2011年11月

2011年11月17日

TPPについての代表質問(全文)(自民党谷垣禎一総裁)

小林写真は、恩師の慶応義塾大学・小林節教授と。

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 先ほど終わった、自由民主党総裁・衆議院議員谷垣禎一氏の衆院本会議の代表質問(全文)です。


一、基本認識

 私は自由民主党・無所属の会を代表して、野田総理のAPEC帰朝報告に対し、質問いたします。
 最初に政府の基本認識について伺います。
 現在、野田総理の発言、政府の方針があまりにも曖昧なゆえに、国民は総理の真意を量りかねています。総理は出発の前夜、「関係各国との協議を開始し、更なる情報収集に努め、十分な国民的な議論を経た上で、あくまで国益の視点に立って、TPPについての結論を得ていくこととしたい」と述べられました。これを受け、報道各社は「交渉参加表明」と報じました。しかしながら、鹿野農林水産大臣や山田前農林水産大臣は「交渉参加が前提ではない」、「事前協議で踏みとどまった」と発言しています。一体この解釈の差は何なのでしょうか。

 問題の本質は、総理が言葉の定義をあえて曖昧にしたことにあります。従って、まずは確認します。「交渉参加」と「交渉参加に向けて関係国との協議の開始」とは、いったいどこが違うのですか。総理は、あえて「交渉参加」という表現を使わなかった。なぜなのでしょうか。これは、国内の慎重派、特に民主党内の慎重派に配慮したためでしょうか。

 我々自民党は、政府の情報収集不足、そして決定的な説明不足により、国民的議論が全く熟しておらず、APECにおいては交渉参加の表明をすることに反対する旨を表明していました。発表直前の11日の夕刻には、野党六党が共同して総理に対して同様の趣旨を申し入れました。そのうえで、総理が記者会見で国民に伝えたかったことは、我々が反対した「交渉参加の表明」だったのですか。それとも我々の声を受け入れ、その手前で踏みとどまったのですか。総理の明確な答弁とともに、政府の統一見解を求めます。


二、APECにおける米国との会談

 APECにおいて、最も重要な相手国である米国との会談は如何なるものであったのか、この会談内容を巡って日米で齟齬が生じています。「全ての物品およびサービスを貿易自由化交渉のテーブルに載せる」と表明したとする米国側と、「今回の会談においてそのような発言をした事実はない」とする外務省がぶつかったのです。
 結果として、米国側が発言はなかったことを認めたようですが、発表を訂正する意向はないようです。問題は米国の意図にあります。総理がいくら日本国民に向けて言い訳をしようが、最大最強の交渉相手である米国には、「例外なく全ての品目・分野を交渉の対象とする」との明確な意思があるのです。

 これに関して見逃せない報道があります。枝野経済産業大臣がカーク通商代表との会談に備える映像において、大臣が手にする発言用の資料には「野田政権として交渉参加を決断した」「全ての品目分野を交渉の対象とする用意がある」と明記されているのです。これはどういうことでしょうか。APEC出発前の説明の二枚舌、日米会談の説明の二枚舌。政府の誠意はまったく見受けられません。

 総理はこのような状況を、どのように説明されますか。明確にお答えください。

 そもそも政府は、「『例外なき関税撤廃』と言わないと交渉に入れない。しかし実際に交渉に入れば、例外を取れるかもしれない」と言い続けてきました。総理は「例外なき関税撤廃」を本気で覚悟して交渉に臨もうとしているのか、それとも交渉により除外項目を取りに行こうとしているのか。どちらなのでしょうか。更に言えば、交渉で除外項目を獲得することに成算ありと思われているのでしょうか。既に米国側に交渉品目に例外なしと認識されてしまっています。除外項目獲得についての交渉の大方針について総理に伺います。
 特に国民的関心の高い、国民皆保険とコメの問題についてもお答え下さい。


三、外交交渉

 我々は、TPP交渉のような非常に高度な交渉力を要する協議を民主党政権には任せてはならないと確信しております。

 政府は「平成の開国」などというスローガンを掲げてきました。しかし、これは事実に反しているのは明らかです。日本は、わが党が政権を担ってきたころから、自由貿易を推進し、これまでの繁栄を築きあげてきました。
 わが国は既に13の国や地域と経済連携協定を結んでおり、TPPの参加国である9カ国のうち6カ国とは既にEPAを結んでいます。
 日本の平均関税率は4.9%と低く、海外から日本は鎖国状態にあるとは思われておりません。従って、菅前総理の感覚は始めからズレていたとしか言いようがありません。国のトップが、始めから「わが国は鎖国している」と言っていたのでは、条件交渉など到底できません。外交交渉のイロハもご存知なかったようです。

 また、藤村官房長官や前原政調会長は交渉途中の離脱の可能性を明言しており、野田総理もそれを示唆しています。入口から逃げ腰の国を相手に、他の参加予定国が真剣に向き合うことはありえません。国内への配慮のために、交渉本体へ悪影響を与えた、極めて稚拙な手法と考えますが、総理の見解を問います。

 そもそもTPPは、民主党政権が普天間問題をこじらせたために日米の信頼関係が損なわれ、その外交上の失策の穴埋めとして、米国の歓心を買う為に苦し紛れに打ち上げたとの疑念が拭えません。いわば民主党の失政に国民が付き合わされたわけであり、この点について総理の認識を改めて伺います。


四、TPPに対する国民の不安

 TPPについて政府は十分な情報を開示しておらず、世論調査でも8割から9割の方がそのように感じています。国民の不安は高まっており、政府としてこれにどう答えていくのでしょうか。

 TPPの議論をする上で、避けて通れないものが農業です。
 民主党政権は農家の戸別所得補償制度を推進していますが、生産価格と市場価格の差が拡大していけば、それを埋めていくための巨額の財源を要します。TPPで輸出企業に、戸別所得補償で農家にもいい顔をし、その結果財源はないとなれば、まさにあの詐欺まがいのマニフェストと同じこととなります。
 民主党が50%とまで掲げた食料自給率はみるみる低下し、農村は荒廃し過疎化が進む一方となります。また、食糧安全保障の観点からの検討も行われている様子もありません。中山間地域や離島も含め、これまで国土を守ってきた、地域で生活している人々の暮らしをどう守るのか。それとも守らないのか。
 さらには、今回被災した東北地方では一次産業を担われてきた方が多いのはご承知の通りです。オールジャパンで復興を支えなければならないこの時期に、今後の生業がどうなるか不安を与え、復興への意欲を失わせてしまうことなどあってはなりません。農業対策等についての具体策をお聞かせ下さい。

 医療についても、国民の不安は高まっています。これまで政府は、「公的医療保険制度などのサービスは議論の対象となっていない」と説明してきましたが、米国政府のTPPの目標に、医療制度の自由化を掲げているとの報道もあります。事実としてどうなのか。政府の情報収集と説明はどうなっているのか。日本の医療をどうするのか、その中で国民皆保険制度は守るのか、お答えください。

 TPPには、この他にも、ネガティブリスト方式の導入、投資に関する紛争解決の問題、金融サービスの郵貯や共済の扱い、政府調達の調達基準額の引き下げの問題等、国民に知らされていない重要な問題が多々あり、これらが広まるにつれて、国民の不安が増している現実があります。
 このような不安をどのように払しょくされるのか。政府・与党は国民の不安を「TPPおばけ」と切り捨てるのみで、真摯に説明しようとしてきませんでした。今後も不誠実な対応をとり続けるのか伺います。


五、TPPのメリット

 TPPによって、いったいわが国は何を得られるのでしょうか。
 TPPのメリットとして、10年間で2.7兆円のGDPアップという試算がよく挙げられますが、平均すれば一年当たり2,700億円、マクロの経済指標としてはいささか物足りない数字です。これに対して、国内対策費の見積もりは全く説明がありません。

 また、政府の試算は、内閣府、経済産業省、農林水産省とバラバラであり、政府が責任をもって統一的な試算すら出せないのは大いに問題です。野田政権のリーダーシップの欠如は、ここにも表れているわけです。
 この有様では国民を説得できるとはとても思えませんが、政府がTPPのメリットを堂々と説明できないのはなぜなのか、総理に伺います。


六、国益とは
 
 いずれにせよ、今や参加云々の事実関係に関わらず、関係国との協議はスタートしてしまったわけです。もはやこの段階においては、わが国の国益を守るうえで、総理や政府の強い意志、高度な外交交渉の技術等が問われることとなり、持てる外交資源を総動員していかなければなりません。
 その際、総理が口にされる「国益」とはいったい何なのか、その国益を守るために具体的にどのような外交交渉を行い、手段を講じていくのか、野田総理に伺います。

 なお、TPPについて、今後ますます議論を要することは明らかです。様々な課題を掘り下げ、国民的議論をさらに深めるべく、国会における特別委員会の設置を強く求めます。


七、おわりに

 これらの他にも外交・安全保障政策の観点等、TPPについて糾すべき点は多々あります。しかしながら、本日は言葉の定義等のそもそも論から確認しなければならなかった。これは、総理が国内ではTPP推進派と慎重派双方に対していい顔をし、海外でもいい顔をしたことに帰します。真意を明確にしないまま、解釈を相手に委ねた、総理の不誠実な姿勢が招いたものです。
 これを二枚舌、三枚舌と言わずして何と言うのですか。総理の「正心誠意」は言葉だけです。「民信無くば立たず」。政治にとって大事なのは国民や世界との信頼関係ではないでしょうか。
 これに関して言えば、先ほどブータンの国王陛下より格調高い演説をいただきました。その一方で、昨日、内閣の一員でありながら、極めて非礼な対応があったとのことです。野田内閣の品位と資質が問われることであり、甚だ遺憾であります。

 政治は、国民の理解、国民の後押しなくして進みません。
 TPPについては、情報不足と政府の説明不足が甚だしいことは、国民共通の認識です。今後我々は、国民の代表として、国民の不安を払しょくするため、これまで述べた、わが国のメリット・デメリット、リスクが何か、いかなる対策を検討しているのか等、様々な論点について、真の国益のために政府を問いただす決意です。

 政府においては、得られた情報を隠さず公開する等、真摯な対応を求めます。それすら政府ができないのであれば。一刻も早く退場して頂かねばなりません。その際には我々が、国民的議論を深め、国益に照らした判断を行うのみです。わが党はその覚悟を有することを表明し、私の質問を終わります。

(以上)

shige_tamura at 14:28|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!自由民主党 

2011年11月16日

森 喜朗元総理 約束した「中選挙区制の復活」(語る 第4回)

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 語る 第4回

 森 喜朗元総理 約束した「中選挙区制の復活」


 平成8年10月20日に小選挙区比例代表並立制による初めての選挙が行われた。そのときから15年が経過した。わが国にとって、ま、政治にとって、小選挙区制を導入したことは本当に良かったのか。これまで3回にわたって、政治家としての歩みを振り返ってきた森喜朗元総理が選挙制度見直しの必要性を訴える。


「政治の劣化をもたらす原因の一つに小選挙区制があると思います」

 野田佳彦総理が民主党の代表に選ばれたとき、ノーサイドという言葉を使いましたが、ノーサイドという言葉を簡単に使ってもらったら困りますね(笑)。

 ノーサイドは、元々ラグビー用語でとてもいい言葉なんですよ。試合が終わったら、敵味方で仲良くしましょうということですね。でも野田さんは、国民に向けて、あるいは自民党や他党に向けて、ノーサイドと言ったのか。違いますね。党内に向かって足の引っ張り合いはやめましょうという意味で使ったのですね。それは、本来の意味でのノーサイドではありません。そういう意味でノーサイドという言葉を使ってほしくないですね。今は大変なときだから、国のために何かをしなければならないのだから与野党で協議をしよう、そのためのテーブルを作ろう。そのためのノーサイドなら僕は大賛成です。

 最近、政治の劣化ということがよく言われます。政治家の劣化もあるし、党の力の劣化もあるでしょう。政治の劣化をもたらす要因はいろいろとあると思いますが、根本的には、小選挙区制に原因があると思っています。

 小選挙区制の下での選挙は人気投票になってしまいます。テレビの露出度を高めて当選しようとか、男性より女性の方がいいとか、年寄りよりも若い方がいいとか、太ったよりもやせた方がいいとか、選挙がショーのようになってしまうんですね。

 小泉ブームや民主党ブームがいい例です。絶えず無党派の人たちをつかまえるために内面よりも外面を意識しなければならなくなります。特に都会は人気投票の色合いが強くなります。そういう選挙制度は、もうそろそろ見直してもいい時期かもしれません。永久に続けていくべき制度ではありません。

 今、選挙制度によって生じた政治の劣化を止め、力を合わせて日本全体のパワーを高めていかないと、そして普天間、北方領土、尖閣諸島の問題、そういう重要な課題にきちんと対応していかないと日本は国際社会の中の小さな島で終わってしまう。

 憲法改正も進んでいません。僕は平成17年、立党50年に合わせ、党新憲法起草委員長として新憲法草案を取りまとめました。このままでは、いつまでたっても憲法改正ができないということで、総理経験者にも小委員長になってもらい本格的に取り組みました。あんな委員会はあとにも先にもないですよ。しかも、本当に国会を通すという思いで、わが党から見るとちょっと甘いところはあったのかもしれないけれども、各党がのりやすいものをあえてつくったのです。

 今は、保利耕輔党憲法改正推進本部長が中心に新憲法草案をもとに改正案作成に向け努力を続けていますが、憲法改正もそういう協議のテーブルに乗せるにふさわしいテーマだと思います。


「本当のノーサイドを訴えるのなら、課題に取り組むテーブルを作るべき」

 野田さんが本当の意味でのノーサイドを考えているなら、こういう課題に取り組むためのテーブルを作るべきでしょう。それは連立であろうと何であろうといいんです。けれども、小選挙区制である限り、選挙のことを考えると危ないと思うから、みんな同じテーブルに着きたがらないのです。
 だから、2年なら2年と期間限定で休戦し、次の選挙は、新しい制度でやるということを決めればいい。どういう制度がいいかは議論が必要でしょう。でも、世論のことを考えると、定数は減らさざるを得ませんね。

 平成12年の自自公連立の時代、僕が幹事長だったのですが、500あった衆院の定数を、比例代表を20削減することで480にしました。なぜ、480になったかというと、当時、自由党党首だった小沢一郎さんから連立の条件として、比例をやめて単純小選挙区制にしてくれという要請があったのです。
 しかし、その案を公明党がのめるはずがありません。それで、妥協案として480になったのです。

 しかし、その条件を公明党が受け入れるにあたり、実は一つ条件が出された。それは、中選挙区制の復活です。それを認めるなら賛成するということで、3党の間で了解ができていたのです。それで比例代表を20減らしたんです。その約束がいまだ果たされず、そのままになっています。(おわり)
(近藤三津枝・前党新聞出版局長が取材)


 あの時、この時

―――新憲法草案を策定―――

 わが党は平成17年11月22日、立党50年記念党大会で新憲法草案を発表した。政党として初めて、新憲法の全体像を条文として示したもので、現行憲法で明確に位置付けられていない自衛隊を「自衛軍」と明記し、内閣総理大臣の権限も強化した。

 新憲法起草委員長として、この取りまとめにあたったのが森喜朗氏だった。この年1月から「前文」「天皇」などテーマごとに10の小委員会で、しかも中曽根康弘、宮澤喜一両氏の総理経験者にも小委員長をお願いし議論を重ねた。

 しかし、多様な意見を集約していくことは容易ではなかった。森氏は月刊『自由民主』(平成18年1月号)で、特に前文と9条は「土壇場まで調整が続いた」と振り返った上で、「私は起草委員長の間は一切外に向けてしゃべらなかった。じーっとニュートラルの立場でいた。どちらかの意見に同調すると、その方向に流れてしまうからだ」と慎重かつ公平な姿勢に徹し作業を進めたことを明らかにしている。

 森氏は、総理・総裁のほか、文部、通産、建設の各大臣、そして幹事長、総務会長、政務調査会長の党三役のすべてを務め、細川、羽田両内閣時には、野党の幹事長としてわが党をまとめ、再び政権に復帰させた。そうした森氏だからこそ成し得た新憲法草案の策定といえる。

 現在、これを土台に保利耕輔党憲法改正推進本部長の下で、さらにより良いものをと議論をつめている。
『自由民主』より

shige_tamura at 15:57|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!自由民主党 

2011年11月14日

許せないTPPへの参加表明

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 許せないTPPへの参加表明

山田としお メールマガジンより

◆◇==========================◇◆

 【参加でなく協議というのはごまかしだ】

 ハワイでの日米首脳会談における野田総理の嬉しそうな顔、上目遣いで、オバマ大統領のご機嫌をうかがっていました。野田総理はこのためにTPP参加表明を強行したということなのでしょう。

 与党民主党内で参加反対に取り組んできた議員たちは、「交渉参加でなくて、各国との協議に入るということだ」「我々の要求が通った」と整理していますが、無理があります。協議に入ってしまえば出られないことは、自分たちがもっぱら主張していたことでした。

 なのに、米国では、交渉に入るには議会の承認が必要で、その承認を得るために3カ月間必要となり、さらに議会を説得するためには、議会が要求する事項について、日本側の覚悟について事前協議が必要になることを今になって持ち出してきて、野田総理側も、参加反対派もこの状況をうまく使って、両方の顔が立つような形をつくり
あげたということでしょう。
 悔しい思いをしている議員たちも多いはずですが、多数を占めて与党となり、小選挙区制のもとでは個々の議員が政局を作るにはよほどの覚悟が必要なのであって、語られていた離党などの政局は起きないようです。
 それにしても、運動を主導してきた幹部が「80点の出来栄えだ」というのは情けない。今後の闘いの方向を誤ると思います。


【事前協議で妥協が迫られる】

 この事前協議の期間中に、これまで米国側が要求してきていたことも含めて、あらゆる要求が日本にぶつけられることになります。

 TPPは多国間交渉だから個別の国の要求は争点にならないなどと外務省は答弁していましたが、とんでもない。米国から散々要求をぶつけられ妥協を迫られることになります。

 また総理は、「各国との協議を開始し、更なる情報収集に努め、国民的な議論を経た上で、あくまで国益の視点に立って、TPPについての結論を得る」として、いかにも事前協議をすすめ、国益の視点で納得が得られなければ参加を止めるというような印象で会見していましたが、これもごまかしです。
 国益上の納得が得られないような事項は一体何があるのでしょうか。

 「聖域なき関税撤廃」「高水準の自由化を実現する」と言うばかりで、どんな腹構えで協議に入るのか、何を実現しようとするのか、事前に全く議論していません。協議に入ると決めてから、閣僚や党幹部から、「関税撤廃の例外を取ることが出来る」「米豪間のFTAで協定しているように米国も砂糖や乳製品で例外扱いしているから日本もコメを例外に出来る」と言っていますが、そんな1〜2の例外措置で妥協させられてはたまったものではありません。
 少なくとも、コメ、砂糖、乳製品、牛肉等食肉、小麦等の扱いが大問題になるからです。コメだけ例外にしたからそれでいいだろうというものでないのです。ごまかされてはいけません。

 さて、これから考えなければならないことが一杯あります。


【交渉の透明性を確保すべき】

 一つは、今後の交渉は、与党、とりわけ外務省の役人が、極めて秘密裏に進めることになります。米国のことしか頭にない彼らの言いぶりのままで物事が進められることを阻止しなければなりません。


【あらゆる分野で譲れない基準を決めるべき】

 二つは、事前協議後に離脱するのは全く出来ないと見ていいのですが、よほど理不尽な要求をぶつけられた場合には、妥協せず、それを拒否し、名実ともに参加しないという結論もあるかもしれません。
 野田政権では、万に一つの割合で、正式に参加しないとする判断は出来ないと思いますが、しかし、際限のない妥協をする前に、大切なことは何かについて、国内で決めておくことが必要です。農産物の関税問題だけでなく、あらゆる分野で譲れない基準と必要な対策を決めて合意しておかねばなりません。全米自動車業界は、日本の参加に反対しているらしいですが、米国はこうした環境を利用し、参加を焦る日本になお一層の妥協を迫るとみられます。これが米国の戦略です。


【アジアが加われる仕組みを日本が提案すべき】

 三つは、こうした米国のなりふり構わない戦略に抗するには、「対案」を準備し、米国にきちんと対抗することです。その対案とは、アジアとの連携です。オバマのTPP戦略は、大統領選挙の行方もあり、どこかで混乱しかねません。

 私は「TPPの形と内容が悪い」と一貫して主張してきました。アジアの国々が参加できる柔軟性のある経済連携協定を実現しなければならないのです。
 とりわけ野田総理が、「アジアの成長を取り込むのだ、だからFTAAPに発展させるのだ」と言えば言うほど、フィリピンやタイやインドネシア等の国々がともに参加できる仕組みを日本が提案してゆくべきなのです。そうしたしたたかな外交戦略をわが国は持つべきなのです。


【農協攻撃には国民合意で対抗すべき】

 四つは、農協攻撃が激しくなると思います。これだけの反対運動をリードしたのは農協組織です。農産物の関税撤廃がもたらす影響と、机上のきれいごとの農業改革が容易でないことを承知している組織として、この運動の先頭に立つのは当然です。それを手抜きすれば、農業破壊と地域破壊につながるからです。まして、地震と津波と原発事故で苦しむ多くの仲間のことを考えればなおのことです。

 しかし、それが気に入らない権力者がいて攻撃を仕掛けてくることは間違いありません。
 それに対抗するには、わが国の農林漁業とその役割について、国民合意を得てゆく取り組みしかありません。農協組織は、これまで以上に地域の農業と担い手を強くする取り組みを強化し、全国的にも発信し、攻撃を跳ね返す国民世論をつくりあげましょう。


【戦略を持った闘いに全力を上げるべき】

 五つは、私が所属する自民党の取り組みです。「自民党もはっきりしない」との声を各地で一杯いただきました。日本という国のあり方を変えかねない、この大事を前に、確かに自民党ははっきりしませんでした。
 しかし、ぎりぎりになって反対を決め、野田総理の参加表明は内閣不信任と問責に値すると抗議声明を出しました。これは、新自由主義・市場原理主義の野田政権をこのままにしておくと本当に国益に反する、何の戦略も持たず、入水自殺するようなものだとわかったからです。

 自民党は、民主党に比べまだ知恵があり経験があります。闘いはこれからです。戦略を持った取り組みに私も全力を上げます。 

2011年11月11日

米国はTPP をどう思ってる?

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 米国・ヘリテージ財団のアジア研究センターの横江公美・客員上級研究員から、「ヘリテージ ワシントン ニュースレター」(No.18、アジア研究センター2011年11月10日)が送られてきました。

 テーマは、「ヤイターUSTR元代表にTPPを聞く」です。
 以下、掲載します。  


日米が貿易摩擦でぶつかり合った1985年から1989年に、通商(USTR)代表を務めたクレイトン・キース・ヤイター氏にTPPについて聞いた。ヤイター氏は、その後、農務大臣を務め、大学で農業を学んだ農業の専門家でもある。現在はDCのビジネスに関するHogan Lovells弁護士事務所で上級アドバイザーを務めている。


Q 日本では、米韓がFTAを結んだ直後から、急に、TPPへの参加が大きな議論になりました。野田首相がTPP協議入りの発表を先送りしたことで、本当にTPP協議入りするかどうかに焦点が集まっています。アメリカでも日本でもTPPへの反対の声は少なからず上がっています。TPPはアメリカにどんな利益をもたらしますか?

ヤイター:私は自由貿易論者です。TPPだけにかかわらず世界中の自由貿易を支持しています。戦後60年間、自由貿易は大きな富をもたらしました。今後60年間も自由貿易は大きな富をもたらすと信じています。

 私が推進したNAFTA(北アメリカ自由貿易協定)は、アメリカとカナダそしてメキシコ間の貿易を3倍にしました。

 TPPはアメリカと日本だけではなく、参加国の経済量を増加させます。


Q 日本にとってはどうですか?

ヤイター:日本が参加することになれば、経済だけではなく安全保障と外交にも利益ももたらします。日米の関係に加えて太平洋地域の多国とより強固な関係を築くことは、中国に強いメッセージを発信することになります。このことが中国のふるまいになんらの好変化をもたらすのではないかと思っています。


Q 日本では、農業関係者と医療関係者が先頭に立ってTPPを反対しています。

ヤイター:日本の農業のリーダーたちは、日本の農業は経済性の面から改革が必要であることはよく知っています。TPPに参加することで構造改革をもたらす可能性があります。TPP交渉では、農業と言えども交渉の例外分野にはなりません。

 私は医療分野はTPPに反対する理由にはならないと考えています。日本だけではなく多くのTPP参加国は心配し、薬や知的所有権についてレーダーを張り巡らしています。しかし、ほとんどの問題は思った以上にシンプルで交渉できるものです。TPPができたとしても日本の医療に大きな影響が出るとは思えません。日本だけでなくいずれの参加国も、医療を理由に交渉を台無しにするとは思いません。


Q 日本の牛肉についてはどうお考えですか?

ヤイター:日米は牛肉について、終わりのない協議を行なってきました。これは一刻も早く解決されるべきです。日本がTPP協議を開始する前に、牛肉問題が解決されることを望んでいます。アメリカの牛肉は日本でも人気があると聞いています。アメリカの牛肉の危険値は、ほとんど見つかっていません。


Q TPPの交渉でアメリカが他の参加国の意見と異なる分野はありますか?

ヤイター:他の国にTPPに関して優先課題があるように、アメリカにも、多くの課題があります。ただ、アメリカは、環太平洋地区で工業製品や農作物、そしてサービスが豊富になって経済が活性化することに興味を持っています。アメリカ政府はTPPが21世紀のための貿易協議になることを望んでいます。アメリカはTPPが世界のモデルになることを望んでいます。日本はまさにその目的を共有できると国であるととらえています。

 TPP協議では、現在、参加国間で合意に達しない分野は多く存在します。これはどんな交渉でもつきものです。


Q アメリカではTPPはそれほど話題になっていないように思いますが…。

ヤイター:議会と経済界はTPPにはそれほどの注意を払ってきませんでした。とういうのは、韓国、コロンビア、パナマとのFTA(自由貿易協定)に集中していたからです。これらのFTAには労働組合が反対していたので、確実な移行期の約束が必要でした。

 これから、TPPは話題になっていきます。とりわけ日本が参加を表明した暁には、TPPはいっきに注目を集めることになるでしょう。


Q オバマ大統領は2009年東京のサントリーホールでTPPを発表しました。通常、労働組合を支持母体に持つ民主党は自由貿易協定に反対ですよね。


ヤイター:民主党の議員のほとんどは労働組合と関係が深いため自由貿易協定に賛成票を投じることは難しいと考えています。そのため、今回、FTAが議会で通ったのは、2010年の中間選挙で共和党が下院の多数派になったからです。次回の選挙で共和党がさらに勝てば、TPPはより早く現実化するでしょう。ただTPPが合意してから、連邦議会が批准を認めるまでには、早くても2,3年かかるでしょう。


Q アメリカは多国籍交渉よりも、二カ国間での合意を好む傾向があるように思えます。


ヤイター:多くのアメリカ人は二カ国間よりも多国籍協議の方を好んでいます。ただ、現在の多国籍システムは、うまく作用していません。150カ国が参加するWTOで、合意に達することはほとんど不可能です。TPPは日本が参加して10カ国です。TPPは150カ国の参加に比べれば容易であるし二カ国間協議よりもさらに達成できることは多くなります。


Q 日本にはTPPではなく日米FTA締結のほうが良い、という意見もあります。

ヤイター:TPPがなければ、私は日米FTAを強く主張しますよ。しかし、現在アメリカ政府は、TPPを強く推し進めています。現在、TPPを飛び越えて日米FTAの議論に入るには無理があります。だからこそ、今、日本はTPPに参加するべきだと思っています。


Q 現在、オバマ大統領には、TPA(Trade Promotion Authority)が失効しています。TPP議会の承認が必要ですね。

ヤイター:TPP交渉が終わるまでには議会にTPAが認められることが必要です。これは「Fast Track」と呼ばれるもので、議会は「賛成」または「反対」票しか投じることは出来ません。米韓FTAの際には、FTAを通す代わりに、TAA(貿易調整支援)を作りました。しかし、多国間協議のTPPの場合は、議会は但し書き条項をつける力はありません。

 通常、大統領はTPAは出来るだけ早い時期に欲しますが、だからといって早い時期に必ず必要というものではありません。

 USTRが交渉期間中に議会と良い関係を構築していれば、TPPのためのTPAはそれほど難しくないと思います。


Q 現在、日本の製造業は円高で経営が逼迫しています。TPPは為替になんらの影響を与えますか?

ヤイター:円高ドル安なのでTPPを推進しているわけではありません。為替は貿易と投資の結果です。為替は政府が介入をおかなわない限り、市場が決めるものです。


Q ヘリテージ財団は、米韓FTA賛成の立場で研究を行なってきました。TPPにおけるシンクタンクの役割はありますか。

ヤイター:シンクタンクはすでにTPPから生じる利益の研究を始めています。交渉が進めば、さらに熱を帯びるでしょう。TPPの交渉中、私たちは参加国にとってTPPはどんな意味があるのか学びます。アメリカに大きく利益があるという信頼できる研究結果が出れば、議会は賛成せざるを得ません。


Q 2012年11月に大統領選挙があります。アメリカの政権交代はTPPになんらの影響をもたらしますか?

ヤイター:2012年の選挙はTPPには影響を与えるとは思えません。オバマ大統領はTPPを強く支持しています。一方、共和党は民主党以上に、自由貿易に賛成の立場です。少しでも経済が向上する気配が見えれば議会での保護主義の考え方は少なくなります。これから2,3年はさらにTPPに前向きになるでしょう。

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インタビュー後記

 アメリカではTPPの報道はほとんどない。日本の報道とワシントンの温度差を伝えられたらと思いヤイター氏へのインタビューを行なった。

 インタビューから日本ではそれほど語られていない3つの異なる視点が浮上した。

 1つは、TPPは経済の活性化とともに安全保障も目的であること。ヤイター氏は、日本への便益として中国への影響をあげていた。

 2つ目は、アメリカはTPPを21世紀型の自由貿易モデルとして捉えていること。
 
 3つ目は、TPPと議会との関係だ。遅かれ早かれ議会でTPAが承認される必要があるので、議員はFTAの時のように但し書き条項をつけられないとしても、承認の投票を行う。そこで、USTRの立ち回りやシンクタンクの研究が思った以上に重要になる。 

 野田首相は11月10日にTPP協議入りを発表する予定だったが、先送りされた。ヘリテージ財団の貿易研究の責任者のテリー・ミラーは「TPPでの日本の存在感は大きいものです。もし日本がTPP協議に参加しなければ、TPPの参加国にとっても、そして日本の経済にとっても残念なことと思います。」と語る。

 野田首相が、TPPでリーダーシップを発揮することが出来るのかどうか、ワシントンの貿易関係者は注視している。

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ヘリテージ財団が日本の原子力政策への提言を発表
ヘリテージ財団で原子力政策を行なっているジャック・スペンサーが日本の原子力政策についての小論「日本が原子力政策を手放すと日本だけではなくてアメリカにとっても世界にとっても悪いことになる。」を発表した。(近々日本語バージョンが出る予定)

 3月11日2時間歩いて家に帰り、その後、テレビに釘付けで不安な日々を過ごした私は、強い関心を持って手に取った。

 スペンサーの論理は、日本の立場を理解した上での冷静なものだった。
 
 小論のポイントは3つある。

 1つは、世界第4位の経済を誇り輸出でも輸入でも世界第5位の地位にある日本が、原子力政策を手放すことによって経済が縮小すると、それは日本だけではなく世界経済に悪影響を及ぼすと、スペンサーは指摘する。日本は3月11日以前までは30%の電力を原子力で賄ってきたので、福島以外の原子力も性急に止めると、電力不足を起こすことは確実である、という。すでに、日本の製造業は生産を抑えるなどして、事業を縮小している。

 2つ目は、もちろん、将来の日本の原子力政策は、日本人が日本の原子力の技術についての自信を取り戻すこと、つまり、どれだけの安全性を担保できるかにかかっているということである。だが、日本が日本の原子力技術を封印することは、世界の原子力市場に悪影響を及ぼすことになる、とスペンサーは言う。ある意味、この困難に立ち向かう日本には最大級の原子力技術が結集している。

 3つ目は、日本は原子炉を輸出する立場を変更していない。にもかかわらず、自国での原子力発電を放棄することは、論理の矛盾がある、とスペンサーは指摘する。自国での原子力発電を手放すなら、輸出もするな、という声が出てくる可能性も否めない。

 スペンサーは、現在も続く放射線の漏洩は津波や地震のせいといって逃げられるものではないが、日本はこの危機から学び、国際社会にベスト・プラクティスを提供できる唯一の国であると論じる。そして、日本には完全に独立した原子炉の監視機関が必要であることは疑いがないが、その改革がなされた時には、日本は世界のために原子力技術においてリーダーシップを発揮すべきである、と結んでいる。

 原子力施設の計画から廃棄までは100年の時間がかかると言われている。その間、運営側は十分な技術の維持とその向上を必要とする。また、ロシアや中国の原子炉が出回ることへの安全保障の警戒感もある。

それだけに、原子力政策については冷静で科学的議論が必要になる。日本でも、そろそろ議論を本格的に始めなければならない時が来ている。

2011年11月10日

壊国のTPPよりWTOで国を守れ(西川 公也氏)

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 私の主張

 壊国のTPPよりWTOで国を守れ

 TPP交渉の中途撤退は困難 WTOで包括的貿易交渉を

 党栃木県第2選挙区支部長 西川 公也 (68)


 現在、民主党政権は、TPP(環太平洋経済連携協定)を十分な国内的議論もせずに参加しようと躍起になっています。日本農業のみならず、政府調達や医療サービスなど24分野までに及び、国の在り方を根底から変えてしまう「壊国」への参加は断固反対です。

 もし、日本が参加すれば安いコメや牛肉が大量に入り、食料自給率は40%が13%まで下がり日本農業は壊滅します。特に砂糖の輸入でサトウキビ栽培は大きな壊滅的な打撃を受けて、島嶼(とうしょ)は無人化して尖閣諸島と同様の国防問題が発生することも予想されます。これは、極めて政治的難易度が高い問題です。


 政府はより情報開示を

 政府は11月12、13日開催のAPEC(アジア太平洋経済協力会議)でのオバマ米大統領への対応を考え、TPP交渉は参加ありきで調整をしています。交渉の窓口が何処(どこ)なのか。関係の深い農林水産省、経済産業省、外務省なども何故か物申さなくなっており、民主党の言う政務三役の壁があり、官僚はやる気を失っていると思います。

 農業者からみれば、政策の対応や財源はどうなるかなど不安は募るばかりです。民主党幹部は交渉に参加してみて、国益を損なうなら中断するとしていますが、中途撤退はルールもなく困難を極めることになります。


 MA米の失敗思い出せ

 平成5年12月15日、細川護熙内閣は、ガット・ウルグアイ・ラウンドでは外圧に押し切られるかたちで最低限輸入義務のミニマムアクセス(MA)米を国内消費量の4%から始まり、現在では年間約77万トンのコメの輸入を約束させられ、当時の羽田孜外務大臣が調印しました。

 今回のTPPの問題も全く同じ構造に見えます。国内で余っているにもかかわらず輸入を強制されましたが、今は消費量が減っており、むしろMA米の輸入量を減らす交渉をすべきで、いらないものはいらないと主張をすることが交渉の始まりと思います。


 アメリカの真の狙い

 アメリカは3年前に日本財界と連携し日米FTA(自由貿易協定)を迫りましたが、総選挙もありそのまま沈静化しました。このときも猛烈な反対運動が起き、当時の自民党も当然反対を貫き通しました。また、WTO(世界貿易機関)に交渉参加も、党として農林水産物貿易調査会を連日開催し、意見の方向性を集約して臨みました。

 私が自民党の農林水産物貿易調査会事務局長としてスイスのジュネーブに出向き交渉していたときは、毎朝、政官財の代表者で綿密な作戦会議を行いました。

 もし、日本がこのTPP交渉に参加しようとする場合、中途撤退は不可能と認識し、農産物は対象外として臨むことができるのかどうかを確認し、交渉が有利になるよう可能な限りハードルを上げておくことが交渉の定石です。

 また、アメリカが熱心に日本を交渉に参加させようとしていますが、本当に最後までアメリカが交渉のテーブルにいるのか疑問でなりません。

 なぜなら、今後加入国が拡大されれば、アフリカの綿やオーストラリアの牛肉などがアメリカにも入ってきますが、アメリカの綿花や牛肉産業は強い政治的影響力を持っているので、この業界に大きな損失を与えるような判断をするとは到底思えないからです。

 落としどころはBSE(牛海綿状脳症)検査で当然、危険部位は除外するものの、アメリカ牛肉の月齢20カ月から30カ月以上に緩和させることと私は睨んでいます。OIE(国際獣疫事務局)の基準も理解できるものの、食の安全には科学的知見でやらねばなりません。月齢に対する検討と対策は、独自に前もって準備しておくべきです。


 人脈と知恵を生かせ

 現在、日本は十分な国内調整の上に、いくつものEPA(経済連携協定)やFTAを諸外国と締結していますが、TPPに参加することになれば、より貿易関係のつながりが分かりにくくなります。自由貿易を目指す日本としては、154カ国が加盟するWTOの中で包括的貿易交渉を進めるべきと思います。

 自民党政権時代は当時のラミー事務局長、ファルコナー農業交渉議長、ワセシャ・スイス大使などと親交を深め、お互いの立場を理解のもとに交渉を進めました。さらに、交渉に大きな影響力を持つインドのナート商工大臣、ブラジルのアモリム大臣らとも連絡を取り合いました。

 WTO交渉は2008年7月29日、交渉決裂になりました。私どもは関税の上限撤廃は頑(かたく)なに拒否し続けました。あのとき、不利な妥結になれば交渉団は日本へ帰れないという気持ちでいっぱいでした。今の民主党にその覚悟があるのかどうか分かりませんし、これまでの人脈と交渉経過をいかすべきと思います。


 EUに目を向けて

 これからの貿易交渉はむしろ人口5億人のEU(欧州連合)に力を入れるべきです。
 当時、WTO交渉中にEU議員団が私たちを訪ねて来たとき、お互いにEUのシャンパンや日本の松阪牛、神戸牛などの地理的表示で共同作戦をとることにしました。
 このとき、マルコス団長以下、異口同音に言った「競争力のある日本の自動車だけは輸入に抵抗する。つまり、現行10%の関税は下げない」との言葉が鮮明に残っています。

 これはEUにとって日本が脅威であるということの証左であり、ここを利用すれば日本にとって有利な貿易交渉を進められるはずです。



 西川 公也(にしかわ・こうや)

 昭和17年栃木県生まれ。東京農工大学大学院修了。栃木県庁に入庁。54年栃木県議会議員に初当選し連続5期。平成8年衆院選栃木第2選挙区で初当選、4期。内閣府副大臣(経済財政政策・郵政民営化担当)、衆院農林水産常任委員会委員長。党副幹事長、農業基本政策委員長などを歴任。現在は党栃木県第2選挙区支部長。趣味は土いじり、将棋。

西川 公也事務所
〒329-1321 栃木県さくら市馬場296-7
電話:028-682-3234 FAX:028-682-7222
E-mail:fa510170079@aol.com

西川 公也ホームページ
http://www.nishikawa-koya.com/

『自由民主』より

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2011年11月09日

森 喜朗元総理(派閥の否定は政治の劣化を進める一つの要因、語る 第3回)

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 大好評の語る・森 喜朗元総理(第3回)です。

 今回のテーマは、「派閥の否定は政治の劣化を進める一つの要因」です。


 歴代の総理・総裁経験者が政治についての考え方やこれまでの歩みを振り返る「語る」シリーズ。森喜朗元総理の3回目は、ことさら弊害だけが強調される「派閥」について、教育機関としての役割にスポットを当てその効用を語った。

「自由に集った同志の集まりなら 悪いものは悪いと遠慮なく言える」


 派閥は教育機関だというと、党が教育すべきだと主張する人がいます。しかし、党は正式な組織だから、政治家を教育するにしても、相手に対して礼儀をわきまえて対応しなければいけません。

 でも、派閥は自由に集った同志の集まりですから、「悪いものは悪い」と遠慮なく言えるわけです。「それは君が間違っている。そこをきちっとやらなかったら偉くなれないよ」などと言えるわけです。僕も、若いころは派閥の先輩から怒鳴られたこともあります。でも先輩から励みになる言葉もいただきました。「おう森君、よかったな、この間の質問。いいとこ突いていたね」と言われた日には、うれしくてなかなか寝られなかったものです。それでまた、やる気が出るんです。

 派閥は、学校のクラスのようなものです。クラス分けをして、この人は社会福祉関係で伸びていく人だ、この人は農業分野がいい、この人は商工関係に向いていると先輩が見ているわけです。選挙区事情ももちろん見る。
 いろんな角度から見ながら「君どうだ、この仕事をやってみないか」「海外視察などに行ってみないか」などとチャンスを与えて勉強させていくんです。いろんなことをやっていくうちに実力をつけてきます。例えば資金力もそうです。地元以外でも後援会を東京に持てる人もいれば、全然持てない人も出てきます。それは自分の努力です。


「『三角大福中』『安竹宮』など 次のリーダーが何となくわかった」

 そうしたことを積み重ねていくと、将来、党や派閥を率いていくのはこの人だということが何となく見えてくるんです。
 総理・総裁を狙う立場じゃないなとわかってくれば、勉強して閣僚をいくつかこなしていこうとか、あるいは党務をやって将来党の三役になるぞとか、おのずと自分の進路もわかるし、周りの人もだんだん評価してくれるんです。

 だから、佐藤栄作総理時代は、総理候補を問われれば、「三角大福中」、三木武夫さん、田中角栄さん、大平正芳さん、福田赳夫さん、中曽根康弘さんのことですね。

 そのあとは「安竹宮(安倍晋太郎氏、竹下登氏、宮澤喜一氏)」と続きました。マスコミも世間も特に他党が「ああ、この中から次の自民党のリーダーが出るのだな」と何となくわかりました。党内もいつのまにかそういう認識になってきました。でも、派閥の力が弱くなった今は残念ながら、「谷垣さんのあとどうなるんですか」と聞かれても「うーん、誰になるのかなあ……」となりますね。

 派閥も、例えば竹下登さんのところには七奉行といわれる人たちがいました。小沢一郎さん、羽田孜さん、渡部恒三さん、梶山静六さん、小渕恵三さん、橋本龍太郎さんたちのことです。この人たちが将来、竹下派を継承していくとわかりました。

 安倍晋太郎さんのところには、加藤六月さん、塩川正十郎さん、三塚博さんと私が四天王と言われました。大体この4人が安倍さんの後を継ぐとみられました。宮澤さんのところは加藤紘一さんがいたのに、いろんな人を外から入れてしまったので、逆に派の中で不満を持つ人がけっこう出てきたと聞いています。


「『派閥』を悪い代名詞にしているが 人が集まれば必ず仲間ができる」

 派閥の運営は難しいのです。僕が派閥の会長のときは、「閣僚になるためにうちに入りたいと思っている人はお断りします。私が会長でいる限り閣僚にしません」と、はっきり言いました。それは、下積みで苦労してきた人たちが、あと1回当選すれば入閣できるかもしれないというときに、自分より先輩の議員が外から入ってきたら無用の混乱がおきるだけです。そのときの悔しさ、つらさは嫌というほどわかっています。大きな派閥であればあるほど、そこはきちっとしなければいけません。そうしないと派閥も人も育ちません。

 派閥という言葉を、悪い代名詞にしていますが、人が集まれば必ず仲間ができるのです。それが人間社会なんですね。派閥という言葉が悪いイメージを与えるならネーミングを変えればいいのです。民主党ではグループと言っています。派閥を否定する考え方は、自民党を弱くしようとする力に手を貸しているようなものです。
(近藤三津枝・前党新聞出版局長が取材)


あの時、この時

―――森内閣の実績―――

 森喜朗内閣は、発足から1年が経過して間もない平成13年4月26日、総辞職した。しかし、この間、現在につながる重要なビジョンを打ち出し、強力に推進した。

 なかでも総理自らを本部長とするIT戦略本部を立ち上げ、その成果を「高度情報通信ネットワーク社会形成基本法案」(IT基本法)として成立させるなど、IT政策を大きく推進したことは特筆に値する。
 これが小泉純一郎内閣時代に「IT景気」と呼ばれる景気回復となって結実し、バブル崩壊で痛手を負った日本経済再生のきっかけとなった。
 また、気軽にインターネットショッピングやメールやツイッターなどができる現在のわが国のIT社会も、森内閣なくして実現していなかっただろう。
 このほか、森内閣は教育改革や科学技術振興戦略の策定など、数多くの実績を残しており、それが今日の礎になっている。

 また、外交面でも、九州・沖縄サミットの成功や日本の総理として初めてアフリカを訪問し、アフリカ外交を推進。また、一時途絶えていたインドとの関係を修復するなど大きな成果を上げている。
 次の時代を見据えた様々な政策の推進の成果が現在の私たちの生活に、経済に息づいている。
 『自由民主』より

shige_tamura at 09:21|PermalinkComments(1)TrackBack(0)clip!自由民主党 

2011年11月08日

根本 匠氏(復旧から復興、新たな創造へ)

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 私の主張
「復旧から復興、新たな創造へ」

 原発起因災害の総合克服戦略 地域復興創造国策ファンドの創設

 党福島県第2選挙区支部長 根本 匠 (60)


 ▼原発被害 国の責任で

 福島県は地震、津波、原発事故に加え、原発事故に伴う放射能被害を受けた。放射能被害は、土壌の汚染、健康への不安、農業、観光など広範に及んでいる。

 私は、震災直後、地元自治体の防災対策アドバイザーを拝命し、最前線で復旧・復興に全身全霊を傾け、国が取り組むべき政策を新生自民党「東北志士の会」の同志とともに、議員立法案を含めて15弾にわたって提起した。
 しかし、国は、「事故は東電に責任がある」として、及び腰でその対策は遅れに遅れた。放射能被害は、被災地にとっては「災害」である。「原発起因災害」として国が責任を持つべきで、「原発起因災害」は時間との競争だ。
 地震、津波災害からの復旧・復興とは別の枠組みで、国家プロジェクトとして推進する必要がある。短期、中期、長期のタイムスケジュールを示した工程表を策定し、国や県、市町村の役割分担を明確化すべきだ。


 ▼放射能の風評被害対策

 放射性物質の飛散に伴う「原発起因災害」は、大きく二つある。
 一つは、避難させられた人たちの生活。元の生活を取り戻すための希望の再生工程表を早くつくること。原発事故の収束を待たずに警戒区域を含めて広域に放射線量を調査し、低線量の所からまずは企業活動を再開させ、雇用を取り戻さなければならない。
 もう一つは、放射能の風評被害対策。子供の健康から福島県の重要産業の農業、観光業など被害は幅広く及ぶ。取り組むべき重要課題は、
 (1)放射性物質の線量をきめ細かく把握し、除染して放射線量を低減させる。
 (2)子供の健康の安心を確保する。
 (3)農産物、加工食品、工業製品の検査と安全証明。
 (4)風評被害の適切な補償。
 (5)被災地が自由に使える「原発起因災害交付金」の創設。
 総合的な克服戦略を策定し、迅速に計画的に推進しなければならない。


 ▼雇用なくして復興なし、企業なくして復興なし

 雇用の担い手の地元中小企業の復活なくして復興はない。中小企業の「二重ローン」対策が重要。その際、返済義務を伴う融資だけでは企業の再建は困難で大胆な政策が必要だ。
「地域復興創造国策ファンド」をつくり、借金の買い取りと同時に、企業が直接資本を調達できる新たな枠組みをつくる必要がある。
 ファンドには国の資本とともに、被災地を応援する日本国中の資金を投入する。被災地の企業は個別企業としてではなく、地域の雇用や活力を生み出す「社会的共通資本」あるいは「公共的インフラ」ととらえ直す必要がある。その際、国による支援は個別企業の救済ではなく、地域復興のための投資と位置づけるべきだ。


 ▼ふくしまの新たな創造へ

 復興ビジョンは、原発の災害対策や地域の潜在的資源と融合させるのが大事。原発敷地周辺を国が買い上げ、メガソーラー(大規模太陽光発電施設)や風力発電など再生可能エネルギー拠点とし、放射性物質を含むガレキを世界最先端技術で処理する施設を兼ねる「複合環境コンビナート」をつくる。未来を担う子供たちの健康、育ちを応援する「こどもドーム」をつくる。
 福島は農産物の宝庫。安全・安心・高品質の「ふくしまブランド」を世界に発信する。健康・医療、エネルギーで世界最先端を目指す。研究機関を誘致し、新たな研究開発、技術開発を進め、産官学の技術力を結集する。新たな「ふくしまモデル」をつくる。
 原発事故 でイメージダウンした福島を、いい意味で「世界のうつくしまふくしま」にしていきたい。将来的には「ふくしま復興未来博覧会」と銘打って復興をアピール、首都機能のバックアップ、第2首都は「ふくしま」に。


根本 匠(ねもと・たくみ)

昭和26年福島県郡山市生まれ。東京大学経済学部卒業。建設省入省。平成5年衆院福島県選挙区で初当選し連続5期。「政策本位の政治」を掲げあらゆる政策テーマに取り組む。社会保障と経済政策に精通し、厚生政務次官、内閣府副大臣、総理大臣補佐官など歴任。現在は新生自民党「東北志士の会」代表、党福島県第2選挙区支部長、郡山市防災対策アドバイザー、東京農業大学客員教授などを務め6期目への捲土重来を期す。
『自由民主』より


shige_tamura at 09:56|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!自由民主党 

2011年11月07日

TPPについての考え方(自民党)

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 「TPPについての考え方」が、先週11月4日、自由民主党政務調査会、外交・経済連携調査会でまとまりました。

 これは、明日の総務会を経て党の見解として正式なものになります。
 以下が全文です。


◆政府・与党では、昨年秋に菅総理が唐突に「平成の開国」のスローガンのもと、交渉参加を打ち出した。また、野田政権においても、今月12日からのAPECを目前に政府・与党は大慌てで意見集約に努めているが、明らかに前のめりの感がある。現時点でも交渉で協議されている事項が何なのか、わが国のメリット・デメリット・リスクが何か、いかなる対策を検討しているのかが、国民に示されないままである。


◆TPPについては、政府内の各省の試算がバラバラであることや、政府が正確な情報を出さないため、国民的議論が全く熟していない段階である。特に「聖域なき関税ゼロ」が前提であるとされているにもかかわらず、これにどう対応するのか不明確である。現段階では、政府の情報収集および国民に対する説明は決定的に不足している。


◆このような状況下では、APECにおいて交渉参加の表明をすることには反対である。


◆わが党は自由貿易の推進を対外通商政策の柱とし、様々なEPA/FTA、 地域協定のメリット、デメリットを検討し、メリットの大きなものについ ては積極的に推進すると共に、これによって打撃を受ける分野については 必要な国境措置を維持し、かつ万全な国内経済・地域対策を講じてきた。
 今後とも、この考え方のもと、本調査会でわが国のとるべき戦略について 精力的に構築していく。

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