2011年01月

2011年01月27日

中曽根弘文参院自民党議員会長の代表質問(全文)(その1)

ブログランキングに参加しています。
↓↓↓貴方の応援クリックが明日の活力になります↓↓↓

こちらをクリック

 先ほど終わった参院本会議での中曽根弘文参院自民党議員会長の代表質問(全文)
です。とても良い内容です。

(冒頭)
 私は自由民主党を代表して、菅内閣総理大臣の施政方針演説に対し、質問を致します。

(皇室)

 質問に入る前に一言申し上げます。
 菅再改造内閣は一月十四日に認証式を経て発足しました。この日は宮中の歌会始めの日でした。
 また、昨年九月の内閣発足の時は、天皇陛下が葉山でご静養中でありましたにも拘わらず、陛下にお戻り頂き、認証式が行われました。
 何れも天皇陛下のご日程に十分な配慮もなく、自らの一方的な都合で政治的日程を優先したものであります。

 民主党政権では一昨年十二月、中国の習近平国家副主席来日時に、当時の小沢一郎幹事長が慣例を無視して、宮内庁への申し入れ期限一ヶ月を切っているにも拘わらず、同副主席の天皇陛下へのご引見を強引に実現させました。
 また平成二十一年十一月十二日に国立劇場で挙行された天皇陛下御在位二十年記念式典では、両陛下のすぐお側の席にいた菅副総理が居眠りをし、更に先日の宮中の講書始の儀の席では、仙谷官房長官が居眠りをしていた様子がテレビで放映されました。
 総理大臣や官房長官のこのような行為は一般の式典や行事に於いても大変失礼なことでありますが、まして厳粛な皇室行事等に於いて、この様な態度をとったことは許されざることであり、わが国の総理大臣や閣僚を務める資格に欠けると言わざるを得ません。
 ご高齢にも拘わらず、天皇陛下には年明けからも国民の安寧を願われ、数々のご公務をお務め頂いております。
 この様な非礼とも言える態度は、総理、前官房長官のみならず民主党の姿勢にも共通するものであり、今後二度とこのような非礼のないよう猛省を促す次第であります。

 さて、来年は「2012年問題」の年であると言われています。
 特に世界の政治体制にとっては大きな転換点になります。アメリカ、ロシア、フランス、韓国では大統領選挙が執り行われ、中国では胡錦涛体制から次の指導者へと体制が変わります。
 また金正恩(キム・ジョンウン)氏への権力の継承を進めている北朝鮮では2012年を「強盛大国の大門を開く」節目の年としています。

 過去の歴史を見ても、各国のリーダーは、選挙の年には「自国の利益を極大化する」ことを国民に訴え、対外的に厳しい姿勢を取ることで自らの求心力を高めようとし、そしてリーダーが代われば、世界の秩序が変わり、現在進んでいるパラダイムの転換は、一層加速していきます。

 今年は、こうした世界的大転換の年を一年後に控えた大事な年であり、我が国はこれを念頭に体制づくりをしておかなければなりません。
 日本の政治が不安定飛行を続けるうちに、諸外国はすさまじいスピードで変化を遂げ、新しい時代の枠組みを構築しつつあります。しかしながら日本は未だに重苦しい閉塞感に覆われ、新しい時代のスタートが切れずにいます。

 国民は民主党の「政治とカネ」の問題を巡っての党内の権力闘争の様子には飽き飽きしています。また国民を脇に置き去りにして、政権を維持することが目的と化したような今の民主党政権に国民はうんざりしています。

 国会は、これまで以上に機動的で大局的な議論が求められており、我々はそういう国民の声に応えられる政治を行わなければなりません。また、政府には、国家の将来を見据えた真に国民のための政策立案を行う責任があります。

 しかしながら、菅政権は、憲法、外交・安全保障、経済、福祉や教育など、国家運営の要諦において日本をどの様な方向へ導こうとしているのかが不明確であります。
 我が党は一昨年、新しい綱領を発表し、「自由と民主主義の揺るぎない信念のもと、新しい時代に対応して常に進歩する保守政党である」ことを宣言しました。そして、「護るべきものを護り、秩序の中に進歩を求める」、「自助自立を基本としながら、共助、公助で支え合う社会」、「努力する者が報われる社会」、「温かい絆のある社会」を作っていくことを国民の皆様に約束しています。

 民主党の目指す国家はどのようなものなのか、総理ご自身の考える国家像とはどのようなものなのか、まず総理の政治哲学、国家観をはっきりとお聞きしたいと思います。


(熟議の国会)

 昨年秋の臨時国会で、我々は、民主党政権の政策の問題点を厳しく指摘し、我が党のビジョンを示すなど、充実した政策論議を目指していました。しかし、閣僚の失言、暴言、恫喝とそれに伴う、釈明、謝罪が繰り返される体たらくでした。更には尖閣諸島沖での中国漁船の衝突事件への民主党政権の誤った対応と不誠実な説明が原因で多くの審議時間がその問題に割かれる結果となり、政府自らが「熟議の国会」とはほど遠いものとしてしまいました。

 国会に対する冒とくとも言える不遜な態度をとり続けた仙谷前官房長官に対する問責決議可決と更迭は当然であり、今国会に於いては各閣僚の皆さんは、そのようなことの無いよう、心してその職務に当たって頂きたい。内閣の責任者として菅総理より、前国会で相次いだ内閣の失態への反省と再発防止への決意をお伺い致します。

 我々自由民主党は国民の声に謙虚に耳を傾け、参議院における野党第一党として国会における議論を充実させる責任を自覚し、具体的な対案も示しながら論戦に挑む決意です。

 ただし、その前提として政府からもしっかりと方針をお示し頂く必要があります。
 しかし、菅総理はTPP、社会保障制度改革、政治改革について、「各党の協議」という言葉を乱発され、自らの理念を具体化するための方針や政策を示すことなく、「各党に」丸投げされました。
 ご自身が「国づくりの理念」とおっしゃっている以上は、まずは政府が、法律や予算といった具体的な形にして国会に提案し、賛同を求めるのが筋ではないでしょうか。

 何ら具体的な方向性も示さず、各党協議を求めるのは、これらの問題に関する責任回避と政権延命のための時間稼ぎとしか考えられません。自分たちに何の具体案もないのであれば早々に政権の座から降りて頂きたい。

 野党に何でもかんでも責任をなすりつけるのではなく、まず政権与党の責任を果たすことが第一で、建設的な政策論議が行えるようリーダーシップを発揮すべきではありませんか。お考えを伺います。


(組閣)

 今回の改造内閣を枝野長官は「実務強力推進内閣」と言っているようですが、私たちから見れば、前内閣同様に、閣僚としての資質に甚だ疑問を持たざるをえない方々が入閣しております。

 先ず一人目は、江田法務大臣であります。江田大臣は昨年七月までの三年間、参議院議長を務めておられました。申すまでもなく議長とは国権の最高機関立法府の長であり、公平無私な国会運営の責任を負う職務です。しかし、昨年の通常国会の会期末にあたっての運営は、我が国の議会政治の歴史に汚点を残すひどいものでした。

 昨年六月に、我が党は、菅総理大臣問責決議案と江田議長不信任案を提出しました。しかしながら民主党は数の力でこれを処理する本会議開会に応じず、加えて請願や調査会報告、任期を終えて勇退する議員の本会議場で謝辞を述べる機会を奪うという異常な事態にしたのに対し、議長として収拾に乗り出さないまま放置しました。

 これらの点からも、江田大臣が公平公正であるべき法務を司る役職に就任するのは適当ではありません。

 二人目は、与謝野経済財政大臣であります。

 与謝野大臣は、「民主党が日本経済を破壊する」という著書を著すなど、民主党の経済政策を痛烈に批判してきた議員です。その方を経済財政担当大臣として入閣させたことに、国民は呆れかえっています。

 与謝野大臣は自民党公認で小選挙区に出馬し、比例区で復活当選できたのです。直ちに議席を返上すべきであると思います。
 かつて比例区で復活した民主党議員が、離脱した時には、当時の菅代表代行は「議席を党に戻した上で行動すべきだ」と発言されました。
 そういう経緯がありながら与謝野氏を入閣させたことについての任命責任についてどうお考えですか。お答え願います。

 政策の異なる与謝野氏を入閣させるのであれば、民主党政権と同氏との間で「政策合意」があってしかるべきです。
 総理、与謝野大臣を入閣させるにあたって、どのような政策合意があったのか、合意内容を国民の前に明らかにして下さい。


(外交① 五原則)

 次に、外交・防衛問題について伺います。
 私は麻生内閣で外務大臣を務めましたが、私なりに考える外交の基本原則は五点あります。
 先ず第一に、外交は、我が国の国益を守り増進し、国家の主権が侵害され、かつ威信が損なわれることの無いように行うべきものであります。
 昨年起きた尖閣諸島沖での衝突事件で、ビデオテープを速やかに公開せず、船長釈放の責任を那覇地検に全てなすりつけ、一地検に外交判断を行わせた菅政権の処理方法は明らかに間違いであり、決定的に国益を損ない、外交史にも大きな汚点を残しました。

 第二に、外交や安全保障は、与党も野党もなく、党利党略を離れ、国家本位で推進していくものであり、国民の理解と結束が必要であること。

 第三に、基本的に国力以上の外交は出来ないということです。国力とは何か。私は一般的には軍事力、経済力、技術力、文化力などを総合したものだと考えます。従って強力な外交を推し進めるためには、わが国においても防衛力だけでなく、同時に経済力や技術力、文化力などのソフトパワーも高めることが必要です。

 第四に、外交は継続性が重要であるということです。鳩山前総理は普天間飛行場の移設先について、選挙の票欲しさに「国外だ、最低でも県外だ」と発言しました。
 この過去の経緯も全く無視した唐突な発言で、日米の関係を悪化させたのみならず、諸外国にも日本の外交全体に対する不信感を生じさせてしまいました。これは、我が国外交の大きな損失であります。また、安全保障面でも国民に大きな不安を与えました。

 五番目は、外交とは歴史を作っていくものであります。我々はその一頁一頁に参画しており、厳しい緊張感を持って外交に当たらねばならないということであります。
外交とはどうあるべきと考えておられるのか、総理並びに外務大臣各々のお考えをお伺い致します。

(外交②)

 菅総理は、「日米同盟は我が国の外交・安全保障の基軸」であり、「これを深化させる」と述べていますが、これは、鳩山前総理の「対等な日米関係」という考え方からの路線の変更なのか、具体的な説明を総理に求めます。

 また、鳩山前総理が掲げ、昨年六月、十月の所信表明演説で菅総理も触れた「東アジア共同体構想」について、今回の施政方針演説では言及していませんが、菅政権では参議院選挙のマニフェストにも掲げたこの公約を取り下げるということと理解してよろしいのですか。また、今後アジア外交の方針がどう変わるのでしょうか。総理にお伺い致します。

 更に総理は、先日の都内での講演で、「一国平和主義」を否定し、「世界平和の為に我が国として貢献して行かなくてはならない。民主党政権になって国連PKOへの派遣人員が五十人強から三百八十人を超える状況になっている」と得意気に述べていますが、民主党政権は、世界各国から感謝され、高い評価でその存続が強く要請されていたインド洋での海上自衛隊による補給支援活動を打ち切ってしまいました。

 この活動は二年間で約二十二億円という規模の支援額ではありましたが、国際的に日本がテロと闘う姿勢を効果的にアピールできる活動でありました。

 活動を打ち切った民主党は批判をかわすために、アフガニスタン支援として約四千五百億円の巨額な支援を表明しましたが、既に自公政権時代に、同国にはありとあらゆる民生支援を行っており、これ以上危険地帯において日本が実施できることは限られています。 

 補給支援活動を中止して一年になりますが、アフガニスタンへのその後の支援状況はどうなっているのか、それに要した費用はいくらか、具体的にご説明頂きたいと思います。

 インド洋は、我が国の船舶も多く航行する地域であり、この地域での活動は我が国の国益にも適うものであり、私はインド洋での補給支援活動を再開すべきと考えます。総理のお考えをお伺いします。

(外交③ 普天間)

 次に、普天間基地移設問題について伺います。
 沖縄の普天間基地移設については、私は一昨年の二月に外務大臣として、ヒラリー・クリントン国務長官と、米国海兵隊及びその家族のグアム島への移転についての協定に署名した当事者ですが、民主党政権になり、基地移設問題が暗礁に乗り上げ、後退したことは非常に残念であります。ロードマップで規定しているこの海兵隊の移設計画も、更には千代田区とほぼ同面積で東京ドーム二百十個分の面積に相当する米軍施設区域の土地の返還も遅れることになります。

 鳩山前首相の熟慮に欠けた一言で、普天間の騒音や危険の除去が進まないばかりか、返還される広大な土地の沖縄県発展の為の活用も見通しが立たなくなり、民主党政権は取り返しのつかないことをしたのです。

 政府は沖縄県民に期待させておきながら、結局、自民党政権と同じ名護市辺野古に移設する案で米国と合意しました。正に迷走であり、政府の体を全くなしていません。
 こうした混乱の結果、普天間飛行場が今の場所に固定化するという最悪のシナリオが現実のものとならないか、大変危惧しております。

 この混乱に対して誰がどう責任を取るつもりですか。危険性の除去が出来ないまま、いつまでも「ご理解頂く」の繰り返しでは解決できません。この問題を今後どのように進めて行くつもりなのか総理の見解を求めます。

 いずれにしても普天間基地周辺の危険を除去するためには、一日も早く日米合意案を実現することであり、政府の一層の努力を求めます。


(安全保障)

 日本を取り巻く情勢に目を転じれば、中国の名目上の国防費の規模は公表ベースで過去二十年間で約十八倍にもなっています。
 先日の講演の中で、総理は「中国の透明性をやや欠いた国防力の強化や海洋活動の活発化に対し懸念を抱かざるを得ない」と表明されていますが、懸念とは具体的にどういうことを指し、また、どのような対策をとるべきと考えているのか伺います。

 次に、北朝鮮問題について伺います。
 申すまでもなく、我が国にとって、北朝鮮は、安全保障上、最大の懸案国であり、両国の間では、核・ミサイル問題、そして、国民の最大の関心事である拉致問題があります。
 前原外務大臣は、日朝間の協議について、過日の記者会見では、「二〇〇二年の日朝平壌宣言の内容をお互いに確認し合いながら、直接的な対話をしっかりと進めていきたい。…六者協議の開催の是非にとらわれずに、日朝の話し合いと言うものは行われるべき」と発言をされています。
 政府は、日朝二国間協議を進めようという方針なのでしょうか。韓国の示した懸念について、どうお考えですか。
 菅内閣は、北朝鮮問題にどのように取り組んでいくのですか。特に、拉致問題はどう取り組むのですか。お考えを伺います。

shige_tamura at 10:44|PermalinkComments(2)TrackBack(0)clip!自由民主党 

中曽根弘文参院自民党議員会長の代表質問(全文)(その2、終わり)

(財政・予算)

 私は、初当選以来、長年予算をみてきましたが、民主党政権が初めて概算要求段階から取り仕切った二十三年度予算案ほど、未来が見えず、理念がなく、その場しのぎの予算案はありません。

 過去最大規模の九十二・四兆円という予算ですが、公共事業はじめ多くの分野で削減されている中、ばらまきマニフェストの4K、すなわち、子ども手当、高校無償化、高速道路無料化、農家の戸別所得補償の三・六兆円が計上されております。
しかしながら、これらは直接給付型で、乗数効果が低く、ある民間シンクタンクの分析では、この予算がGDPに与える効果は、たったの〇・〇二%にすぎません。
この予算が景気回復に資するという点はどのように分析していますか、国民に分かりやすくご説明ください。

 四十四兆円という多額の国債の二年連続発行により、国・地方の借金は八百九十一兆円にのぼり、財政健全化の道筋は、かけらほどもみえません。
 それどころか、子どもたちの未来に多額の借金を負わせる、「児童虐待予算」とまで酷評されています。

 相変わらず所得制限を課さずに続行される子ども手当については、半分が貯蓄に回り、子どもをもう一人持とう、という決断にはつながっていません。
 川崎市を初め、いくつかの自治体は、財政事情の悪化もあり、地方に負担を押し付ける子ども手当に反対し、予算計上を見送っています。

 わが党は、子ども手当は廃止し、地方で自由に使い途を決められる『子育て交付金』をつくり、子育てママの職業復帰支援、育児休業手当の拡充などを推進します。
政府は、子ども手当に関する地方負担に関して、本当に地方の声を聞かれたのか、それでもスキームを変えずに実施する考えなのか、総理に伺います。

 農家の戸別所得補償に関してですが、TPPを急ぐなら、強い農業基盤作りが喫緊の課題であるはずです。しかしながら、本予算に盛り込まれた規模拡大への加算はたったの百億円にすぎません。

 わが党は、戸別所得補償制度を廃止し、農業農村の多面的機能を評価した『日本型直接支払い』の地域政策と、人や経営に着目した『担い手総合支援』を推進し、農業農村整備事業も拡充し、農地利用の集積を進めます。

 効果がないどころか米価の下落を招いている戸別所得補償は即刻やめるべきでありますが、総理のお考えを確認します。


 二十三年度予算では、基礎年金の国庫負担二分の一が何とか維持されました。
 しかし、その財源として、埋蔵金、なかでも鉄道建設・運輸施設整備支援機構の余剰金一・二兆円が充てられたことは大きな問題で、この理念のない埋蔵金悪用には到底賛成することはできません。

 余剰金は旧国鉄の二十四兆円の借金返済と、鉄道関連の整備に充当すべきであり、わが党はその趣旨の法案を臨時国会に提出しました。
 なぜ、国庫負担二分の一の財源として、鉄運機構の余剰金を充てる必要があるのか、明確にご説明ください。

 菅内閣には、財政健全化への取り組みも全く感じられません。財源確保は、ばらまきマニフェストをやめることや、公務員人件費の削減などで捻出すべきであります。 将来世代につけを先送りしないように、財政再建への責任を明確に示す必要があります。

 我々は昨年の臨時国会に、財政健全化責任法案を提出し、財政の立て直しを早期かつ抜本的に実施する強い姿勢を示しました。
 政府内からはこの法案に賛成してもいいとの声も聞こえてきます。
 総理のお考えを伺います。その場合、民主党のマニフェストに根本から矛盾が生じますが、お考えはいかがですか。


(経済・デフレ)

 経済政策に関して、伺います。
 菅内閣では、元気な日本の復活、平成の開国、最小不幸社会の実現、といったスローガンは並べられていますが、なんら具体的政策はありません。

 今日の国際化した経済においては、特に成長著しい新興国との連携を念頭に、我が国の成長戦略が必要ですが、全く戦略が描かれていません。
 最近では、中国や韓国はもとより、米欧などの各国が政府主導で積極的な輸出促進策へと大きく舵を切るなど、国家主義的な動きが高まっています。

 かつて、大航海時代の「重商主義」国家は、覇権を拡張し国家主導の通商戦略を推進しましたが、最近の中国などにも同様の傾向がみられます。
 通貨戦争、資源獲得競争が激化し、通商政策に国家戦略が密接に絡み合う二十一世紀の新たなグローバル競争時代が始まっています。 
 もはや、子ども手当てや高速道路無料化などの社会主義的な分配政策に固執し、政府がその帳尻合わせばかりに力を注いでいる余裕はありません。
 海外経済交流、海外投資をどのような国家戦略のもとで進め、政府援助や投資の財源確保、人材配置等についてどのような予算的枠組みで推進するのか、などの総合戦略の在り方がいま問われています。

 菅総理、「新重商主義」ともいうべき近年の厳しいグローバル競争の展開において、日本経済はどのような方向に進むべきか、お考えをお聞かせください。
 菅政権の経済政策では、成長より雇用に力点を置いているようです。
 昨年六月に閣議決定された新成長戦略でも、総理は第三の道として「雇用回復こそがデフレ脱却につながる」との持論を展開されました。

 しかし現実には、雇用と成長の因果関係は全く逆であり、経済成長があってこその雇用の回復であります。企業に活力を与えず、雇用支援策だけを行うのでは、臨時雇用は生み出しても、持続的雇用回復への道筋が定着することはありません。

 したがって、現下、最大の経済問題であるデフレに対する構造的な対策を実行すべきであり、それが有効需要を生み、雇用回復につながります。
 しかしながら、先般の総理の施政方針演説では、デフレ対策に触れておらず、財政演説と経済演説の中で「デフレ脱却に向けて、日本銀行と一体となって、政策努力を行ってまいります」と述べられているのみであり、具体的な処方箋は何一つ説明されていません。

 それどころか、法人課税五%引き下げのための財源あさりの増税や、唐突な理念なき環境税の導入、最低賃金の拙速な引き上げや製造業への派遣禁止、などのアンチビジネス政策は、まさに国内雇用の空洞化を招く「デフレ促進策」であります。総理はこのことにまったく気づいていないようです。 

「成長ないところに雇用なし」との正しい経済認識を持って、政府は、経済政策を成長路線に転換すべきであると私は考えます。総理の見解をお聞きします。


(教育)

 次に教育について伺います。
 教育、人材育成は個人の人格形成のためのみならず、国家の発展にとって欠くことの出来ない重要な課題であります。
 したがって、教育は、誰が総理になっても、どの内閣においても、内閣の最重要課題とすべきものであると私は思います。

 中国春秋時代の政治家・管仲の著と伝えられる管子の中の一節にも「一年の計は穀を樹(う)うるに如くはなし、十年の計は木を樹(う)うるに如くはなし、終身の計は人を樹(う)うるに如くはなし」という言葉がありますが、教育は正に未来へ向かっての投資であります。

 昨年六月の菅総理の所信表明演説では教育については「人材は成長の原動力です。教育、スポーツ、文化など様々な分野で国民一人一人の能力を高めることにより、厚みのある人材層を形成します。」とのたった一言だけでした。また昨年十月の所信表明演説には、教育という言葉は、どこを探しても出てきません。今回の施政方針演説でも幼保一体化や小学校一年生の一学級三十五人以下、高校授業料の実質無償化の実施について触れただけで、こうした政策のバックボーンとなる教育哲学や、どのような人材を育てるのかという理念が全く述べられていません。

 教育こそ、我が国の明るい未来の創造につながる投資であり、教育を軽視する国家に未来はないと言えます。
 菅総理は国家の重要事項である教育について全く関心がないのではないかと思わざるを得ませんが、教育に対する哲学や理念などをこの機会に是非伺いたいと思います。

 今から十二年前、私は小渕総理の「富国有徳」という理念のもと、文部大臣として教育改革に取り組み、教育改革国民会議を設置し、教育基本法の改正についての検討をスタートさせました。そして平成十八年に、教育基本法に関する特別委員長として戦後初めて教育基本法の改正を成し遂げることができました。

 新しい教育基本法では、幼児期や家庭教育の重要性などとともに、「公共の精神」、「伝統と文化の尊重」、「道徳心」や「我が国と郷土を愛する態度」なども盛り込んだ、国家の大事業である人材育成の根幹を示す基本法を作ることが出来ました。正に道徳心の高い教育・文化国家、道義国家の形成につながるものであります。
菅総理はかつて、国旗・国歌法の制定や教育基本法の改正に反対されましたが、なぜ反対されたのか、また現在も同じ考えなのかご説明願います。

 イギリスのブレア元首相は就任時に「一に教育、二に教育、三に教育」と言いましたが、これは国の立て直しには教育改革が何よりも重要だという考えを表明したものです。同様に現在、諸外国においても人材育成の重要性を強く認識し、教育への投資を増やしています。

 教育は「知育・徳育・体育」と言われ、そのどれもが重要であります。学力向上のために、十分な対策をとらなくてはならないのは当然であります。しかし今の社会情勢を見ると特に重要なのは徳育であると思います。残念ながら我が国では、民主党政権による事業仕分けなどで道徳教育の予算を削減するという、とんでもない誤った政策をとっています。道徳心・倫理観の豊かな人材を育成するための投資を惜しんではなりません。

 私が教育問題担当の総理補佐官を務めていました時に、道徳は教科になっていないので教科書も無く、先生方がそれぞれ工夫して教えていましたので、道徳の補助教材となる「心のノート」を作成し、全小中学校生に無償配布をしました。教師が、教室で使え、児童生徒がいつでもどこでも自分で読んで学び、かつ家庭で親がこれを用いて子供に道徳を教えられるとの目的で作成したものです。

 ところが、民主党政権になって事業仕分けの議論などもあって無償配布を廃止してしまいました。
 子ども手当というバラまきの財源捻出のために最も重要な道徳教育の予算をカットすることは、正に愚の骨頂であります。

 親が子を虐待し、殺し、子が親を殺すという不幸な事件が後を絶ちません。現在の日本は大人から子供まで道徳心が薄れ、「日本の心」も次第に失われつつあります。その中で道徳教育関係の予算は、一昨年の自民党政権時代は約十三億四千万円でありましたが、民主党政権下では、今年度はなんと六億三千万円とされ、自民党政権時代の半分以下にまで大幅に縮減されています。

 政府はしっかりと予算をつぎ込むべきと考えますが、総理はこの予算の削減と道徳教育の必要性についてどのようにお考えなのか、お伺い致します。


(マニフェスト見直し)

 民主党は一月十三日の党大会で、岡田幹事長が提案した二○○九年総選挙のマニフェストの見直し方針を了承しました。
 このことは財源の手当てが出来ず、先の総選挙で国民に約束したことが不可能であることを認めたものであります。
 総理は、民主党に投票された国民に何と説明するのですか。

 マニフェストを見直すならば政治責任を明らかにしなければなりません。
 速やかに解散・総選挙を行い、国民に信を問うべきであります。総理の決断を求めます。明快な答弁をお願いします。


(憲法)

 次に、憲法審査会について伺います。
 平成十九年から衆参両院に憲法審査会が設置されましたが、民主党等の反対で、この審査会の開催の目途すら立っていません。
 法律で規定されている憲法審査会を早急に始動させて、この中で、憲法改正に向けた議論を行っていくべきであります。
 民主党党首でもある菅総理のリーダーシップの発揮を強く求めます。見解を伺います。

(結び)

 民主党政権の進める政策には、与えられた時間ではまだまだ言い尽くせない程多くの問題点がありますが、最後に一言だけ重要な点を指摘したいと思います。
いまの政治に最も欠けているものは何か。それは信頼であります。

「民、信なくば立たず」という言葉を閣僚のみならず国会議員一人ひとりが肝に銘じなければなりません。

 いま我が国はまさに、再生か、衰退かの瀬戸際にあり、国会は日本の将来像を示し、国民の総合力を糾合していく責任があります。

 我々自由民主党は、ゆるぎない信念と強い使命感を持って、真の保守政治を守り、日本を立て直す覚悟であります。
 国際社会から信頼される国づくり、誇りの持てる国づくり、そして活力あふれる国づくりのために、全力で取り組んでいくことを表明し、私の質問を終わります。

shige_tamura at 10:36|PermalinkComments(1)TrackBack(0)clip!自由民主党 

防衛省事務次官通達問題で安住国対委員長は窮地に

ブログランキングに参加しています。
↓↓↓貴方の応援クリックが明日の活力になります↓↓↓

こちらをクリック


 僕がブログ(01月24日)「菅政権の言論弾圧、防諜部隊が不当調査」で、

 今朝の産経新聞に、「講演会で自衛隊員監視、防衛相直轄部隊が「不当調査」」「保守系講演会で隊員監視」という記事が出た。
 これで、完全に国会の大きな問題となり、これを撤回しないと国会運営にも支障が出る。この次官通達を指示したのが、現在の安住国会対策委員長(当時の防衛副大臣)であり、これも問題になる。

――と述べた。


 今朝の産経新聞は、一面で「防衛次官通達、安住氏が主導」「政務官再考促すも耳を貸さず」という記事が掲載された。
 これで、僕が予測した通り、国会で大きな問題となる。

 以下、産経新聞の記事です。


 防衛省が昨年11月、自衛隊行事での民間人による政権批判を封じる事務次官通達を出した問題で、これを主導したのは当時防衛副大臣の安住淳民主党国対委員長だったことが26日、分かった。複数の防衛省筋が明らかにした。通達に関する会議で広田一政務官は「この通達はやりすぎだ」と再考を求めたが、安住氏は振り切ったという。

 昨秋の臨時国会で自民党が「言論統制を強いる通達だ」として北沢俊美防衛相らを厳しく追及したことを受け、安住氏が通達撤回を検討していたことも分かった。安住氏は「撤回しても効力はものすごい。通達を1度出したことに意義がある」と周囲に語ったが、北沢氏は「撤回すると非を認めたことになり、さらに野党に追及される」と判断し、撤回を見送った。

 通達は、11月3日の航空自衛隊入間基地(埼玉県狭山市)の航空祭で、民間団体「航友会」会長が「一刻も早く菅政権をぶっつぶしましょう」などと政権批判したのがきっかけ。

 これに激怒した安住氏は「何でもいいから制裁措置を考えろ」と対応策を指示。内局文書課が通達案を作成したところ、安住、広田両氏は担当幹部とともに防衛省内で会議を開き、通達案を協議した。

 広田氏は通達への反発を憂慮し、「やり過ぎだ」と再考を促したが、安住氏は耳を貸さなかったという。その後、北沢氏も通達を了承し、11月10日付で通達が発出された。
 広田氏の懸念の通り、自衛隊やOB組織、後援会などで「思想信条の自由を定めた憲法の精神に反する」と激しい反発が起き、自民党は国会で北沢氏らを追及。民主党からも「後世に残る政権の汚点だ」(党幹部)との批判が上がった。

 これを受け、安住氏は通達撤回を検討した。この際に「撤回しても効力はものすごい」などと語ったのは、一度通達を出せば自衛隊内で強く印象づけられ、民間人の政権批判を控えさせる「自主規制」が働くと踏んだからだとされる。

 安住氏は産経新聞の取材に対して「コメントしない」と語った。


 なおこの問題で、昨日、小池百合子総務会長が衆院代表質問で以下のように述べた。


 昨年から気になる動きがあります。
 いわゆる防衛事務次官通達として、自衛隊行事での民間人による政権批判を封じる言論封殺問題です。加えて、防衛大臣直轄の防諜部隊「自衛隊情報保全隊」が、わが党の佐藤正久参院議員や田母神俊雄元航空幕僚長の講演会に潜入し、現職自衛官の参加状況を監視していると報じられました。本来任務とは乖離した不当調査であり、憲法で保障された思想・信条の自由を侵害する監視活動ではありませんか。
 まるでスターリン時代を想起させるような動き。何より憲法違反ではないか。また事務次官通達を撤回すべき。そもそも保全隊の活動対象を内に向けるよりは、対外工作に向けるのが本来の仕事ではありませんか。総理のご見解を伺います。



 産経新聞【主張】「自衛隊監視問題 北沢防衛相の責任を問う」(1.27)

 言論封じなどが問題になっている防衛省で、また不可解な事実が発覚した。「隊友会」など自衛隊OBらの新年会で、谷垣禎一自民党総裁が出席時間を遅らせるよう要請され、祝辞を後回しにされた。冒頭の政務三役や民主党議員らの祝辞と谷垣氏を「差別化」する狙いとみられる。

 このような突然の予定変更を、自衛隊OBの主催者側が行うとは考えられない。自衛隊関連行事での民間人の政権批判を封じた昨年11月の防衛事務次官通達を盾に、防衛省が介入してきた疑いが極めて強い。北沢俊美防衛相は政務三役の指示の有無を含め、経緯を明らかにすべきだ。

 自民党総裁への遅刻要請は言論を制限する不当な圧力といえる。自衛隊OBらで構成する半ば公的な団体を民主党だけのために政治利用した疑いもある。

 北沢防衛相は、直轄の防諜部隊「自衛隊情報保全隊」が陸上自衛隊OBの佐藤正久自民党参院議員らの講演会に現職自衛官が参加したかを監視していた問題で、「佐藤議員は情報収集の対象になっていない」「政務三役が指示した事実はない」と全面否定した。

 しかし、佐藤氏は「会合に保全隊員が来ていた。私も知り合いも顔を確認している」と明言している。北沢氏の発言は佐藤氏の発言と全く食い違う。この問題も徹底調査すべきだ。

 一連の問題の発端となった事務次官通達は、航空自衛隊の航空祭で、民間の後援団体「航友会」会長が尖閣事件に対する民主党政権の対応を厳しく批判したことに北沢防衛相が激怒したことから、出されたとされる。

 菅直人首相は衆院本会議の代表質問で「通達を撤回する考えはない」と答えたが、民間人の言論を封じることは民主主義のルールに反し、絶対に許されない。改めて通達の撤回を求めたい。

 自衛隊へのテロ組織などの浸透を防ぐことは重要だが、OBの講演会への参加状況を監視するのは、憲法が保障する思想・信条の自由を侵害する疑いがある。

 仮に政務三役の指示がなく、防衛省幹部が通達に基づき民主党政権の意を忖度(そんたく)して監視させているとしても、許されない行為だ。いずれにしても、北沢防衛相の責任は免れない。問責決議につながりかねない問題である。通常国会で野党の徹底追及を求めたい。

2011年01月26日

自民党総裁・谷垣禎一衆議院議員・代表質問(全文)(その1)

ブログランキングに参加しています。
↓↓↓貴方の応援クリックが明日の活力になります↓↓↓

こちらをクリック

 本日(1月26日)の自民党総裁・谷垣禎一衆議院議員、衆院本会議での代表質問(全文)です。

一、はじめに

 私は自由民主党・無所属の会を代表して、一昨日の菅総理の施政方針演説について質問致します。

 一昨日、総理より宮崎県の鳥インフルエンザについて言及がありましたが、その後、日本一の養鶏密集地帯である鹿児島県出水市においても発生し、愛知でもその疑いがあると聞いております。関係者の方々に心よりお見舞い申し上げます。わが党も対策本部を立ち上げましたが、政府においては万全の対策を講じるよう強く求めます。

 さて、菅内閣の先般の内閣改造は、昨年の参議院選挙の敗北の責任をとったはずの枝野前幹事長代理が官房長官になり、代わりに仙谷前官房長官が党代表代行に就くなど、民主党の人材の払底ぶりと無反省ぶりには目に余るものがありました。挙句の果てに野党の与謝野議員にまで食指を伸ばし、内閣の要とも言うべき経済財政政策、更には社会保障・税一体改革の担当大臣に起用されるに及んでは、民主党政権の正統性への重大な疑義が生じました。

 そこで、まずは菅総理に改めて与謝野大臣起用の意図を伺います。あわせて、これまで与謝野大臣が取り組んできた財政健全化や消費税を含む税制抜本改革について、与謝野大臣の考えが閣内ひいては民主党内で共有されて齟齬はないのか、閣内不一致はないのかを伺います。

 また、与謝野大臣はかねて民主党マニフェストを激しく非難しており、一頃は与謝野大臣と民主党政権の間には埋め難い溝があったはずです。それが今席を同じくしているということは、与謝野大臣が節を変えたか、民主党政権が国民との契約たるマニフェストの遵守を放棄し、一言のお詫びもなく変節したかのいずれかでしか説明できません。そのいずれなのでしょうか、菅総理のご見解を伺います。

 いずれにしても、最も残念なことは、今般の与謝野大臣の入閣によって、国民の政治に対する信頼が失われ、わが国にとって必要な改革の実現が却って遠のくことです。わが党としては、何より、菅総理や民主党の変節、政権としての正統性の喪失を今後とも明確にえぐり出し、解散総選挙を求めていくとともに、財政健全化や消費税を含む税制抜本改革等については、堂々と国民に訴えてまいります。

 次に、小沢元代表を巡る問題についてお尋ねします。
 菅総理は、小沢元代表を巡る政治とカネの問題についてけじめを付けると宣言しており、このことがいわゆる「小沢斬り」などとしてマスコミに取り上げられています。しかし、具体的な成果は全く見えません。岡田幹事長は、通常国会前とまで表明した小沢元代表の政治倫理審査会への招致議決を断念し、小沢元代表本人も事実上出席を拒否しており、まさに民主党得意のパフォーマンスを繰り広げています。我々は、このような支持率を上げるためだけの「小沢斬りごっこ」に付き合うつもりはありません。本当にけじめを付ける気があるのであれば、直ちに我々が求める証人喚問を実現すべきと考えますが如何でしょうか。菅総理、ご回答ください。


二、23年度予算・民主党マニフェスト

 次に、23年度予算審議に向けてお尋ねします。
 菅総理が「熟議の国会」を掲げながらも、政府が国会に提出した23年度予算や23年度税制改正法案を素通りしたまま、いまだ姿が見えない消費税を含む税制抜本改革のみを取り上げて与野党協議の必要性を主張されていることは、不思議でなりません。先般の民主党大会では、「野党が積極的に参加しようとしないなら、歴史に対する反逆行為だ」とまで述べられましたが、協議すべき内容も定まっていないまま、仮定に仮定を重ねて野党を抵抗勢力に仕立て上げようというのは、空疎に過ぎて意味不明です。
 また、ばら撒くだけばら撒いておいて、国民に負担をお願いする耳の痛いテーマだけに絞って野党を巻き込もうと協議の参加を迫るということでしたら、単なるご都合主義に過ぎず、バラマキのための財源調達を手伝うわけにはまいりません。
先般の民主党大会での一方的かつ不誠実極まりない発言に対して謝罪・撤回を求めます。

 23年度予算の具体的内容についてお伺いします。
 23年度予算は、一昨年8月の解散総選挙で民主党がマニフェストの実現を掲げて政権交代を果たしてから2度目であり、概算要求段階から思う存分に腕を揮ったはずの予算編成であります。しかしながら、民主党マニフェストの達成度という観点から評価すれば、惨憺たる内容です。

 まず、民主党マニフェストでは、国の総予算207兆円を全面的に組み替えるということをイの一番に掲げ、その際、マニフェスト実行に必要となる計16.8兆円の財源のうち9.1兆円を歳出削減によって捻出するとされていました。ところが、この総予算207兆円が、今般の23年度予算では220兆円と膨れ上がったのが実情であり、「総予算207兆円の組替え」による財源捻出という仕組みがそもそもフィクションだったことが明白となりました。

 それに加え、23年度予算の段階で実現しているマニフェスト予算は、16.8兆円のうち3.6兆円に留まっています。うち歳出削減による財源確保は、子ども手当に関連する税制改正による増収分を除く2兆円台半ばです。しかし、この程度の額の削減は、わが党が政権の座にあったときにも毎年行っていたものです。
 今や政治ショーと化した事業仕分けも、その直接の成果は22年度予算では0.7兆円弱であり、23年度予算とあわせても1兆円程度です。いずれにしても9.1兆円の約1割に過ぎません。藤井官房副長官はかつて「総予算207兆円の1割から2割くらいは簡単に切れる」と豪語されましたが、何のことはない、政権交代の効果として切れたのは総予算の1割ではなく、目標額の1割に過ぎません。

 16.8兆円と言っていたマニフェストの実行が3.6兆円、うち22年度は約3兆で23年度に至っては僅か0.6兆、9.1兆と言っていた歳出削減において政権交代の効果と言えるのは、その1割程度というのはあんまりです。国家公務員の人件費についても、マニフェストでその2割を削減するとされながら、22・23年度予算で合計3%程度、やはり目標の1割強しか減っていません。総理が、人事院勧告以上の深掘りを行うとされたにもかかわらず、影も形もなく、空約束に終わる気配です。

 いずれも、箱根駅伝で言えば、本来、往路5区でいよいよ「山の神」登場かとなっている場面であるべきところ、1区か2区をいまだとぼとぼ歩いているようなもので、呆れ返るばかりです。「有言実行内閣」はおろか、マニフェストが虚言だったと自ら実証されているだけなのではないでしょうか。菅総理の答弁を求めます。

 マニフェストの不履行について、最近は、仙谷代表代行を始め、税収が落ち込んでいることを言い訳にしようという動きがあります。税収減だからといって無駄排除や予算の組替えが出来なくなる理由はありません。税収が低かったから事業仕分けでの蓮舫大臣の舌鋒が鈍ったとでもおっしゃるのでしょうか。詭弁以外の何者でもありません。原因は、単にできないことを約束していたか、力が及ばなかったのか、そのいずれかだけです。

 マニフェストにおける予算の組替え、施策の不履行と税収の関係についてどのような論理的関係があるのか、菅総理の見解を伺います。


 マニフェストの2番目の柱とされたのは子ども手当ですが、一人当たり月2万6,000円という公約は未だ果たされておりません。23年度予算においては、3歳未満までの支給額を1万3,000円から7,000円上積みしていますが、聞くに堪えない内容です。
 すなわち、3歳未満の子どもに対しては、我々が政権与党にあった時代にも中低所得者層には、一人当たり月1万円の児童手当が支給されておりました。そこから子ども手当になって一見3,000円支給額が増えたようですが、ご家庭によっては、22年度税制改正による所得税・住民税の年少扶養控除の廃止の影響をあわせれば、逆に負担増となってしまうということが判明し、慌てて上積みしたということが今回の対応の背景の一つです。

 つまり、今回の上積みは、制度設計のミスを取り繕う弥縫策に過ぎません。しかも、上積み財源として、自ら税制抜本改革の一環と説明されている給与所得控除や成年扶養控除の見直しによる増収を充てることとされており、税制の大きな改正をやって見当違いの財源漁りに終始したという荒唐無稽な構図になっています。こんなマッチポンプのために一部の給与所得者や成年の扶養者が増税されるということでは、とばっちりもいいところです。
 バラマキという政策内容も問題ながら、その手法まで拙劣で右往左往している姿が曝け出されたのが今回の子ども手当の上積みであると認識しますが、総理のご見解を伺います。なお、兆単位という巨額の財源を要するこの施策を、財源確保に四苦八苦するがゆえに単年度立法で講じていく、いわば綱渡り的な政策運営を行っていることは、民主党政権の無責任体質の表れであると申し添えておきます。


 また、23年度税制改正全体で見れば法人税減税を行うことでネット減税となっている以上、給与所得控除や成年扶養控除の見直しで多少の上積み財源を確保したところで、底に穴が空いたバケツに一旦水を入れたと主張しているようなもので、財源論として意味がありません。むしろ、総理の裁断により閣議決定のペイ・アズ・ユー・ゴー原則を覆して恒久財源が確保されないまま減税に踏み切った法人税の実効税率引下げや、経済活性化予備費の減額を財源とした科学技術予算の増額の方が、形だけは見合い財源の確保を図った子ども手当よりも政策的優先度が高いと判断されたように見えなくもありません。総選挙においては何よりも、家計への直接給付による「成長戦略」を訴えていたはずです。

 この他にも、23年度予算においては、歳出削減の多くがマニフェスト実施以外の社会保障の自然増や新成長戦略の実施への対応に充てられるなど、マニフェストをやりたいのか、他のことをやりたいのかよく分からない支離滅裂な状況になっています。23年度予算における総理の政策の優先度は何処にあるのか、改めてご教示下さい。


 ちなみに、民主党マニフェストの3番目の柱は、月7万円の最低保障年金制度の創設を始めとする年金制度改革でした。これについては、先日、枝野官房長官から現行制度とは「本質的なところに大きな違いはない」という信じ難い発言がありました。しかしながら、わが党は保険料を中心とした自助と共助を尊重する制度を掲げていた一方で、民主党がかつて主張した全額税方式は、皆で納める税金で皆を助ける、いわば公助の制度という違いが存在したはずです。
 かつて自公政権で現行制度への改革を行った際に、民主党はこれを小手先の改革と非難し、抜本改革の必要性を叫んでいました年金制度改革は民主党の政策の金看板でしたが、現行制度と大差がないというのなら、これまでのご主張はすべて針小棒大であったことになります。
 まさに長妻議員もびっくりの「消えた年金改革」であり、国民の安心を支える年金制度を徒に政争の具としてきたことの責任が改めて問われなければなりません。年金制度を殊更に選挙の争点とあげつらったことを国民に謝罪し、年金制度に関する今般のマニフェストを撤回すべきと考えますが如何でしょうか。
 さらには、政府・与党が今春に作る社会保障の改革案には、当然、具体的な年金改革案が含まれ、その内容が従来主張してきた内容と異なれば、その点の総括・謝罪が盛り込まれていると考えてよいか、総理に伺います。


 民主党マニフェストの柱の一つとして、地方向け補助金の一括交付金化も挙げられています。これについては、23年度予算では鳴り物入りで一括交付金が0.5兆円計上されていますが、先の民主党代表選で、小沢元代表が、一括交付金化により3割から4割の削減を期待できると強調され、菅総理も、相当程度の減額は可能と応酬しておられたことは記憶に新しいところです。
 先程のマニフェストにおける9.1兆円の歳出削減のうち6.1兆円の削減もこの補助金改革等で成し遂げることとされていました。蓋を開けたら0.5兆円の一括交付金ということですが、これによる補助金等の削減額は幾らだったのでしょうか。数値をお答えください。そして、そのなけなしの歳出削減効果も、補助金等全体が社会保障の自然増などで相当伸びたことにより、雲散霧消してしまったのではないでしょうか。
 まさにこの分野こそ総予算207兆円の組替えという壮大なだまし絵の中核部分だったのではないでしょうか。菅総理の回答を求めます。


 また、農家の戸別所得補償については、民主党は当初、「作ってさえいれば価格差補填で所得補償する」と訴えていました。ところが、最近の総理は、TPP、農政改革に力点を置いており、「国内の環境整備を早急に進める」旨を閣議決定していますが、農業政策の一貫性、方向性がはっきりとしません。
 持続的な強い農業のために必要なものは農地と担い手であり、この2つに対して民主党政権はあまりに無策です。戸別所得補償を優先するため、土地改良などの基盤整備事業がカットされるとともに、担い手支援・育成施策も不十分です。さらに言えば、2年にわたる公共事業費の大幅な削減で、本来は地産・地消を育むべき地域経済は収縮の一途です。

 マニフェストの施策を転換し、わが党が掲げる担い手支援や農地の利用集積の促進等に取り組まなければ、強い農業は実現できません。23年度予算には、水田・畑を対象とした規模拡大加算措置等が計上されていますが、これはまさにその政策転換の萌芽なのでしょうか。総理、その立場を明確にし、農政の方向性をお答えください。

 ここまでマニフェスト実現の状況が惨憺たるものであり、政策の優先度も見失われている状況ですと、民主党マニフェストがだまし絵であるとか、選挙用の毛鉤であると非難してきた与謝野大臣の従来の指摘は、極めて的を射たものでした。憲政史上最大の確信犯的な公約違反とも言え、有権者を著しく冒涜しています。
 こうしたマニフェストの上に成り立っている民主党の現在の議席ひいては民主党政権の正統性そのものがもはや崩壊したと言わざるをえません。このマニフェスト策定の中心にあったのは小沢元代表でありますが、党の要職にありながらこれに異を唱えなかった菅総理もまたその責任を免れえません。
 国民に幻想を振り撒いて政権を簒奪することが正当化されれば、わが国の民主制は瓦解します。苦しい言い訳に終始するのではなく、潔くマニフェストの過ちを認め、これを撤回し、有権者にお詫びしたうえで信を問い直すべきだと考えますが、総理の見解を伺います。

shige_tamura at 13:53|PermalinkComments(1)TrackBack(0)clip!自由民主党 

自民党総裁・谷垣禎一代表質問(全文)(その2、終わり)

三、税制

 次に、税制についてお伺いします。
 まず、消費税を含む税制抜本改革についてお尋ねします。
21年度税制改正法附則第104条で定められた「23年度までに法制上の措置を講じる」という消費税を含む税制抜本改革の道筋を遵守すべきことについては、ようやく閣僚間で共通の認識が芽生え始めているようですが、法律である以上政府がこれに従うことは当然のことです。
 他方で、その具体的解釈については閣僚間で齟齬があるようです。この規定は、政府に対して、経済状況云々といった留保条件を特段付けることなく、23年度までに消費税を含む税制抜本改革の具体的内容を定める法案を提出する義務を課すものであります。
 菅内閣の方針として、この規定に従って24年3月末までに消費税を含む税制抜本改革の具体的内容を定める法案を提出するということでよろしいか、総理に改めて確認します。その際、通常の予算審議、税制改正を抱える来年通常国会ではなく、今秋の臨時国会に提出されるのが自然と考えますが、それでよろしいでしょうか。

 また、菅総理は、消費税を含む税制抜本改革について、強い調子で与野党協議を呼び掛けられていますが、率直に申し上げて総理自身がどこまで本気かつ誠実にこの問題を捉えられているのか甚だ疑問です。総理自身の覚悟のほどといつまでに具体的に何をするのかということが明確でなければ、わが党としても協議に応じようがありませんので、そこを確かめさせていただきます。

 そもそも菅総理は、就任当初の昨年6月、民主党の参院選マニフェストの発表記者会見において、消費税の取扱いについて「22年度内にあるべき税率や逆進性対策を含む改革案の取りまとめを目指す」との方針を示されました。更には、当面の消費税率について「自民党が提案している10%を一つの参考にする」とまで述べられました。ところが、参院選で敗北を喫するや、打って変わって「期限を切っての議論をしない」とダンマリを決め込まれました。考えが一々ぶれるのであれば協議のしようがありません。
 この間の経緯について、きちんと説明いただきたいと存じます。すなわち、税制抜本改革のスケジュールや消費税率に関して昨年6月に示されたお考えは撤回されたのか、それとも一旦撤回したけれども今はまた元に戻ったのか、一時的にでも撤回したとしたらどのような理由によるのかお教え下さい。


 その後、昨年末当たりから、菅総理は、税制抜本改革の問題について再びアクセル全開モードに急変されたように感じます。6月までに消費税を含む税制抜本改革の成案を得ることを決められ、このことに「政治生命を懸ける」とまで明言されました。
そこでお尋ねします。
 まず、期限についてですが、民主党政権における期限設定というと、鳩山前総理が、普天間移設問題の政府案の決定を当初は昨年3月中とおっしゃっていたところ「法的に決まっているわけじゃない」として一旦5月までに延期された上、5月末になっても結局何も得られず辞職されたことを思い起こします。
 今回は閣議決定において本年半ばと明確に期限を付され、年頭の記者会見などでも6月とおっしゃった以上、よもや延期されることはないと思いますが、念のため6月という期限に対する本気度を、総理に伺います。なお、この6月までに「成案」を得ることは閣議決定されておりますので、当然自見大臣を入閣させている国民新党の合意も得たものと理解してよろしいでしょうか。


 次に、昨年末の閣議決定における「成案」という言葉が、施政方針演説では「消費税を含む税制抜本改革の基本方針」と言い換えられていますが、早々と後退された感が否めません。
 「成案」とおっしゃる以上、具体的な出来上がりの案であり、消費税の引上げ幅や引上げ時期を含むものであることは勿論のこと、具体性、完成度の観点から法案の一歩手前といったレベルのものが示されて然るべきと考えますが、総理はどのようなお考えでしょうか。
 特に消費税の引上げ幅や引上げ時期を具体的に盛り込むかを明確にお答え下さい。また、その「成案」は、議院内閣制である以上、当然与党の合意を得たものと理解してよろしいでしょうか。


 更に、「政治生命を懸ける」という言葉の意味ですが、約束の期限どおりに物事をなし得なかった場合には辞職する、もしくは信を問うために解散するということを指すことと受け止めるのが通常と考えますが、それでよろしいでしょうか。そこまでのお覚悟があって我々に協議を求めているのか明確な回答を求めます。


 いずれにせよ、21年度税制改正法附則第104条は、一義的には政府に対して法案提出の義務を課しており、法案の前段階である成案を示すのも政府の当然の義務と考えます。しかしながら、そもそも、その案はマニフェスト破りになること必至です。
 「無駄排除で財源はいくらでも出てくる、消費税の引上げは必要ない」とした先の総選挙の主張と大きくかい離したことに取り組まれるからには、まずは引上げ自体について国民に信を問い直すことこそ、「成案」の取りまとめのためには必要な手続きであり、本件に関して混乱している与党内の現状をみるに、最短距離ではないかと存じます。
 同時に、昨今マニフェスト見直しの議論について仄聞しますが、撤回もなされてしかるべきです。それらの点について具体的にどのような整理をし、けじめをつけられるのか、総理のお考えを伺います。そのプロセスなくして、自らの案も無く与野党協議に臨もうとするのは、マニフェストの違背をうやむやにして責任を回避する姑息な政治的戦術に過ぎません。


 わが党は、自公政権下において、将来にわたって安心できる持続可能な社会保障制度の構築とその安定財源の確保を図る「中期プログラム」を策定し、税制抜本改革の道筋と方向性を附則第104条で法制化しました。
 また、バラマキの阻止、財政健全化の道程や税制抜本改革の実現、与野党協議を明記した財政責任法を昨年3月より国会に提出しています。さらには、昨年の参院選では、消費税率やその使途についても、国民に真摯に訴えました。野党転落以降も、累次にわたって予算や税制改正に対する基本的考え方を示してきております。
 わが党に比べれば、民主党政権の取組はようやくスタート地点に立ったところであり、しかるべきけじめをつけたうえで、わが党の議論までぜひ追い付いていただきたいものです。


 次いで、23年度税制改正関連法案についてお尋ねします。
 同じく「ねじれ国会」だった3年前の今頃、当時野党の民主党の諸君が、ガソリン値下げ隊なるものまで結成して、ガソリン税率の水準維持を含む20年度税制改正関連法案に徹底して反対されたことを思い起こします。そのガソリン値下げ隊の結団式で、ガソリン税率の引下げを求めて声を張り上げておられたのが菅現総理です。

 そして、民主党の諸君は、両院議長のあっせんを反故にしてまで、ガソリン税率を期限切れに追い込み、1ヶ月ほど一時的にガソリン税率が下がることとなったため、結果として、ガソリンスタンド、消費者、減収が生じた地方自治体などに甚大な迷惑が掛かることとなりました。

 菅総理は、このように税制改正法案を人質にして国民生活を混乱に陥れるという悪しき前例を作られたわけですが、こうした自らの行動について適切なものであったとお考えなのでしょうか。現在のお考えを伺います。

 しかも、その後政権交代を実現し、総理にまでなられた菅総理が、当時の主張どおりにガソリン税率の値下げを目指された形跡は全くありません。これもまた国民に対する裏切りです。まさに当時の野党民主党が政局のためだけに国民生活を混乱に陥れたことがあからさまになっておりますが、ガソリン税率の引下げという主張は一体全体どうされたのか。これも与謝野大臣が言うだまし絵、毛鉤だったのか、菅総理に伺います。


 当時の野党民主党は、更に税制関連法案について、一つ一つの措置毎に一本一本税法を分けろといったご無体な要求をされていたことも思い起こされますが、政権与党になった今回は、何ら野党に相談することなく、唐突に全体を一本化した法律案を提出されました。

 ただし、政府は、23年度税制改正関連法案について、税制改正大綱に明記されたとおり、全体として税制抜本改革の一環をなす法案であると説明されており、それゆえに法案を一本化されているものと忖度します。確かに、そこに含まれている所得税の給与所得控除の見直しは、かつてですと「サラリーマン増税」との批判を受けかねない大改正ですし、相続税の税率構造の見直し、法人税率引下げ、国税通則法の見直しどれ一つをとっても近年稀に見る大改正と言えます。
 しかもこれらの内容は、具体的な改正の是非は別として、テーマ自体は、21年度税制改正法附則第104条第3項においてわが党が定めた消費税を含む税制抜本改革の検討の方向性とも一見軌を一にしています。

 しかし、であればこそ、問いたいことがあります。総理は昨年8月の予算委員会で、私が、「消費税を含む税制抜本改革の前に信を問う、それはそれでよろしいですか。」とお尋ねしたときに、「例えば消費税を大きく引き上げるとか、あるいは別の税金でもそうかもしれませんが、大きな税制改正を行うときには、やはり国民の皆さんに判断をいただく、そういうことが必要だろう、その考え方は変わっておりません。」と答えられています。
 すなわち、消費税以外の税制であっても、大きな税制改正を行うときには国民に信を問うという考え方を述べられています。この答弁に従えば、所得税、法人税、資産税、更には国税通則法の大改正、まして税制抜本改革の一環として説明される内容を盛り込んだ法案を提出し、かつ、年度内成立・4月施行を目指される以上、直ちに衆議院を解散すべきことになるはずですが、いかがでしょうか。事柄は、予算委員会で総理大臣が野党第一党党首に対しての発言に関わりますので、この点を明確にお答えいただきたいと存じます。

 繰り返し申し上げます。消費税を含む税制抜本改革は、無駄排除の財源確保を基本構造とするマニフェスト、国民との契約条件を根底から覆す一大政策転換である以上、解散して国民に信を問い直さなければなりません。それに加え、今般の23年度税制改正関連法案について税制抜本改革の一環と説明し、かつ、「6月までに消費税を含む税制抜本改革の成案を得る」「政治生命を懸ける」「税制の抜本的改革に当たっては、国民の信を問う」とまで述べられておきながら、「私の念頭には、解散のかの字もない」は通用しません。
 23年度税制改正関連法案を施行し、消費税の成案を得る前に解散すべきです。それが、総理が民主党代表選時の公約や先ほどの答弁だけでなくあらゆる機会において、繰り返し「税制抜本的改革に当たっては、国民の信を問う」と述べられてきたことの当然の帰結です。

 仮に本当に解散のお考えがないということでしたら、「政治生命を懸ける」という言葉の意味は「政権にしがみつくための口実として消費税を利用する」「政治延命を図る」という意味であったということになり、総理のこれまでの一連の発言はすべて信頼に足らないということになります。協議相手どころか、国会で議論する相手としても適性を疑わざるを得ず、今までの公の場で軽々しく虚言を弄してきたことに対する責任を問わざるを得ません。

 しかし、我々が望んでいることはそのような事態ではありません。菅総理が「歴史」を重んじられるのであれば、自らの言葉を裏切り税制抜本改革を口実にして政権にしがみついて結局何も出来なかった総理として歴史に汚点を残すより、消費税を含む税制抜本改革の成案を仕上げるという歴史的事業を成し遂げんがために、自らの言葉に従って国民にも信を問うた潔い総理として歴史に名前を残されることを選択されるべきと考えます。

 わが党は、「覚悟のかの字もない」総理とは協議できません。国民に信を問うことをもって、菅総理の「覚悟」と受け止め、税制抜本改革の与野党協議に真摯かつ積極的に参加させていただきたいと存じます。いかがでしょうか、総理。逃げも隠れもしない、堂々たる答弁を求めます。


四、終わりに

 菅総理は、昨年6月以降、消費税を含む税制抜本改革について、急発進、急ブレーキ、バックと慌しい動きを見せ、そのまま居眠りされているのかと思ったら、再びアクセル全開になり、先日は教習本を購入し、周りには早く進めと派手にクラクションまで鳴らされていますが、車はあまり動いていないように見えます。

 ご自身は昨年末、総理として仮免許から本免許になったとおっしゃられましたが、このたびの改造で与謝野大臣や藤井官房副長官という指導教官を迎えて、どうしても路上教習に出たいという思いのようです。我々としてもまずはお手並みを拝見させていただきたいと存じます。

 ただし、我々が協議に応じる前提として、菅総理の覚悟を求めました。端的に申し上げれば、国民に信を問うことです。それが菅総理のこれまでのお言葉に従った対応です。
 この解散には、もう一つ重要な意味合いがあります。すなわち、小沢元代表が民主党にもたらした問題は「政治とカネ」に留まるものではありません。小沢元代表に作られた偽りのマニフェストを基盤とし、小沢元代表の選挙の手腕によって得られた砂上の楼閣が如き多数の議席を清算することなくして、「小沢斬り」は貫徹し得ません。
 一昨年の夏、民主党マニフェストを片手に国民に幻想を振り撒いた全員が胸に手を当てて、国民への嘘で政権を簒奪したことへのけじめをいったん付け、新たなスタートをきることこそが、わが国が健全な民主主義を取り戻す唯一の途と考えます。

 わが党は、国益をまったく考慮せず国会審議をいたずらに混乱させるだけの卑怯な野党にはなりません。民主党政権の失政を徹底的に追及しつつ、自民党の政策ビジョンを国民の前に堂々と示し、政権に代わり得る選択肢となる所存です。

 国家財政の一事を見るに、2年連続で借金が税収を上回るという異常な事態が続いています。我々政治が、このような国家的危機に対する認識を一にしたうえで国民の信を問えば、その後あらためて共にその危機を乗り越えていくことは可能であると考えます。
 私はその覚悟を胸に、消費税を含む税制抜本改革をはじめ、わが国の未来を切り開く改革を実現する為の解散総選挙を菅政権に強く求め、歴史を大きく前に進めて行きます。

shige_tamura at 13:48|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!自由民主党 

NHKスペシャル「日本の選択 極東有事」~日本は何をするのか~

ブログランキングに参加しています。
↓↓↓貴方の応援クリックが明日の活力になります↓↓↓

こちらをクリック

「秘蔵映像」
NHKスペシャル「日本の選択 極東有事」~日本は何をするのか~
ビデオをご覧ください。

僕も登場しています。

当時、大きな反響を呼びました。


1996年11月17日放映、橋本内閣を境に日米の安全保障は大きく動き始めました。

2009年の政権交代がもたらした日米安全保障の揺らぎ、そして周辺国の脅威の増大。今後の日本の防衛政策の在り方を考える上でも貴重な映像です。

岬龍一郎氏が日本論語研究会に登場!

ブログランキングに参加しています。
↓↓↓貴方の応援クリックが明日の活力になります↓↓↓

こちらをクリック
 
 「日本論語研究会」の予定です。

 いよいよ、岬 龍一郎氏が登場します。

*会場は、全て慶應大学・三田キャンパスです
 (港区三田2-15-45)(JR田町、地下鉄三田下車)

第68回
1、日 時 2月5日(土)16時30分~18時
2、場 所 慶應義塾大学 第1校舎1階 109番教室 
3、講 師 岬 龍一郎(評論家、人間経営塾主宰)
     (テーマ、日本人の忘れもの)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

第69回
1、日 時 3月12日(土)16時30分~18時
2、場 所 慶應義塾大学 第1校舎1階 102番教室 
3、講 師 安岡定子(文の京・こども論語塾講師)
     (テーマ、こども論語塾の6年間)
第70回
1、日 時 4月2日(土)16時30分~18時
2、場 所 慶應義塾大学 第1校舎1階 102番教室 
3、講 師 高峰康修(NPO法人岡崎研究所 特別研究員)
(テーマ、勝海舟―その功績と人となり)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
〇参加費 無料です。
〇問い合せ先  田村重信(代表幹事)
 Eメールstamura@hq.jimin.or.jp へ連絡下さい。電話―3581-6211(職場)                    
日本論語研究会事務局〒105-0002 港区三田2-15-45 
慶大・南館20510 小林節研究室 気付
(参考)日本論語研究会の日程と研究会の内容は、日本論語研究会のホームページhttp://www.rongoken.jp/index.htmlに掲載しています。

2011年01月25日

自衛隊情報保全部隊を使っての不当調査について、自民党国防部会報告

ブログランキングに参加しています。
↓↓↓貴方の応援クリックが明日の活力になります↓↓↓

こちらをクリック

 今朝の自民党国防部会は、テーマが「自衛隊情報保全部隊を使っての不当調査について」で、石破茂政調会長も出席して開催された。

 岩屋毅国防部会長は、冒頭「問題の発端は事務次官通達で、その撤回を求める。いつから、自衛隊が秘密警察になったのか」と厳しい意見を述べた。

 その後、防衛省は「佐藤正久議員は調査収集の対象になっていない」と説明。


 佐藤正久議員は、「私は、危険人物と言われ、チェックされている。ここで監視対象になっていると言えるはずがない。
 私は、民主党のインド洋の給油支援を止めたことを批判したが、自衛隊を一度も悪く言ったことはない。

 今回の問題は、事務次官通達から来ている。」と指摘した。


 その後、柴山昌彦、赤澤亮正、平沢勝栄、宇都隆史、中谷元、浜田靖一、小野寺五典、稲田朋美、江渡聡徳、片山さつき、といった多くの議員から質問・意見が出された。
 

 最後に、石破茂政調会長が「佐藤正久議員、田母神さんの集会に行ってもいい。そこで、政権批判があってもいい。だが、クーデターはダメだが。自衛隊・個人の参加は良い。
 
 守るべきは、時の政権ではなく、イラクに行ったときに、働きかけがあった時など、そうした妨害から守るものだ。

 情報保全隊は、何をやるべき部隊なのか。日本中が大混乱している。

 事務次官通達は、憲法に抵触する違法なものだ。

 どうしてこんなものを出したか、次官通達は政務三役が見ないで出すことはない。

 違法な通達、これは官僚の良識を疑う。

 民主党は、インド洋から海上自衛隊が引いた時から間違っている。」と発言した。


 さらに、岩屋毅国防部会長が「今後、予算とも関連する自衛隊情報保全部隊は議論する。事務次官通達は、言論及び結社の自由を脅かす、撤回を求めていく」と締めくくった。




 今日の産経新聞「主張」、「自衛隊員監視」「恣意的運用ではないのか」を以下掲載する。


 防衛省の防諜部隊、「自衛隊情報保全隊」が陸上自衛隊OBの佐藤正久自民党参院議員や田母神俊雄元航空幕僚長の講演に潜入し、現職自衛官の参加状況を監視していた問題が表面化した。
 佐藤議員らの講演では参加した自衛官の氏名がチェックされ、講演内容と併せて報告書として提出されたという。
 佐藤氏や田母神氏が民主党政権の防衛政策に批判的な発言をしていることが監視対象なのか。これは思想統制にほかならず、組織の恣意(しい)的な運用というしかない。

 機密情報の流出や自衛隊へのスパイ活動の防止が、保全隊の役割だ。それがなぜOBの講演を監視する必要があるのか。本来の任務とかけ離れた活動は、自衛官の思想・信条の自由を侵害していた疑いを持たれてもやむを得まい。

 防衛省は昨年11月、民間人の政権批判を封じる「事務次官通達」を出したことでも、情報統制や言論封じだと厳しく批判された。思想や言論の自由など、民主主義国家の根源的な価値を損なう問題が相次いで浮上するのは、極めて危険な兆候である。

 異論や批判は認めないといった民主党政権の政治判断があるなら断じて許されるものではない。
 枝野幸男官房長官は「報道されたような事実があったとは認識していない」と述べたが、今回の保全隊の監視活動問題は徹底調査すべきだ。とりわけ、北沢俊美防衛相がこの問題にどう関与していたかを明らかにする必要がある。

 昨年の事務次官通達は、自衛隊の後援会幹部による「民主党政権は早くつぶれてほしい」との発言に反発した北沢防衛相らが主導して出し、自民党などの撤回要求にも応じていない。自衛隊員の政治的行為は自衛隊法などで制限されているとはいえ、政権批判を行う人物を遠ざけ、思想や言論の自由を侵すことは許されない。

 自衛隊情報保全隊は平成21年に陸海空3自衛隊の情報保全隊を統合して新たに編成され、約千人の隊員を擁する。外部の働きかけから自衛隊部隊を守るため、資料・情報収集などに当たっている。

 16年前、オウム真理教信者の現役自衛官がハイテク技術を盗み出そうと三菱重工業の施設に侵入、逮捕される事件があった。こうした外部組織、団体からの浸透を防ぐことこそ、保全隊の存在意義だと改めて肝に銘じるべきだ。

ランキング一覧

人気blogランキング

人気blogランキングに参加しました。
応援よろしくお願いします。
月別アーカイブ
最新コメント