本龍太郎首相が衆院を解散する直前だった。当時、新進党に所属していた石破茂氏の議員会館事務所に何かの用事で電話を入れると、本人に代わり「今すぐ、来られますか?」と聞かれた。急いで駆け付けると離党の相談だった。意見を求められ、即座に「この衆院選で自民党が勝つのは確実です。政治家はやはり権力の中で仕事をすべきです」と答え、離党を強く勧めた。

 石破氏本人も離党に傾いていたのだと思う。それを誰かに後押ししてもらいたかったに違いない。それが、たまたま電話した私であったにすぎないのだが、その後しばらく、石破氏は「あの時、田さんがああ言ったから」とぼやいた。
 無所属で戦った衆院選で、鳥取市の自宅に夜中や未明に抗議の電話が頻繁にかかってきた。当時、公明党・創価学会は新進党の候補を全力で応援していたのに、石破氏が戦の直前に戦線離脱してしまった。応援した人たちが恨みを抱いたのは無理からぬことだった。

 その後、公明党・創価学会との厳しい関係が続く。それが平成24年(2012年)9月の幹事長就任後、井上義久公明党幹事長と肝胆相照らす仲となり、公明党員にも人気が高い。

 井上氏に石破評を聞いた。

「幹事長として初めて一緒に仕事をした。とっつきにくい人かと思ったら案外、人懐っこい。筋を通す人だし、反対があってもこちらとの約束を守る。信頼関係ができている」

 石破氏も「井上さんも私も堅物ですよね。理屈が通らないことは嫌い、駆け引きはできないが人を裏切らない、たぶらかさない。そのあたりが互いに分かって、気が合ったんじゃないかな...」と語る。

 一昨年暮れの衆院選、昨年夏の参院選での自民圧勝は安倍晋三首相によるアベノミクスが評価されたからだ。だが、「石破・井上」の信頼関係に基づく自公選挙協力が下支えしていたことを忘れてはなるまい。

 石破氏は平成9年(97年)3月、復党した。竹下登元首相が復党に反対する地元県議らに一人ひとり電話し、理解を求めた。石破氏が初出馬した時、竹下氏は地元有力者を赤坂の料亭に集め、「(石破にできず)竹下サンにできることがあったら言ってください」と頭を下げた。この恩義を石破氏は今も熱く語る。


 運命を決めた総裁選

 だが、復党後、しばらく肩身が狭かった。国防部会では発言を慎み、代わりに浜田靖一氏(現幹事長代理)に質問してもらった。そんな日陰の身から防衛庁長官を経て首相候補への道を歩み始めたのが平成20年(08年)9月の自民党総裁選だった。鴨下一郎前国対委員長は回想する。

「石破さん、小坂憲次さん、伊藤也さん、私の4人が集まって誰かを立てようという話になった。石破さんと小坂さんに絞られたが、小坂さんが固辞、石破さんになった」

 この時、推薦人20人を集めるのに四苦八苦した。麻生太郎氏が選ばれたこの総裁選で石破氏は5人の候補者中最下位の25票。国会議員票では21票。推薦人と本人を加えたぎりぎりの数だった。

「初出馬した時よりも恐かった......」

 総裁選後、石破氏はこう告白した。支援を約束してくれた人が他陣営に走り、無理かなと思った人がいざとなったら助けてくれる。議員の非情さと温もりを実感した。
 一方、石破氏の言動が恨みを買うこともあった。麻生政権末期の平成21年(09年)7月、都議選惨敗を受けて農水相だった石破氏は与謝野馨財務相とともに麻生太郎首相に自発的退任を迫った。麻生氏が大臣にしてやったのに、と思っても不思議ではない。これに先立ち、平成19年(07年)夏の参院選で惨敗後の代議士会で石破氏は安倍晋三首相に退陣を求めた。

 石破氏はこういう時、黙っていることができない。復党の際、竹下氏から「正しいことを言う時は人を傷つけるもんだということを忘れるなよ」と忠告されたにもかかわらず、思い詰めるとまっすぐに行動してしまうことが石破氏の長所なのだが、短所でもある。

 野党転落後、平成21年(09年)9月の総裁選で立候補を見送り、谷垣禎一氏を支持した。谷垣体制で石破氏は政調会長に就任した。これを機に専門外の経済・財政なども学ばざるを得なくなり、政策の幅が広がった。

 石破氏が再挑戦した一昨年の総裁選は総裁選史上、まれに見る激戦だった。1回目に党員票で過半数を大きく上回る165票を獲得したものの議員票が伸びず、議員のみで行う決選投票に持ち込まれ、安倍首相に敗れた。議員への影響力において、安倍氏に後れを取ったことは否めない。

 しかし、安倍政権下で幹事長に就任。菅義偉官房長官と日に何回も連絡を取り合い、いまや安倍政権を動かす両輪となっている。安倍と石破はライバルだから遠慮も生じるが、菅が蝶つがいの役割を見事に果たしている。


 あえて苦言を呈す

 最近、石破氏とこんな話をした。「お互い、こうなるとは思わなかったね」「そうですね。先生が幹事長になり、私がテレビに出演するようになっているわけですから」。

 石破氏との出会いは昭和58年(1983年)、石破氏が三井銀行を辞め田中派の政策集団事務局に勤務していたころ、私が田中派を担当していたことに始まる。立場は大きく違うが、付き合いはかれこれ30年に及ぶ。

 その付き合いに免じてあえて苦言を呈すれば、国会議員には「カネとポスト」で動く人がいるということだ。カネが欲しい、ポストに就きたいと思うのは人間の性(さが)。思想信条・政策の一致や仲間意識だけで集まるのでは広がりに欠ける。その現実から目をそらしてはいけない。石破氏が清濁併せ呑めないのであれば、誰かにゆだねればいい。

 もう一つ、あまりぼやかないことだ。石破氏はぼやいた後でなければ動かない性癖がある。どっち道、やるようになるのだから、ぼやきの数を減らすか、ぼやく相手を少なくした方がいい。見ず知らずの人がぼやきを聞くと、石破氏は不満を持っているのかと早とちりしてしまう。

 私の石破評はちょっと、厳しすぎたかもしれない。だが、私の役割は他の方が遠慮して言わないことでも直言することだと思っている。そして、石破氏の最大の長所は苦言にもじっくりと耳を傾け、自らの行動に生かしていることだ。


たざき・しろう
昭和48年時事通信社入社。政治部次長、編集局次長、解説委員長を経て現在、解説委員。テレビ朝日「グッド!モーニング」、TBS「サタデーずばッと」「ひるおび!」などに出演中。主な著書に『竹下派死闘の70日』(文春文庫)、『梶山静六死に顔に笑みをたたえて』(講談社)、『政治家失格』(文春新書)など。中央大学卒、福井県出身、63歳。
『自由民主より』

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2013年12月26日

秘密保護法への不安煽った朝日 高崎経済大学教授・八木秀次

ウイル田村 












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 秘密保護法への不安煽った朝日 高崎経済大学教授・八木秀次
 (今朝の産経新聞「正論」から転載しました。12.26)

 ≪常軌を逸しプロパガンダに≫

 特定秘密保護法への根拠のない不安が広がっている。内閣支持率も10ポイント以上下がった。先日もテレビのワイドショーが、東京・巣鴨の街頭で70代女性の「特定何とかという法律、怖いわ」と答える映像を流していた。内容を知っているとは思えないこの女性を含め国民が同法に不安を覚えるのは、一部の新聞が反対の大キャンペーンを張ったからだ。代表格、朝日新聞の報道は常軌を逸していた。

 同法が国会で成立した翌日の7日付同紙朝刊は、1面が「秘密保護法が成立」の白抜き横の大見出し、2面も「数の力 強行突破」の白抜き横見出し。第1社会面は「反対あきらめぬ」の白抜き横大見出し、「『廃止する活動 始めよう』」の縦見出しに、「怒り 列島包む」として全国5カ所の反対運動の写真を掲載している。大勢集まったようには見えないのに…。第2社会面に至っては「戦中に戻すな」の白抜き横大見出しに「『国民同士監視 怖いんだ』」の縦見出しといった構成。異様な紙面づくりである。

 8日付朝刊1面コラム「天声人語」も「戦争に駆り立てられる。何の心当たりもないまま罪をでっち上げられる。戦前の日本に逆戻りすることはないか。心配が杞憂(きゆう)に終わる保証はない。おととい、特定秘密保護法が成立した」と情緒的に読者の不安を煽(あお)る。

 しかし、よく読むと、言葉の威勢はよいが、根拠は希薄だ。

 3日付朝刊は「秘密漏らせば民間人も処罰」と題してシミュレーションを載せた。防衛省から紙ベースの記録を電子化してデータベースにしてほしいという依頼を受けた民間会社はその際、厳重な守秘義務を課せられた。記録一式が「特定秘密」に当たるという。だが、担当した航空機マニアのシステムエンジニアが、資料の中にあった研究開発中の航空機設計図や性能試験の詳細について、航空機マニアの会議でつい口を滑らせてしまう。と、仲間の一人が秘密情報をブログに書き、ネット上で瞬く間に拡散して防衛省の気づくところとなり、システムエンジニアが処罰されるという内容だ。

 ≪既存法違反の事例まで動員≫

 言うまでもないが、これは、これまでの法律でも処罰されるような案件だ。明らかに守秘義務違反だからだ。しかし、朝日は特定秘密保護法ができれば、「民間人も処罰の対象になる」と警告する。こんな社員がいるような企業に防衛省は仕事を発注できない。守秘義務を守らない企業と取引のある防衛省に、米国防総省もまた情報を提供できない。当たり前だ。

 6日付朝刊も「規制の鎖 あなたにも」「懲役10年 民間人でも厳罰」との見出しで以下のようなケースを紹介している。「防衛産業」(防衛省関係か?)の研究員が酒席で、大学の同窓生に北朝鮮のミサイル情報を漏らす。同窓生がやはりブログで書き、他の防衛マニアがそれを分析してネットで流布してしまう。そのため研究員と同窓生は捜査機関に事情聴取されるというものだ。これまた既存の法律でもアウトの案件だ。言葉は踊るが、中身に根拠はなく、プロパガンダというほかない。

 朝日は特定秘密保護法の制定を機に安倍政権批判にシフトチェンジしたように見える。第1次安倍政権では、同社幹部が「安倍の葬式はうちで出す」「安倍叩(たた)きはうちの社是」と述べたとの話もある(小川榮太郎『約束の日』=幻冬舎)ほど政権と全面対立した。

 それが、今年2月初め、朝日の記者から会ってくれとの電話があって、記者は会うなり、「朝日は安倍政権と対立しないと決めた」と言う。第1次政権で対立してお互いに何もよいことがなかった。だから今度は是々非々で行くというのだ。理由を聞くと、第1次政権で対立して部数を相当落としたとのことだった。


 ≪憲法改正反対視野の前哨戦≫

 その後の論調は、記者の言った通り、極めて穏健なものだった。ひどく責め立てる主張はなく、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)や消費税増税では歩調を合わせさえした。しかし、逆にコアな読者に、不評を買って東京新聞や共産党のしんぶん赤旗に移られるなどして、部数を落としたという話もある。

 しかし、ここに来て是々非々の姿勢さえやめたようだ。原点に戻ったのである。視野に置いているのは憲法改正だろう。

 近い将来の最大の課題が改憲であることは衆目の一致するところだ。安倍政権が続けば、改憲が実現してしまう。ならば倒せということだ。17日に閣議決定した「国家安全保障戦略」についても、18日付社説で「9条掘り崩す」「軍事力の拡大ねらう」と一方的に批判。中国の脅威を背景に改憲の是非をめぐる熾烈(しれつ)な攻防戦が始まったと見るべきだろう。

 朝日の論調を侮れないのは、テレビのワイドショーでそれに合わせた番組作りをするところが少なくなく、ワイドショーが世論を作るからだ。冒頭の女性はその象徴だ。安倍政権にはこれらに抗すべく戦略的対応が求められる。(やぎ ひでつぐ)

2013年12月21日

<遠藤誉が斬る>周永康の外堀いよいよ狭まる

ウイル田村 












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<遠藤誉が斬る>周永康の外堀いよいよ狭まる――中共中央、公安部副部長・李東生の調査を始める

 20日19時40分、中国共産党中央(中共中央)紀律検査委員会・監察部のウェブサイトは、公安部副部長・李東生の取り調べに入ったことを正式に公布した。

 李東生は「中央防犯処理邪教問題領導小組」の副組長で、当該領導小組(指導グループ)弁公室の主任。この弁公室は1999年「6月10日」に法輪功を取り締るために江沢民が設立した弁公室だ。設立された日時にちなんで「610弁公室」という別名を持つ。公安部は中共中央政法委員会の管轄下にあって、この委員会の書記は胡錦濤政権の時は中共中央政治局常務委員会の9名の常務委員の中の一人だった。そのときの書記の名は周永康。

 筆者はこの9名の常務委員に「チャイナ・ナイン」という呼称を付け、チャイナ・ナインがチャイナ・セブンになるか否かで、周永康の運命が決まるだろうことも予言していた。そして2012年3月に薄熙来の失脚が決まるとすぐに「次のターゲットは周永康」というオンライン記事を書いたこともある。

 そのつながりは、実はこの「610弁公室」にあった。

『チャイナ・ジャッジ 毛沢東になれなかった男』の117頁に「第三章 1999年」というのがあるが、そこで詳述したように、薄熙来は江沢民の「610弁公室」を支持したことによって江沢民による後ろ盾をより強固なものにした。江沢民が1999年に「610弁公室」を設置しようとしたとき、時の国務院総理(首相)だった朱鎔基は反対した。以来、「610弁公室」の存在は、表に出してはならない内部闘争として激しい権力争いを展開させてきた。

 江沢民政権時代は「チャイナ・セブン」だった政治局常務委員会委員を、胡錦濤にバトンタッチするときに江沢民は「2人」増やして「チャイナ・ナイン」にした。それは、公安部を司る中共中央政法委員会に権限を持たせたかったからだ。だから強引に周永康を常務委員にねじ込んで、チャイナ・ナインにしたのである。

 これは江沢民が自分の正当性と権威を持続させるために取った措置である。

◆軍事費を上回る治安維持費は腐敗に消えている

 しかし、「公安、検察、司法」を司る中共中央政法委員会は、治安維持を名目に長いこと「腐敗の温床」となってきた。たとえば2012年4月に北京にあるアメリカ大使館に逃亡した盲目の民主活動家・陳光誠の場合、彼一人を監視するために1年で6000万元(約9億円)の「治安維持費」が中央から出るので、「陳光誠経済圏」が公安側に出来上がるほどだった。もちろんそれらは全て公安のポケットの中に入っていく。

 軍事費を上回る治安維持費は、こうして「腐敗の源流」となって取り締り関係者の財布を潤わせているのである。治安を維持するはずの「公安・検察・司法」による横暴と腐敗ゆえに、年間18万件もの暴動が起きている。本末転倒だ。そしてその暴動は中国共産党統治の根幹を揺るがせようとしているのである。

 だから2012年11月に開催された第18回党大会で、胡錦濤も習近平も「腐敗を撲滅しなければ党が滅び、国が亡ぶ」として腐敗撲滅が不可避であることを宣言した。一党支配が無くならない限り腐敗は無くならないとしても、チャイナ・ナインをチャイナ・セブンにしたのには、そういう意味が込められていた。

 その数か月前の薄熙来失脚で、今日の方向性は決まっていたものの、周永康は何と言っても政治局常務委員だった人物。第18回党大会で定年退職したのではあるが、元常務委員だった者を逮捕することはなかなかできない。
そこで周永康の外堀を徐々に狭めつつあるわけだ。

 薄熙来更迭に関するチャイナ・ナインの会議で、最後まで薄熙来を擁護したのは周永康一人だった。二人とも江沢民の配下であるとともに、「610弁公室」で結びついている。今般中共中央紀律検査委員会の取り調べを受けることになった李東生(公安部副部長)は周永康直属の部下だ。「610弁公室」を通して直接つながっている。

◆「鉄道部」「石油閥」の次は中共中央政法委員会

 一方、周永康には石油閥のボスとしてのもう一つの顔がある。その部下で石油閥の現役ナンバーワンだった蒋潔敏(元国務院国家資産監督管理委員会主任)は、2013年9月1日に中共中央紀律検査委員会の取り調べを受けて、全ての役職を罷免された。このとき多くの石油閥が捕まっている。

 2013年3月に、中国は鉄道部という巨大な腐敗の温床を解体させ、7月には元鉄道部部長(鉄道省大臣)に(2年の執行猶予つきの)死刑判決を言い渡した。9月になると、もう一つの腐敗の温床である石油閥にメスを入れたたわけだが、次に斬り込んでいくのは中共中央政法委員会だ。特にその管轄下で不正を働いている公安部。今般の公安副部長・李東生の取り調べは、その予測が正しかったことを証明してくれている。ターゲットである周永康の外堀は、徐々に狭まっていることを示唆している。

「習近平−李克強−王岐山(中共中央紀律検査委員会書記)」は人民の間では腐敗撲滅のための「鉄三角」と呼ばれている。

 それでも最後にもう一度くり返しておこう。一党支配をやめない限り、腐敗の温床は消えない。
(<遠藤誉が斬る>第14回)

 遠藤誉(えんどう・ほまれ)
 筑波大学名誉教授、東京福祉大学国際交流センター長。1941年に中国で生まれ、53年、日本帰国。著書に『ネット大国中国―言論をめぐる攻防』『チャイナ・ナイン―中国を動 かす9人の男たち』『チャイナ・ジャッジ毛沢東になれなかった男』『チャイナ・ギャップ―噛み合わない日中の歯車』、『●(上下を縦に重ねる)子チャーズ―中国建国の残火』『完全解読「中国外交戦略」の狙い』など多数。
(レコードチャイナより)


2013年12月19日

猪瀬東京都知事の辞任表明を受けて、石破茂幹事長・高村正彦副総裁ぶらさがり会見

田村 日経















 11月27日の日本経済新聞(3面)に、『改正 日本国憲法』(田村重信著、講談社+a新書)の広告が載っています。
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 石破茂幹事長 ぶら下がり
(12月19日(木)11:02〜11:07 党本部4階エレベーターホール)

【質疑応答】

Q:(代表質問)TBSの亀井です。東京都の猪瀬知事が辞任を表明しましたが、受け止めをお聞かせください。

A:ここしばらく猪瀬知事の問題で、年末の予算編成等がある時期に、都政が停滞したことは事実としてありました。この都政の停滞を一刻も早く解消し、そして、新知事の下で都民の生活に英票が及ばないよう、党としても最大限の努力をしていくということだと思います。

Q:(代表質問)TBSの亀井です。知事辞任の判断の時期は、妥当だとお考えですか。

A:なかなか都議会のご理解を得られない、都民のご理解を得られないという状況に陥ったわけですが、もう少し混乱を短くすることはできなかったかという印象は持っています。

Q:(代表質問)TBSの亀井です。今後は、後任の候補者の選定に入ると思いますが、党としてどのように対応されるのですか。

A:東京が抱えている多くの問題があります。まずオリンピック・パラリンピックに向けて、いろいろな準備作業を加速させる。首都直下型地震への対応も急がなければいけません。あるいは、東京のかつてニュータウンと言われた地域、ここの高齢化が急速に進んでいます。都の抱える多くの課題に、適切に対処できる方、そして都民、都議会、あるいは各自治体との信頼関係を築ける方が望ましいと思います。もちろん政権政党たるわが党は、公明党とともに、勝てる候補を擁立しなければなりませんし、勝てるということとともに、東京の抱えている多くの課題に、迅速かつ適切に対処できる能力を持った方、この両方を追求していき、都民の皆さま方にお示ししたい。
 第一義的に、東京都政に責任を持ちます東京都連、都議会自民党が、公明党の方々ともよく協力し、都議会議員選挙がそうだったように、党本部として全力で支援したいと思います。

Q:(代表質問)TBSの亀井です。党内で、具体的な名前は挙がっているのですか。

A:挙がっていません。今日、猪瀬知事の辞意表明がありましたので、これを受けた形で、今年もあまり残っていませんが、都政に停滞は許されませんので、一刻も早く人選をしたい。第一義的には、東京都の関係の方々のお考えを承り、それと党本部の考え方をすり合わせて、早急に決めたいと思います。

Q:(代表質問)TBSの亀井です。年内に決めたいということでしょうか。

A:それは、選挙が2月のどの時期に行われるかということにもよりますが、やはり年末年始、いろいろな行事、人々の集まりもあります。首都東京に対して、わが党としていかに責務を果たすかを考えた時に、その時までに必ずとは、今日の今日ですから申し上げられる段階ではありませんが、できれば早く決めて都民の皆さま方に安心していただける態勢を作りたいと思います。

Q:産経新聞の力武です。候補者選定にあたって、総理から何か指示があったのですか。

A:これは昨日、東京都連所属の萩生田光一筆頭副幹事長が総理からいろいろなお話を聞いております。今日、できれば萩生田筆頭副幹事長と私で話をして、総理のお考えも踏まえながら、決めたいと思います。



*高村正彦副総裁 ぶら下がり
(12月19日(木)11:14〜11:20 於:党本部副総裁室)

【質疑応答】
Q:(代表質問)テレビ東京の佐藤です。東京都の猪瀬知事が正式に辞任を表明しましたが、受け止めをお聞かせください。

A:自ら辞任を決断されたことは、それなりに評価しています。もっと早く決断していれば、もっと良かったということはあるのですが、それでも辞任を決断されるということは大変なことでありますから、それなりに評価しております。

Q:(代表質問)テレビ東京の佐藤です。焦点は次の候補者選びになりますが、ご所見をお聞かせください。

A:党本部としても、首都のトップでありますから、無関心ではいられない。無関心ではいられませんが、本質的には、地方自治体のトップを決めるということですから、都連が中心になってきちんとすると思いますが、私たちとしても無関心ではいられないということです。

Q:(代表質問)テレビ東京の佐藤です。政府の方から若い女性をという声がありますが、それについては、どのようにお考えですか。

A:政府の中の一部の人が言っているんでしょう。知りません。私は聞いておりません。

Q:フジテレビの西垣です。国と地方を合わせた行政の停滞を招かないために、一義的には都政とおっしゃいましたが、国会議員としては、いつまでに候補を決めなければならないと思いますか。

A:選挙の日にちは当然まず決まる。あまり日にちがないから、一方では早ければ早い方がいい。だけど拙速で誰を選んでも良いという話でもない。ですからいつまでもというタイムリミットを置くということじゃないけど、タイムリミットがあるとすれば、告示までには決めないといけないでしょう。

Q:AERAの本田です。通常国会での予算審議の最中に行われる選挙になりますが、どのような選挙と位置付けられますか。

A:首都のトップを決める選挙ですから、政党としても、それぞれ総力を挙げた選挙になると思います。もちろん政党と関係のない方も想定できるのですけれども、政党が推薦した場合には、総力を挙げて勝ちに行くということです。

Q:産経新聞の岡田です。次の知事は、東京オリンピック・パラリンピックの準備もあり、重要なポストになりますが、どのような候補が望ましいとお考えですか。

A:オリンピックの準備も含めて仕事のできる人が望ましいということですよね。自民党と密接な関係のある方には、たくさんいると思いますが。

Q:フジテレビの西垣です。猪瀬氏は政治的には都知事を辞任されましたが、説明はまだ疑問が残っています。その後、どのように対処すべきとお考えですか。

A:これはなかなか難しい問題で、今まではトップですから、都政のトップという意味で、説明責任は何よりも重かったわけです。まだわかりませんが、これから被疑者になるかもしれない。被疑者の権利というのは一方である。一私人となった場合、そこでどうかということは非常に難しい問題で、それは猪瀬さんが、自らこれから作家としてやっていくという意味であれば、説明責任をおろそかにしてやっていくのかなという判断はあるでしょうし、あるいは仮に被疑者となった場合には、その立場で防御に徹するというのはあってはならない選択とは言えないのかもしれない。そうすると一方で、これから作家としてやっていくのにはマイナスが出てくるのかもしれない。これは猪瀬さん自らが判断されるべきだと思います。

Q:AERAの本田です。都知事選の歴史を振り返ると、自民党が盤石な時に何度か負けているということがあります。課題など、考えなければいけないことはありますか。

A:勝つように全力を尽くすということですよ。盤石でも負けることがあるというのは仕方ないのではないですか、そういうことがあるのは。これは歴史ですから。過去の歴史を変えるというわけにはいかない。これからはないようにしたいということです。

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2013年12月18日

大好評!高村正彦副総裁 記者懇談 冒頭発言(猪瀬東京都知事問題)

田村 日経















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 猪瀬さんの件ですが、副知事としても、あるいは知事としても、職務権限があることと関係する仕事をする人から5000万円という大金を受け取った。

 こういう外形的事実だけで、知事自身が出処進退を決断するに十分であるというふうに考えます。

 職務権限に関係することと関係なく5000万円を受け取っても不思議ではない特別な関係があるということを説明できればまた別の話になりますけれども、今までの猪瀬さんの説明ぶりから言えば、かえってそういう特別な関係はないということがはっきりしているわけで、その外形的な事実だけで出処進退を決断するべきことだと思います。

 この決断が遅れると、オリンピック準備に、もし支障が出るとなれば、知事としてオリンピック招致成功した大きな功績を台無しにすることになると思っています。

shige_tamura at 12:25|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!自由民主党 

2013年12月13日

4つの白に気をつけろ!(ワシントン報告、横江公美氏)

田村 日経















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 ヘリテージ財団、アジア研究センター、2013年12月12日
 
コカコーラやペプシなどの飲料メーカーは、最近、ダイエット飲料の販売を軒並み減少させていると言う。カロリーに関係なく人口甘味料のほうがメタボリック症状を誘発するという研究結果が発表されるようになったからだ。

 私も2年半のアメリカ生活で、日々、最高体重を更新中である。
 1990年代のアメリカ生活は、私を甘いもの好きに変えた。
 今回は、甘いもの好きに拍車がかかっている感がある。
 とりわけ、ホリデー・シーズンのアメリカは、甘いもの好きにとっては危険な季節である。ハロウィーンと感謝祭には、パンプキンパイとピーカンパイの誘惑には逆らえない。その上、ターキーの付け合せには、付け合せのなかで最大カロリーを持つと思われるマッシュドポテトははずせない。クリスマスが近づくとクリスマス用ケーキと冬のジビエに頭の中は支配される。この季節は、最も町が華やぐ時であり、季節そのものが中毒性を含んでいる。

 ヘリテージ財団のスタッフを見渡すと、私ほどに体重を増やしている人はいない。それなりの高値安定者もいないわけではないが、増加傾向には見えないし、鍛えている感はある。

 ワシントンやNYでは肥満は「自分のコントロールができない人」として見なされると言われだけに、肥満に近づくことは大問題である。とりわけ、健康保険が問題になっているアメリカでは肥満は、予算議論でも敵である。

 ヘリテージ財団で全スタッフ向けアンチ肥満のゼミナールが、ホリデーシーズンに先駆けて行われたので、その内容を紹介しよう。

 スピーカーは「Dr.Ann’s Weight Less for Life」という本を出版するダイエット業界では有名なアン・カルズ博士だ。たぶん50代であろうが、スリムなジーンズをはき、モデルのような体型だ。

 カルズ博士は最初に、4つの敵を紹介した。
 4つとも白い食べ物で「白色に注意」と題されていた。

 1つは、白砂糖。
 2つ目は白小麦。
 3つ目は白米。
 4つ目はジャガイモ。

 とりわけ、砂糖と小麦は、少量でも食べると食欲スイッチが入り、さらに食べたくなるという。

 次に、奨励されること。重要なのは、何度も聞いたことがある話であるが、食事と運動だ。

 食事については、4つの白を避けて、野菜をたっぷりととることを奨励した。パワーポイントでは丼一杯分以上の野菜を食べるカルズ博士の写真が映し出された。「お腹がすいたと感じない量の野菜はとるべき」と語る。
 野菜以外に奨励されたのは、1日一掴みのピーナッツやアーモンドなどのナッツ類だった。

 運動については、思ったよりも長く必要だ。毎日、運動する場合は45分以上、週1の場合は2時間以上の運動が必要になるという。

 甘いものを食べたいときは、70%以上カカオのチョコレート。これは食べないよりも食べた方がいい、ということがだが、食べてもいい量は1日1粒ということだった。

 ちなみにヘリテージ財団では、外部向けイベントであると内部向けであろうと大規模な昼下がりの集まりでは、ゼミナール終了後、大量のクッキーやチョコレートなどの甘いお菓子、そしてコーラなどのソフト・ドリンクが必ず用意される。つまり、カルズ博士が「悪者」とするものばかりが用意されている。今日は、どうするんだろうと思っていたら、その日ばかりは、カルズ博士お勧めのピーナッツやドライフルーツのバーと水が用意されていた。
 

 キャピトルの丘

 日米同盟の新しい分野の1つが宇宙政策だ。そのなかでも、日本は宇宙ごみの技術が進んでおり、宇宙ごみでの貢献が日米間で進んでいる。そんな話を聞いていたので、宇宙ごみの映画「グラビティ」が封切されたので、さっそく、見に行った。

 ご覧になる方のことを考え詳細は避けるが、この映画で私が最も感動したことを1つが、主役サンドラ・ブラックの筋肉だった。無重力に浮くサンドラの体の無駄のない脂肪としっかりついた筋肉に見惚れてしまった。宇宙飛行士には頭脳だけではなく優れた肉体も必要と今さらながらに思うと同時に、私は、日米筋肉比較をしていた。

 日米のホワイトカラーの筋肉量を比較すると、圧倒的にアメリカが多いと思われる。筋肉をつける環境が、アメリカのオフィスにはしっかりと根付いている。

 この環境こそは、日本が取り入れるべきもの、と思う。

 例えば、ヘリテージ財団のスタッフを見ると年齢に関係なく、ワークアウトに力を入れている。なぜ、こんなことがわかるかというと、ヘリテージ財団の地下は、シャワー室完備のジムがある。お昼頃に行くと、デミント所長がワークアウトしている。デミント所長もかなり鍛えており、60代にして片手、片足で腕立て伏せをしている。かなりワークアウト歴が長いレベルである。昼下がりに行くと、創設者の一人であるタロック副所長が個人トレーナーに指導を受けながらワークアウトしている。ワークアウトは、怠けているのではなく、仕事に重要な要素として受け入れられている。健康は、健康保険料への最大の貢献でもある。

 日本でも、医療費はさらに必要になっていく。ワークアウトを重要視する環境作りは、日本にとっても必須ではないかと思えてならない。

 さて、日本でも忘年会、お正月、新年会と太りやすい季節である。お互い、気を引き締めていきましょう。

出張から休暇に入るため、今年のニュースレターはこれが最後です。良いお年をお迎えください。Happy Holiday!!


 横江 公美、客員上級研究員、アジア研究センター
 Ph.D(政策) 松下政経塾15期生、プリンストン客員研究員などを経て2011年7月からヘリテージ財団の客員上級研究員。著書に、「第五の権力 アメリカのシンクタンク(文芸春秋)」「判断力はどうすれば身につくのか(PHP)」「キャリアウーマンルールズ(K.Kベストセラーズ)」「日本にオバマは生まれるか(PHP)」などがある。

2013年12月10日

安倍晋三首相 特定秘密保護を語る

田村 日経















 11月27日の日本経済新聞(3面)に、『改正 日本国憲法』(田村重信著、講談社+a新書)の広告が載っています。
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 これを読めば、特定秘密保護法の意義が理解できます。
 
 安倍晋三首相 特定秘密保護を語る
 
(産経新聞、2013.12.7 )

 ■国民を、領土を、国益を守るための法律です

 現在、秘密というと特別管理秘密と防衛秘密、それと日米相互防衛援助協定(MDA)秘密の3種類があるが、特別管理秘密は法律で決めたものではないんです。
 統一ルールもないし責任者も明確ではない。世界中、どこでもちゃんとしたルールがあるのに。

 今回、国家安全保障会議(NSC)を作りました。そしてこのNSCで各国のNSCと情報交換をしながら国民を守るために正しく政策立案をしていく。

 情報が保全されて初めて情報交換もできるし、突っ込んだ議論も可能になってくる。ところが今までは、そのための秘密保全が不十分であるのと同時に、秘密のルールがなかった。これをきっちり法律で定めていくことにしました。

 ◆透明性はむしろ増す

 公務員による情報漏洩(ろうえい)の危険性は格段に減るし、秘密の取り扱いの透明性はむしろ増すのです。そして、問題が長期間伏せられることがなくなっていく。なぜならば、秘密の管理に首相をはじめ複数の異なる立場の者が関与して、しかも一定期間ごとにチェックして毎年国会に報告していくことになるからです。

 核持ち込みをめぐる日米の密約問題がありました。民主党政権時代に調査をした結果、いくつかの事実が明らかになった。日米同盟の重要性に鑑み、そうした密約をせざるをえなかった事情は理解します。問題は、それがいつまでも密約のままであり続けたことです。私が官房長官のときも第1次安倍政権時代もその説明を受けなかった。

 特定秘密保護法によって、しっかり全体を把握していくことになります。首相は国民に選ばれた議員であり、議員の中から選ばれた行政府の長です。その責任で、秘密指定を解除すべきものは当然解除の判断をしていくことができる。つまり、新しい法律で同じ問題が起こりえなくなる。

 ◆NSCで情報を交換

 1月のアルジェリア人質事件でも、日本自体が情報を収集するのはなかなか難しかった。あのときは、キャメロン英首相と話し、さまざまな情報提供をしてもらいましたが、NSCがあれば英国のNSCと政策対話を行い、情報提供を受けることも可能になってきます。それも当然、秘密の保全が前提となる。
 もちろん、北朝鮮や中国についても日本が中に入って情報を収集するのはなかなか難しい。

 先般、中国が尖閣諸島(沖縄県石垣市)を含む東シナ海上空に防空識別圏を設定しました。相手の地上レーダーはどれだけの高度でどの範囲をカバーしているのか。また、相手の戦闘機の搭載しているレーダーの有効な探知距離、ミサイルの射程、命中精度、誘導する電波の周波数などは非常に重要な情報です。

 相手がどこまで接近すると危険かや、ミサイルを回避するための研究などに関連してくる。こうした情報を持つ国からの情報提供がより円滑になり、情報交換がより強化されていくことは間違いありません。この法律は国民を、日本の領土・領海・領空を、そして国益を守るためのものです。

 情報機関同士の情報提供には、第三者にはこの情報を渡さないという「サードパーティールール」があり、これは情報の世界では常識です。だから、それが守られないのであれば多くの情報は入ってこない。

 ◆秘密増えることない

 メディアの報道では、知る権利が根こそぎ奪われるといった悲劇的な見出しもあった。でも、今も特別管理秘密があって防衛秘密があって、MDA秘密がある。これが増えるということはまずありません。

 今も特別管理秘密が42万件あると説明すると、「そんなにたくさん首相が見られるわけない」と言われましたが、うち9割は衛星写真なんです。これは解像度そのものが相手に知られるわけにはいかない秘密ですから。写真を一枚一枚チェックするわけではない。

 そしてほかに、たくさんの暗号がある。古いものも含めて暗号そのものが全部秘密です。そうなると、残りはかなり少なくなる。

 つまり、知る権利の保障は法律ができた後も今と全く変わらない。今までと違うのは、国会議員にも初めて明確な守秘義務と罰則がかかることです。これは大きな変化といっていい。

 ◆戦争と結びつける癖

 メディアや野党が戦争と結びつけるのは、昭和35年の日米安全保障条約改定時もそうだったし、平成4年の国連平和維持活動(PKO)法案審議のときもそうで、いつもなんですね。
 第1次安倍政権で防衛庁を「省」に昇格させたときもでしたが、心配するような変化が起こったのかと言いたい。例えばPKO法案のとき、菅直人元首相は発言席にしがみついて国会衛視に排除された。肉体的に抵抗を試みたのだけれど、彼は首相時代に自衛隊のPKO派遣を容認している。

 22年の中国漁船衝突事件で衝突映像を流した元海上保安官、一色正春氏について当時の毎日新聞は「国家公務員が政権の方針と国会の判断に公然と異を唱えた『倒閣運動』」と激しく非難し、朝日新聞は「政府や国会の意思に反することであり、許されない」と書いている。現在の姿勢とのダブルスタンダード(二重基準)には唖然(あぜん)とします。

 ◆菅政権の致命的ミス

 問題は、誰がどのようなルールで秘密を決めるかであり、衝突映像はそもそも秘密にすべきものではなかった。日本の国益のためにはむしろ、国際社会に示さなければならなかった。(菅政権は)全く誤った、致命的な判断ミスをした。

 秘密に指定したのは菅首相なのか仙谷由人官房長官(当時)なのか分からない。ジャーナリズムはむしろ、そういう点を追及すべきだと思います。今後は、秘密を指定する基準が決まるから、こうしたことはもう起こらなくなります。

 どこかは言えませんが、ある国の情報機関のトップは、NSCができて秘密保護の法律ができることによって、日本への情報提供はよりスムーズにいくとはっきり言っていましたね。
(夕刊フジ 矢野将史、杉本康士)

2013年12月06日

戦略はモデルを使って考る!(ワシントン報告、横江公美氏)

田村 日経















 11月27日の日本経済新聞(3面)に、『改正 日本国憲法』(田村重信著、講談社+a新書)の広告が載っています。
 紀伊国屋書店新宿本店の週間ベストセラー11月25日〜12月1日(新書)
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 ヘリテージ財団、アジア研究センター(2013年12月5日)

 今週もヘリテージ財団では、国際関係部門の全研究員を対象にした、「ランチ授業」が行われた。講師は、国防大学でシステム・マネジメントを教える Geoffrey Seaver教授であり、テーマは「Systems Thinking」であった。

 この授業には、国際部門を総括するジム・カラファノから国際部長スティーブ・ブッチ、自由経済部長のテリー・ミラーそして上級研究員のビーター・ブルックス、ブルース・クリンガー、リサ・カーチス、そしてリサーチ・アシスタント面々と、国際部に所属するほぼ全員が出席した。

 Seaver教授は、軍事政策のモデルを紹介したが、連邦政府のすべての省庁は、こういったモデルを使って、業務の達成についての評価を行っているという。つまり、モデルの理解を持っていたほうが、どんな分野においても、アメリカ人専門家と話をする時、議論しやすいということになる。

 といわけで、今週は、この授業について紹介しましょう。

 Seaver教授は、「温度」を使って、授業を始めた。
「どうして、部屋の温度を設定するのか」と教授は尋ねた。
「快適にする」と答えた人に、教授は「政策」と書いた札を渡す。

 次に「設定温度は?」と質問した。それぞれが口々に「70度」「75度」「68度」と発言する。なんとなく70度に落ち着いたところで、70度発言者に「コントロール」と書いた札を渡す。

 次に教授は「70度+−5度はOKの範囲としましょう。それ以上、以下になったらどうしますか」

「温度を下げる」「温度を上げる」「エアコンのスイッチを入れる」と発言がでたところで「プロセス・オペレーション」と書いた札を取り出した。

 つまり、目標が「政策」であり、目標のターゲットについての意見をまとめることが「コントロール」であり、そして目標ターゲットを実現するのが「オペレーション」ということになる。この3つが、基本モデルである。

 だが、これでモデルは完結しない。もう2つの要素が加わり完全モデルとなる。

 1つは、部屋の温度にあたる「状況」である。ここには、その部屋の自然温度だけではなく、部屋にいる人の数、何をしているか、そしてオペレーションにいくら使えるのかという予算なども入ってくる。この状況をかんがみてオペレーションを行うが、確実に目標温度を維持できるわけではない。オペレーション後の温度の変化を「アウトプット」と呼ぶ、と説明した。アウトプットは、政策、コントロールにフィードバックされている。

 さらに、ビジネス・モデルもこれに当てはまるという。「状況」の変化に対応できない産業は、生き残れないという。早急な時代の変化について行けなかったDell、Streaming VideoについていけなかったBlockbusterが例にあがった。

 軍事政策については、これほど簡単にはいかない。軍事力を測ることは難しいからだ。

「軍事力は図ることはなぜ難しいのか」との質問に対し「敵による」「予算」「どんな人が働いているか」「訓練」「軍事施設」「武器」「軍事機器」らさまざまな変数があり、そしてそれらの能力も簡単には図れない、とみんなの意見が集約した。

 そこで、教授は、どんな政策、そしてモデルを考えるにしろ、すべての機能を満遍なく取り入れて考えることが目標達成にもっとも必要なことになる、として授業は終わった。


 キャピトルの丘

 感謝祭の休みを使ってアナポリスの海軍兵学校を、ゆっくりとくまなく訪問した。 授業と訓練の内容を聞くほどに、ここの学生たちは命がかかっているだけに、もっとも必死に勉強する学生たちだろうということを思い知らされた。

 案内をしてくれた教官は、「授業中、寝ている学生は見たことない」と言っていた。ちなみにここの学生の身分は軍人で、午後3時で授業は終わるが、その後、すべての学生はクラブ活動に参加する。ここからオリンピックの選手が出ているなど、クラブ活動といっても、体育会なみかそれ以上の訓練が繰り広げられている。

 しかも、この大学は最も入学することが難しい大学だ。地元国会議員の推薦が必要で、州ごとにその選抜過程もきちんとできあがっている。州全体が知的にも体力的にも人格的にも認めた学生のみが受験する資格を持つ。入学が許されたからと言って、ここでの学ぶことが許されるわけではない。最初に海上演習が行われ、「ついていけない」と自覚する学生はここでふるい落とされる。

 海軍兵学校訪問で得た知識を下地に、システム・シンキングの授業を聞くと、とりわけ軍隊に関わる政策は、きちんとモデル化して説明が付かないと、上部組織から下部組織までいきわたらない。説明しやすさを理解しやすさは必要になる。

 モデルや表をよく使う経営学の基礎は軍事作戦であることはよく知られているが、こういった授業を聞くと、命にかかわるだけに、確かにどんな学問以上に、システム化、モデル化が重要になっていることがよくわかる。

 モデル化は、まず議論の基礎ということになる。
 授業の最後に、私にとっての事件が起きた。

 今回の授業は、Ph.Dを持つ部長が「モデル化は結局、意味がないと思う」と発言したのである。この分野に素人の私は、勉強になると思ってありがたく授業を聞いていたので、非常に驚いた。

 だが、これは知っている上での否定である。知らないで否定するとただの無知であるし、議論にもならない。この部長は軍隊出身の作戦についてのPh.Dを持つ。つまり、今までモデル化とシステム化をさんざんしてきただけに、そのマイナス面をついたのである。

まさにシンクタンクの内部研究会の議論は奥が深い。


 横江 公美、客員上級研究員、アジア研究センター Ph.D(政策)
  松下政経塾15期生、プリンストン客員研究員などを経て2011年7月からヘリテージ財団の客員上級研究員。著書に、「第五の権力 アメリカのシンクタンク(文芸春秋)」「判断力はどうすれば身につくのか(PHP)」「キャリアウーマンルールズ(K.Kベストセラーズ)」「日本にオバマは生まれるか(PHP)」などがある。


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