2013年01月

2013年01月31日

中曽根弘文自民党参院議員会長の代表質問全文

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 今終わった
 中曽根弘文自民党参院議員会長の代表質問全文を掲載します。
                

 自由民主党の中曽根弘文です。私は自由民主党・無所属の会を代表して、安倍総理の所信表明演説について質問いたします。

一.アルジェリアでのテロ事件について

 まず冒頭に、この度アルジェリアで起きたテロ事件で亡くなられた方々のご冥福をお祈り致しますとともに、ご遺族の皆様に、心からお悔やみを申し上げます。
 海外の最前線で働く日本人・日本企業がこのような悲劇に見舞われたことは、痛恨の極みであります。このようなテロ行為は絶対に許されるものではありません。我々は、国際的な連携によって、テロと断固闘っていく決意であります。

 我が国の企業が、今後さらに海外へと進出していくことは間違いありません。その際に、再びこのような悲劇が起こらないようにする必要があります。政府は、検証委員会において今回の対応等の検証を始めましたが、その結果を踏まえ、平時からの情報収集と、危機発生時の即応体制を強化する必要があります。
 例えば、菅官房長官や石破幹事長も発言されていますが、米国の国家安全保障会議をモデルに常設の「日本版NSC」を設置するとともに、内閣情報調査室などの情報機関を強化することは必須だと考えます。
 いわゆる「日本版NSC」の設置は、第一次安倍内閣において法案として提出されていましたが、今こそ速やかに具体化するべきではないでしょうか。総理のお考えを伺います。

二.総理の国家観について

 この度の衆議院総選挙で、国民は、民主党政権に終止符を打ち、我々自由民主党を中心とする政権が再び国政を担うべきだという判断を下しました。

 安倍総理は、所信表明演説の中で、「大きな政治的挫折を経験した」、「過去の反省を教訓として心に刻み、丁寧な対話を心掛けながら、真摯に国政運営に当たっていく」とおっしゃいました。我々が直面している数々の困難を突破するために、ぜひ思い切った舵取りをして頂きたい、そうエールを送りたいと思います。
 この三年三カ月、民主党政権による数々の失政によって、我が国は存亡の危機に追い込まれたと言っても過言ではありません。昨年十一月、野田前総理が解散を表明した途端に、株価が上昇し始めたことは、民主党政権がいかに我が国の経済社会にとって重荷であったのかを、端的に物語っています。
 我々自由民主党は、国民の負託に応えられるよう、党として最重要課題と位置付ける経済再生、震災復興、外交・安全保障、教育再生をはじめ、山積する国政上の重要課題に、全力で取り組んでまいります。

 我が党は綱領で「日本らしい日本の確立」を掲げています。我が国の伝統や文化、家族や地域社会の絆、勤勉な国民性、礼節や秩序、自然との共生など、我々が先祖代々受け継いできている「日本らしさ」を活かしながら、国家の自立と国際社会への貢献を図っていくこと。これが、我々自民党の根本理念であります。

 そして、我が党は、真の保守政治を行ってまいります。保守というと、古いものをひたすら守るというイメージがあるかもしれませんが、真の保守とは、守るべきものを守り、改めるべきものを改めるという思想です。「保守主義の父」とも言われるイギリスの哲学者で政治家でもあるエドマンド・バークは、「保守せんがために改革する」という言葉を残していますが、我が党は、「常に進歩を目指す保守政党」として、今後も改革を果断に進めてまいります。
 改革を進めるにあたり、大切なのはリーダーたる総理の国家観であります。安倍総理は、第一次安倍内閣発足時の所信表明演説で、「美しい国」を実現すると述べておられましたが、再び総理に就任され、どういう国づくりをされようとお考えなのか、再度お聞かせ頂ければと思います。

三.憲法改正について

 次に、憲法をめぐる問題について伺います。言うまでもなく憲法は、国家の最高法規であり、その国の国家像を表すものでもあります。しかしながら、現在の憲法は、マッカーサー憲法とも言われるように、GHQの主導で作られたものであります。  我々自民党は、日本人が自らの手で、我が国の憲法を作るべきとの考えから、自主憲法の制定を党是として、結党以来活動してまいりました。
 現行憲法には、戦後六十年以上が経った現在の状況に合っていない規定も多くあります。国民の生命・財産や領土を守れる憲法になっているのか、非常事態への対応は十分にできるのかといった観点からも、現行憲法を見直すことが必要だと考えます。
 昨年、国家主権回復六十周年を機に、我々自民党は「日本国憲法改正草案」を発表しました。そこでは、まず前文で、日本国が、長い歴史と固有の文化を持ち、国民統合の象徴である天皇を戴く国家であること、和を尊び、家族や社会が互いに助け合って国家が成り立っていることなどを述べています。
 そして、「天皇は日本国の元首」であること、国旗・国歌の規定、自衛権の明記や国防軍の保持ならびに国際平和活動、緊急事態の規定、さらには、環境保全、在外国民の保護など、時代に対応した規定も置いています。
 まさに、守るべきものは守り、改めるべきものは改めるという、真の保守の理念に立った憲法草案だと思います。安倍総理は、自民党の憲法草案について、どうお考えになりますか。伺います。
 衆参両院では、憲法審査会も設置され、憲法改正に向けた議論が行われています。総理も以前から、憲法改正を強く主張されてきました。今こそ、憲法改正の議論を更に前に進める時だと考えます。総理の憲法改正への決意をお聞かせ下さい。

四.経済運営について

(一)経済運営の基本方針(アベノミクス)について
 次に、安倍内閣の最重要課題でもある、日本経済の再生について伺います。安倍総理は、我が党の総裁選以来、デフレ脱却のための方策を提言してきています。
 総理は、「大胆な金融政策」、「機動的な財政政策」、「民間投資を引き出す成長戦略」の「三本の矢」が経済再生の柱だとおっしゃっており、マスコミ等ではこれを「アベノミクス」と呼んでいるようです。
 安倍内閣の経済政策は、日銀との協調関係を築き、株価や為替レートの改善など、早速成果が上がりつつあるように思われます。この政策は、ダボス会議でも注目されたと伺っています。総理は、最近の経済の動きに対して、どのように感じておられるか、お聞かせ下さい。

(二)予算案について
 先日政府が決定した来年度予算案では、公債発行額を、民主党が作成した今年度予算より少なくし、さらに税収より少ない四二兆八五〇〇億円に抑え、財政規律を重視したものとなっています。景気対策と財政規律に配慮した、良い予算が編成されたと思っています。
 補正予算と来年度予算を合わせて、デフレ脱却のための十五カ月予算ということで取り組んでいるわけですが、総理は、この十五カ月予算の意義と効果をどのようにお考えか、伺います。
 なお最近、日銀の白川総裁が、政府と日銀の共同声明で明記されている二%の物価目標の達成は「容易ではない」という発言されたそうですが、この発言について、総理はどう思われるか、お聞かせ下さい。

(三)災害に強い国土づくりについて
 補正予算と来年度予算を通じて重要なテーマとなっているのは、災害に強い国土づくりです。東日本大震災や、各地で相次ぐ豪雨災害などによって、社会インフラへの投資を惜しんではならないことが明確になりました。最近では、笹子トンネルの事故を契機として、既存インフラのメンテナンスの重要性も指摘されています。
 社会インフラの整備は、八ツ場ダムの建設中止と再開に見られたように、その時々の都合に左右されるのではなく、国民の利益と安全など長期的な展望に立って、着実に推進していくべきものであります。
 災害に強い国土づくりについて、また、そのための社会インフラの整備について、総理の基本方針を伺います。

(四)規制改革について
 財政政策や金融政策と並んで、中長期的な成長戦略の柱となるのは、企業の競争力向上のための規制改革です。
 我々自民党は、総選挙の政権公約で、五年間の集中改革で我が国を「世界で一番企業が活動しやすい国」、「個人の可能性が最大限発揮され、雇用と所得が拡大する国」にすることを掲げました。
 そのために、「国際先端テスト」などにより、他国の規制と比較して遅れている部分を改革し、企業活動の障害となる国内規制を撤廃することを約束しています。規制改革によって、国内での企業活動が拡大すれば、雇用も創出され、国民所得も向上します。

 内閣として、今後、この公約をどのように実現していくのか、具体的な方針をお聞かせ下さい。

五.外交・安全保障について

(一)外交の基本原則について
 次に、安倍内閣の外交政策について伺います。新興国の成長と世界全体のパワーバランスの変化に伴って、今後の国際情勢はますます多極化・流動化していくことが予想されます。中でも、人口規模、経済状況、政治体制、文化・宗教など、あらゆる面で多様な国家が入り乱れるアジアは、世界で最も動きの激しい地域となるでしょう。

 そのような中、我が国は、日米同盟を基軸としつつ、アジアと世界の平和と安定に貢献するため、これまで以上に積極的な役割を果たしていくことが求められています。これは、我々の共通認識だと思います。

 状況が刻々と移り変わる中で、的確な外交を行うためには、常に基本とすべき原理原則や理念を持つことが重要です。外交とはこうあるべきだという、安倍総理が大切にしている原理原則や理念などがあればお聞かせ下さい。

(二)日米関係について
 我が国外交の基軸である日米同盟は、過去三年余りの外交方針の迷走によって、大きく揺らいでいます。周辺国から我が国の領土を脅かす動きが相次いでいるのも、日米同盟の揺らぎも大きな原因の一つと考えます。

 アメリカは、オバマ大統領が二期目を迎え、国務長官もクリントン氏からケリー氏に交代するという節目の時期です。この機会に、日米関係を再構築していかなければなりません。
 安倍総理は、所信表明で「日米の絆を取り戻す」と述べられました。私も麻生内閣で外務大臣を務めましたが、首脳同士、外相同士の信頼関係が、国家間のスムーズな関係にとって不可欠であります。二月下旬に予定されるオバマ大統領との首脳会談は、その第一歩になると思います。

 オバマ大統領の就任演説では、日本に対する言及はなかったと思いますが、今後、米国の対日政策がどうなっていくであろうか、また、我が国として、対米政策をどのように進めていくか、安倍総理のお考えをお聞かせ下さい。

(三)アセアン・オーストラリアとの関係について
 総理は、最初の訪問先として、アセアンの三カ国を選ばれました。また、総理に先立ち、麻生副総理がミャンマーを、岸田外務大臣が東南アジアとオーストラリアを訪問しました。一連の訪問で、アセアン諸国やオーストラリアとの協力関係を重視するという基本姿勢は伝わったはずです。
 これらの国は、中国の急速な軍備増強や海洋権益の拡大について、懸念を共有しています。安倍総理は、こうした中国の膨張政策に対して、我が国としてどのように対応していくべきとお考えか、伺います。
 また、今後重要になるのは、アセアン諸国やオーストラリアとの、特に安全保障面での協力の具体策だと考えます。総理はこれらの国々との安全保障協力をどのように進めていかれる方針か、お聞かせ下さい。

(四)安倍ドクトリンについて
 総理は、アセアン訪問の際、アジア外交の基本方針となる「安倍ドクトリン」を発表する予定でした。しかし、アルジェリアでの人質事件のために、帰国日程が早まり、残念ながら予定されていた演説での発表ではなく、記者会見で、アジア外交の基本方針となる五原則のみが発表される形となりました。

 私は、アジア各国に対して、我が国の外交方針を公式の場で発表するというのは、非常に重要なことであると考えます。そこで、改めて機会を設けて、「安倍ドクトリン」を正式発表してはどうでしょうか。あるいは、二月に訪米した機会などに、アジア外交だけではなく、外交全体の基本方針を示した、拡大版の「安倍ドクトリン」を発表するのも良いと思います。こうしたお考えはあるか、お聞かせ下さい。

(五)日中関係について
 次に日中関係についてお伺い致します。
 日本の企業も中国に多く進出し、中国は市場としても生産拠点としても、我が国にとって大きな位置を占めています。
 一衣帯水の関係と言われ、文化、経済、政治等、幅広い分野で良好な関係を築いていましたが、近年の尖閣諸島を巡る問題や、軍事力の増強により、我が国の国民の対中国感情は悪化しています。日中関係の安定はアジア地域の安定にとっても重要な意味を持つものであり、安倍内閣として、日中関係をどのように再構築していく考えか、お伺いしたいと思います。

(六)日韓関係について
 最も近い隣国である韓国との関係も厳しい状況となっています。しかし韓国では来月には新しい大統領が就任し、状況が変わることも期待されます。
 日韓の間に多くの問題が横たわっているのは事実ですが、東アジアの平和と安定のためには、日米韓の緊密な連携が欠かせません。安倍総理は、今後の日韓関係をどう進めていくお考えか、お聞き致します。

(七)領土をめぐる問題について
 次に、領土をめぐる問題について伺います。最近、我が国の領土・領海・領空に対する脅威が急速に高まっています。特に尖閣諸島をめぐっては、中国の度重なる挑発行為により、緊迫した状況となっています。度重なる領空・領海侵犯をこのまま放置するわけにはいきません。
 海上保安庁による専従部隊の創設、巡視船の増強などの対策を講じると報道されていますが、こうした措置や、法制度の整備も含め、早急に対策を立てるべきだと考えますが、いかがでしょうか。

 領土に関しては、北方領土にも動きがあります。安倍総理は、二月に特使として森元総理をロシアに派遣する方針だと伺っています。森元総理は、テレビ番組で「三島返還」での解決に言及され、それに対し、翌日には菅官房長官が、従来の政府方針に変更はないと会見されました。内閣としては「四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結する」という方針に変更はないということですね。総理からもお答えを頂きたいと思います。

(八)北朝鮮の核実験について
 次に、北朝鮮問題について伺います。最近、北朝鮮が核実験を行うという報道があります。また、昨年十二月に発射された弾道ミサイルは、射程が一万キロ以上に及ぶ可能性があると防衛省は報告しています。
 これらは、国連決議に明らかに違反し、国際社会に対する重大な挑戦であります。また、北朝鮮による核とミサイルによって最も脅威を受けるのは、地理的に考えれば、明らかに我が国であります。
 したがって、我が国としては、核実験やさらなるミサイル発射を行わないよう、日・米・韓だけでなく中国やロシアなど六者協議の構成国と緊密な連携をとり、強く働きかけていくことが必要です。また、もし核実験が強行された場合には、国連を中心に更なる強い制裁を行うべきであり、我が国がリーダーシップを取っていく必要があると考えます。安倍総理は北朝鮮の核実験やミサイル、拉致問題についてどのような対策・対応を取るお考えでしょうか、お聞かせ下さい。

六.教育・文化振興について

(一)総理の教育観について
 次に、教育問題について伺います。我々自民党は、昨年十二月の衆議院選挙公約でも「人づくりは国づくり」というスローガンを掲げて、教育の大切さを訴えました。これからの日本には、国際社会で活躍できる高い学力・知力とともに、確固たる道徳観や、我が国の歴史や文化を尊重する態度など、知・徳・体の調和が取れた人材が必要だと考えます。
 安倍総理も、前回の総理在任時に教育基本法の改正を成し遂げるなど、教育には並々ならぬ情熱を注いでこられました。今回の内閣でも、総理直属の教育再生実行会議を発足させ、議論を始めています。
 私は、教育改革と政治改革は、誰が総理であっても、どの内閣であっても必ず取り組むべき、国政の最重要課題であると考えます。そこで、安倍総理ご自身の教育観とはどういうものか、お考えをお聞かせ下さい。

(二)道徳教育について
 教育問題に関して、私が特に重視すべきと考えるのは、道徳教育の充実です。丁度いま、大河ドラマのテーマになっていますが、会津藩の「什の掟」の中には「うそを言うことはなりませぬ。弱い者をいじめてはなりませぬ。ならぬことはならぬものです」などというような心構えを説く言葉もあります。我が国には昔から、今の世にも通じる大切な徳目を示した教えが各地にあります。
 明治以降でも、福沢諭吉の「ひびのおしえ」や、明治天皇の教育勅語、中教審の「期待される人間像」、田中角栄元総理の「五つの大切、十の反省」など、様々な例があります。
 これらは、人として生きていく上で大切にすべき徳目、社会の一員としての心構えを述べたものであり、単に道徳教育という枠ではなく、人格教育、全人教育というべき広がりを持っています。
 全国でいじめの問題が多発し、また最近では教師の体罰による高校生の自殺者が出るなど、深刻な状況となっていますが、私は守るべき徳目を列記した現代版「教育勅語」のようなものを作成すべきと考えています。
 安倍総理は、「心のノート」を復活させるなど、道徳教育にも力を入れていく方針であると思いますが、道徳教育の充実について、総理の基本的な考え方をお聞かせ下さい。

(三)青少年健全育成基本法案について
 参議院自民党では従来から、青少年の健全育成に対し、国を挙げて真剣に取り組む必要があるとの視点に立って、青少年健全育成基本法案の成立に力を注いでまいりました。いじめ問題などが相次ぐ中で、この法案の重要性はますます高まっていると考えます。
 全国の多くの自治体では、様々な内容の青少年健全育成条例が制定されていますが、国としての基本法はありません。そのため、全国の自治体からも、国における基本法の制定について強い要望が寄せられています。
 また、かつては政府に青少年対策本部が設置されていましたが、省庁再編に伴って廃止され、今では内閣府に担当官が置かれるだけになっており、政府全体の青少年健全育成に関する取り組みが十分ではない状態です。
 こうした現状に鑑みれば、一刻も早く法案を成立させるとともに、政府としても、総理を本部長とする青少年健全育成本部を創設するなど、取り組みをさらに強化すべきと考えます。安倍総理の方針をお聞かせ下さい。

(四)幼児教育の無償化について
 続いて、我々自由民主党がかねてから主張してきた、幼児教育の無償化について伺います。保育園や幼稚園での幼児教育の充実は、その後の人格形成にとって非常に有益です。しかし、この世代の子どもを持つ親は、まだ若く、一般的に収入も多くありません。教育費を支援することにより、もう一人子供を持とうと考える人が増えることにつながり、少子化対策としても有効と考えます。
 我が党の今回の選挙公約にも、「幼稚園や保育所、認定こども園、家庭などでの子育て支援を充実させます。幼児教育の無償化に取り組みます。」と明記しています。
海外では、イギリスは三歳児からの幼児教育を無償化しており、フランスでも事実上無償化しています。韓国でも三歳から五歳児の幼児教育を段階的に無償化することを法律で決めています。OECDも、日本に対して、子ども手当よりも幼児教育・保育に投資すべきだと提言しています。限られた財源ではありますが、費用対効果も大きく、何よりも「未来への投資」という意義ある幼児教育の無償化は是非行うべきと考えます。
 政府においても検討を始めるやに聞いていますが、総理のお考えを伺います。

(五)教育基本法について
 教育に関する質問の最後に、教育基本法について伺います。教育基本法については、前回の改正を踏まえた取り組みが教育現場でしっかりと行われているのか、もう一度検証が必要ではないでしょうか。
 前回の安倍政権で教育基本法の全面改正を行った際、私は教育基本法改正の特別委員長を務めました。改正前の教育基本法は、我が国の伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する心、公共の精神、家庭教育の重要性など、日本人としての大切な部分が抜け落ちたものでした。そのような教育基本法が、憲法と並んで、制定以来、永年、全く改正されずにいたのです。
 改正した教育基本法では、こうした重要な事項を明記し、その趣旨を踏まえた学校教育法の改正や学習指導要領の全面改定が行われました。教育基本法の施行から六年が経ちましたが、今一度、この新しい教育基本法の趣旨が教育現場で理解され、生かされているかどうか検証し、再度徹底していくことが重要と考えます。総理のお考えをお聞かせ下さい。

(六)文化振興について
 教育と並んで、文化の振興も重要な課題です。文化は、人々の心を豊かにし、社会に潤いを与える存在です。特に、古くから伝わる伝統文化は、地域社会や宗教、歴史など日本人の心と密接に関わるものであります。
 私は、文化力も国力の一つだと思います。世界に誇るべき文化を持っている我が国は、これらをさらに振興し、「教育文化国家」を目指すべきであります。そのために、文化の振興についても、政府がより積極的に支援すべきだと考えます。総理の文化振興に関する基本的な考えをお聞かせ下さい。

七.最後に
 総理は所信表明演説の中で、芦田元総理の言葉も引きながら、国民に「自らへの誇りと自信を取り戻そう」、「今ここにある危機を突破し、未来を切り拓いていく覚悟を共に分かち合おう」と力強く訴えられました。
 今まさに日本は政治も経済も、繁栄と衰退とを分ける分水嶺に立たされていると言っても過言ではありません。
 かつては「ジャパン・アズ・ナンバーワン」、「経済大国」ともてはやされ、世界から注目をされていた我が国が、今ではジャパン・バッシングやジャパン・パッシングどころかジャパン・ナッシングとまで言われる程に存在感と誇りを喪失してしまっています。
 この二十年で社会全体は過度に自信を喪失し、政治にも失望し、国民の心は閉塞感の厚い雲に覆われていました。
 昨年十二月の衆議院選挙で、国民は安倍総理の力強いビジョンに明るい光明を見いだし、「これで駄目なら後は無い」とでも言うような切実な思いで投票所へ足を運び、最後の望みを託すような気持ちで、いま、安倍総理の政権運営を見つめています。
 我々自民党もこの三年三カ月で大いに反省すると同時に、経済を立て直し、世界をリードする国としての力強い日本の再生のために大いに勉強を重ね、政策を練ってきました。
 今の我が国の状況は政争に明け暮れするような場合ではありません。経済には少し明るい展望が見えてきていますが、政治への信頼は未だ回復しておりません。私はかつての代表質問でも述べましたが、政治に信頼が無ければ、いかに良い政策を打ち出しても成果は上がりません。与野党の垣根を越えて、力強い日本の再生のために、我々議員一人一人が、国の将来を語り、共に建設的な真摯な議論を重ね、国民が未来に夢を持てる国づくりのために粉骨砕身の努力をしていこうではありませんか。それが政治への信頼を回復させるための最善の道と思います。
 この国会が新しい日本のスタートの国会であったと、後の人々に評価されるような議論が行われることを私自身も肝に銘じ、議員の皆様にも訴え、私の代表質問と致します。

shige_tamura at 11:26|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!自由民主党 

2013年01月30日

高村正彦自民党副総裁衆院代表質問全文

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 今終わった「高村正彦自民党副総裁衆院代表質問全文」を掲載します。
 平成25年1月30日(水)

一、はじめに

 自由民主党副総裁の高村正彦です。私は、自由民主党を代表して、安倍総理の所信表明演説に対して質問いたします。

 質問に先立ち、アルジェリア人質事件において亡くなられた方々に対し、謹んで哀悼の意を表します。尊い人命が奪われたことは、誠に残念なことであり、このようなテロ行為を断固として非難いたします。なお、この件にかかわる問題については、後ほど質問させていただきます。

 さて、昨年末の衆議院議員総選挙において、自由民主党は294議席という多くの議席を頂き、自由民主党・公明党連立政権による安倍内閣が発足いたしました。多くの皆様のご支援に、心から御礼申し上げます。しかしながら、この度の選挙結果は、比例代表の得票などから推測されるように、自民党への積極的な支持によってもたらされたものではなく、「政治を安定させるためには、自民党が比較的役に立つのではないか。比較的政策実現力があるのではないか」という、あくまで他党との比較の中での評価の結果であったかと思っております。従って、これからの自民党に課せられた役割は、政治を安定させること、選挙でお約束した政策を着実に実現していくことにあります。そしてこれらを踏まえ、安倍総理におかれては、大胆かつ細心に、スピード感を持って政権運営にあたっていただきたく存じます。

 総理は、一昨日の所信表明演説で、「過去の反省を教訓として心に刻み、丁寧な対話を心掛けながら、真摯に国政運営に当たっていく」と誓いの言葉を述べられました。そこで総理に伺います。総理は、今回の選挙結果をどのように分析され、何を教訓とした上で、どのような方針で政権運営にあたるのか、お聞かせください。

 なお、過去の政権、特に民主党政権では、足の引っ張り合いを繰り返し、与党内がまとまらず、「決められない政治」が展開されました。自民党は、自由闊達な議論を尽くし、所定の党内手続きに従って決まったことには責任を持ちます。そのうえで一丸となって安倍政権を支え、与党としての責任を果たしてまいる所存です。


二、東日本大震災からの復興

 それでは、総理が掲げている重要課題について伺ってまいります。東日本大震災の発災から2年を迎えようとしています。未だに30万人を超える方々が、仮設住宅などでの避難生活を強いられています。風雪に耐えながら新年を迎えた方々が、一日も早く温もりのある生活を取り戻していただけるよう、われわれは全身全霊で復興に取り組まなければなりません。福島県においては、復興の前提として、除染が速やかに行わなければ、地域社会の再生、産業の振興を実現することはできません。また、不適切な除染などは決して許されません。総理も1月10日の復興推進会議でその検証と再発防止策を指示されましたが、除染の信頼性を高めるとともに速やかに実施されるよう、政府に強く要請いたします。

 自民党は野党時代から震災復旧・復興については、積極的に政府に提言を行い、議員立法も主導して提出してまいりました。わが党は地域に根ざした国民政党であり、震災以降、安倍総理、前自民党総裁である谷垣法務大臣をはじめ、多くの党所属議員が現場に入り、被災された皆さま方や自治体から直接、丁寧にお話を伺ってまいりました。先の総選挙で与党となった以上、地域の声をより素早く、かつ、正確に汲み取り、あらゆる施策を実現して参ります。自治体においては、財源の不足、建築・土木や土地測量などの専門的知識・技術を持った人材の不足、森林や古くからの農地などの複雑な相続が絡んだ土地の権利関係の問題といったことが共通の課題となっています。問題点が明らかになっている以上、もはや実行あるのみです。根本匠復興大臣の下、復興庁の機能・権限を強化し、副大臣・政務官・各職員が現場で能力を最大限発揮し、文字通りワンストップサービスの機能を果たしていただくことが必要です。政府・与党のみならず、国を挙げて復興に取り組まなければなりません。総理の復興に向けた覚悟と、震災復興を加速化させるために何をすべきか、その具体策をお聞かせください。


三、経済再生

 次に、経済政策について伺います。総理は、経済の再生を最大かつ喫緊の課題として掲げ、早速、その司令塔として「日本経済再生本部」を設置し、「経済財政諮問会議」も再起動させました。そのうえで1月11日には「日本経済再生に向けた緊急経済対策」を取りまとめ、まさしくロケットスタートを切られたわけです。

 総理は、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略という「三本の矢」で、円高・デフレから脱却し、経済再生を推し進めると宣言されました。この「三本の矢」についてそれぞれ伺います。

(一)金融政策
 まずは金融政策についてお聞きします。わが党は政権公約で、「明確な『物価目標(2%)』を設定、その達成に向け、日銀法の改正も視野に、政府・日銀の連携強化の仕組みを作り、大胆な金融緩和を行います」と掲げました。総理就任前・選挙前からの安倍総理の大胆な金融緩和に向けたメッセージに対し、賛否両論沸き起こりましたが、市場が株高・円安という反応を示したのは、まさに論より証拠でありました。1月22日に政府と日本銀行は共同声明を発表しましたが、日銀は2%の物価目標率を導入し、その早期実現に向け、平成26年から無期限で、国債などの金融資産を大量に買い入れる新たな金融緩和策を決定しました。総理は、この決定に対し、「この度の共同声明は、デフレ脱却に向けて、まさに金融政策において大胆な見直しを行うものであり、金融政策におけるいわば画期的な文書である。このレジーム・チェンジともいえる、特にこの新しい取組によって、我々はデフレから脱却していかなければならない」と評価されました。どういう意味で画期的で、何が新しい取組なのか、また、次期日銀総裁にはどういった方が相応しいと思われるのか、併せてご教示ください。

(二)財政政策・補正予算
 今回の金融緩和によって、民間銀行を通じて市中にもお金が行き届くかということが重要であり、そのための有効需要を創出していかなければなりません。デフレ不況下においては、経済のメインプレイヤーたる民間経済主体が守りの姿勢となっている中で、まずは政府が機動的な財政政策によって率先して需要を作る、いわば本格的な民需の呼び水として今回の緊急経済対策が位置づけられるものと考えます。その裏付けである平成24年度補正予算についてお聞きします。
 今回の補正予算は、平成25年度当初予算と合わせた「15か月予算」との考え方で、切れ目なく経済対策を実行するという方針の下で編成され、一つは復興・防災対策、二つは成長による富の創出、三つめとして暮らしの安心・地域活性化といった三分野に重点が置かれています。
 その中で、被災地の復興に必要なインフラ整備、防災・減災のためのインフラ整備は、早期にやらなければならない公共事業であります。公共事業、イコール無駄なバラマキ、イコール古い自民党の復活というステレオタイプの批判もあります。しかし、いつかやらなければならない公共事業であるならば、不況の際に思い切って実施することによって、一般論としてはコスト面で安く仕上がり、単年度の財政収支はともかくとして、中長期的に見れば財政への負担も少なくなるのです。もちろん、公共事業の中身を精査した上で、これは無駄だという指摘があれば、真摯に耳を傾けることは当然です。前政権下で復興予算がその趣旨からかけ離れた予算に転用されたこともあり、国民の皆様も厳しく見ておられます。今回の補正予算では、ニーズが高く早期執行が可能な公共事業や早期の市場拡大につながる施策、即効性のある施策を重視しているとのことですが、今、申し上げた公共事業に対する考え方について、総理の認識をお聞かせください。
 また、この冬は寒波の影響で、日本海側を中心に例年以上の大雪、豪雪です。そのため、わが党では「平成24年度豪雪災害対策本部」を設置し、「除排雪費用などの豪雪対策費用に関し、特別交付税の増額配分及び除排雪経費の市町村への特別補助などの、必要な措置を速やかに行う」ことを決議しました。政府は豪雪対策についてどのような措置を講じておられるのか、補正予算で予算措置が講じられているのか、お聞かせください。

(三)成長戦略
 先程申し上げたように、政府による需要喚起はあくまでも呼び水であり、厳しい財政状況でもある国がいつまでも需要を作り続けることは到底できません。大胆な規制緩和や税制改正などを行い、民間の活力を最大限引き出すことによって企業の設備投資や研究開発を促進し、その先にある個人も含めた民間需要を喚起することが、経済成長には欠かせません。大企業のみならず、中小企業や農林漁業を中心とした地域経済の隅々にもその効果や成長の富の恩恵を行き届かせなければなりません。1月23日に第1回の産業競争力会議が行われ、経済界の第一線で活躍されている方々もお集まりになって、成長戦略について活発な議論がなされたところです。また、今回の補正予算では、民主党政権で「仕分けされた」iPS細胞等を用いた再生医療研究の加速、「ものづくり補助金」も復活させました。25年度の税制改正においても、研究開発税制の拡充や教育資金の一括贈与に関する非課税措置などが盛り込まれました。自戒を込めて申し上げれば、かつての自公政権においても累次にわたって成長戦略が作成されましたが、充分な結果は得られませんでした。年央にまとめられる成長戦略においては、これまでのものとどう違うのか、国民の皆様の前で明らかにし、市場にも明確なメッセージを発していただきたいと存じますが、総理の見解を伺います。

 なお、今回の補正予算、平成25年度予算においても、引き続き多くの国債を発行せざるを得ない状況であり、財政の持続可能性についての懸念が指摘されています。経済成長による税収増がなければ財政再建が困難なものとなる一方で、将来にわたる財政の健全性が確保されなければ経済成長も阻害されます。わが党は野党時代に財政健全化責任法案を提出しましたが、それには2015年と2020年の財政健全化目標が明記されています。総理も所信表明演説において「中長期の財政健全化に向けてプライマリーバランスの黒字化を目指す」と述べられましたが、財政健全化目標を守る総理の覚悟をお聞かせください。

 いずれにせよ、三本の矢を束ねれば折れないという毛利元就の故事を超えて、三本の矢を連射することでデフレの厚い岩盤を突き崩すことが求められており、金融政策、もしくは財政政策一本やりでは実体経済を好転させ、国民が持続的・安定的に豊かさを享受するには至りません。個別政策の方向性や時間軸が整合性のとれたマクロの経済財政運営がなされるよう、総理の適切なリーダーシップを期待いたします。


四、外交・安全保障

 次に、外交・安全保障についてお聞きします。民主党政権がもたらした外交敗北によってわが国の外交は行き詰まり、国益を大きく損ねました。かつての自公政権下では、ロシアの大統領や首相が北方領土に上陸したことはありません。韓国の大統領が竹島に上陸したこともありません。尖閣諸島で中国が今のような乱暴な態度に出たことはありませんでした。鳩山元総理が、普天間基地の移設先のあてもなく「最低でも県外」と言ったため、アジア太平洋の安定の支柱である日米同盟がぐらつき、ロシアにも、韓国にも、中国にも軽視される状況に陥りました。早急に日本外交の基軸である日米関係を立て直さなければなりません。安倍総理は、来月訪米され、オバマ大統領とも会談されるようですが、具体的な成果を挙げられるよう、総理の意気込みをお聞かせください。

 自民党は自由貿易体制を志向する政党であり、これまでも経済連携協定を積極的に推進してまいりました。TPPについては、参加のハードルが高いこともあって国益判断が極めて難しく、政府からも充分な情報が提供されない中、「『聖域なき関税撤廃』を前提にする限り、TPP交渉参加に反対」であると先の総選挙で公約しました。一方、選挙後の自公の連立政権合意においては、「国益にかなう最善の道を求める」とされましたが、この二つの整合性を含め、TPPに関する総理の考えをお示しください。

 先般のアルジェリア人質事件では、多くの邦人・現地スタッフがテロの犠牲となりました。今回の政府の対応は適切なものであったと考えますが、少なからぬ課題が浮き彫りともなりました。今後わが国はテロとの戦いにどう対応するか、邦人の安全を守るためにどうするのか。また、危機管理に際して、わが党の政権公約に掲げているように、「官邸の司令塔機能を強化するため、『国家安全保障会議(日本版NSC)』を設置」することも実行に移す必要もあるのではないでしょうか。総理の見解を伺います。

 第一次安倍内閣において総理が最初に訪問した国は中国であり、胡錦濤国家主席との間で戦略的互恵関係を構築したことを私は高く評価しております。それが民主党政権下で、私のつくった言葉で言えば、「戦術的互損関係」になってしまったことは極めて残念であります。総理が何とかして良好な日中関係を取り戻したいと考えておられることを私はよく承知しております。尖閣諸島の領有権については譲る余地がないこと、わが国の領土・領海・領空は断固として守り抜くことは当然でありますが、引っ越すことのできない隣国である中国と良好な関係を目指すこともまた当然です。戦略的互恵関係を再構築するのだという総理の決意をお聞かせください。

 1月23日に国連安全保障理事会は、北朝鮮によるミサイル発射に対し、制裁を強化する決議を、全会一致で採択いたしました。総理は、「わが国は、拉致、核、ミサイルといった北朝鮮を巡る諸懸案の包括的解決に向けて、国際社会と緊密に連携し、引き続き積極的に取り組んでいく」とのコメントを発表しました。当然ながらわが党も「北朝鮮による拉致問題対策本部」でしっかりと政府を支え、拉致問題の解決に全力を尽くします。北朝鮮に対するわが国独自の更なる制裁措置を講じるのかどうかを含め、総理の見解をお聞かせください。


五、教育再生

 安倍総理は「教育再生実行会議」を立ち上げ、教育改革を経済再生と並ぶ最重要課題として位置付けられました。第一次安倍内閣では教育基本法が改正され、自律の精神や公共の精神、自らが生まれ育った国や地域への愛情など、戦後忘れられがちだった基本的な価値観が盛り込まれました。その後、政権交代もあり、残念ながらその理念が後退した感は否めません。大阪の桜宮(さくらのみや)高校では、体罰を受けていた男子生徒が自殺するという痛ましい事件があったばかりです。いじめや体罰が原因で未来ある学生が、その若い命を自ら絶つようなことは、断じてあってはなりません。わが党の政権公約においても、いじめ対策について、「今すぐできる対応策(いじめと犯罪の峻別、道徳教育の徹底、出席停止処分など)を断行するとともに、直ちに『いじめ防止対策基本法』を成立させ、統合的ないじめ対策を行う」ことを明記しております。教育再生にかける総理の強い意志といじめ・体罰の問題についての所見を伺います。


六、三党合意事項

 1月21日に第3回の社会保障制度改革国民会議が開かれ、安倍政権の下で社会保障・税一体改革の議論がスタートしたことは極めて意義深いことと考えます。
 この一体改革は、先ほど申し上げた財政健全化目標の達成に不可欠であるばかりでなく、社会保障の充実を行って「暮らしの安心」を取り戻すために是非ともやり遂げなければなりません。福田内閣における社会保障国民会議、麻生内閣における安心社会実現会議、そして自公両党で定めた平成21年度税制改正法附則の流れを受けて、昨年の通常国会において民主党の政権下で法案が成立し、そして今また社会保障制度改革の具体化がわれわれの手に委ねられていることは、歴史の必然と考えます。国民の暮らしを支える社会保障とそのための安定財源の確保がどの党にとっても避けて通れない国民的課題であり、党利党略を競う対象でないことをわれわれは胸に刻まなければなりません。安倍総理におかれては、是非とも自民党・公明党・民主党の三党合意に基づく協議体制を堅持していただき、その上で社会保障・税一体改革を早急に具体化させていただきたいと存じますが、そのご決意をお伺いします。

 社会保障改革の具体的内容として、まずは、差し迫った消費税率10%の引上げまでにどのような改革がなされるかを国民にお示しすることが急務です。前政権では、消費税増収5%分を全額社会保障財源化し、このうち1%分の約2.7兆円を社会保障の充実に充てるとして、その具体的メニューが提示されました。このうち昨年の通常国会で年金や子育てに関係する法案が成立していることから、今後は主に医療・介護分野の改革に道筋をつけることになると考えられますが、仮に見直しを行って新たなメニューを提示していくということであれば、早急にどこを削ってどこを増やすかその具体案を示さなければなりません。安倍政権として2.7兆円の枠組みや改革のメニューを基本的に踏襲していくのか、見直していくのか、お考えをお聞かせください。

七、おわりに

 かつて私たち日本人は、戦後の焼け野原から立ち上がり、わずか二十数年でわが国を世界第二の経済大国に押し上げました。確かに現在とは国内の人口構成や周辺環境も大きく異なります。しかしながら、今は成熟国家としての強みがあるのもまた事実です。例えば、あの時とは比べ物にならないほど、金融資産や知的財産の蓄積があります。さらには、アジアの国々は急激な経済成長のさ中にあります。周辺諸国が発展しているということは、わが国の成長にとっても極めて有利とも言えます。これらを上手く活かしていけば、危機に強いといった日本人の長所、底力とも相まって、必ずや被災地の復興、わが国の経済社会全体の再生に成功できると信じています。

 安倍総理は所信表明演説において、「『どうなるだろうか』と他人に問いかけるのではなく、『我々自身の手によって運命を開拓するほかに道はない』」という芦田元総理の言葉を引かれ、「『強い日本』を創るのは、他の誰でもありません。私たち自身です」と国民に呼びかけられました。この呼びかけは弱冠七十歳の青年、高村正彦の魂をも揺さぶりました。私自身は勿論のこと、わが党一丸となって総理を支え、日本を取り戻すため全力を尽くすことを申し上げ、私の質問を終わります。
(以上)

shige_tamura at 14:22|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!自由民主党 

平成25年度の防衛予算の増額の意義と内容

日本本












『日本の防衛政策』(田村重信編著、内外出版)『日本の防衛法制』(田村重信他編著、内外出版)を出版。早速、増刷が出ました。
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 平成25年度防衛関係予算は、4兆7.538億円(対前年、プラス400億円、0.8%増)


 平成25年度の防衛予算については、「自衛隊の人員・装備・予算の拡充」との自民党の「政権公約」に従い、対前年度400億円増(0.8%増)となりました。

 これは、民主党政権下での昨年9月の概算要求で、対前年度600億円減(1.3%減)とされていたことからの大きな転換です。もしも、民主党政権が続けば、対前年度から600億円以上削減されていたことでしょう。

 防衛予算の増額は実に11年振りのこととなります。

 400億円の増額といっても、実際には、25年度には給与削減により人件費が600億円減となるので、装備品の整備、維持、運用に使う物件費は1,000億円増加することとなります。

 補正予算を加えた「15ヶ月予算」では、4兆9.600億円超になります。


 今回の歴史的な転換は、予算の額だけに止まりません。

 尖閣諸島を始めとする南西諸島における情報収集や警戒監視や島嶼防衛体制の強化が焦眉の急であることを踏まえ、航空自衛隊の早期警戒管制機の搭乗員や整備員、海上自衛隊の護衛艦部隊のレーダーやソーナーの操作員等を中心に計287名の自衛官を増勢することとなりました。

 このような大幅な人員増は20年振りのこととなります。

 これらの予算増と人員増により、我が国の防衛力は、緊張が高まる南西諸島周辺で不測の事態が起こった場合でも、これに即応して的確に対処できることとなるでしょう。

2013年01月29日

石破茂幹事長のお勧めの本リスト

アサヒ芸能
今朝発売の『アサヒ芸能』で僕の記事が掲載されました。
男の本棚・「注目作家に聞く」で『日本の防衛法制 第2版』(内外出版)が紹介されました。

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 また、今朝の国防・安全保障調査会合同会議で、石破 茂幹事長が1月21日にご紹介したお勧めの本リストに僕の本が入りました。

「日本の防衛法制 第2版」(田村重信・高橋憲一・島田和久・編著、内外出版)
(他に「日本の防衛政策」田村重信・編著、内外出版)



  1月21日にご紹介したお勧めの本リスト(石破 茂)

1.「昭和16年夏の敗戦-総力戦研究所“模擬内閣”の日米戦必敗の予測」
(猪瀬直樹・著、文春文庫(1986年)・中公文庫(2010年)
2.「集団的自衛権-論争のために」(佐瀬昌盛・著、PHP新書、絶版)
「新版 集団的自衛権 新たな論争のために」(一芸社)
3.「日本の防衛法制 第2版」
(田村重信・高橋憲一・島田和久・編著、内外出版)
(他に「日本の防衛政策」田村重信・編著、内外出版)
4.「国家安全保障の政治経済学」(吉原恒雄・著、泰流社、絶版)
5.「宣戦布告」(麻生幾・著、講談社文庫)
6.「亡国のイージス」(福井晴敏・著、講談社文庫)
7.「国民のための戦争と平和の法-国連とPKOの問題点」
(小室直樹・色摩力夫・著、総合法令)
8.「日米同盟の絆-安保条約と相互性の模索」(坂元一哉・著、有斐閣)
9.「防衛省」(能勢伸之・著、新潮新書)
10.「国防の死角-わが国は『有事』を想定しているか」
(清谷信一・著、PHP研究所)
11.「太平洋戦争 日本の敗因」シリーズ(NHK取材班・編、角川文庫)

以上

* 絶版本については国会図書館に所収してありますので、ご利用ください。
* なお、「国防」「国難」(ともに石破茂・著、新潮社)はお勧めの本ではありませんが、ご興味のある方はご一読ください。


2013年01月28日

安倍政権の支持率アップと防衛費の増額

日本本












『日本の防衛政策』(田村重信編著、内外出版)『日本の防衛法制』(田村重信他編著、内外出版)を出版。早速、増刷が出ました。
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 安倍政権の支持率がアップし、防衛費の増額が決まった。
 これは、安倍政権が経済雇用対策に力を入れ、株価も一時1万1000円回復するなどとなった。
 また、自民党の「政権公約」にある防衛費も「防衛費11年ぶり増 生活保護は減 予算案、安倍色鮮明」(朝日新聞)となった。

 以下、安倍内閣支持率アップと防衛費の増額の記事を掲載した。
 

安倍内閣支持率64.5% 発足時から9.5ポイント上昇 FNN世論調査

(フジテレビ系(FNN) 1月28日(月)12時32分配信)


 政権発足から1カ月がたち、安倍内閣への支持が広がっている。
 FNNがこの週末に行った世論調査で、安倍内閣の支持率は64.5%と、2012年12月末の政権発足時に比べ、10ポイント近く上がっている。

 27日までの2日間、全国の有権者1,000人から回答を得た電話調査によると、安倍内閣を「支持する」としたのは64.5%で、2012年12月末の政権発足時から9.5ポイント上昇。2006年の第1次安倍内閣発足時をも上回り、安倍内閣として過去最高となった。

 「支持しない」は7.3ポイント減って、20.9%だった。

 自民党の支持率も上向きで、4割近く(36.1%)、1割の支持(10.2%)で2位の日本維新の会を大きく引き離している。

 民主党の支持率は、みんなの党(6.4%)を下回り、6.3%と過去最低水準となった。

 この夏の参議院選挙の望ましい結果を尋ねたところ、「自民党が単独過半数」(30.3%)と、「自民・公明で過半数」(34.7%)の与党勝利を望む人が6割以上、「野党の過半数維持」を望む声は、2割台にとどまった(29.0%)。

 アルジェリア人質事件の政府対応を適切だと「思う」とした人は、6割近くにのぼった(58.0%)。

 海外でテロなどに巻き込まれた日本人救出のための陸路輸送を可能とする自衛隊法改正には、7割を超える人が「賛成」と答えた(71.8%)。

 政府と日銀が、2%の物価上昇率目標を明記した共同声明を出したことを、6割の人が評価した(60.7%)。

 2012年度補正予算案に盛り込まれた「緊急経済対策」についても、「評価する」(48.5%)が「評価しない」(34.1%)を上回り、安倍首相が掲げる「経済再生」への期待がうかがえる。

 2013年度予算案で、防衛費を11年ぶりに増額する方針を、6割近くの人が評価した(56.6%)。

 安倍首相が、首相在任中に靖国神社を参拝するべきだと「思う」人は半数近くにのぼり(49.3%)、3割台後半の「思わない」(37.5%)を上回った。

 一方、2020年夏の東京へのオリンピック誘致について賛否を尋ねたところ、7割を超える人が誘致に「賛成」(75.9%)と答えて、「反対」(19.0%)を大きく上回った。.最終

(更新:1月28日(月)12時32分)


 以下、産経より

 政権が掲げる個別の政策について尋ねたところ、日銀との物価目標の共同声明を60・7%が評価したのをはじめ、緊急経済対策や防災対策を中心にした公共事業費拡大、防衛費増額も評価する回答が上回った。

 アルジェリア人質事件への対応が適切かを尋ねたところ、58・0%が「適切」と答え、「不適切」は26・6%にとどまった。在外邦人救出のための自衛隊法改正は71・8%が賛成した。

 生活必需品の消費税率を低く抑える「軽減税率」の導入時期については、消費税率を8%に引き上げる平成26年4月が48・0%と最も高く、10%に上げる27年10月は19・1%だった。

 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の交渉参加問題について「表明すべきだ」が45・5%、「表明すべきではない」の38・1%を上回った。安全性が確認された原発を再稼働させる方針については賛成が45・9%、反対が44・3%とほぼ同数となった。

 集団的自衛権の行使については46・4%が容認すべきとした。靖国神社参拝は49・3%が参拝すべきと回答した。

 また、大阪市立桜宮高校の男子生徒が自殺した問題で、橋下徹市長が同校の体育系2科の入試中止を市教委に要請したことには「反対」が50・0%を占め、賛成を上回った。同校運動部の全顧問を入れ替えないと人件費を執行しないと明言したことについても過半数が「反対」と回答した。



 防衛費11年ぶり増 生活保護は減 予算案、安倍色鮮明

 (28日、朝日新聞、一面トップ)

 安倍政権は27日、2013年度政府予算案について麻生太郎財務相と各大臣が最終調整する大臣折衝をして、一般会計総額を過去最大規模の92兆6100億円とする大枠を固めた。防衛費は今年度より400億円増にして11年ぶりに増やす。一方、生活保護費は13年度に670億円減らす。安全保障を重んじる一方、社会保障は政府の支えより「自助」を求める安倍晋三首相の意向が反映された。

 防衛費は400億円増の4兆7538億円。自衛官の実際の人数(実員)は定員(24万7千人)を下回って減り続け、現在22万8千人。13年度は8年ぶりに287人増員する。人件費削減を盛り込んだ現在の防衛計画の大綱を安倍政権が見直すことを前提にした。

 小野寺五典防衛相は27日、麻生太郎財務相との折衝後、「南西地域の警戒監視で人員が充足できる」と記者団に語り、尖閣諸島周辺の領海、領空に接近を繰り返す中国への対応を強調した。領空侵犯防止のための監視活動や緊急発進をする自衛隊機の整備にも充てる。また、オスプレイ導入に向けた調査研究費も計上。北朝鮮のミサイルや大規模災害への対処能力向上も予算の柱となる。

2013年01月24日

大島理森 自民党東日本大震災復興加速化本部長 に聞く

日本本












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 政府与党一丸で復興加速へ

 大島理森 党東日本大震災復興加速化本部長 に聞く

 除染、がれき処理、住宅、雇用
 被災者の方々に生きる希望を


「もはや復興については、議論ではなく、実行の段階」と復興加速化への決意を語る大島理森党東日本大震災復興加速化本部長


 甚大な被害をもたらした大震災からまもなく2年。
 しかしこの間、遅々として進まなかった民主党政権下での復興。今、わが党が政権に復帰し本格的な復興の加速化が期待される。このたびの役員改選でわが党は大島理森前副総裁を党東日本大震災復興加速化本部長に任命し、与党として強力に政府をバックアップする体制を整えた。大震災発生以来、何度も被災地を訪れ、生の声を聞いてきた同本部長に復興の現状と今後の課題について聞いた。


 大震災からの復興の現状と今後の課題
 復興は議論でなく実行を


――本部長就任の抱負と決意を。

 大島理森)・党東日本大震災復興加速化本部長 震災発生から2年がたとうとしています。もはや復興については、議論ではなく、実行の段階です。被災者の方々に生きる上での希望をつくることが、わが党の責務です。私は3・11以来、何度も被災地に足を運びましたが、遅々として進まない状況に心を痛めていました。しかし、これからは政府・与党一丸となって、復興の加速化に向け、総力を挙げてまいります。


――がれき処理や仮設住宅からの移転などの現状をどう捉えますか。

 大島) 先日、岩手・福島の両県を視察し、意見・要望を伺ってきました。
 喫緊の課題としては、「除染」と「がれき処理」をどう加速化させるかが重要です。津波により家屋などが流され、その時がれきと化したものの処理は進みましたが、焼却したがれきを埋め立てるなど、最終処分については十分な目途は立っておりません。また、コンクリートなど海岸部分から押し寄せたがれきは港に山積みの状態で復興の妨げとなっています。

 一方、仮設住宅に入居されている方が、見通しもないまま、3度目のお正月も仮設で迎える状況だけは避けたいと思っています。将来の見通しをしっかりと立てられるような狃擦泙き瓩必要です。

 加えて、仮設住宅から共同住宅、区画整理や集団移転に伴い移住する場合でも、住民にとって近隣に病院があり医師・看護師がそろい、また高齢者のための介護士の存在も不可欠です。

 また、地盤の嵩(かさ)上げなどにより津波に耐えうる住宅建設に必要な資材や、専門的知識・技術を持った人材確保に向け、オール東北、オールジャパンの供給体制が求められます。これにはUR(都市再生機構)を活用し、官・民・地元が一体となった実践的かつ現実的な執行を求めます。

 同時に、大切なのは雇用です。現状では、緊急避難的に雇用のミスマッチもありますが、将来に向け展望を開く必要があります。


――港湾施設の復旧状況などについてはいかがですか。

 大島) 港はかなり使用できるようになりましたが、専門家が足りないので、津波対策として防潮堤を造るなどの事業に支障をきたしています。

 視察した岩手県宮古市では水揚げは7割近く、水産加工業も7割の水準に戻っていました。しかし、港湾の機能を考えた時、完全復興には道半ばとの印象です。


――交通網の復旧・整備は、まだ不十分のようですが。

 大島) 山田線を含め三陸沿岸のJR線は津波により壊滅的な被害を受け、いまだ復旧の目途が立っていません。しかも、新しい「街づくり」の青写真ができないと、どこに線路を通すかも決まらず足踏み状態の状況です。しかし、鉄道は地域の象徴であり、住民には心の拠り所でもあります。
 JRにとっては、採算の問題もあるかもしれませんが、重要な課題として取り組むべきと考えます。

 道路網については、自動車専用道路である三陸沿岸道など南北の縦軸は整備が進みつつありますが、内陸と海岸部を結ぶ横軸の道路の整備が必要です。大震災では、物資の補給を日本海側から太平洋側へと迂回(うかい)するルートで行いましたが、減災や国土形成の必要上からも、国土強靱化を進めねばなりません。


――いろいろ課題がある中で、最優先で取り組むべきものは。

 大島) 何よりもまず除染です。これを一日も早く作業を加速化させることが大切です。
 除染が進まなければ、福島の展望は開けません。福島の原発事故災害の対応を政治は必死の覚悟で行う必要があります。


――わが党も公約で被災地復興を最重視していますが。

 大島) 安倍晋三総理も被災地の復興加速化を厳命しています。復興に向けて「即断即決」直ちに実行する。この思いで取り組みます。

『自由民主』より

shige_tamura at 12:31|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!自由民主党 

2013年01月22日

与党アルジェリア邦人拘束事件対策本部後 石破茂幹事長記者会見

会議
写真は、与党アルジェリア邦人拘束事件対策本部会議の模様です。

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 与党アルジェリア邦人拘束事件対策本部後 石破茂幹事長記者会見

(平成25年1月22日(火)9:20〜9:28 於:党本部平河クラブ会見場)
※公明党・井上義久幹事長同席


 【冒頭発言】

 先程、与党のアルジェリア邦人拘束事件対策本部の会議を開きました。
 政府側より現状についての説明があり、大変に厳しい事態になっていますが、まだ安否不明の方もいらっしゃいます。そのことの確認に全力を挙げるということ、あるいは救出された方々、判明しているご遺体の搬送について、政府専用機を運行する等の支援体制の説明がありました。

 その後、質疑に入りまして、いくつかの問題が議論されました。政府の方から適切な説明がありまして自民党、公明党として、政府の現在の体制を支援していきたいし、今後も連携を密にしていきたいとの話をした次第です。

 なお中長期的な話ですが、今後の情報収集・分析強化体制の在り方、あるいは海外で多く活躍している邦人の生命・財産を確保するための手立て、そういうことについて、政府あるいは与党それぞれの場で議論を行い、より邦人の生命財産の安全ということが図られるよう、今後早急に作業を進めたいというような話もあった次第です。


 【質疑応答】

Q:邦人を守る体制について、今後自民党内でどのような議論、作業が行われるのでしょうか。

A:わが党として、例えて言えば、自衛隊法の規定は邦人の輸送ということになっている。輸送の安全ということが前提条件になっている。もちろんその安全が重要であることが言うまでもなく、安全でなければ輸送できるかという話になるわけですが、輸送の安全をどのような評価を持って行うのか、それについて、救出と輸送という概念が重複するのかしないのか、相当詰めた議論を自民党内で行い、法律という形で党議決定しています。

 それは野党時代の自民党として党議決定していますから、これをどう取り扱うのか、閣法という形でいくにせよ、衆法という形でいくにせよ、それは当然同じ与党を組みます公明党の皆さまとよく意見調整しなければなりません。

 法整備あるいは、先程申し上げましたNSCとも関連する話ですが、情報の収集・評価・分析、情報サイクルと言いますが、その体制のあり方についても、自民党として議論の成果物がございますので、それをどう取り扱うのかについても、政府与党の中で相談して決めたいと思います。


Q:井上幹事長にお聞きします。
 今の質問に関連して、自衛隊法の改正について、公明党としてはどのように考えるのでしょうか。

A:公明党・井上幹事長)私どもは、テロ事件に関連して、一つは海外に進出する企業が増えていることについて危機管理のあり方、政府の役割を幅広く検討しなければならない。

 2点目は、いろんな事件が不幸にして起きた場合の邦人のあり方、その支援のあり方については、法律を含めて検討しなければならない。

 3点目に、アフリカに対する企業進出が増えており、今回のテロの温床になっている貧困とか抑圧という問題がありますから、そういうことも含め、アフリカ外交をどのように展開していくべきか、幅広く党内できちんと検討したいと思っております。

 自衛隊法の改正については、その議論の中で、不幸にしてこのような事件が起きた場合の邦人保護のあり方については検討したい。
 2010年の国会で自民党が法案を出されました時にも、公明党にも呼び掛けがあり、議論しましたが、自衛隊の実力行使を伴う海外への派遣については、基本的には閣法でやるべきだということで、そういうことも含めて、党内で検討していきたいと思っています。


Q:今後、今回の事件のように、日本人以外に他国籍の人質が捕えられるという事態が想定されますが、人質の保護を日本が他国と一緒に行うことを踏まえた法整備が必要であるとお考えでしょうか。

A:これはそれぞれの国が主権を持っていますので、わが国として他国の方々も含めて、そのような保護を行うが可能かどうか、相手国の意図もあります。

 当然そういうときには各国との協議が必要になるわけで、その点を法律でどう書くのか、どういう人が仮に対象になるとすれば、基準をどのように設けるのか等々、かなり詳細な議論が必要だと思っています。

 ただし日本人さえ良ければ良いのだという話にはなりません。なりませんが、他国の国籍を持たれた方を保護する場合、どのような法律の組み立てをするのかということは、今までの議論の蓄積と照合しながら、整合を取ってまいりたいと思っています。
(了)

2013年01月18日

与党アルジェリア邦人拘束事件対策本部後 石破茂幹事長記者会見

会議
写真は、与党アルジェリア邦人拘束事件対策本部会議の模様です。

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 与党アルジェリア邦人拘束事件対策本部後 石破茂幹事長記者会見

(平成25年1月16日(水)9:10〜9:20 於:党本部平河クラブ会見場)


【冒頭発言】

 先程8時30分から、与党アルジェリア邦人拘束事件対策本部を開催しました。
 自民党・公明党から本部員が出席し、政府側から加藤勝信官房副長官、櫻井修一内閣官房副長官補、上村司領事局長等々、それぞれの省にある方々のご出席を得たところです。
 主に加藤副長官から現状の報告がありました。
 それは、官房長官が会見等々でおっしゃっていること、ぶら下がり等々でご発言になっていること等々と同様です。

 日本時間6時ごろ、アルジェリア国営ラジオは、軍事オペレーションが終了した旨を発表した。同報道によれば、人質の安否については、追って発表される由である。政府は、米英などとも連絡を取り合っているが、情報が錯綜しており、いずれも確たる情報はない模様である。

 日揮より外務省に対して、現地法人スタッフ17名のうち、現時点で安全確認の取れた人数は3名である。残り14名の安否に関しては、情報が錯綜しており、未だ不明との連絡が日揮より外務省に対してあったものである。政府としては、引き続き邦人の無事について確認するとともに、救出に全力を挙げる所存である。この旨の発言がありました。

 その後、質疑応答に入り、多くの質問がありました。
 それに対して、政府からお答えがあったものです。
 いずれにいたしましても、その情報について、政府と与党、常に連携していかなければならない。わが日本国政府として、あるいはそれを支える与党として、あらゆる角度から万全を期すということ、そして今後いろいろな議論が提起され、それに対して答えを出していかなければなりません。政府与党に齟齬があってはなりません。
 現時点において、拘束が伝えられる邦人の人命保護に全力を尽くしてまいりますが、今後いろいろな事態の推移が予定されています。
 それは国際法的な観点、あるいは各国との協調、わが国としての今後の方針、そういうものが万般に渡って、問われることになります。いかなる事態にも適切に対応でき、今後、地域の平和と安全に、私どもとしても寄与していかなければなりません。 そういうことの観点の下に多くの議論が交わされたということです。


【質疑応答】

Q:会議での質疑を差し支えない限りで、お聞かせください。

A:質問は、例えて言えば、邦人の安否確認について、どのような手法が用いられ、どのように認識しているか、17名とか3名とか25名とか30何名とか、いろいろな情報が飛び交っておりますが、どういう形になっているか。マリ、アルジェリア、リビア、フランス、イギリス等々そういう国々のそれぞれの立場、あるいは連携、主張がどのようになっているのか。

 さらには、わが国として、いわゆるオペレーションというものに対して、人命第一ということを重視されたいということをわが国として言っているわけであります。それはわが国政府として、邦人保護を考えたら当然のことでありますが、そういうアルジェリア政府に対する要請というものは、各国ともに協調が取れているのか等々、これは他のことについてはいちいちお答えする問題とは思いませんが、一番最後の点につきましては、これは人質が取られていると言われている国々との連携というものはきちんと取れているのであって、わが国のみがテロとの戦いとかそういうものでなく、とにかく人命と言っているわけではない。
 当然のことであります。それぞれの自国民の保護というものをきちんと主張しているということについては、各国とも足並みの乱れも齟齬もないというお答えだったというように記憶しております。


Q:その報告は加藤官房副長官からですか。

A:加藤官房副長官あるいは領事局長等々からのお答えでした。


Q:今回アルジェリア軍の行動ですが、だいぶ早い行動でしたが、どのように受け止めていますか。

A:状況の全体像が未だ掌握できていない、また掌握し得る立場にない時点において、我々として、これが早すぎるとか、あるいは不適切であるとか、あるいは適切であるとか、タイミングとして良かったとか、そういうことについて論評する立場ではないと思っています。
 それは最も情報を共有しうる立場にある者が言い得ることであって、少なくとも現時点において、我々の立場でそういうことについて軽々に論評すべきことであるとは思っていません。


Q:先ほどアルジェリアの話として、オペレーションが終了したとのことでしたが、政府与党の認識として、まだ現時点で犯人が人質を拘束しているような事態が続いているという認識なのか、それとも結果がどうなるともわからずともそういう事態が終了したという認識なのか、それともいずれも分からないという認識なのでしょうか。

A:これは事実としては、日本時間の6時ごろですから、今から約3時間前のことでしょうか。アルジェリアの国営ラジオが、軍事オペレーションが終了した旨発表したということですから、アルジェリア政府が発表したのかどうかわかりません。
 アルジェリアの国営ラジオがそのように言ったということであり、同時にこの報道によれば、人質の安否については追って発表されるという報道がアルジェリア国営ラジオからあったということであります。それ以上の状況の把握はできていません。
 従いまして我々与党として、今そのことについてどうなのか、確認できるのかと言えば、それはできないとしか申し上げようがございません。  

 今後状況の推移に従って、この会議を随時行うということであって、政府与党の間に意思の疎通が完全な形ではかられ、そして対応にも全く齟齬がないということをよく念頭に置きながら、人命の救出、人命の保護を実現すべく、共に努力してまいりたいと思っております。
 以上です。
(了)


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