2011年07月

2011年07月22日

自民党・林芳正SC財務大臣(参議院議員)に聞く

「天に向かって!」(歌・田村重信)が、カラオケ「ウガとジョイサウンド」で歌えます。よろしく!

ブログランキングに参加しています。
↓↓↓貴方の応援クリックが明日の活力になります↓↓↓

こちらをクリック

 政府は7月15日、総額約2兆円規模の平成23年度第2次補正予算案を国会に提出した。同予算案は、実質的政策経費が7000億円ほどしかなく、東日本大震災の本格的な復興のための予算とは、程遠い内容だ。

 自民党党ならどう補正予算を組むのか。

 林芳正シャドウ・キャビネット(SC)財務大臣に聞いた。

本格的な保守政権つくり危機克服
中途半端な政府の2次補正


――政府の第2次補正予算をどう評価しているか。

林芳正SC財務大臣) わが党は、復興のための本格的な補正を編成することを求めてきましたが、政府が提出した補正予算は総額約2兆円で、中途半端なものです。まさに「too little, too late」(少なすぎ、遅すぎ)です。
 その背景には、中途半端な予算でも、早く通せば、菅直人総理が退陣するのではないかという政府・与党内の「政治的打算」があり、政府・与党の内部事情で、被災者が犠牲になっていると言わざるを得ません。


――わが党は、総額約17兆円規模の補正予算を求めているが、政府案との違いは。

林) まず、わが党案では、被災地の復旧として、防潮堤などのインフラ、医療、学校、地盤沈下した地域、JRの早期復旧のために総額2兆6300億円を盛り込みました。
 生活再建の面では、早く仕事に復帰していただくため、中小企業の再建に1兆1000億円を計上しました。このほか、地方自治体の支援に2兆3000億円、原発事故対応には1兆6430億円を積み上げました。

 一方、政府案の総額約2兆円のうち、5000億円は地方交付税交付金、8000億円は予備費となっています。つまり、残り7000億円だけで、原発の賠償や二重ローン問題対策などに取り組む内容で、わが党案とは、大きく規模が違います。

 なかでも、顕著なのは被災地の水産業の再建です。
 わが党案では、7800億円を計上していますが、政府案では、冷蔵施設の復旧のためにわずか193億円。しかも、その対象は、漁協などの冷蔵施設に限定し、雇用の回復に欠かせない民間の冷蔵施設は含まれていません。

 仮に、政府が9月に3次補正を提出しても執行は10月ごろになるわけで、とても今の被災地の切羽詰まった状況に間に合わない。

 遅すぎます。
 現場の声を聞けば、当然、早く大規模な補正予算が必要となるはずですが、あまりにも少なすぎです。


――菅政権の財政運営をどう見るか。

林) そもそも、菅総理とは、経済の見方がわが党とは根本的に違う。
 菅総理の頭の中には、「政府」「企業」「家計」という経済主体のうち、「企業」がありません。
 だから、「子ども手当」をばらまいて、家計にお金が行き渡れば、それを使って景気が良くなるという考えになるのです。基本的には社会主義ですね。

 私が政権交代当初、代表質問で指摘した「短期、民主党不況。中期、財政破綻。長期、英国病」との悪い予感が的中しつつあります。
 財政破綻で言えば、政府は、形の上では、2015年度までに基礎的財政収支(プライマリーバランス)の赤字対GDP(国内総生産)比半減、2020年度までに黒字化との目標を受け継いでいます。

 しかし、そのための手段として、3年間、今の歳出71兆円を増やさないとしか言っていません。社会保障費の毎年の自然増1兆円、基礎年金の国庫負担の2分の1に対する財源をどう賄うかという答えがないのです。
 それに加え、マニフェストで掲げた16・8兆円の無駄を削れず、「子ども手当」などの「バラマキ4K」も撤回できません。

 こうしたなか、来年度を含む3年間、2014年度まで71兆円の歳出維持を続ければ、目標の2015年度まで1年しかない。従って、プライマリーバランスの対GDP比半減の目標を達成できないのは明白となっています。


――今後、わが国が取るべき財政運営の方向性は。

林) わが党は財政健全化責任法案を国会に提出しています。新しい施策には、それに見合う財源を確保する「ペイ・アズ・ユー・ゴー」の原則をこの法案に明記しました。まず、同法案に基づき財政運営を行うというのが基本です。

 それから、昨年の参院選で、わが党は消費税を10%に引き上げることを打ち出し、その全額を年金、医療、介護、少子高齢化に充てることを明らかにしました。

 国の予算92兆円のうち30兆円近くが社会保障費ですので、その財源が確保できれば、予算全体の健全化に向けた一歩が踏み出せると考えています。


――この国難に対処するには。

林) 今回の未曽有の震災を克服するには、政治が、国民が一丸となるためのビジョンを示し、「2軍」ではなく、「1軍」で戦うことが必要です。わが党は「2軍」ではない、本格的な保守政権をつくるために、一日も早く政権交代を果たさなければなりません。
(近藤三津枝・党新聞出版局長が取材『自由民主』より)

shige_tamura at 16:22|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!自由民主党 

「民主党政権の問題点。自民党だったらこうする」講演録(田村重信・その1)

「天に向かって!」(歌・田村重信)が、カラオケ「ウガとジョイサウンド」で歌えます。よろしく!

ブログランキングに参加しています。
↓↓↓貴方の応援クリックが明日の活力になります↓↓↓

こちらをクリック

 この講演は平成23年2月27日、自由民主党千葉県横芝町支部総会で行ったものです。                                 
                                 
(森英介衆議院議員より講師紹介)

 田村重信さんの経歴については、お配りの資料にある通りですが、一言で申し上げるならば、自民党の底力というのは、党本部に田村さんのような職員がいるということだと、私は思います。
 是非田村さんの講演をお聞きいただき、今後の参考にして頂きたいと思います。
                                      

        
【ご当地の著名人等についての話題】

 ご紹介頂きました田村でございます。
 こちらに来る前に、この地域で偉い人はどういう人がいるのかなと思い調べてきました。すごい人がいるんですね。

 伊能忠敬さん、有名な方ですね。伊能さんは日本の地図を作った元祖ですけども、何がすごいかと言えば、56歳の時に測量を始めたんですね。だから、僕も今58歳なんですけども、まだまだ大丈夫だなと思っているんです。

 それからお相撲さんで、小錦八十吉さん、初代の方ですね。明治時代のすごい関取です。20代で横綱になった方なんですね。

 それから、僕は日本論語研究会を主宰し、論語の勉強をしているんですが、そういう意味で言うとこちらには、海保漁村さんという有名な儒学者がおられます。
 この方に影響を受けたのは、政治家で言えば、鳩山和夫さん、実業家で言えば、日本の資本主義をつくったと言われる、僕が最も尊敬する一人である渋沢栄一も弟子というか門下生であったのです。
 そういう意味では、海保さんがいなければ今日の日本の立派な経済がなかったのかなとも思います。

 
【現在の世界情勢について(中東・北アフリカ政変)】

 今日頂いた演題が、「民主党政権の問題点。自民党だったらこうする。」ということですが、今世界の動きとか、日本の現状はどうなっているのかということでございますが、そういうところから話をしていきたいと思います。

 最初に、今テレビを見ると、チュニジアとかエジプト、バーレーン、最近ではリビアという国々で大変な内乱が起こっています。
 その原因は、長期に及ぶ独裁政権があって、一般の庶民はなかなか生活が豊かにならないという事から来る反発なんです。
 アフリカがどうして貧しいのかというと、政治家、政治のリーダーの問題なんです。
 アフリカの大統領やリーダーは、大豪邸を建てたり、ビジネスをして自分には大金が入るようにするけども、一般の国民がどんなに貧しくてもへっちゃらだというところにアフリカの悲劇があるんですね。

 日本の近所にもそういう国がありますよ、北朝鮮という国ですね。
 北朝鮮もトップの人はいい暮らしをしていて、北朝鮮の国民は餓死をする。
 そんな状況があってもへっちゃらなんです。


【IT革命について】

 じゃあ、なんで今回こんな大騒動が起こったのかというと、これはIT革命、インターネット革命による変化です。
 だから皆様も、インターネットのフェイスブックというのを聞いたことがあるかと思いますが、そういうものやツイッターというもので連絡を取り合うんです。
 それによって革命みたいなものを大きくしていったということなんです。
 だから、今の時代というのは、インターネットの技術が世の中を変えるという事なんです。
 

【冷戦崩壊後の世界情勢の変化について(ヨーロッパ、中国)】

 それから、冷戦が終わってヨーロッパで大きな変革がありましたが、あの時はテレビですよ。
 テレビで、衛星放送などで、西側の暮しの良さがわかって、「なんで俺たちはこんなひどい生活なんだ」ということで決起して、ヨーロッパの変革が起きたという事なんです。
 ヨーロッパの変革というのは、冷戦が終わった1989年が契機となっています。 この時に、ベルリンの壁が崩壊して、米ソの首脳会談が行われて、冷戦が終わったということになったのです。
 この1989年に中国はどういう状況であったかというと、天安門事件です。
 だから中国でも変革は起きていたんです。
 ところが、小平さんは、天安門広場に戦車を導入して、学生たちを粉砕した、踏みつぶしたんですね。それによって鎮圧した、そういう歴史なんです。

 だから、そういう意味では冷戦の終わったあの頃の変革、ひょっとしたら今回の変革はそれよりも大きいかもしれない。
 アフリカ・中東でも起こり、それがひょっとしたら中国でも起こるかもしれない。 だから、今中国ではそういう事が起こらないように、インターネットの監視にものすごい予算と人をかけているんです。
 でも、どこまでそういうものが防げるかというのは予断を許さないということです。


【危機管理の問題について】

 ニュージーランドで地震が発生し、大変な事態になっていますが、あれも危機管理の問題がありますよね。
 ニュージーランドというのはあんまり地震が起きないんじゃないかという事で、レンガ造りの家が多いですから、直下型の地震が来て一発でやられたということですね。
 そして、民主党政権はそういう事態に対して、きちんと危機管理の対応ができなかったですね。誰が中心になって、どの大臣が中心になって、この問題を処理するのかがきちんと決められていなかった。
 だから、前原外相は政府専用機に被災者家族の方々を乗せていきますよという話をしたんですが、そんなこと現実的にはできないですよね。
 まず、緊急援助隊が一刻も早く行くことの方が大事ですから。だから、結局のところ、被災者の家族の方々を乗せることはできませんということになり、陳謝したんです。
 でも、こういう重要な時期にまたぞろ前原外相がいい加減な発言をし、「口先番長」と言われているんです。
 こういう緊急事態の時は絶対に間違いを犯しちゃいけないんだけど、間違いを犯してしまったという事です。

 そういう意味では、今の民主党政権というのは、森先生もおっしゃったように、尖閣沖の中国漁船の対応、北方領土の対応などの危機管理体制というのは非常にダメだということなんですね。
 では、それは誰が問題なのかと言えば、トップの人のセンスなんですよ。トップの人が危機管理の時に、自分はどうしたらいいかということをきちんと身につけているかどうかなんですね。
 学校の試験でもそうですよ。試験の前日になって一夜漬けしたって、それは無理なんです。きちんと試験に向けて勉強してきた成果が、試験ではでるんです。
 だから、危機管理の問題も、普段は起こらないけども政治のトップリーダーがきちんと把握し、いざという時にはきちんと処理をする。それをあんまりやってこなかったという事なんですね。


【政治家のモラルについて(アフリカの政治家、小沢元民主党代表を事例として)】

 アフリカで起こっているのは、政治のトップリーダーが金もうけに一生懸命になって、庶民の不幸をあんまり不幸と感じなかったということなんです。
 それは法律には触れないかもしれないけども、やっぱりアフリカの人は怒るわけですよ。だから日本だって起こりますよね。小沢さんという政治家は、法律に触れないからといってマンションを10戸買ってますが、それはやはり道徳・倫理的におかしいと思うのは当たり前なんですよ。
 だから、小沢さんの政治資金の問題が大きくなっているというのは当たり前なんですよ。

 日本人というのは、「お天道様が見ているから」という気持ちがあってですね、誰かがちゃんと見てるから悪いことしてはいけないよという教えがあってですね、それが日本人の良さだったと思うんですよ。
 そういうことを忘れて、政治家が法律に触れないなら何をしても良いということを言い出したらとんでもない事になります。
 時代はどんどん変化しますから法律をつくろうにも間に合わないんです。そうすると、常識、モラルというのは政治を律するのにとても重要なんです。
 その政治家が常識、モラルを踏まえないととんでもないことになる。だから、小沢さんの問題というのは常識、モラルから外れてしまっているんです。
 法律さえ犯さなければ何をしても良いのか、いやそうではないという国民世論の声があって、小沢さんに対する批判がものすごく強くなっているんです。
 

【民主党の党内抗争、政界一寸先は闇】

 今の民主党は毎週日替わりメニューのように何か出てきますね。
 16人が別会派をつくったとかですね、また小沢さんの党員停止処分があって松木農林水産政務官が辞めたとか、そんなことがあります。結局民主党の代表選で争った両巨頭の菅さんと小沢さんがガチンコで争っている、党内抗争をしているわけですから、そりゃあうまくいかないと思いますね。

 この先、政治はどうなるか。
 有名な言葉がありますね。千葉県のすごい政治家、川島正次郎さん、自民党の副総裁をされた方ですが、「政界一寸先は闇」だという名言を残されました。
 本当に分からないですよね。

 去年の今頃、自民党が野党になって、民主党はすごかったですよ。
 小沢さんが強権発動されて俺の言う事を聞かないと予算をつけないとかですね、また、政治主導法案とかいうもので、民主党の職員を役人にして、役所に送り込んだりとか。役所に入れて何をさせるかと言うと、官僚を監視させるんですね。そういうバカな法案を出そうとしたりしてるんですね。だから、そんな事をさせてはいけないということで、われわれは頑張ってきているんですね。

shige_tamura at 13:28|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!講演録 | 自由民主党

「日本の危機管理法制について」講演録(田村重信・その4、終わり)

「天に向かって!」(歌・田村重信)が、カラオケ「ウガとジョイサウンド」で歌えます。よろしく!

ブログランキングに参加しています。
↓↓↓貴方の応援クリックが明日の活力になります↓↓↓

こちらをクリック

 この講演は、平成十七年五月二十七日(金)、八王子市倫理法人会経営者イブニングセミナーで行ったものです。


 危機が起きる前に法整備を


 私は毎年五月の連休になりますと、国会議員の皆さんとアメリカのワシントンに行きます。そろそろ、来年当たりから家族サービスもしなきゃいけないと思うんですが、先般も私の古い友人でありますマイケル・グリーンさん、今偉くなっちゃいまして、ホワイトハウスの国家安全保障会議のアジア担当上級部長なんですが、日本のこと、朝鮮半島のことに大変詳しい。

 今のアメリカの国務長官でありますコンドリーザ・ライスさんは、以前は、マイケル・グリーンさんの上司だったんです。そんなことで、いろいろと議論をしました。
 今、北朝鮮が核実験をするのではないかと言われておりますが、彼は、何としても六カ国協議に北朝鮮を引っ張り込んで、圧力をかけなきゃいないと言っていました。
私が訪米中にもビル・クリントン前大統領と中国の胡錦濤主席と電話会談しておりまして、「六カ国協議に北朝鮮を引っ張り込みたい。
 中国も協力してくれ」と言っておりました。

 それで最後まとめになりますが、いよいよ憲法改正が現実のものになってきました。憲法改正が進めば、本当の意味での危機管理法制が整います。第九条が変われば、安全保障関連の法律も全て一掃されます。

 実は、今、日本戦略研究フォーラムというシンクタンクが、憲法改正後の安全保障関連の法律がどうなるかということを、私もメンバーの一人として議論に参加しております。
 去年は武器輸出三原則に関して研究しました。そして見直しが行われたわけです。
 それから緊急事態法制についても動きがあります。
 又、国際協力に関する一般法ですね。今、海上自衛隊がインド洋に行きまして、アメリカやイギリスなどに石油を給油して協力活動をしております。
 イラク人道復興支援特別措置法、テロ対策特別措置法というのがありますが、これらは期限が来ればなくなる法律なんですね。

 例えばイラク人道復興支援特別措置法は四年です。テロ対策特別措置法は二年。これは改正されてさらに二年延びましたが、何か起きたら法律をつくるというのが、これまでの日本だったんですね。

 でも今はそういう時代じゃない。
 やはり予め、日本の自衛隊が海外に出て国際協力できるキチンとした恒久法をつくるべきだと思うんです。でも何でもかんでも協力というのではなくて、場合によっては、「今回はやめましょう」ということがあっても良いわけです。
 いずれにせよ、何か起こって世界中の国が既に海外に出て活動しているのに、「さぁ、今から国会開いて審議しましょう」というのでは余りにも遅いですよね。

 だからこれから国会で国際協力に関する一般法についての議論が進むと思います。

 それからテロ対策法ですね。
 国際テロは、いろいろありますが、日本にも危険な組織があります。
 破防法というのがありますが、オウム真理教による地下鉄サリン事件の時は使えませんでした。ですから国際協力に関する一般法と同じように、近いうちに、テロ対策法というものができるだろうと思います。

 今後の日本の安全保障、非常事態の問題を考えますと、次に何が起きるかは、だいたいのものは予測されるんですね。
 ですから、これまでにように、大きな災害や事故が起きてから、その対応策を考えるということではなくて、やはり、その前に、きちんと法律を整えて置くことが必要なのではないかと思うわけです。

 私は、今、安全保障を専門に仕事をしておりますが、同時に慶應義塾大学大学院の講師も務めております。もう七年になります。

 日本の大学は、安全保障の講座というのを設けているところが少ないんですね。
 普通の国なら、軍事的なことをしっかり授業でやりますよ。そこで昨年、「教科書・日本の安全保障」(芙蓉書房出版)という本を出して、日本のあらゆる大学に安全保障の講座を設けるよう働き掛けております。

 ちょうど時間になりました。本当に長時間、ご清聴頂きまして誠に有難うございました。

shige_tamura at 10:47|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!

2011年07月21日

「日本の危機管理法制について」講演録(田村重信・その3)

「天に向かって!」(歌・田村重信)が、カラオケ「ウガとジョイサウンド」で歌えます。よろしく!

ブログランキングに参加しています。
↓↓↓貴方の応援クリックが明日の活力になります↓↓↓

こちらをクリック

 この講演は、平成十七年五月二十七日(金)、八王子市倫理法人会経営者イブニングセミナーで行ったものです。


 阪神淡路大震災における被害拡大の背景

 あと、日本は台風や地震などの自然災害が多いですから、「災害対策基本法」、「大規模地震対策特別措置法」が整備されています。
 さらに、ハイジャック事件、阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件が起きて、その都度、制度が見直されて、行政改革がテーマになった時には、内閣の危機管理機能や首相の権限が強化されました。

 それから東海村ウラン加工施設事故が起きて、その後、初めて「原子力災害対策特別措置法」ができました。
 だから、日本というのは何か大きな災害や事故が起きて、尊い人命が失われないと、法律がつくられないというのが事実としてあるんですね。

 では、どうして日本の危機管理法制の整備が遅れたのかと申しますと、それは、先ほど申し上げましたアメリカの占領政策、つまり、軍事的なものは、「悪い」、「危ない」といったような先入観が国民の中に定着して、とにかく「平和、平和」と叫んでいれば平和になるということになっちゃったんですね。

 阪神淡路大震災の時のことを思い出してください。
 あれだけ被害が大きかったのに、なぜ自衛隊の活用がうまくいかなかったのか。
 それはどういうことかと申しますと、当時、兵庫県の神戸市長は共産党からの支持もあったことから、共産党に気を遣って、神戸市と自衛隊との間で日頃の訓練を行ってこなかったんです。
 根底には「自衛隊イコール悪」というのがあったんですね。
 自衛隊というのは、日頃の訓練が必要なんです。
 だからいざという時、ヘリコプターが飛んでも「どこに着陸したら良いのか」、テントを建てるにしても「どこに建てれば良いのか」がわからないわけです。
 実は被害が大きかった原因は、事前に地方自治体と自衛隊が訓練をしていなかったということにあるんですね。

 そこに気が付いたのが、東京都知事の石原慎太郎さんですよ。

 陸、海、空の自衛隊と共に大規模な防災訓練をやりました。
 そうしたら、案の定、一部のメディアが、「戦車が銀座を走った」と批判しました。 違うんですよ。
 これは都民の安全を守るためにやったことなんですよ。
 その後、アメリカ軍も入れて、三多摩で防災訓練をしました。

 今、ようやく全国で自衛隊との防災訓練を行うようになりました。
 地方の役所にも危機管理に詳しい人を入れるようになりました。
 東京都では危機管理の専門家である帝京大学教授の自衛隊出身の志方俊之さんを参与にしました。
 こうして、やっと各地方自治体が当たり前のことをやるようになったわけです。



 まずは第九条を改正せよ


 それから最近、有事法制(「武力攻撃事態等における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保する法律」、「自衛隊法及び防衛庁の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律」、「安全保障会議設置法の一部を改正する法律」、「武力攻撃事態における外国軍用品等の海上輸送の規制に関する法律」、「武力攻撃事態における捕虜等の取扱いに関する法律」、「国際人道法の重大な違反行為の処罰に関する法律」、「自衛隊法の一部を改正する法律」、「武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律」、「武力攻撃事態等におけるアメリカ合衆国の軍隊の行動に伴い我が国が実施する措置に関する法律」、「武力攻撃事態等における特定公共施設等の利用に関する法律」)ができました。

 有事法制の議論の際、「なぜ武力攻撃事態法があって、国民保護法制がないのか」という意見が出ました。

 これはどういうことかと申しますと、今から二十八年前、有事法制の研究を任された所が防衛庁だったんですね。
 防衛庁は自衛隊の行動に関わることしかやらないんですよ。
 国民保護法制を担当するのは、戦前でいうと内務省、戦後でいえば自治省、現在の総務省です。だからそこに頼まなかったわけですから国民保護法制なんかできるはずがないんです。

 だから有事法制の議論が活発になって、やっと国民保護法制をつくろうということになり、急ピッチで旧自治省、総務省を中心に進められたわけです。
 そして武力攻撃事態法ができた翌年に国民保護法制ができたわけです。

 国民保護法制は、簡単に言うと「戦争の時、国民はどう非難するか」というものなんですけど、実はこれは、災害にも応用できるんですね。
 そういう意味では国民保護法制は地震ですとか、大きな風水害の対応もできるわけです。

 今後の見通しですが、冷戦後の日本は、PKO法、ガイドライン関連法(「周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律案」、「自衛隊法の一部を改正する法律案」、「日本国の自衛隊とアメリカ合衆国軍隊との間における後方支援、物品又は役務の相互提供に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府間の協定を改正する協定案」)、不審船対策ための法律(「特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法」)もできました。

 九・一一テロ事件を受けてアメリカ軍の後方支援のためのテロ対策特別措置法(「平成十三年九月十一日の米国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国連憲章の目的達成のための諸外国の活動に対してわが国が実施する措置および関連する国連決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法」)、イラク人道復興支援法(「イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法」)もつくり、そして、有事法制関連法が成立しました。

 又、自民党は政権公約で、「立党五十年を迎える二〇〇五年に憲法草案をまとめて、国民的議論を展開する。個人のプライバシー、環境等新たな課題に対応するとともに、誰もが自ら誇りにし、国際社会から尊敬される品格ある国家を目指し、あるべき国家についての理念を明らかにする。
 平和主義と基本的人権などの諸原則を踏まえ、『公共』の概念を国民全体で共有し、健全な常識が社会を律する国家の建設を目指す」と国民に約束しました。
 そして、国会の衆参両院に憲法調査会が設置されて、今年四月に報告書が出されました。

 憲法改正の最大のテーマは、やはり第九条の問題です。
 ですから危機管理法制というのは第九条が改正されないことには、何にも始まらないんですよ。



 憲法改正の最大の目的とは


 今年は、自民党が立党五十周年を機に、憲法改正草案をつくります。
 世論調査を見ますと、例えば、共同通信の全国調査では、二年連続で約八割が憲法改正に賛成しております。
 あるいは、NHKの調査でも憲法改正賛成は六十二パーセントなんです。

 ところがですね、第九条になると、NHKでは改正賛成と反対が同数になったり、あるいは「第九条はしないほうが良い」という声が大きいという世論調査の結果が出たところもあります。

 これはイラク戦争とか、アメリカの軍事的な姿勢、あるいは、何かあるとメディアは、「日本の外交はアメリカ追随だ」と報道しますので、どうしても国民は批判的な見方を示すわけです。
 これを「追随」ではなくて「協力」と報道すれば、国民の意識も変わりますよ。
 言葉によって全然、意味が違ってくるんですね。

 それで、第九条改正反対の護憲派は、盛んにアメリカやブッシュ大統領を批判するんですね。
 ところが、そういう人たちは、北朝鮮の拉致事件とか、中国の原子力潜水艦による領海侵犯事件には全然触れないんですよ。
 かつての革新勢力というのは、アメリカ反対と非武装中立を唱えて、「ソ連や中国、北朝鮮は良い国だ」と言っていたわけです。
 本当に驚きますよね。
 さらに、「北朝鮮は善」、「韓国は悪」とのレッテルを張って、朴正煕政権を厳しく非難して、最も凶暴な独裁者である金日成を「賢明な指導者」と礼讃したんですよ。今でもこうした考え方が尾を引いているんですね。

 そして、有事法制論議の時も、反対する人たちは「有事法制は戦争法だ」とか、「日本を戦争する国にするんだ」、「憲法第九条こそ世界にPRすればいいんだ」なんてことを言っていたんですね。

 ところがどうでしょう。あれだけ反対があった有事法制、国会では、何と、国会議員の約九割が賛成して成立したんですよ。
 有事法制と言うのは「自分の国を守るための法律」で「他所の国と戦争する法律」じゃないんですよ。反対したのは共産党と社民党でだけで、彼らは現在も「憲法改正反対」、「第九条改正反対」を主張しています。
 そして、「第九条は国の宝」だとか、「平和憲法に世界を合わせるべきだ」と、言っている。

 これについて、桐蔭横浜大学教授のペマ・ギャルポさんが、昨年十一月の衆議院憲法調査会で、こんなことを述べております。
 「第九条は一方的な戦争放棄であって、単なる宣言に過ぎずそれを尊重するような国際社会は存在しない」、「わが祖国チベットは、仏教の戒律、不殺生、すなわち生命の尊重を国法の基本とし、平和的共存を政策の基本としておりましたが、国は侵略され、僧寺院は破壊され、解放の名において伝統や固有の価値観は否定され、総人口の五分の一が直接的あるいは間接的にその命が奪われた」と。その上で、「戦争の悲惨さも恐ろしさも、身を持って知っている。だから日本は決してわが祖国と同じ運命を辿ってほしくない」と言っています。

 私はよく講演なんかで、平和というものを説明する時に、元慶応義塾大学塾長の小泉信三さんの言葉を引用します。
 「平和というものはただ平和、平和と口で言うだけでは達成されないので、平和を破るような行為を阻止する手段を講じることが必要なのだ」と。

 最初に申し上げたダニエル・イノウエさんは、「太平洋戦争の時は、アメリカにとって最大の敵は日本だった。ところが今は、世界中で最も重要な二国間関係というのは日米同盟だ。しかし、この関係をさらに強化、維持していくためには普段の心構えが必要だ。いつ壊れるかわからない」とおっしゃっていました。
 全くその通りだと思いますね。

 今回の第九条改正の最大の目的は、自衛隊を憲法に軍隊として明記することです。
 これに対して、「日本は軍国主義になるのか」、「侵略国家になるのか」といった批判がありますが、憲法に自衛隊を明記したからといって、日本が軍国主義になることは絶対にありません。

 世界の諸国と同じように独立国としての体裁を整えることが重要なんです。

自民党・国家戦略本部「外交・安全保障」(後、終わりまで)

「天に向かって!」(歌・田村重信)が、カラオケ「ウガとジョイサウンド」で歌えます。よろしく!

ブログランキングに参加しています。
↓↓↓貴方の応援クリックが明日の活力になります↓↓↓

こちらをクリック

 今朝の新聞各紙でも話題になっています。

 自民党・国家戦略本部・第5分科会(外交・安全保障)の全文(後、終わりまで)を掲載します。


6.我が国近隣のロシア、東南・南アジア、大洋州の国々

 これら諸国は我が国の近隣に位置しており、その安定と発展は、我が国に大きな影響を与えるとともに、我が国の動向もこれら諸国に、大きな影響を与える。国によって程度の差はあるが、いわば、相互依存関係が網目のように存在している地域である。また近年、これら諸国との関係は、中国の台頭により、複雑さを増してきており、維持・強化が必要である。

 基本的な考え方は、これら諸国との友好関係を一段と強力なものとし、経済分野では、機能的協力を進め、FTAAP(アジア太平洋自由貿易圏)を視野に入れた一段と高いレベルにすることが大事である。また、政治・安全保障面においては、シーレーンの確保、テロ・海賊対策等の共通の利益を追求し、ARF(ASEAN地域フォーラム)を高いレベルの協力関係にしていく。また、アジア・太平洋地域の新しい安全保障の枠組構築にむけて努力する。

 ロシアについては、最大の懸案は、領土問題である。
「四島の帰属の問題を解決して平和条約を結ぶ」我が国の方針を堅持する。そのため国際世論を喚起し、四島が歴史的にも国際法上も我が国固有の領土である旨の主張を強く行い、国際社会の理解を得る。また、我が国は、他方で、資源エネルギーや投資促進など経済的相互依存を強化することによりロシアとの間で信頼関係を構築してきた。ロシアは、民主化と市場経済への移行に成功しつつも、引き続き、政治的安定と経済制度の整備への努力が必要である。

 他方でロシアは、資源国であり、BRICSの一員でもあり、将来の発展が期待される。東アジアの安定のためにロシアの役割には大きいものがある。ロシアとは、長期的な視野から、未来志向型の関係を築いていくのが、我が国の国益である。そのためには、相互理解増進のための人的交流促進や経済交流を行っていく。

 豪州は、民主主義、自由、法の統治、市場経済を共有しており、日本にとって自然のパートナーである。豪州とは、米国以外で唯一2プラス2の外交・防衛協議方式があり、核軍縮・不拡散の分野でも共同歩調をとってきている。また、太平洋島しょ国の安定・発展についても、我が国の力強いパートナーである。豪州とはEPAを締結し、政治・経済両面においてさらに強固な関係を築いていく。

 ASEAN諸国は我が国が、長期にわたってその発展を支援してきた国々であり、人的にもビジネス上も密接な絆を持っている。今後引き続き機能的協力関係を深め、相互依存関係の深化に努力していく。他国間の紛争についても適切な解決が図られるよう努力する。特に、これらの国は、シーレーンの確保、テロ・海賊対策、感染症、災害対策等においても、我が国と共通の利害を有している。ASEANの発展を引き続き支援しつつ、我が国のイコール・パートナーとして、連携を深めていく。

 インドは、民主主義的統治のもとで、目覚ましい経済発展を遂げている。インドが今後引き続き安定的発展をとげることは、我が国の国益と密接につながる。今後インドとは、投資交流や人的交流をさらに進めていく。


7.欧州

 欧州は発展した経済を持つ先進民主主義国として、人間社会の多様な課題への先駆的な取り組みを行っており、また、多国間外交においても規範形成能力が高い。欧州と日本は、民主主義、自由、法の尊重など様々な価値観を共有し、経済、貿易、環境等様々な問題の解決にむけて連携してきたが、今後も国際法制度やルール形成に共に寄与する。そのためにも、EPAも含め、相互の交流を一層強めていく必要がある。
 また、わが国は、NATOと情報保護協定を締結することに合意していることを始めとして、NATOとの連携はかねてから行ってきたが、今後もNATOとの連携を強化する。


8.太平洋の反対側に位置する国々、中南米、カナダ

 太平洋の反対側に存在する中南米は歴史的に我が国からの移民を受け入れた国が多く、人的に親近感がある国々である。近年、APECを通じて、また、二国間のEPAを通じて経済の依存関係も進んだ。国際政治の上でも、ブラジル、メキシコのように、発言権を持っている国も多い。

 歴史的なつながりがあるとしても、これら諸国とはまだまだ相互理解を深める必要がある。人的交流を継続するほか、投資、貿易を通じ、交流を一層盛んにする必要がある。

 カナダは、民主主義、自由等の価値観を共有する国であり、安定的に発展している国である。人間の安全保障、環境等の地球規模の問題について、今後連携を深めていく。


9.中東・中央アジア・アフリカ

 これら諸国は、我が国とは地理的に離れているが、特に中東についてはその関係は深い。我が国の石油・天然ガスの中東依存度は高く、今後ともこの地域の安定は、我が国の経済に致命的な影響を持つ。従来から我が国はこれら諸国と人的・経済的交流を行うとともに、非産油国に対しODAによる支援を行ってきたが、今後とも、これら諸国とは協力関係を深め、また、必要な支援を行い、民主的発展を助けていく。

 パレスチナ問題についても、我が国は信頼醸成への支援や、経済的基盤形成についての支援を行ってきた。今後も、これを続けていく。

 中央アジアは、歴史上地政学的に重要な地域であり、今もそれは変わらない。資源国がある一方で、資源に乏しい国については、特に、経済発展に厳しい制約がある。中央アジアの支援を引き続き行うとともに、資源外交および地政学的観点から引き続き関与していく。

 アフリカについては、我が国は1993年以来TICAD(アフリカ開発会議)を開催し、経済発展を支援してきた実績がある。様々な支援の成果があって、アフリカにおいては、近年、高い経済成長率を示しはじめている国がある。今後とも、アフリカ支援を続けていくが、経済成長の状況に応じて、投資・技術移転あるいは人間の安全保障の観点からの支援と、きめ細かく対応していく。


10.日本のソフトパワーによる貢献
 
 我が国の文化は世界に誇る我が国の資産であり、世界の関心が高い。また、伝統的な文化だけではなく、今日的な文化も評価され、関心を呼んでいる。文化交流は従来同様進めていく。またその際、民間セクターの行う文化交流を慫慂し、官民の連携を図りつつ行うなど、文化外交を活発に進めていく。

 我が国は、高齢化・少子化の進展、台風・地震等の自然災害の多さ、公害問題等、他の国々に先んじて、新しい課題に直面し対応を迫られてきた。その課題は遅れて今多くの国々が直面している。我が国の持つこれら問題の解決の過程で得た様々な知見を各国と共有していくことは、世界に対する貢献である。

 例えば、我が国は、世界に先駆けて突入した少子高齢化に対応するため、医療・福祉・年金・介護等の分野で日本モデルを苦心しつつも構築しようとしている。我が国はいわばシルバー経済を確立して、皆保険、皆年金、中負担良福祉の在り方について、世界にモデルケースを提供する。

 自然災害への対応においても、今回の東日本大震災の教訓を生かし、防災・減災のための土木・都市設計・警報避難救援体制を確立し、世界に紹介することが、我が国の大きなソフトパワーとして世界に貢献する。そのためにも、震災復興を通じて21世紀にふさわしい新しい経済社会・都市計画などのあり方を示す。


 現在我が国は原発事故対応の真っただ中にあるが、対応の過程やその際生じた影響等の科学的知見を世界と分かち合うことも重要である。これらを、国際的に解放していく。

 環境問題についても、我が国がいかなる政策と技術をもって1970年代の公害を克服したか、省エネの政策をいかに進めているか等について国際社会に伝え、国際社会の問題対応力を高めていく。また、地球温暖化問題についても、引き続きリーダーシップをとっていく。

 ODAを含む外交ツールを活用し、主要な資源供給国との関係強化に努め、供給源の多様化を図る等の、資源外交に力を入れる。特にアフリカについては、対アフリカODAの倍増、民間投資の倍増支援という国際的な約束を着実に実行に移しつつ、この地域の経済成長、人間の安全保障の確立、環境問題といった課題にリーダーシップを発揮する。


11.外交基盤の強化

 「世界とともに平和である日本」「世界とともに繁栄する日本」を創るためには、我が国の外交力の基盤強化が重要である。我が国在外公館の数、陣容、情報収集のありかた、外交官の教育の在り方等を再検討し、充実を図る。また、世界各国には、在外公館以外にも、JICA(国際協力機構)、JBIC(国際協力銀行)、JETRO(日本貿易振興機構)、国際交流基金等が多数の海外拠点を有しており、これらは全て日本外交を強力に推進するための有益な資源である。また、青年海外協力隊の活動は国益にかなうものであり、さらなる支援の強化を行う。

 在外公館の機能を高めるためには、外務本省、官邸、各省との連携体制を見直し、効率的な形に改善する。

 ODAは我が国の外交の重要な手段である。ODA予算の充実を図るとともに、事業の在り方について、安全保障との関連性をより重視する。また、人間の安全保障の観点も重視する。

 近年ますますインテリジェンスの重要性が増していることから、国家の情報収集・分析能力の強化及び情報保全態勢の強化を図り、的確な情報を活用して国民の安全を守る。さらに、「情報のプロ」を育成するため、人事交流の推進や専門的知見を結集した研修体制の整備など、政府全体で長期的な取組みを強化する。


終わりに

 外交・安全保障政策は我が国の内政と一体不可分の関係にある。国内と国外の使い分けはあり得ない。基本的には、外交・安全保障政策は、我が国のトータルの国力やあり方を映し出すものである。したがって、まず、豊かで発展している国をつくることが基本である。また、国際競争力を持つ日本人を数多く育てることが重要である。それが、我が国の国際社会における存在感ないしリーダーシップの源泉である。強力な外交は強い国力のもとでのみ可能であり、強い国力は強力な外交がないと実現できない。

 我が国の国益をいかに守るかについて、短期的な視点と長期的な視点を併せ持ち、また、グローバルな視点で、考え行動することが重要である。そのためには、外交・安全保障政策についての情報が十分に国民に提供され、議論が十分に行われる必要がある。

 外交・安全保障政策が効果的に実施されるよう、自由民主党は、上記を踏まえ外交を進める。

 自由民主党は、「世界とともに平和である日本」「世界とともに繁栄する日本」を目指す。

2011年07月20日

自民党・国家戦略本部「外交・安全保障」(前)

「天に向かって!」(歌・田村重信)が、カラオケ「ウガとジョイサウンド」で歌えます。よろしく!

ブログランキングに参加しています。
↓↓↓貴方の応援クリックが明日の活力になります↓↓↓

こちらをクリック

 今日発表された自民党・国家戦略本部・第5分科会(外交・安全保障)の全文(前)を掲載します。

自由民主党国家戦略本部
第5分科会

「世界とともに平和である日本」「世界とともに繁栄する日本」を目指す

 はじめに

 我々は「世界とともに平和である日本」「世界とともに繁栄する日本」を目指し進む。わが国の平和と安全及び繁栄を守ること、それが我が国の国益である。そして日本の国益は世界の平和と繁栄なしには確保できない。世界の平和と繁栄のために貢献することと日本の国益を守ることは表裏一体である。

 日本を突然襲った2011年3月11日の大震災に際して、同盟国米国はもとより、世界156国・地域及び41国際機関から温かい支援が寄せられた。また、震災によるサプライチェーン寸断の世界経済への影響が問題となった。このことほど、世界が我々とともにあり、我が国が経済・政治両面で世界に重要な役割を果たしていることを、我々に強く再認識させたことはない。また、日本人の礼儀正しさや秩序・協調を重んずる心が世界の賞賛を浴びた。我々は、悲劇の中ではあるが、戦後日本が歩んできた道や、日本社会のあり方が概ね間違っていなかったことを確認することとなった一方で、安全保障リスクに対しての我が国の脆弱性と仕組みの再構築が必要なことも認識するにいたった。

 被災者をはじめ我が国経済・社会が地震・津波災害と原発事故から立ち直るためには今しばし時が必要であるが、我が国はできるだけ早くこの悲劇から「世界とともに平和である日本」「世界とともに繁栄する日本」をキーワードとして再生しなければならない。

 本報告書はこれから半世紀の世界を視野において、今後10年、20年の中期的な我が国の外交・安全保障の課題と政策について、自由民主党の考え方をとりまとめたものである。


 21世紀における国際社会の変容

 20世紀から21世紀にかけて、世界の既存の秩序には以下に見るような変化が生じた。今後の我が国の外交・安全保障政策を考えるにあたり、これらが今後いかに展開するかについて十分に認識する必要がある。


(同盟国米国の力の相対的低下)

 米国は世界一のGDPを誇るが、それは近年相対的に低下しているといえる。1990年から20年の間に米国のGDPシェアが約25%から約20%に低下した一方で、中国は4%弱から13%強になった。他方、米国の軍事力は依然中国をはるかに凌駕しており、技術開発力等のソフト面や統治の安定性等、当面新興国の追随を許さないと考えられる。しかしながら、もはや、米国だけで世界を引っ張っていく時代ではない。

(新興国の台頭と問題解決能力の低下)

 中国、インド等の新興国が目覚ましい経済発展を遂げ、BRICS4か国のGDPは、今や世界のそれの24%(購買力平価ベース、2007年)、人口では42%を占めるに至った。また、GDPも人口も当面高い伸び率で推移すると予測され、今後さらにシェアを広げると考えられる。新興国の力の増大とその国際社会への投射を背景に、従来のG8に加え、新興国を含めたG20サミットが2008年以降開かれるようになった。しかしながら、中国をはじめとする新興国は依然として既存の国際秩序に対する「挑戦者」の姿勢を崩さず、秩序を作る側の責任を回避している。この結果、世界は、変化したパワー・バランスに相応しい秩序をいまだに作れておらず、ここしばらく国際社会においては問題解決能力低下の時代が続くものと思われる。

(安全保障分野における共同対処傾向の定着)

 危機が戦争の形をとるにせよ、災害や感染症の形をとるにせよ、国際的協調なしには今や対応できない。問題が大きくかつ広がりを持ち、財政的にも、マンパワーからも、とても一国では対処不可能である。国際社会の共同対処への枠組みもそれにつれて、形が整ってきた。国連決議による武力行使や経済制裁のマンデイト付与、PKO活動、地域集団安全保障組織による行動、あるいは利害を共通にする国による機能的連合などがそれである。今後、この傾向は強まるものと思われる。

(東アジア安全保障環境の不安定化)

 欧州で冷戦が終結してから既に20年が経過したが、東アジアでは依然として冷戦構造が存続し、我が国はその真ん中に存在する。北朝鮮は核兵器保持を標榜し、朝鮮半島の非核化へのコミットを守ろうとしないばかりか、核の拡散を行っていると考えられ、NPT(核拡散防止条約)体制に挑戦している。海洋における紛争も含め、東アジアの安全保障上の問題は世界の安全保障問題と直結している。

(中東情勢の不安定化と不透明化)

 チュニジア(2011年1月)とエジプト(同2月)では、中東ではじめて、市民の力による政権交代が成し遂げられたが、政変後の安定的民主的統治への道はいまだ明確ではない。イエメン、シリア、リビア等では、現在激しい衝突が続いている。また、中東には、パレスチナ問題が存在し、解決の目途は立っていない。イランの核開発問題も、この地域に大きな影響を及ぼし得る。中東は、世界の石油資源の約29%(2009年)を産し、その不安定化が世界の経済、ひいては平和に大きな影響を与える。特に、我が国は石油や天然ガスの中東依存度が約87%(2010年度)と高い。中東では王制も含め、同じ政権の統治が著しく長い国が多く、当面不安定、不透明な時期が続くと思われる。

(核兵器等WMD(大量破壊兵器)の拡散と核エネルギーの平和的利用の拡大)

 パキスタン、北朝鮮等において、核やミサイル技術の拡散が行われた。NPT体制はこれらの問題に十分に対処できていない。さらに、新興国を中心として、原子力発電所建設が進むと考えられ、安全性の確保、核セキュリティへの対応が喫緊の課題である。また、化学兵器、生物兵器の世界の管理体制も全く不十分であり、今後核兵器をはじめとするWMDの拡散のリスクは大きい。我が国の核及び通常兵器に関する軍縮・不拡散外交は、日本の世界に対する貢献であり、今後も継続・強化する。

(テロ・海賊等の拡大)

 冷戦終結後、大きな戦争はなくなったが、地域間の紛争、国家以外の主体によるテロ行為は増加した。宗教上の対立、破たん国家の存在などこの問題の根は深い。我が国のシーレーンへのリスクが増大する可能性がある。

(IT技術の発展・影響)

 IT技術の発展により、世界の一隅で生じた出来事がリアルタイムで世界中に広がることになった。また、IT技術は見知らぬ個人同士を結びつけ、国内外の組織ないしグループが世界の動向を左右し得ることになった。我が国もこの新しい流れを所与と受け止め、世界的視野を持ち、スピード感を持って対応する必要がある。

(食糧、資源エネルギーの制約)

 1999年に60億人であった世界の人口は現在約69億人に達し、2100年までに100億人を突破すると推定(国連推計)されている。うち、約10億人(2004年)が一日一人1ドル以下の極貧層である。今後経済発展とともに、食料や資源・エネルギーへの需要が増加し、その結果価格が上昇していくと思われる。



 我が国の外交・安全保障政策の基本的考え方


 上記で見たような国際社会に起こっている構造変化を前提に、自由民主党は我が国外交・安全保障政策の基本的スタンスを次のように考える。

 第一に、我が国は平和を希求する国家であり続ける。

 第二に領土主権を護持する。

 第三に、我が国自身の防衛力強化をはじめとする、危機管理能力の強化が必要であると考える。このため、従来タブーとされてきた安全保障上の諸課題について、組織や制度の改革を法令の整備も含めて行う。

 第四に、日米安全保障条約を基軸とする日米同盟を強化するとともに、中国と、戦略的互恵関係を一層強化する。アジア太平洋の国々、発展途上の国々、資源国等との関係深化のための外交を展開する。

 第五に、国際の平和と発展のために、財政的、技術的、人的貢献を行う。


 外交・安全保障の具体的政策

1.自らの防衛力および危機管理能力強化

国家安全保障会議を常設する。武力行使事態であれ、今回の大震災・原発事故のような事態であれ、スピーディーな情報集約と意思決定が可能となるよう、官邸の組織を見直す。同会議は、平時にあっても、情報収集、分析等を行う。

集団的自衛権の行使を認める。それにより、公海における米艦防護、弾道ミサイル防衛を可能とする。また、集団的自衛権を行使する範囲を法律で規定する。

PKO活動への参加を積極化する。その場合の武器使用を国際基準に合わせる。即ち、駆けつけ警護及び国連のPKO任務に対する妨害排除のための武器使用を認める。そのための国際的平和活動に係る一般法を制定する。

非常事態(武力攻撃事態も含む)に際して、国として迅速な対応が可能となるよう我が国の法制度・組織を見直し、憲法を含め必要な整備を行う。

また、今回の原子力発電所事故のような武力行使事態以外の状況に対応するため、危機管理における関係省庁の連携体制を強固なものとし、万全な措置が講ぜられるようにする。

海上保安庁を強化し、より有効な領海警備ができるようにする。

07大綱以降縮減されている防衛力を、今後の新しい安全保障環境に適応させるため「質」「量」ともに必要な水準を早急に見直し、適切な人員と予算の強化を図るべく、新たな防衛計画の大綱及び中期防衛力整備計画を策定する。

南西諸島防衛(尖閣、与那国、石垣、宮古)が脆弱である現状にかんがみ、自衛隊の駐留等により、これを強化する。

我が国は「核兵器を持たず、作らず、持ち込まさず」との非核3原則を堅持してきた。これを、陸上への核配備は認めないが、核兵器を積んだ艦船等の寄港などについては容認する「非核2.5原則」への転換を図る。

今回の東日本大震災等、国の存亡に係る大きな危機終了後、原因、対応上の問題の有無等を透明性を持って検証するための制度を作る。


2.日米同盟の深化

 日米安保条約に基づく同盟関係は、わが国の外交・安全保障の根本を成し、日本の安全保障のみならず、アジア太平洋社会の平和と安定のための公共財となっている。現在、普天間基地の移設を従前のスケジュールで実施していくことが難しくなっており、日米同盟の強化・深化のためには、一段の努力が必要である。今後、下記の政策を展開していく。

普天間等合意済みの懸案を着実に処理し、日米防衛協力を推進する。

兵器の国際共同開発は世界の趨勢であり、わが国もその対応を急ぐ必要があり、武器輸出3原則の精神を堅持しつつ、米国をはじめとする特定の先進民主主義国との間で、我が国の技術の活用をはかる。

日米地位協定の運用の不断の改善と環境についての合意形成。

日米両国の相互理解が一層促進されるよう、両国の各分野にわたって、人的交流や文化交流を促進する。

経済、貿易、環境、エネルギー等の地球規模の問題について、国際社会の利益拡大に向けて両国で連携する。


3.国際社会におけるさらなる貢献

 アフガニスタン及びイラクの復興支援、アデン湾沿岸諸国・アフリカ諸国等への平和構築・海賊対策分野の支援、中東和平への貢献を着実に実施する。平和構築分野においては、国連PKOへの人的貢献とともに、この分野で実践的な能力を備えた人材を育成する取り組みを充実させていく。また、国際的な軍縮・不拡散体制の強化に向けて具体的な取組みを進め、IAEA(国際原子力機関)において主導的役割を果たす。
 わが国の国連常任理事国入りを含む安保理改革の早期実現に向けて引き続き取り組むとともに、国際社会における日本の地位にふさわしい役割を果たす。


4.中国との戦略的互恵関係の強化

 13億人という巨大な人口を持ち、国際政治・経済において、存在感を増している国、中国は日本の隣国である。この中国と、平和的安定的関係を維持し、相互に協力し合いながら両国のみならず、アジアや世界の平和的発展のために貢献していくことが重要である。2006年の安倍総理と胡錦濤国家主席との首脳会談で打ち出された戦略的互恵関係は、まさに、この考え方に基づくものである。我が国は、今後とも戦略的互恵関係を維持していく。尖閣諸島においては領土問題は存在しないが、中国漁船衝突事案など尖閣諸島を巡る過激な行動を始め、海洋開発問題、軍事予算の大幅な増大等、いくつかの問題があり、この処理をめぐって今後とも困難な局面があり得る。であればこそ、日中が戦略的互恵関係を重視して対応することが重要であると考える。

日中間で問題が生じた際のリスク管理の仕方について、合意をし、体制を整備する。

日中両国民間の相互理解を深めることの重要性にかんがみ、国民各層(とりわけ青少年)の交流を強化する。

市場経済のあり方、特に知的財産権保護について共通理解を深め、経済交流の円滑化を確保する。日中韓経済連携協定等について合意する。アジア・太平洋を包含する多国間の経済枠組及び、安全保障の枠組について共に貢献する。

未来志向型の日中関係を今後とも追及していくために、有識者によるトラック2協議を行う。


5.韓国との実質的同盟関係の構築と北朝鮮の非核化

 韓国は、安全保障上厳しい情勢にある東アジアにおいて、民主主義、自由、法の統治等の様々な価値を共有し、我が国からもっとも近いところに位置する、我が国国民が大きな親近感を感ずる国である。文化や市民レベルの交流も盛んである。両国の経済関係も緊密であり、日本企業と韓国企業の第三国における共同投資が行われる段階にまで来た。高齢化・少子化問題も共有している。日本の大震災においてもいち早く救援隊が到着するなど友好関係への努力が積み重ねられてきた。また、北朝鮮との関係でも、六者会談の場で重要なパートナーとして、連携してきた。

 他方で韓国との間では、歴史問題や領土問題を巡って摩擦も時々生じる。当然であるが、竹島は歴史的にも国際法上も我が国固有の領土であり、この点についての国際社会の理解を深めていく。同時に、我が国はこれら問題を適切に管理しつつ、また、韓国にもそれを求めつつ、我が国の安全保障上のパートナーとして位置付けていくことが重要である。それが、長期的観点からは、我が国の国益である。これは、領土問題等において、我が国の立場を主張することと矛盾するものではない。

 北朝鮮に対しては、日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルの問題を解決し国交を回復する。

日韓新時代の新しいネットワークを形成していくために、国民各層の交流を行う。野球、サッカー等においてもリーグ間の交流を拡大する。

日韓EPAを締結し、相互利益の拡大をはかる。

韓国と共有する経済社会の諸問題について、協力して解決策を模索する。
日韓の防衛協力を強化する。

 (続く)

なでしこジャパンの素敵な映像と主将・沢(澤穂希)さんの素晴らしいコメント

なでしこ沢





「天に向かって!」(歌・田村重信)が、カラオケ「ウガとジョイサウンド」で歌えます。よろしく!

ブログランキングに参加しています。
↓↓↓貴方の応援クリックが明日の活力になります↓↓↓

こちらをクリック

 なでしこジャパンは凄過ぎる。

 西村幸祐さんのフェイスブックから、

 なでしこジャパンの素晴らしい映像FIFA Women's World Cup 2011 Nadeshiko Japan " Yamato Nadeshiko " 映像です。
 音楽もいいです。

 次に、アメリカでは美談として報道されてているのに、日本では報道されない「試合後の主将・沢さんのコメント」です。 アメリカでは美談として流れているものの
 
 この内容が素晴らしい。以下がコメントです。

澤選手のコメント:
“We knew that what we were doing here could be about a little more than just a football tournament. If winning this makes one person, someone who lost something or someone or was hurt or damaged by the events that touched our country, feel better for even one moment, then we have really achieved a most special thing. If it makes everyone happy and joyful and gives them a reason to cheer after such difficult times, then we have been successful. Japan has been hurt and so many lives have been affected. We can not change that but Japan is coming back and this was our chance to represent our nation and show that we never stop working. This is like a dream to us and we hope our country shares it with us.”

「我々のしていることは、ただサッカーをするだけではないことを、意識してきた。我々が勝つことにより、何かを失った人、誰かを失った人、怪我をした人、傷ついた人、彼らの気持ちが一瞬でも楽になってくれたら、私達は真に特別な事を成し遂げた事になる。こんな辛い時期だからこそ、みんなに少しでも元気や喜びを与える事が出来たら、それこそが我々の成功となる。日本は困難に立ち向かい、多くの人々の生活は困窮している。我々は、それ自体を変えることは出来ないものの、日本は今復興を頑張っているのだから、そんな日本の代表として、復興を決して諦めない気持ちをプレイで見せたかった。今日、我々にとってはまさに夢のようで有り、我々の国が我々と一緒に喜んでくれるとしたら幸いです」



ちなみに
今日の試合は両チーム共にフェアプレイで有り
(倒した選手が倒れた選手の手を取って立たせる)
(そもそも明らかな反則がない等)

アメリカのゴールキーパーは
日本人選手と衝突し、足を負傷していた
残り時間が限られてのリード時
ケアの為に時間を割く事を拒み
時間稼ぎという戦法より
正々堂々と勝負することを望んだ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

日本はホントに良い国と感じます。

 この2つは最高です!!


 是非、是非、ご覧ください。

shige_tamura at 15:52|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!ニュース 

「日本の危機管理法制について」講演録(田村重信・その2)

「天に向かって!」(歌・田村重信)が、カラオケ「ウガとジョイサウンド」で歌えます。よろしく!

ブログランキングに参加しています。
↓↓↓貴方の応援クリックが明日の活力になります↓↓↓

こちらをクリック

 この講演は、平成十七年五月二十七日(金)、八王子市倫理法人会経営者イブニングセミナーで行ったものです。


 アメリカによる占領政策


 前置きが長くなってしまいましたが、ここで本題に入ります。

 「日本の危機管理法制について」ということですが、どうして、北朝鮮の拉致事件を解決できないか。
 皆さん思いませんか?一言で言うと、日本がナメられているんですよ。
 なぜか?それは軍事力が弱いからです。
 一九九六年十二月十七日に、ペルー日本大使公邸人質事件というのが起こりました。実は、人質にされたのは日本人だけではなかったんです。
 アメリカ人もドイツ人もいました。
 でもすぐ釈放された。
 なぜでしょうか?

 実は、アメリカもドイツも人質事件が起きた時に、すぐ犯人を攻撃できるような特殊部隊を持っていたからなんです。

 だから犯人たちはそのことを知っていたんですね。
 そして最後まで人質として残ったのは日本人だけ。
 当時、日本政府は「外交的努力」、「平和的解決」しか言いませんでした。
 最後はフジモリ大統領の勇気ある行動によって解決しましたが、結局、犯人は「日本は何もできない」ということがわかっていたんですね。

 つまり、北朝鮮はアメリカ人を拉致しないんですよ。
 アメリカ人を拉致すれば、軍事的攻撃を受けるから。
 でも日本は軍事力が弱い。
 今、北朝鮮を攻撃する能力は日本の自衛隊にはありません。

 又、法制度の面でも相手を攻撃できる仕組にはなっておりません。
 そして、安全保障の基本は「専守防衛」、つまり「やられたら、やり返す」というものなんですけれども、「やられても、やり返えせない」というのが、日本の現状なんです。
 だからこうした状況を変えないと、「指をくわえて見ているだけ」になっちゃうんです。

 今日、東京アメリカンセンターで、アメリカの上院議員で、ハワイ州選出・民主党の日系人であるダニエル・K・イノウエさんの話を聞きました。
 イノウエさんはこう言いました。

 「抑止力のない外交は効果がない」と。

 だからそこを考えないといけないと思うんですね。
 今でも「平和憲法は素晴らしい、第九条をアピールすれば世界は平和になる」と言う人がいます。
 そりゃ、世界は平和かもしれないけれど日本は悲惨ですよ。
 拉致事件一つも解決できない。
 だからそこをどうしていくかということになるわけです。

 さて、このように日本が何もできない状況になってしまった発端は何かと申しますと、それはアメリカの占領政策です。

 日本が二度とアメリカに反抗、復讐できないようにするためのシステムを占領政策として構築しようとしたわけです。
 戦犯逮捕及び極東国際軍事裁判がありました。
 旧社会秩序を破壊させるということで、治安関係法令が廃止され、警察が解体されました。
 又、公職追放、共産主義者の釈放、財閥の解体、労働組合の奨励を行いました。
 だから共産党は占領軍の政策にもろ手を挙げて賛成したわけですね。
 自分たちにとっては大きなプラスですからね。

 今、攻撃犯罪や国際テロについての議論がされていますが、それがスムーズに進まないのは、アメリカの占領政策にも原因があるんです。
 それは警察ですね。
 どういうことかと申しますと、国家公安委員会がつくられ、当時の警察には「警察国家」との批判がありまして、地方自治体警察に分化されたんです。
 だから例えば、犯罪者が東京都から山梨県に逃げたら、山梨県の警察本部の担当になるんです。アメリカはFBIというのがありまして、全土を担当する。
 でも日本は、都道府県単位で区切られていますから捜査がしにくいんですね。
 アメリカの占領政策は、警察組織の民主化という名目下にその弱体化をもたらしたわけです。

 それから、日本の伝統的精神基盤も破壊されました。
 神社を規制したりですとか、教育については、修身、日本史、地理が禁止され、基本徳目であった「親孝行」と「忠君愛国」も放逐した。
 剣道、歌舞伎、映画の時代劇までもが禁止、制限されました。

 一番、「目の敵」にされたのが赤穂浪士の「忠臣蔵」です。
 これ、復讐の話なんですね。
 新渡戸稲造が「武士道」という本を英文で書きました。
 当時のアメリカのセオドア・ルーズベルト大統領、今日は日露戦争日本海海戦百周年ですが、このセオドア・ルーズベルトの斡旋でポーツマスにおいて講和会議を開いて、終戦になったんですね。

 実はこのセオドア・ルーズベルトは、武士道を読んで感激して、ホワイトハウスに来られる政財界の要人に配ったそうです。
 しかしセオドア・ルーズベルトがもっと前に読んで感激した本があるんです。
 それが英文で書かれた忠臣蔵なんですね。
 日本人には「義理」、「人情」という素晴らしい精神がある。

 しかし、同時に凄まじい「復讐心」もあると。
 そして日本は日清戦争にも、日露戦争に勝ちました。
 セオドア・ルーズベルトは、さらに「日本はすごい」と思ったんですね。

 しかし、同時にアメリカのカリフォルニア州で大変な事態が起きていました。
 当時、カリフォルニア州に、多くの日系人が移民しました。
 日本人というのは勤勉で真面目ですから、日本人が働ければ働くほど現地のアメリカ人は仕事がなくなって失業しちゃうんですね。
 そして、「日本人が来たから、俺たちが失業するんだ」ということで、排日運動が起こるんです。

 それを知ったセオドア・ルーズベルトは「もしかすると、いずれ日本とアメリカで戦争になるかもしれない」と考えた。
 そこで、対日政策及び対日戦略として考案されたのが「オレンジ計画」(Orenje Plans)」だったんですね。
 その計画に従って行われたのが太平洋戦争なんです。
 そしてアメリカが勝利した。
 だからアメリカというのは、キチンと中長期のプランを考えるんですね。

 だから、アメリカは「復讐心の強い日本人を何とか潰さなきゃ」って思うのは当然ですよね。
 当時、占領政策を組む上で有名な本があります。ルース・ベネディクトの「菊と刀」ですよ。
 これは何てことはない忠臣蔵の分析なんですよ。
 つまりいかにして日本人の復讐心を押さえ込もうかということを考えたんです。
 ですから「日の丸は悪」とか「大和魂は軍国主義の象徴」とした。

 又、教育勅語も排除して、教育基本法をつくった。
 読んだ方もおられると思いますが教育基本法は立派なことが書いてあります。
 しかし、立派なことが書いてあっても、どの国にも通ずるものになっている。
 日本のものになっていないんです。
 そういうことで、軍事的にも経済的にも日本はペチャンコになったわけです。

 ところが、その占領政策が大きく変わるんですね。
 
 一九五〇年の朝鮮戦争ですよ。アメリカが日本を守るということになっていたんですけど、アメリカは朝鮮半島に行かなきゃいけない。
 じゃあ日本はどうするのかということになって、自衛隊をつくった。
 最初は警察予備隊、次に保安隊、そして今の自衛隊ですね。又、米軍の軍備修理や弾薬製造の後方支援もした。
 それで戦後復興に弾みが付いた。

 これが朝鮮特需ですね。
 ですからアメリカは朝鮮戦争によって日本の対日政策を大転換したんですね。


 能天気な日本人


 今、国会で「日本に軍隊はありますか」と質問されたら、首相は「日本には自衛隊があります」と答えます。
 「軍隊はある」と答えない。
 なぜかと言いますと、憲法を改正していないからなんです。
 日本の憲法は軍隊を持てない憲法で出発したんです。
 だから第九条では、戦力は持てない。
 戦力は軍隊ですから、軍隊は持てない。
 でも自衛隊を持ったもんですから、整合性を取るために「日本は独立国です。独立国である以上、自国を守る権利は当然、自然権としてある。
 だからそれを守るための必要最小限度の実力組織として自衛隊がある」としたんです。

 自衛隊は今、イラクの復興支援活動で海外に出ています。
 日本の自衛隊が海外に出ますと、立派な軍隊として扱われるんです。
 国際法上、日本の自衛隊は軍隊なんです。
 でも日本に帰ってくると軍隊じゃない。
 このように非常に曖昧なんですね。

 だから、その辺を整えるためには第九条の改正が必要なんです。

 同じ敗戦国のドイツ。ドイツも軍隊を持てない憲法で出発しました。
 しかし、東西冷戦の激化で、NATOとワルシャワ条約機構が対立して、そんな中、朝鮮戦争が起こって、一九五〇年十月のパリ協定で西ドイツのNATOの加盟が決定しました。
 NATOというのは西側の軍事同盟です。
 軍事同盟に加盟するということは、ドイツが再軍備をしなければならないということになるわけです。
 そしてドイツはその後、猛烈な憲法改正への国民的議論が沸き起こりまして、一九五六年三月十九日に七回目の憲法改正、ドイツは何度も憲法改正をしておりますが、この時、再軍備をして、しっかりとした軍隊を持ちました。

 日本はそのドイツに遅れること五十年。
 ようやくドイツと同じようなことをこれからやろうと。
 それが今の憲法改正論議と考えて頂ければと存じます。

 それから憲法の前文。「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」と。

 これは「あの戦争は日本が仕掛けたものです。
 日本が仕掛けなければあの戦争は起こりませんでした」という発想から来ているんですね。
 「日本以外の周りの国はみんな素晴らしい。
 日本は悪い国」ということです。
 でもどうでしょうか。
 北朝鮮は拉致事件を起こしました。
 ミサイル、核開発もしている。
 こんな能天気に考えて良いはずがないわけです。

 それから日本の憲法は平時の規定はあっても有事の規定はないんです。
 これもキチンと入れなきゃいけません。

ランキング一覧

人気blogランキング

人気blogランキングに参加しました。
応援よろしくお願いします。
月別アーカイブ
最新コメント