2013年11月

2013年11月29日

日本をとりまく安全保障の現状 − 田村重信氏に聞く

日経
 27日の日本経済新聞(3面)に、『改正 日本国憲法』(田村重信著、講談社+a新書)の広告が載っています。
 紀伊国屋書店新宿本店の週間ベストセラー11月18日〜11月24日(新書)
 「第3位」
になりました。
 全国書店で買えます。
ブログランキングに参加しています。
↓↓↓貴方の応援クリックが明日の活力になります↓↓↓

こちらをクリック

 ユーチューブでアップされました。

■ 日本をとりまく安全保障の現状 − 田村重信氏に聞く

 自由民主党政務調査会調査役の田村重信氏をお迎えし、設置法案成立に伴ってついに見えてきた国家安全保障会議(日本版NSC)の実現や、なお根強い反発も見られる特定秘密保護法案の重要性、突如として防空識別圏を設定、主張してきた中国の動向などについて、お話を伺います。

2013年11月28日

中国による防空識別圏の設定の即時撤回を求める決議(自由民主党政務調査会)

日経
 27日の日本経済新聞(3面)に、『改正 日本国憲法』(田村重信著、講談社+a新書)の広告が載っています。
 紀伊国屋書店新宿本店の週間ベストセラー11月18日〜11月24日(新書)
 「第3位」
になりました。
 全国書店で買えます。
ブログランキングに参加しています。
↓↓↓貴方の応援クリックが明日の活力になります↓↓↓

こちらをクリック



 中国による防空識別圏の設定の即時撤回を求める決議

 平成25年11月28日(木)
 自由民主党政務調査会


 去る11月23日、中国政府は、「東シナ海防空識別区」を設定し、当該区域を飛行する航空機に対して中国国防部の定める規則を適用するとともに、これに従わない場合には中国軍による「防御的緊急措置」をとる旨発表した。

 中国側のこうした措置は、東シナ海周辺における現状を一方的に変更し、事態をエスカレートさせ、現場海空域において不測の事態を招きかねない極めて危険なものである。

 今回の中国側の措置は、公海上空を飛行する民間航空機を含む全ての航空機に対して、一方的に軍の定めた手続に従うことを強制的に義務付けた。これに従わない場合、軍による対応措置を講じるとしたことは、国際法上の一般原則である公海上空における飛行の自由の原則を不当に侵害するものであると同時に、アジア太平洋地域ひいては国際社会全体の平和と安定に対する重大な挑戦である。

 東シナ海は多数の民間航空機の飛行経路であり、民間航空の秩序及び安全への影響の観点からも大きな問題である。このような中国側の措置は、我が国に対して何ら効力を有するものではないことをここに言明する。

 また、中国側が設定した空域は、我が国固有の領土である尖閣諸島の領空があたかも「中国の領空」であるかのごとき表示をしており、このような力を背景とした不当な膨張主義を民主主義・平和主義国家として我が国は断じて受け入れることはできない。

 我が党は、公海上空における飛行の自由を妨げるような今回の一切の措置を、中国側が即時撤回することを強く要求する。

 また、同盟国である米国をはじめ、自由・民主主義、基本的人権、法の支配といった共通の価値観を有する周辺諸国・地域を含む国際社会及び国連をはじめとする国際機関と緊密に連携しつつ、我が国の主権と国民の生命・財産を断固として守り抜くため、毅然たる態度で必要なあらゆる措置を講じることを政府に強く求める。

2013年11月27日

<遠藤誉が斬る>中国「防空識別圏設定」の真相―1年前から計画していた!

日経
 今朝(27日)の日本経済新聞(3面)に、『改正 日本国憲法』(田村重信著、講談社+a新書)の広告が載っています。
 紀伊国屋書店新宿本店の週間ベストセラー11月18日〜11月24日(新書)
 「第3位」
になりました。
 全国書店で買えます。
ブログランキングに参加しています。
↓↓↓貴方の応援クリックが明日の活力になります↓↓↓

こちらをクリック

 遠藤誉先生からご了解をいただき、<遠藤誉が斬る>中国「防空識別圏設定」の真相―1年前から計画していた!――を急きょ掲載しました。
 これは、すごい分析です。
 外務省関係者に是非読んでもらいたいものです。


 2013年11月23日、中国が尖閣諸島(中国名、釣魚島)を含む東シナ海上空の防空識別圏設定を発表した。

 中央テレビ局(CCTV)は、まるで宣戦布告のような勢いでその経緯度を読み上げたが、それは日本の防空識別圏と重なっている。まさに尖閣諸島上空部分で重なっているのだ。日本政府が中国側の設定は無効であると宣言し、中国の一方的な設定の撤回を強く求めたのは、当然のことだ。

 あの媚中外交にはまり込んでいる韓国や北京政府寄りの台湾(馬英九)さえ懸念を示し、米国は「(地域の安定に関して)挑発的である」として中国に警告。中国政府は関係国の抗議や批判に対して激しく対抗している。
 本稿では、中国の防空識別圏設定が出てきた背景と経緯を解読する。


◆立体巡航――2012年12月13日に中国機が初めて領空侵犯

 2012年9月14日(日本時間)、中国の国連代表だった李保東は、尖閣諸島を含む海図を、「中国の領土」として潘基文(パン・ギムン)事務総長に提出した。
 続いて同年12月13日午前11時前後、中国の航空機が尖閣諸島の上空で領空を侵犯。

 9月11日の野田内閣による尖閣諸島国有化閣議決定を受けて、尖閣諸島周辺で中国の漁業監視船や海洋監視船が航行を続け、接続水域を出入りする状態が常態化していたが、領空侵犯までしたのは、このときが初めてだ。

 実は12月13日は「南京事件」の日で、南京市では午前10時に巨大なサイレンが鳴って南京市民が黙祷をする習わしがある。日本と中国の時差は1時間。日本時間の午前11時前後は、まさにこの10時に当たる。

 このとき同時に中国の監視船が尖閣諸島周辺の領海をも侵犯している。中国の国家海洋局のウェブサイトにはその瞬間、釣魚島の「立体巡航に成功した」という大きな文字が躍った。「立体巡航」とは領海を面積としてその垂線上方に延びる線を結ぶ「立体」を全て中国が領有権を持つ空間として「巡航」するという意味である。

 中央電視台(中央テレビ局、CCTV)も、まるで戦争に勝ったような勢いで「立体巡航」を報道。ネット空間も炎上した。

 この時の新華網のニュース記事などで、今でも「立体巡航」に燃えた中国の熱気を窺い知ることができる。

◆防空識別圏――2013年1月10日が分岐点

 2013年1月10日、尖閣諸島北方の東シナ海上空で、中国人民解放軍の軍用輸送機Y-8が、日本の防空識別圏に入ったのを受けて、日本の航空自衛隊F-15戦闘機2機が緊急発進(スクランブル)で対処した。同日、情報収集などに当たる日本の自衛隊機に対して、中国人民解放軍の戦闘機J-10(殲10)やJ7(殲7)が緊急発進をしたことがあった。

 その翌日の2013年1月11日から、中国のネット空間に「防空識別圏」という言葉が頻出するようになる。

それらには日本の自衛隊法第84条第1項が規定する「領空侵犯に対する措置」に触れたあと、「防空識別圏と領空とは異なる」という趣旨のことが書かれている。

 9月に入ると、「環球新軍事」などが本格的に「防空識別権」に関して書きたて始め、「もう既に日本の家の玄関にまで迫っているよ」とか「中共中央軍事委員会は、とっくの間に防空識別圏設定を許可しているよ」といった書き込みがネット空間に現れ始めた。

◆決めるのは中共中央軍事委員会

 中国が防空識別圏を設定するという決定をしたと公表したのは、国務院(中国人民政府)の中央行政省庁の一つである国防部だ。しかしその決定をしたのは中共中央軍事委員会である。その主席は習近平。習近平は中共中央総書記と国家主席を兼ねると同時に、軍事委員会の主席も兼任している。政府は党の下にある。すべてが「党の指導」で行われていることを忘れてはいけない。

 ではなぜ今なのか?

 1年前から計画されていたとはいえ、今この時期であることには理由がある。

 今年9月11日の尖閣諸島国有化の日と、9月18日「満州事変」の日に反日デモが鎮圧されたのは記憶に新しい。鎮圧した原因は、薄熙来裁判があり、また「毛沢東の肖像画」が並んで反日デモが反政府デモに転換していくのを恐れたからだ。
 
 その代わりに「売国政府」と罵倒されないために、中共中央は9月、尖閣諸島への領空領海侵犯を強めた。

 今般また日本の領空への侵犯を一段と強めたのは、10月24日に「周辺外交工作座談会」をチャイナ・セブン(中共中央政治局常務委員7名)が開いて、「釣魚島問題は一歩も譲れないが、対日関係は改善すべきだ」と習近平が発言したからだ。さらに習近平は「日中の経済交流と民間交流を強化せよ」と付け加えた。

 これではまた「売国政府」と罵倒されてしまう。

 そのために対日強硬策に出た。 

 こんなことを繰り返さなければならないところに、中国は本当は追い込まれている。

 尖閣諸島が日本の領土であることは疑う余地がない。

 にもかかわらず中国は韜光養晦(とうこうようかい=力のない間は闇に隠れて力を養え)を捨てるにつれて、理不尽なことを強引にやり過ぎている。内部から沸き上がる多くの矛盾との狭間で、やがて中国自身が苦しむことになるだろう。

 日本政府が日本の民間航空機に「中国に通報する必要はない。従来通りに動け」と指示を出したのは正しい。日本は今般の厳しい局面をチャンスとして活かし、良識ある国際世論形成に尽力することが望まれる。



遠藤誉(えんどう・ほまれ)
筑波大学名誉教授、東京福祉大学国際交流センター長。1941年に中国で生まれ、53年、日本帰国。著書に『ネット大国中国―言論をめぐる攻防』『チャイナ・ナイン―中国を動 かす9人の男たち』『チャイナ・ジャッジ毛沢東になれなかった男』『チャイナ・ギャップ―噛み合わない日中の歯車』、『●(上下を縦に重ねる)子(チャーズ)―中国建国の残火』『完全解読「中国外交戦略」の狙い』など多数。
(レコードチャイナより転載)

 国際法が許さぬ中国防空識別圏 前防衛相、拓殖大学特任教授・森本敏

日経
 今朝(27日)の日本経済新聞(3面)に、『改正 日本国憲法』(田村重信著、講談社+a新書)の広告が載っています。
 紀伊国屋書店新宿本店の週間ベストセラー11月18日〜11月24日(新書)
 「第3位」
になりました。
 全国書店で買えます。
ブログランキングに参加しています。
↓↓↓貴方の応援クリックが明日の活力になります↓↓↓

こちらをクリック

 以下、とても参考になりますので掲載しました。

 国際法が許さぬ中国防空識別圏 前防衛相、拓殖大学特任教授・森本敏

 (2013.11.27)[産経新聞・正論]


 中国が、東シナ海周辺海域に防空識別圏(ADIZ)を設定し、これを公表した。 防空識別圏は自国領空に接近する他国の航空機を識別し、領空侵犯を防止するために自主的に設定するものである。中国はこれまで、防空識別圏は設けてこなかったが、今回の設定に続いて、適切な時期に、他の地域でも設定していく意向を明らかにしている。

 ≪公海上の飛行の自由を侵害≫

 今回の設定目的は一つには、尖閣諸島の領有権主張を強める狙いとみられるが、設定範囲に尖閣のみならず東シナ海油田開発区域も含まれていることを考えれば、東シナ海全体が領海であると誇示する意図との見方もできる。

 なぜ今、ADIZ設定・公表なのかは不明だが、先般の無人機侵入に際し、日本側が取った対応措置に鑑み、抑止機能を働かせようとしている可能性もあろう。

 今回の設定空域は日本のほか、韓国、台湾の防空識別圏の一部も含み、結果として、3カ国・地域と防空識別圏が重なり合う状態になっており、この中国の措置は、国際法上の一般規則である公海上空の飛行の自由をも不当に侵害するものである。

 さらに問題なのは、今回の設定が中国領空に接近する航空機だけでなく、空域を飛行する航空機全般を対象としており、設定空域を航行する航空機には飛行計画の事前届け出を求め、識別に協力しない、または指示を拒否した航空機に対しては、中国軍が「防御的緊急措置」を行うと警告している点だ。中国が恣意(しい)的に定めたルールを他国に強制するものであり、決して容認できるものではない。

 ADIZとはそもそも、他国に何らかの行為を強制するようなものではない。しかるに、中国のそれは、公海上空を飛ぶ他国の航空機を自国の規制で縛ろうというものであって、国際社会における法と秩序の原則に対する違反以外の何物でもない。

 ≪日中機接近で危険性高まる≫

 中国が実際に、自ら設けた空域内に他国航空機が飛来した場合、どう対処をするか注意深く観察しなければならないが、その空域内を航行する他国航空機に対し「対領空侵犯措置」を実施したり、それ以上の「防御的緊急措置」を取ったりすると仮定すれば、理論上は、日中の「領空侵犯機」が同じ空域を飛び回ることになる。そのような状況下では双方が必要以上に接近することがあり得るため、その分、緊張や危険性が高まる可能性は十分にある。

 海における「海上連絡メカニズム」のように、空でも事故防止に向けた話し合いをすることが望ましいが、その前提として、中国側が日中間に領有権問題が存在すると主張してきたとしても、日本側は絶対に認めてはならない。

 他方、中国の領空侵犯機は、その航続距離からして、あまり長い間、ADIZ内にとどまることは無理である。一定の対処時間を取るには、空中給油機を使わなければならないことになる。領海とは異なり、領空に接近する航空機に対しては、戦闘機によって「対領空侵犯措置」を取ることが国際慣習となっており、日本側は定められたルールに従って、躊躇(ちゅうちょ)することなく済々(せいせい)と「対領空侵犯措置」を執行すべきであろう。

 ただ、中国側が自ら防空識別圏とうたう空域を飛行する航空機に対して何らかの強硬措置をとる場合には、日本側の「対領空侵犯措置」もリスクの高いものになる。その措置の実施基準を再検討しておく必要があるかもしれない。

 ≪米、ASEANと緊密連携を≫

 いずれにしても、中国の出方を見守りながらではあるが、他国のADIZとの重複設定が国際法上許されるものかどうか、空域における秩序を維持するにはどうすればよいのかといった諸点を、国際民間航空機関(ICAO)や、他の国際機関で協議をするイニシアティブを、日本としては取るべきであろう。

 南シナ海でも同様の事態が起こり得ることを念頭に置けば、米国や韓国のみならず、東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国などとも緊密に連携をとる必要がある。

 そうでなくても、中国は国際法を勝手に解釈して国内法を制定して、「海洋国土」という概念を規定して国際法に基づく法と秩序を侵害しつつある。それは、サイバー・宇宙にも共通して見られる対応であるが、とりわけ、海洋においては、自らに都合のいい線引きをし、それに基づいて領有権を振りかざし、国内ルールを他国に強制せんとする覇権主義的な体質を露(あら)わにしている。

 国際社会の平和と安定は、法と秩序によって保たれている。それを尊重しない国は、長い目で見れば、世界から嫌忌され、軽蔑されていくであろう。

 それを一顧だにしない国家が強大な軍事力により、ますます威圧的な行動を周辺諸国に対し取るようになれば、地域ひいては世界の問題となる。そうした国は世界の平和と秩序を乱す国際社会共通の敵であるとの認識を、地域が、世界が共有していくべきであろう。(もりもと さとし) 


2013年11月25日

『改正 日本国憲法』(田村重信著、講談社+a新書)が、紀伊国屋書店新宿本店の週間ベストセラー(新書)「第3位」

田村 
 全国書店で『改正 日本国憲法』(田村重信著、講談社+a新書)が発売されました。
ブログランキングに参加しています。
↓↓↓貴方の応援クリックが明日の活力になります↓↓↓

こちらをクリック

 おはようございます。

 僕の『改正 日本国憲法』(田村重信著、講談社+a新書)が、
 紀伊国屋書店新宿本店の週間ベストセラー11月18日〜11月24日(新書)
 「第3位」
になりました。

 これも多くの皆様方からお買い求めいただいた成果です。
 
 これから正しい憲法改正問題が重要になります。

 よろしくお願いします。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 今朝の産経新聞「正論」の

 憲法改正反対論の「偽装」見抜け 駒沢大学名誉教授・西修

 2013.11.25 03:26 [憲法改正論議]
 −は参考になります。以下、掲載しました。


 どんな議論にも作法が必要だ。基本原則は事実を正しく伝達することと、筋の通った説明をすることである。この数カ月間に展開された護憲派の言説は、原則に外れていると思われてならない。

 ≪自民96条改正案を完全誤解≫

 いくつも例証できるが、まず5月3日付の朝日新聞に掲載された石川健治東京大学法学部教授の論稿。「96条改正という『革命』」「立憲国家への反逆に動く議会政治家たち 真に戦慄(せんりつ)すべき事態」という大仰(おおぎょう)で扇情的な見出しの下で、「96条を改正して、国会のハードルを通常の立法と同様の単純多数決に下げてしまおう、という議論が、時の内閣総理大臣によって公言され、(中略)これは真に戦慄すべき事態だといわなくてはならない」と記述されている。

 自民党の憲法96条改正案を完全に取り違えている。同党の改正案は、現行の「各議院の総議員の3分の2以上」を「両議院のそれぞれの総議員の過半数」に改めるのであって、通常の立法手続きとは明らかに差がある。すなわち、通常の立法手続きは「出席議員の過半数」の議決であり、定足数は「3分の1以上」である。それゆえ通常の法律は、最低限、6分の1超の議員の賛成で成立する。しかも、国会のみで決められる。

 これに対し、自民党案では「総議員の過半数」により発議され、さらに国民投票に付される。石川教授の記述がいかに虚偽に満ちているか歴然であろう。このような間違った言論が大新聞に堂々と載ることこそ、「真に戦慄すべき事態」といわなければならない。見出しが独り歩きして、自民党改正案は「反立憲的」という意識が植えつけられかねないからだ。

次に、護憲弁護士として著述や発言の多い伊藤真氏の論述を引こう。氏は、日本国憲法以上に改正要件の厳しい憲法が「ごろごろ」していると述べ、例に米国憲法とスイス憲法の全面改正の手続きを挙げる(伊藤真『憲法問題』)。ここで引いてある米国憲法の改正手続きは、両院で3分の2以上の議員の議決により改正案が発議され、4分の3以上の州議会の賛成を得て成立すると規定されている(他の方法もあるが省略)。

 ≪米憲法改正要件厳しからず≫

 両院における3分の2以上とは出席議員の3分の2以上であって定足数は過半数とされている。従って、憲法改正案は3分の1超で発議できる。また、4分の3以上の州議会とは、50州中38州以上になる。一見、高いようであるが、日本の47都道府県に置き換えると、36以上の都道府県議会で可決すれば成立することになる。

 現在、憲法改正に賛成する議員が過半数を得ている都道府県議会は40以上になるという。日本より高く設定されているはずの米国憲法の改正要件を日本に移し替えれば、改正は容易に成立する。こうしてみると、米国憲法改正への敷居が日本国憲法のそれよりも高いという説明は、全くの誤りであることが明白であろう。しかしながら、日本より厳しい改正要件として米国を引き合いに出しているマスコミがいかに多いことか。

 ちなみに、「ごろごろ」の例にもう一つだけ挙げられているスイスの全面改正の要件は、両院で過半数の同意があれば、国民投票に付されること、とされており、むしろわが国よりも広き門だ。
護憲論者には、憲法96条の緩和について、「革命」のほか「クーデター」「裏口入学」のレッテルを貼ったり「類例がない」と形容したりする向きもある。「革命」や「クーデター」とは、一般に非合法的手段による政治権力奪取をいう。改正手続きの緩和は、あくまで96条に定められる手続きに則(のっと)って行われるのであり、完全に合法だ。「裏口入学」もしかり。96条とそれに伴う法律に基づき「正門」から手続きを踏むわけで、成就すれば「正規入学」である。

 ≪作法に従って持論の展開を≫

 「類例がない」に至っては、勉強不足も甚だしいといわざるを得ない。私の調査によれば、憲法改正手続き条項に従ってその手続きを改正した事例はインドネシア、オーストラリア、コスタリカ、デンマーク、ラトビア、リヒテンシュタイン、スイス、台湾など、まさに「ごろごろ」ある。

 インドネシアでは2002年、憲法改正に必要とされていた国民協議会の「出席議員の3分の2以上」の承認を「総議員の過半数」の承認に改めた。台湾では、立法院(一院制)での議決を出席議員の4分の3以上へ、住民投票での賛成を有権者総数の過半数へと、逆に条件を厳しくしている。

 以上、護憲論者の言説には、全くの事実誤認や意図的な誤誘導、検証に堪えない認識不足、あるいは恣意(しい)的なレッテル貼りも散見されるから、要注意である。

 改正手続きに関して国民投票法が求める「3つの宿題」が処理されれば、憲法改正論議が再燃するものと予想される。護憲、改憲いずれの立場を取るにせよ、虚言を排し、筋を通してそれぞれの持論を説得力をもって展開していく−このような作法に従うことが求められるのではないだろうか。(にし おさむ)



shige_tamura at 10:20|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!憲法改正 

2013年11月22日

オバマケアは、レストランの規制も強化する (ワシントン報告、横江公美氏)

田村 
 全国書店で『改正 日本国憲法』(田村重信著、講談社+a新書)が発売されました。
ブログランキングに参加しています。
↓↓↓貴方の応援クリックが明日の活力になります↓↓↓

こちらをクリック


 オバマケアは、レストランの規制も強化する
 
 ヘリテージ財団、アジア研究センター(2013年11月21日)


 オバマケア導入以後の混乱は、いまだ、収まっていない。
 とりわけ、ネットで保険に入るHEALTHCARE.GOV の不備は大きな問題になっている。ウォールストリートによると、このサイトで保険加入を試みた人が50万人に対して、「見事」加入できたのは5万人に過ぎない。

 こういう状況の中、今週、ヘリテージ財団では、ブローガー用招待イベントが行われ、オバマケアに含まれる規制について議論された。オバマケアは、国民皆保険を目指すだけではなく、レストランなどの食事にも規制を増加させるという。

 オバマケアは、すべての出来合いの食材に栄養価を記入することを義務付けており、この規制は、レストランの食事だけではなくコンビニやスーパーが売る出来合いの食事にもあてはまることになる。だが、この規制については、ほとんど知られていないという。

 スピーカーは、ワシントンDC、バージニア州、メリーランドのドミノピザのオーナーであるMary Lynne Carrawayだ。

 Carrawayによると、FDA(米国食品医薬品局)は、この規制によって、食料品店は、初年度は5億3000万ドルの経費が嵩み、翌年から6400万ドルの経費が必要になると見積もっている。しかし、スーパーマーケットは初年度にかかる費用を10億ドルと考えているという。

 このイベントでは、政府は消費者にとって一番良いことは何であるのか知っているのか、さらに、政府は何を食べるべきかと国民に知らせる義務はあるのか、という点が注目されていた。
 というのも、データによると、カロリー表示がある時のほうが、ないときよりも、人はたくさんのカロリーを摂取するという

 Carrawayは、現在、60店舗1800人の従業員を有している。
 そしてそれぞれにお店はそれぞれのマネージャーがおり、マネージャーの給料は売り上げに連動して支払われている。すべてのメニューに栄養価を記入するため作り直すとなると、彼らの給料に影響することを心配していた。

 Carrawayは、「私の場合は、ピザを注文するときは、何が食べたいかでオーダーを決めるものでカロリーに基づかない。たぶんほとんどの人がそうだろう」と付け加えた。その上で、栄養価の記入は経費がかかるだけで、お客さんがハッピーになるわけではなく、しかもマネージャーに給料を下げてしまい、どこから見てももWinWinWinの関係は成り立たないと語った。

 Carrawayは、「人によって食べる量も異なれば、運動量も異なる。健康的なランチをとって、夕食は簡単にピザという組み合わせもよくあることで、政府がここに介入すべきではない」と強く語った。


 キャピトルの丘

 日米共通してキャロライン・ケネディ駐日大使に対する関心は高い。今週、日本から電話がかかってくるといえば、日本のマスコミでキャロライン・ケネディについてであった。
 キャロラインの父ケネディ元大統領は、アフリカ系アメリカ人に公民権を認めた民主党を代表する大統領であるが、保守思想を掲げるヘリテージ財団でもそれなりの地位を得ている。
 今週、ヘリテージ財団では、ケネディ元大統領を再評価する招待オンリーのイベントが行われた。
 スピーカーは、最近「End of Days: The Assassination of JFK」を出版したJames Swansonで、彼は、「レフトがJFKを盗んだ」という刺激的な言葉で話し始めた。

 Swansonによるとケネディ元大統領の政策は、非常に保守的であり、実際、JFKはリベラルと呼ばれることを嫌っていたという。
 JFKは、キューバ危機回避、そしてソ連との対峙で有名だが、このことは、とてもレーガン大統領の外交手腕と類似する。さらに、Swansonは、「リベラルは市民権とリンクさせ、JFKをリベラルのシンボルと掲げるが、JFKはホワイトハウスに入るまでアフリカ系アメリカ人の問題についてほとんど知らず、興味がなかった」と語っていた。

 ケネディ元大統領が暗殺されたときに、アメリカに留学していた先輩方に話を聞くと、「ケネディ大統領暗殺のニュースが流れたときに、悲しんでいる風の人はいなかった。」と振り返る。どちらかというと、思想にかかわらず、「やっぱり感」が漂っていたという。

 だが、「ケネディ」は、キャロライン・ケネディが駐日大使となり暗殺から50年たった今、まさに政党にかかわらない政治的イコンになっている。

 日本にとって、ケネディ大使がやってきたことは、本当にラッキーなことだと言える。


 横江 公美
 客員上級研究員

 アジア研究センター Ph.D(政策) 松下政経塾15期生、プリンストン客員研究員などを経て2011年7月からヘリテージ財団の客員上級研究員。著書に、「第五の権力 アメリカのシンクタンク(文芸春秋)」「判断力はどうすれば身につくのか(PHP)」「キャリアウーマンルールズ(K.Kベストセラーズ)」「日本にオバマは生まれるか(PHP)」などがある。

2013年11月20日

紀伊国屋新宿本店で『改正 日本国憲法』(田村重信著、講談社+a新書)が発売開始

田村 
 紀伊国屋新宿本店で『改正 日本国憲法』(田村重信著、講談社+a新書)が発売開始されました。
 明日21日には全国書店で発売されます。


大好評!高村正彦副総裁 記者懇談 冒頭発言(特定秘密保護法案について、その2)

本いよいよ今週21日、『改正 日本国憲法』(田村重信著、講談社+a新書)が全国の書店で発売です。(東京の大型店は20日発売、午後遅くなる予定)
「田村重信出版記念・追加講演のお知らせ
ブログランキングに参加しています。
↓↓↓貴方の応援クリックが明日の活力になります↓↓↓

こちらをクリック

 特定秘密保護法案ですが、民主党、維新の会、みんなの党、新党改革等が、秘密法制の必要性自体には理解を示してくれていることは、当たり前のことでありますが、ありがたい話だと思っております。

 ですから、そうした党が、真剣かつ柔軟に修正を求めるのであれば、わが方も当然真剣かつ柔軟に修正協議をしていくということですが、既にみんなの党とは修正協議が合意しました。

 その他の党についても、真剣かつ柔軟に対応して頂くのであれば、今国会成立が確保できるぎりぎりの日程まで修正協議を続けて、少しでも多くの党に賛成頂くということがいいのではないかと思っております。

shige_tamura at 11:04|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!自由民主党 
ランキング一覧

人気blogランキング

人気blogランキングに参加しました。
応援よろしくお願いします。
月別アーカイブ
最新コメント