2009年10月

2009年10月30日

島尻安伊子参議院議員代表質問

 私は、自由民主党・改革クラブを代表して、鳩山内閣総理大臣の所信表明に対しご質問いたします。

一、普天間飛行場代替移設問題について

 鳩山総理、総理のわが会派の代表質問へのご答弁は、あまりにも抽象的で困惑いたしております。 これからおたずねする「普天間基地代替移設問題について」は、沖縄の130万県民が注視していることをご認識の上、明確なご答弁をどうかお願いいたします。

 この普天間基地移設問題で、政府、関係閣僚の日替わり発言による、極めてあやふや、かつ無責任な姿勢は、与野党を超越し、沖縄県民を愚弄・翻弄するものであり、このことに対し怒りを禁じ得ません。鳩山総理はじめ関係閣僚の見解を統一し明確にしていただくとともに、困惑している県民に対して心からの謝罪を求めます。

 沖縄県は、ご承知のとおり空手発祥の地であります。「空手に先手なし」との空手道精神からもおわかりいただけるように、沖縄県民は本来争いを好まない県民性であります。ところが、軍事基地を受け入れざるを得ない局面において、常に賛成・反対で二分され、家族でさえも意見の対立でぎくしゃくするようなことが間々ありました。そのような苦渋の選択を常に強いられながら、また、筆舌に表わしがたい目にあっても、ここまで譲歩してきたのは、他ならない、愛する日本国の、そしてアジアの国々の安全保障を担う立場にあるのだという沖縄県民の誇りと自負心からであり、決して「基地の負担軽減」だけを求めるのではなく、「抑止力の維持」についても真正面から向き合ってきたのであります。
 しかし一方で、県民は、もうこれまでの賛成・反対のいわば基地の呪縛から解き放たれ、未来への自由な一歩を踏み出していくことを望んでいることも事実であります。ゆえに、橋本・クリントン会談以降、政治をあずかる先輩方がその政治生命をかけてまでも、この困難きわまる移設問題について薄紙をはがすように前進させてきたのであります。そのような県民感情の機微にかかわる問題だということへの認識が、鳩山内閣にはあまりにもなさすぎると憤りを感じます。所信表明で述べられた「沖縄県民の思いをしっかり受け止める」と本気でお考えなら、今回のような事態はおこらなかったはずです。鳩山総理のご見解を伺います。

 民主党は選挙前、鳩山総理をはじめとする代表経験者が沖縄入りし、県内各地で「普天間基地の県外、国外移転」を声高に訴えておられました。それが衆議院選挙の民主党マニュフェスとでは「県外・国外」をあえて書きこまず「米軍再編の見直し」とトーンダウンさせ、鳩山内閣発足後は関係閣僚のバラバラ発言、防衛大臣は辺野古案容認を示唆し、外務大臣は昨日の参議院本会議で「外務大臣として」嘉手納統合案を主張され、挙句の果てに、総理・官房長官の「政治主導だから、関係閣僚がいろいろな意見を述べてもいい」とのご発言には、開いた口がふさがりません。

 閣僚の皆様、お願いですから大臣発言の重みをご認識いただけませんでしょうか。その政治主導のせいで、沖縄県民がこれだけふりまわされているのです。これでは日米の信頼関係はおろか、基地の受け入れ先である沖縄県民との信頼関係も失ってしまいます。結果、普天間飛行場は現状のままという最悪の事態になることを危惧しております。あらためて、民主党が選挙前に県民に対して訴えていた「県外・国外案」の根拠と実効性をここで示していただいたうえで、なぜ国家の安全保障上きわめて重要な防衛政策の一つであるこの問題について、関係閣僚の発言に隔たりがあるのか、説明責任をはたしていただきたい。鳩山総理、そして官房長官のご見解を伺います。

 そもそも普天間基地代替移設問題は、2004年8月に普天間飛行場に隣接する沖縄国際大学キャンパスに米軍ヘリコプターが墜落したことからも、その危険性の除去のためにも一刻も早く解決すべき問題であることは周知のとおりであります。2006年5月、日米両政府が「再編実施のためのロードマップ」に合意、その後「グアム協定」も承認され、2014年の辺野古移設完了に向けて、ひとつひとつ積み上げてきております。さらに、沖縄県知事より環境影響評価の知事意見も提出され、政府におかれましてはその評価書の作成という段階までたどり着いているわけであります。鳩山総理、これまでの政権で13年間何も動かなかったじゃないかとおっしゃいますが、大変失礼な話です。この間、日米両政府、そして沖縄県関係者が血を吐くような思いをして構築してきたこれまでの努力をご存じないということでしょうか。民主党はグアム協定に反対をされてきましたが、これらの工程すべてをゼロにし、新たに移設受け入れ先を見つけ、すべて解決できると本気でお考えなのでしょうか、見解を伺います。
 また、この問題は何も沖縄だけの問題ではありません。在日米軍再編という大きなくくりの中で、その根幹である普天間基地移設が頓挫した場合、厚木、岩国、座間などで行われる、空母艦載機の移駐、在日米軍陸軍司令部の改編、嘉手納からの訓練移転などにも多大な影響が出るということであります。

 先日のゲーツ米国防長官の来日に際して、鳩山総理はじめ関係閣僚との会談について、米国ワシントンポスト紙は「いまやもっとも厄介なのは中国でなく日本」とする米国務省高官の発言を引用する記事を掲載しております。まさに国益を損じる事態であります。鳩山総理は日米同盟が日本外交の基本である」としておりますが、このような有様では在日米軍再編自体の履行が難しくなり、ひいては日米間の信頼を損ない、北朝鮮の拉致被害者問題の解決・核問題・日本周辺国の軍事力増強といった我が国の安全保障上の問題について、はたして米国の協力がえられるのかという疑問も生じます。現政権の外交防衛政策の甘さ、無責任さを露呈してしまったようですが、どうか鳩山総理には、バーチャルな世界でなく、厳しい現実の世界をしっかりと見据えていただき、我が国の安全、国民の生命・財産を守る責任を一国の総理大臣としてしっかりとご認識いただき、強固な日米関係の構築にご努力いただきたいと思いますが、見解を伺います。

 嘉手納統合案について、外務大臣のご見解をお伺いいたします。この案件については、これまで日米間で議論し尽くされた結果、実現は難しいという見解が出されております。当事者である嘉手納町長は、その騒音の問題からも、またこれ以上の負担は限界を超えるとして断固受け入れには反対を表明しております。それでもこの案を進めようとしているのは、現地の混乱を招くだけだと考えますが外務大臣の見解を伺いますとともに、この嘉手納統合案に対する防衛大臣のご見解もお聞かせください。

 福島大臣にお尋ねいたします。与党三党合意において「米軍再編の見直し」を謳っておられます。社民党党首として、皆様方のおっしゃる「見直し」というのは辺野古案以外なら県内も認めるということでしょうか。日頃「基地のたらい回し」は絶対に認めないと訴えておられますが、今回の嘉手納統合案に関する外務大臣発言は明らかな合意違反にはならないのでしょうか。いつもの福島大臣らしい、歯切れのいい明確なご答弁をお聞かせください。

 鳩山総理は普天間基地代替移設問題について「来年一月に行われる名護市長選挙後」「一一月の県知事選挙までに結論を出す」とのご発言をなさいました。一国をあずかる総理としてこれほど無責任なことがあるでしょうか。国家の安全保障にかかわる問題を「大事なのは県民の総意」などと称して総理として自らの判断を避け、逃げ、この重い苦渋の選択をまたまた沖縄県民におしつけるのですか。あまりにもひどすぎると言わざるを得ません。まさに言語道断であり、「友愛」の精神が泣いております。確かに地元の意見は大切でありましょう。
 が、しかし、その前に政府はこの問題に対し国家としての明確な方針、ビジョンを示すべきであります。それを抜きにして自己の責任を逃れ、沖縄県民の総意を問うなどというすり替えは、姑息としか言いようがありません。総理、沖縄県民をこれ以上、同朋、相、敵対させるようなことはおやめください。地方の小県にこれ以上の責めを負わせるのではなく、内閣総理大臣として、自らの意思と責任で自国の平和と安全を維持するための決断を下すのが最高責任者たる責務と考えますがいかがでしょうか。決断として、「県外・国外」とするならその具体案を示すのはもちろん、辺野古以外の「県内」をお考えならその場所を明確にしていただきたいと思います。しかしその先には、あの13年前、名護市民を二分し争われたように、他地域に飛び火した新たな火種、いえ、炎は混乱の度を増しマグマが噴き出す可能性があることをご覚悟ください。総理のご見解をお聞かせください。



二,護衛艦「くらま」と韓国コンテナ船との衝突事故について

 一〇月二七日午後七時五六分、関門海峡で護衛艦「くらま」と、韓国のコンテナ船「カリナスター」との衝突事故がありました。 我が党も直ちに岸信夫前防衛政務官を現地に派遣しておりますが、なぜこのような事故が起こったのか、現在わかっている状況を防衛大臣、ご説明ください。昨年護衛艦「あたご」が痛ましい事故を起こし、二度と同じような事故を繰り返すことのないようにと自衛隊として再発防止を徹底させていた矢先で、大変残念に思います。現在調査中とのことでありますが、関門海峡海上交通センターや航行管制官からの聞き取りなど十分な捜査がなされますようお願いいたします。また、「あたご」の事故の際、捜査のために長期間にわたり艦船が拘束され、その際全く事故とは関係のない乗組員までもが拘束されたとお聞きしましたが、捜査に支障のないようにするのはもちろんのことですが、拘束の期間の乗組員へのご配慮を合わせてお願いいたします。


三,インド洋給油継続問題、アフガニスタン支援について

  次に、インド洋での給油継続問題、アフガニスタン・パキスタン支援問題についてお伺いたします。
 安全保障は国家がなすべき、非常に重要な仕事の一つであります。国民の安心・安全を守る、これを疎かにして政権を運営する資格はありません。
 しかし、普天間のみならず、政府の安全保障政策は揺れ続けております。総理をはじめとする閣僚間の発言の食い違い、ぶれは諸外国、特に北朝鮮など周辺諸国にどのような印象を与えているでしょうか、心配でなりません。
 政府は、インド洋で行われている給油活動は継続されないとのことですが、この支援がなぜ始まったか、ぜひ、与党の皆様にも国民の皆様にも思い起こしていただきたいと思います。
 二〇〇一年、私たちは信じられない光景を目の当たりにいたしました。世界貿易センターに突き刺さるユナイテッド航空一七五便、崩れ落ちるビル、逃げ惑う人々。 二九七三人もの命を一瞬で奪ったテロであり、日本の犠牲者も米、英に次いで3番目という事実を深刻に受け止めなければなりません。この残忍なテロ行為が二度と繰り返されることがないよう、国連決議の要請に基づき、日本国憲法の下、テロとの戦いに最大限貢献するにはどうしたらいいか、当時の政権が最大限の知恵を絞った結果の選択であり、インド洋上に、各国艦船が展開することによって、テロ組織の人とモノの流れを遮断し、ヘロインなどの密売を阻止し、資金源を断つことができる効果的な支援策であります。
 北澤大臣は、就任の記者会見で、給油活動について成果が上がっているとの声は極めて限定的だとのご発言をされたと伺っておりますが、今月八日には、アフガニスタンのISAFの任務延長をめぐる国連安保理の新決議案で「不朽の自由作戦」参加国へ対し、昨年に続き謝意が述べられました。当然、わが国の海上自衛隊の給油活動も対象であります。
 来日したゲーツ国防長官からも、補給支援を高く評価する旨のご発言がありましたし、岡田大臣がパキスタンを訪問された際、ギラーニ首相から、支援継続への期待が表明されております。北澤大臣は何を持って国際的評価が高くないとの認識をお持ちになっていらっしゃるのか、まったくもって理解不能であります。
 加えて言えば、就任会見でインド洋給油を継続しない理由として、「これはもっといえば、イラク戦争の、そもそもの発端からして疑義がある」と発言されておられますが、そもそもインド洋への海上自衛隊派遣とイラクへの自衛隊派遣はまったく別のオペレーションであり、派遣根拠法も異なります。 これを一緒にするご発言は自衛隊員二十七万人のトップに立つ方のお言葉としては全く不適切であると考えますが、北澤大臣のご見解をお聞かせください。
 一方、政権内には、給油の意義を認める方がおられます。防衛省の長島政務官は、国会の事前承認をつけて活動を継続すべきだと、堂々と述べておられます。
 現在は閣内不一致に配慮し、本心を隠していらっしゃるようですが、前原国土交通大臣も旧法成立時には、現段階でベストだとの認識を示しておられました。民主党としても新旧どちらの審議の時も国会の事前承認の規定が入れば、国会で賛成するとのお話をいただいていたと記憶しております。つまり、民主党は給油活動のテロ抑止効果自体は認めていらっしゃるわけです。
 このたび、我が党は議員立法で、補給支援継続の法案を提出いたします。是非、積極的にご議論いただきたいと存じます。
 もし、新法、旧法の審議の時とは、アフガニスタンの状況が変わっているとお考えであれば、関係各国のニーズの低下を具体的に示すとともに、テロ抑止への有効性がどう変化しているかを、鳩山総理、具体的に示していただきたい。

 政府は総理のおっしゃる「大きな文脈の中で」、パキスタン、とりわけアフガニスタンに対し、農業支援や、職業訓練など、新たなアフガン支援策を模索する姿勢を示していらっしゃいます。
 しかし、現在残念ながら、アフガニスタンの治安は日増しに悪化しております。
 一昨日には、首都カブールで武装勢力の一団が国連職員宿泊用の民家を襲撃、人質をとった上で立てこもり、治安部隊との間で銃撃戦が起きました。国連の外国人職員六人を含む十二人が死亡されたと伝えられております。この事件に対し、タリバンが犯行声明を出し、今回の攻撃は大統領選に向けた「第一撃」であり、今後もテロを繰り返すと予告しております。
 テロは決して許さない、その姿勢を自民党は、政権交代しても変えるものではありませんが、このように治安が悪化しているアフガニスタン本土へ本当に文民を派遣することが可能なのか、またその安全を確保できるのか、疑問を持たざるをえません。
北澤大臣は民生支援だけで代替案になるのかと懸念をもっていると、発言されておりますが、総理は、自衛隊をアフガニスタン本土へ送ることをお考えでしょうか? ご見解をお聞かせください。

 給油をやめ、お金だけを払い、新たな民生支援、文民派遣も打ち出せないとなると、アフガンで忍耐強く治安回復のための活動を続けている米国やNATO諸国を見放したというようなメッセージにならないでしょうか。このことが、日米同盟に悪影響を与え、NATO諸国の信頼を裏切ることにはならないかと心配しますが、鳩山総理のご見解を求めます

 鳩山総理、私は事あるごとに「民意」を持ち出す皆様方に強い違和感を覚えるのであります。ある新聞の論壇に、「政治の世界は、やもすると自らの方針に合う民意だけをくみ上げがちであります。しかし民意の見極めというのは、なかなか悩ましく、難しいものです。」とありました。続けて政治家は「民意」という姿なきものに振り回されることなく、「民意」による「統制する試み」を謙虚に受け止めて、真摯に政治を行ってほしいとしめくくられております。まさにこの精神の先にこそ成熟した民主主義があるのだと思います。総理どうか「民意」を見誤ることなく、一刻も早いご決断をお願いしつつ次の質問にうつらせていただきます。

日本論語研究会に鍵山秀三郎・(株)イエローハット相談役が登場します

春日山「日本論語研究会」の予定
*会場は、全て慶應大学・三田キャンパスです
 (港区三田2−15−45)(JR田町、地下鉄三田下車)

*日本論語研究会のホームページhttp://www.rongoken.jp/index.htmlできました。

第54回
1、日 時 11月14日(土)16時30分〜18時
2、場 所 慶應義塾大学 第1校舎1階 102番教室
3、講 師 鍵山秀三郎・(株)イエローハット相談役
      (テーマ、日本を美しくするために)


第55回
1、日 時 12月5日(土)16時30分〜18時
2、場 所 慶應義塾大学 西校舎2F527教室
3、講 師 邱淑恵(キュースーエ)・中国健康コンサルタント)
      (テーマ、顔回について)
高橋大輔(日本論語研究会幹事)
(テーマ、論語研究会こそが現代の松下村塾)

第56回
1、日 時 1月9日(土)16時30分〜18時
2、場 所 慶應義塾大学 第1校舎1階 102番教室
3、講 師 田村重信(日本論語研究会代表幹事)
      (テーマ、6年目を迎えた日本論語研究会―参加者からの意見)

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〇参加費 300円(家族は2人以上で500円、学生は無料です)
〇問い合せ先  田村重信(代表幹事)
 Eメールstamura@hq.jimin.or.jp へ連絡下さい。電話―3581−6211(職場)                    
(参考)日本論語研究会の日程(2週間前と1週間前に2回)と研究会の内容などは、ブログに掲載しています。 ブログ「たむたむの自民党VS民主党」http://tamtam.livedoor.biz/

自民党・小池正勝参議院議員代表質問(参院本会議)

(21・10・30)

 私は、自由民主党・改革クラブを代表し、鳩山総理の所信表明演説に対し、地方の立場から質問をいたします。
 総理は、「国民の命と生活を守る政治」、「地域主権の実現」、「無駄遣いの徹底的な排除」を訴えられました。どうか、その初心を忘れず、今後とも日本国と国民のために全力を尽くしていただきたいと思います。
 問題は、その政治理念をいかに具体的に政策として実行していくかにあります。

(地方との協議)
 まず初めに、補正予算執行停止についてお尋ねいたします。
 民主党は先般の総選挙において、「地域主権の確立」と「国と地方の協議の場の設置」を訴えられました。このことから、国が決定したことを、まさか一方的に地方に押し付けるようなことはないと、地方の皆様は考えておられるのではないでしょうか。
 しかしながら、今般の補正予算執行停止について、地方と協議した形跡はまったく見られません。補正予算が五月末に成立したことを受け、地方議会は六月定例議会、および九月の定例議会で地方負担分について補正予算を組み、事業を執行する準備を進めていたことはご承知の通りであります。そこに降って湧いたように執行停止がなされ、地方自治体に大きな混乱が生じ、地方住民も困惑しています。こうした混乱について、総理はどのように受け止められておられるのか、また、なぜ執行停止するにあたって地方と相談をされなかったのか、その理由をお聞かせ下さい。
 先日の所信表明演説でも、「地域のことは地域に住む住民が決める」とおっしゃったことと矛盾しませんか。お尋ねします。

(子育て応援特別手当)
 例えば、「子育て応援特別手当」について具体的に伺います。
 この手当を政府は一方的に執行停止いたしました。これは、早期の支給を心待ちにしていた子育て世帯の期待を踏みにじるものであります。しかも、全国の市町村では議会の議決を経て事業費が予算化され、給付申請手続について既に広報がなされています。しかも、ドメスティック・バイオレンス被害者にあっては、十月一日から申請の受付が始まるなど、事業は既に進行しているのです。
 にもかかわらず、一方的に執行停止したことは、住民や自治体の現場に大きな混乱を与えています。また、国と地方の信頼関係を損なうものです。このような一方的な執行停止が許されるはずはありません。
 「国と地方の協議の場」はあったのでしょうか。これが「地域主権の実現」と言えるのでしょうか。まさに正反対ではありませんか。ご見解を伺います。
 また鳩山内閣は、子育てを応援するため、来年度から「子ども手当」を支給するとしています。来年の「子ども手当」は必要で、今年の「子育て応援特別手当」はなぜ不要不急なのでしょうか。ムダなのでしょうか。明快なご答弁を求めます。

(森林整備事業)
 申し上げるまでもなく、平成二十一年度補正予算は、昨年秋に起こった経済危機に対する直近の対策と、中長期的な発展を図るための対策を主な柱に編成されたものです。
 この中から三兆円を執行停止するに当たり、総理は十月七日、記者団に対し、「ムダ遣いが補正予算の中に多く存在しているのではないかとの認識のもと、まずは補正予算の中のムダ遣いはなくそうということで各省庁が全力を挙げて見直しを行った」と述べられました。
 ところが個別の事業を見ると、なぜ執行停止されたのか理由が判然としない事業も多くあります。
 補正予算が執行停止された事業の中に、「森林整備事業」がありますが、森林は、二酸化炭素を吸収し、地球温暖化の防止に大きな役割を果たすばかりでなく、大雨の際に洪水や崖崩れを防ぐ役割を果たし、樹木は建築材料をはじめ多くの有用な資源として利用されています。また、菅副総理は、林業を雇用の場として期待している旨の発言を度々されております。
 「森林整備事業」は、間伐や路網整備を進め、間伐材の有効利用を図る事などを中身とする事業です。この事業の、どこがムダ、あるいは不要不急と判断されたのでしょうか。所信表明で、二十五%の二酸化炭素削減を目指し、「緑の産業を成長の柱として育てあげる」とおっしゃったことと矛盾しませんか。お尋ねします。

(地方消費者行政支援事業)
 次に消費者担当大臣に伺います。
「地方消費者行政支援事業予算」も執行停止対象事業となっておりますが、この事業は、地方の消費生活センターの設置・拡充、相談員のレベルアップ等の地方の取り組みを支援する事業であり、消費者庁を設置するにあたって、社民党も民主党も、消費生活センターの充実・強化を主張されていたと記憶しております。
 特に、福島大臣は社民党党首として、消費者庁設置法案審議にあたり、本年二月、センターの充実強化をはじめ地方消費者行政を抜本的に強化するよう、当時法案担当大臣だった野田消費者行政担当大臣に対して直接申し入れをされたのではないですか。
 そのご本人が、この事業の予算を、なぜムダ、あるいは不要不急な予算と判断されたのでしょうか。お尋ねします。

(地域医療再生臨時特別交付金)
 厚生労働大臣に、「地域医療再生臨時特別交付金」について質問いたします。この交付金についても政府は、七百五十億円を執行停止しました。
 徳島県をはじめ全国各地で、車で何時間も走らないとお産ができないという産婦人科医不足、子供が病気にかかっても小児科がなくて車で何時間も走らなければ小児科医に診てもらえない等、地域医療の崩壊が問題となっています。
 この交付金によって、「地域医療再生計画」を策定し、地域医療に関する諸問題を抜本的に解決しようと、全国各地で取り組んでいた矢先です。このような一方的な執行停止は、地域医療の再生に遅れが生じることはもとより、地域医療の崩壊が加速することにもなりかねません。
 医療の問題は命の問題です。これが「命を守る政治」と言えるのでしょうか。ご見解を伺います。なぜムダ、あるいは不要不急と判断したのか、お訊ねします。

(執行停止事業の解除)
 総理にお尋ねします。
 一旦、国会で議決され、地方も執行の準備を進めていた事業が、ムダあるいは不要不急な事業として、突然、執行停止されれば、地方が混乱することは明らかなことです。多くの都道府県から、執行停止の解除を求める意見書が政府に対し提出されていると聞いておりますが、当然のことと思います。
 地方から意見書が出ている以上、また、「国と地方の協議の場の設置」を約束されている以上、当然、再検討されると存じます。
 昨日、藤井財務大臣は「執行停止した事業について、来年度予算の中で復活させることもあり得る」と答弁されました。総理も、同じ考え方をされておられますか、伺います。
 今年度はまだ半年残っております。今後政府においての再検討をされ、ムダ、あるいは不要不急でないと判断が変わった場合は、執行停止を解除するお考えはあるのか、併せてご答弁下さい。

(暫定税率廃止に伴う補填措置)
 次に、来年度予算の編成方針、および今後の施政方針に関しお伺いいたします。
 まず財務大臣にお尋ねいたします。
 財務大臣は、再編された政府税制調査会の会長に就任されたと伺っております。民主党のマニフェストを拝見いたしますと、「自動車関係諸税の暫定税率を廃止する」とされており、財務大臣も廃止に意欲的な発言をされていると承知しております。廃止によって国税で約一・七兆円、都道府県税・市町村税で約八,000億円の減収が見込まれております。
 地方の減収分については、適切な補填措置を講ずるというだけで、具体策は示されておりません。また、肝心の地方交付税の増額について、総務省の来年度予算概算要求では、金額が明示されない事項要求として提出されています。
 財務大臣は、事項要求されたものについては、「断固査定する。ほとんど実現できないだろう」と述べられたとの報道があります。
 ただでさえ厳しい地方財政が、暫定税率廃止によって減収となれば、多くの自治体が財政破綻に追い込まれることも考えられます。これでは「地域主権を確立し、第一歩として地方の自主財源を大幅に増やします」という総選挙の公約に逆行することになりませんか。
 どのような方針で今後望まれるお考えか、お答え願います。

(原子力政策)
 総理は九月に開かれた国連気候変動首脳会合で、日本の温室効果ガスを二〇二〇年までに、一九九〇年比で二五%削減するとの目標を発表されました。
 温室効果ガスの排出を削減するためには、エネルギー源を化石燃料から非化石燃料に転換していくことと、使用エネルギーを減らしていくことの両面の対策が不可欠です。
 まずエネルギー源の転換促進策、とくに原子力発電政策についてお伺いします。
 現在、非化石燃料である原子力による発電は、総発電量の三分の一を占め、今後ますます重要性を増しております。民主党のマニフェストを拝見しますと、「原子力利用について着実に取り組む」と記されており、この方針に基づき、小沢環境大臣は鹿児島県川内市に建設が予定されている原発3号機について、温室効果ガス排出抑制のために3号機を最大限活用することを求める意見書を経済産業大臣あてに提出されたと承知しております。
 一方、連立を組まれておられる社民党は、マニフェストに「脱原発をめざす」と謳っており、福島党首は、川内原発については問題がある旨発言されたと伺っております。
 福島大臣に伺いますが、政府与党になったことにより、原子力政策についての方針を転換されるお考えはありますか。お答え下さい。
 また総理は、原子力発電について、今後どのような方針で進めていかれるのか。また、プルサーマル計画を含め、核燃料サイクルを今後どのように進めていかれるお考えか伺います。

(エコポイント制度、エコカー補助・減税)
 温室効果ガス削減のための、省エネルギー政策について伺います。
 部門別の二酸化炭素排出量の推移を見ますと、産業部門では減少しているのに反し、家庭部門は増加が続いております。燃料別の内訳では電気からが四十二%、ガソリンからが二十七%と、この二つで全体の七割を占めています。すなわち家電製品と自家用車からの排出が七割を占めているわけです。
 そこで、麻生内閣では、地球温暖化対策と景気浮揚対策の二つの効果を図るため、省エネ家電の購入を促す「エコポイント制度」と低燃費車への買い替えを支援する「エコカー補助およびエコカー減税」を実施することといたしました。
環境大臣は、来年4月以降も実施すべきとのお考えのようで来年度予算の概算要求に盛られたが、経済産業大臣は概算要求に盛り込まなかったと伺っております。
政府として今後どのような方針で臨まれるのか総理のご所見を伺います。

(中小企業減税・予算)
 今日、地方経済は非常に厳しい状況にあります。
 公共事業については来年度予算を十四%削減する概算要求がなされており、地方の建設業は今後さらに厳しい状況に追い込まれることになります。
 中小企業については、「町の小さな会社や工場を支える」ため、「中小企業の法人税を十一%に引き下げます」と公約されました。
 ところが峰崎財務副大臣は十月二十二日の記者会見で、「鳩山首相の諮問に入っていない」と述べられ、来年度税制改正には盛り込まない見通しを述べられています。なぜ公約を諮問しなかったのか、ご答弁をお願いいたします。
 また、民主党は総選挙の公約で、中小企業予算を三倍に増やすとしておりますが、来年度予算の概算要求では六・四%の増加にとどまっております。今後三倍増に向け、どのように対処していかれるお考えか、併せてお答え下さい。

(農業政策)
 いずれにしても、こうした政策を実行していけば、地方の経済を底上げするどころか、冷やすことになりませんか。地方経済の現状と今後の地方活性化策について、総理はどのように考えておられるのか、ご所見を伺います。
 地域経済を支えるいま一つの主要産業である農業の問題について総理にお伺いいたします。
 民主党は前回の参議院選挙、つまり、平成十九年の選挙で、農業の戸別所得補償制度をマニフェストに掲げられ、我が自民党は農村部で惨敗いたしました。
民主党の、「すべての農家の所得を直接補償する」というスローガン、この言葉に皆振り回されてしまい、どの農家も一律に所得が補償されるという、バラ色の生活が実現されるかのような錯覚に陥ってしまったのです。
 しかし、このたび政府が示された戸別所得補償制度に関するモデル対策を見て、今までの宣伝は何だったのか、と全く拍子抜けしてしまいました。
 まずは助成対象ですが、すべての農家が対象ではなく、あくまでコメが中心であり、水田農家が対象であります。
 農業生産額、約九兆六千億のうち、コメは一兆八千億円に満たず、二割弱にすぎません。また、食糧自給率を高める目的もあるのであれば、余剰が生じ減反を実施している米作だけを対象とするのは納得がいきません。野菜・果樹・酪農等はどうなさるおつもりでしょうか。こうした生産物については、当面、自民党政権時代と同じ政策を続けられるのでしょうか。
 仮に、他品目にも助成を広げた場合、戸別所得補償に係る予算の総額はどの程度になるとお考えでしょうか。試算があればお示し下さい。
 この制度の前提としてお伺いしますが、民主党は農産物をはじめとする市場開放を主張していらしたと認識しておりますが、豪州や米国とのFTAをはじめとする農産物の市場開放が進められた場合、農産物の価格が暴落はしないのでしょうか。その場合、助成は際限ない金額になるのではないのでしょうか。
 さらに、この仕組みでは、全国で一律の単価を交付するため、コストを圧縮し、高く売れる商品を生産した農家もそうでない農家も、政府が同様に面倒をみるという、極めて不公平な制度のように思われます。これでは日本農業は産業として強くならず、いつまでも多額の税金をつぎ込まざるをえません。日本農業の根本的な問題である高コスト体質を変えない限り、日本の食糧安全保障に未来はないと考えますが、いかがでしょうか。総理のご所見をお伺いし、私の質問を終わります。

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2009年10月29日

自民党政策審議会長・林芳正氏の参院代表質問

一、 はじめに・政権交代の総括

 私は自由民主党・改革クラブを代表して、先日の鳩山総理の所信表明演説について質問致します。
 冒頭、間もなく11月12日を迎えますが、本年は天皇陛下ご即位20年という誠に喜ばしい年であり、国民こぞってお慶び申し上げたいと存じます。
 質問に先立ちまして、ここ数カ月間におけるたび重なる自然災害によって大きな被害を受けられた皆様方に対し、心よりお悔やみとお見舞いを申し上げます。また、政府には、でき得る限りの善後策を迅速にとられるよう要望致します。

 先の総選挙によって自由民主党は大幅に議席を失い、野党に転落をいたしました。 自民党は、世の批判に改めて真摯に耳を傾け、改めるべきは大胆に改め、真の国民政党として、日本の平和と発展のために、しっかりと再生を遂げねばならないと決意いたしております。
 国民の皆様の厳しいご叱責をいただいたなかで、幸い、多くの有権者のご支援をいただいたことも事実でありますし、また、「日本のために自民党がしっかり再生すべき」との声も非常に多くいただいております。
 われわれは、身を引き締めて、いかにして日本を豊かにしていくか、国会において真剣な議論を重ね、国民の皆様の期待にお応えしていかねばならないと思っております。
 選挙期間中も、「自民党には不満があり、民主党には不安がある」ということがよく聞かれました。政策の中身の問題なのか、物事をとらえるときの目線・姿勢の問題なのか、自民党に対する不満の中身を良く分析・検討する必要があります。そしてもう一度、立党の原点に立ち帰って、額に汗した努力が必ず報われる、又今努力出来ない状況にある人が、がんばれる状況になれるようサポートしていく、こうした保守の理念の再構築をしっかりやっていくことによって、再び国民の皆様の信頼をとりもどしていかねばなりません。
 一方民主党に対する不安が少しづつ現実のものとなってきております。選挙中にも「そんなうまい話しがあるのか」という声が多く聞かれましたが、「一度やらせてみようじゃないか」という大きな声にかき消されてしまいました。全体的にも個々にも随所に無理の多い民主党の政策を、今後十分な国会議論を通じて質していきます。
 今日はまず代表質問で民主党の政治姿勢と基本政策のありようについて限られた時間の中ではありますが、時間の許す限り問い質したいと思います。

二、 国家ビジョン

 自民党は、谷垣総裁も衆議院の代表質問で述べましたように、自助・共助・公助による絆社会を打ち立てたいと考えております。いきなり公助ありきの社会主義的な政策によって国民の自主性や活力を削いでしまうのではなく、国民のやる気が、元気がわく政策を行うべきです。
 全ての家庭にまんべんなく巨額の現金を支給するなどという政策を好況・不況にかかわらず続けるような政策では、その政策自体の持続可能性も疑わしいうえに、自助努力がおざなりにされ、「機会の平等」よりも「結果の平等」を指向するような活気のない国家になってしまうのではないでしょうか。
 民主党は、子ども手当をはじめとするさまざまな家計への給付や、企業に課す最低賃金の大幅な引上げや、郵政民営化の方向転換や高速道路の無料化などによる事実上の国有化など、家計・企業・国を通じて、極めて社会主義的な政策を数多く提唱していますが、そうした政策を積み重ねていけば、かつて “英国病”と言われた1970年代までの労働党政権下の英国や80年代のミッテラン社共連合政権のフランスのように、一時的にはバラマキ政策によって国民に喜ばれても、次第に国民の活力が低下していき、国家全体が国際競争から取り残される結果となり、政策転換を余儀なくされたのと同じことになるのであって、そのことは既に歴史が教えているところなのではないでしょうか。
 しかも、かつての英国やフランスに比し、今の日本は、はるかに厳しい状況におかれています。急激にすすむ少子高齢化、また急速に発展しつつある中国やインドなどの新興諸国との国際競争にさらされる今、なおさらそのような社会民主主義的な国家運営は日本の将来を危うくするものだと思いますが、総理の国家運営に臨む姿勢について明確にお答えいただきたいと思います。

三、 政策

1) マニフェスト
 まず、民主党のマニフェストに関してお尋ねします。
 月曜の総理の所信表明演説をお聞きしてがっかりしたのは私だけではないでしょう。そよ風のような心地よいお題目や、心温まるエピソードも結構ですが、この国をどうしていくかという国家ビジョンが、又その実現のための具体的方策が、全く見えてきません。熱い夏に飛ぶように売れたソフトクリームにはタネはないのかもしれませんが、タネを撒かねば来年の実りはありません。あなたが総選挙で掲げたマニフェストにはもう少しは具体性がありました。しかし所信表明演説では、総選挙であれほど高らかに謳った「マニフェスト」について一言も触れていません。新内閣発足後に各閣僚がそろってマニフェスト通りにやると口々に述べたにもかかわらず、そのマニフェストについて総理の所信演説で一切触れていないのはなぜでしょうか。「3党連立合意の下に」と言われましたが、民主党のマニフェストはそこに包摂されているということなのでしょうか。
 政権発足後の1か月半をみておりますと、マニフェストの位置づけは必ずしも明確ではなく、八ツ場ダムの中止のようにマニフェストに書いたので、地方の意見はどうであれ中止するという一方で、長寿医療制度の来年度からの廃止や歳入庁の発足はあっさりと撤回するなど、幾つもの軌道修正も行われています。そもそもマニフェストは、できもしないことを急場で熟慮なく造ったものが数多くあるように思われますが、政権としてどう位置づけるのでしょうか。マニフェストを変えるか変えないかは担当大臣の判断なのか、総理の見解をもとめます。
 また、民主党のマニフェストには、財政規律についてのビジョン・方針や経済成長戦略がありませんが、そうした国家運営の重要な指針について、いったいどうするつもりなのか、所信表明演説を聴いていても明確に打ち出されませんでしたが、いつ国民に示すおつもりなのでしょうか。
 既に各府省は概算要求を提出し終えていますが、今後、成長戦略が策定されるとしても、それは予算の裏づけのないものばかりになるのでしょうか。

2) 補正予算等
 続いて、補正予算の見直しなど、予算編成に関してお尋ねします。
 先日、今年度補正予算について、2兆9千億円余り執行停止するという決定をされましたが、政府として国会が議決した予算の執行をしないということは、「国権の最高機関」の決定に「執行の府」たる政府が従わないということになりますが、その法的正当性についてどう説明されるのでしょうか。なぜ正々堂々と減額の為の補正予算案をこの国会に提出されないのでしょうか。
 また、各大臣を「査定大臣」と呼んで各大臣に見直しをさせるとともに、行政刷新会議で「仕分け人」による見直しをするとのことですが、そうした実態は、財政法上では各大臣からの要求を財務大臣が査定するとされていることとの法的整合性がとれないのではありませんか。仕分け人の法的性格、正当性はどこにあるのでしょうか。
 そもそも、査定大臣が必要と判断して要求した国会対策の研修も済んでいないような仕分け人がムダだということはどういうことでしょうか。違った基準で判断するのでしょうか、それとも、政務3役が官僚に取り込まれたということでしょうか。
ムダの判定基準は、いったい何をもってどう決めているのでしょうか。執行済みかどうかというのは、ムダかどうかとは違います。3兆円に達するかどうかといのも、ムダかどうかではありません。BバイCすなわち費用対効果といった検証など、いったいどういう判断をしたのかも含め、査定プロセスの透明化を強調しておられるのですから、明確にお答えいただきたいと思います。
 また、補正予算を削減しても、それは単年度の財源でしかあり得ないのに、来年度以降恒久的に実施しようとする子ども手当をはじめとする新規政策の財源に充てるかの如き説明が聞かれますが、全くおかしいのではありませんか。
 補正予算の執行を停止して、それを今年度中の2次補正や来年度の当初予算で事実上繰り返すようなことでは、単に、景気対策の“政治空白”をもたらすだけのことであり、景気の二番底をもたらすだけです。査定大臣と名乗っていたにもかかわらず概算要求でそのような繰り返しの要求項目も多数含まれているそうですが、そのような「剥がして、またつける」というようなことはしないと明言できますか。
 先日の行政刷新会議の後、民間議員の稲盛・京セラ名誉会長は記者団に、「景気の二番底が言われている。削減をしていくと景気にいい影響は及ぼさない。それを承知の上で国民に一つ辛抱して頂きたい。(まず無駄を省いて、筋肉体質に変えていけば、次の景気回復の時には今まで以上に回復しているはずだ。)」と語りました。
 大変率直なコメントだと思いますが、総理もそれを追認するような発言をされたと報じられていますが、総理も景気は悪くなるが、国民には辛抱して頂くという考えだと理解してよろしいですか。失業者は361万人、10か月連続で増加しています。筋肉体質に変えていくという間にもっと増えていくのではありませんか。国民がどんどん疲弊していくことにいたずらに拍車をかけようとしているのではありませんか。
 そもそも民主党は、シーリングなどの単年度の財政規律も、プライマリーバランスの黒字化や債務残高のGDP比の引下げなどの中期的な財政健全化目標も、いずれも掲げていませんが、本来、予算編成に合わせてそうした方針を策定しておくべきなのではないでしょうか。昨日の谷垣総裁への総理の答弁で、「23年度以降、菅大臣のもとで、国家戦略室において、中長期財政フレームの策定を検討してまいります」と答弁されていますが、あまりにもおそくはないですか。すくなくとも平成22年度と23年度の予算は、こうした中長期財政フレームなしに編成をされるという事なのか財務大臣の見解をお聞きします。

3)成長戦略
 次に、成長戦略についてお尋ねします。
 つい先日、自動車メーカーのホンダが今後の設備投資は海外で行うことを決めたと報じられていますが、こうした動きが続けば国内の雇用が減ることは必定です。民主党は、経済成長戦略もないままに政権を発足させましたが、各府省がバラバラに個々の産業政策に取り組むというだけでは、調和のとれた効率的な成長は遂げられません。そうした成長戦略なきままに、概算要求を各府省バラバラに提出させたのですが、補正予算の執行停止にしても、概算要求にしても、確固たる成長戦略の下に策定を進めるのが本来あるべき姿であり、あまりにも闇雲で野放図と言わざるを得ないのではないでしょうか。
 そればかりか、民主党政権によって、円高容認と受け取れる発言が繰り返され、最低賃金の大幅な引上げが叫ばれ、製造業派遣の禁止が唱えられ、環境問題のとてつもなく高い目標が掲げられるような状況の下では、日本の将来性に疑問を抱いて雇用や設備投資を海外に移そうという動きが起こっても決して不思議ではないのではないでしょうか。
 実際、私のところにも、製造業の方から、「出て行けということですか」というため息まじりの声が届いています。日本経済は、政策による下支えから、民需主導の自律的回復へのまさにバトンゾーン、正念場にあります。今後の設備投資をどうするか、来年の採用をどうするか、といった大事な判断がまさに行われようとしている時に、政治が経済の足をひっぱってよい訳がありません。
 内需拡大というだけで経済がうまく回るのでしょうか。家計にばらまくというだけで消費が増えるでしょうか。今のような「雇用不安」のある急激な不況の下では、家計は消費に対して慎重・消極的で、貯蓄性向が高いと考えられます。民主党は太陽光パネル設置を含めたスクールニューディール政策や農地集積支援政策をやめてしまうとのことですが、生産面すなわちサプライサイドの政策についてどうお考えなのでしょうか。また、エコポイントなどもやめてしまうとのことですが、消費にインセンティブを与えるような政策はやめて、ただ単に家計にお金を渡すだけで本当に景気がよくなると考えているのでしょうか。
 われわれは今年度の1次補正予算を、未来志向で、中長期の成長戦略を踏まえて策定しました。民主党も、成長戦略を持っていたならば、単純に削減するということにはならなかった項目も多いのではないでしょうか。

 こうして見て参りますと、民主党の政策は、目先の耳当たりのよい政策の羅列ばかりで、中長期的な成長戦略もなく、また中長期的な財政規律意識も欠けており、このままでは21世紀版英国病のようなことになってしまうのではないでしょうか。短期の鳩山不況、中期の財政破綻、長期の英国病という国民の不安に総理はどういう具体策で応えていかれますか。

4)外交・安保
 次に、外交・安全保障についてお尋ねします。
 わが国の独立と平和と繁栄のために、外交・安全保障が重要であることは論を待ちませんが、相手のあるこの世界では信頼関係こそが大切であり、そのためには相手国との約束をきちんと守る姿勢というものが基本であると考えます。
 大切な信頼関係を維持するためにも、総理はもちろん閣僚の発言・発信は十分に統一性・整合性をもって外にでていかなければなりません。残念ながらこれまで、普天間移設問題一つとっても、耳を疑うような発言が相次いでいます。鳩山総理は党代表時代は「最低でも県外」とおっしゃいました。その後「時間というファクターで変化する可能性も否定しない」と状況次第では県内移設を認める可能性を示し、岡田外務大臣は「県外はない」「私は嘉手納統合案だと思う」とのべ、これに対し総理は、外相発言は個人的な考えとの見方を示し、「最終的に決めるのは私だ」とのべ、さらに北沢防衛大臣は辺野古移転に「選挙公約をまったくみたしていないと認識するのは間違いだ」、これに対し岡田外務大臣は「論理的に苦しい」、総理は「わたしは必ずしもそうは思っていない」とのべられています。このことがどれだけ沖縄の人の怒りをかっているか、同盟国米国にあやまったメッセージを送り続けているか。そもそも鳩山政権ではこのような国の大事な外交方針について関係閣僚間での調整というものを行われていないのではないか。またいないとすれば各閣僚がバラバラに勝手な事を発言される事はかまわないという事でしょうか。総理のご見解を質します。
 さらに岡田大臣には「県外は難しい」「嘉手納が選択肢」というご発言が個人的見解なのか確認致します。また、会見でそのことを断った上でその発言をされたのか確認いたします。
 3党合意書には「沖縄県民の負担軽減の観点から、日米地位協定の改定を提起し、米軍再編や在日米軍基地のあり方についても見直しの方向で臨む」と明記されております。福島大臣には県内移設がこの3党連立政策合意に反しないのかご見解をお伺いします。
 普天間の移設問題にしろ、日米地位協定の見直しにしろ、総理は再三発言がブレており、トップ・リーダーとしての定見なしに閣僚の意見をその時その時で追認しているだけのように見受けますが、そのようなことでは国家間の信頼は築けません。先日の日中韓首脳会談で、鳩山総理は「今までややもすると米国に依存しすぎていた」などと発言し、米国に無用の刺激を与えてしまったところですが、オバマ大統領の来日を前に、日米同盟のあり方をはじめ、普天間の移設問題や日米地位協定の見直しに対する総理の確固たるお考えをお聞かせください。
 また、総理はEUを念頭に「東アジア共同体」構想を示されましたが、東アジア諸国は、EU加盟諸国とは規模も政治体制も全く異なり、同様に考えるのは無理があるのではないでしょうか。また、貿易その他の経済協調には触れていますが、安全保障は取り扱わないのでしょうか。もしそうであれば、それは特段新しい構想とは思えませんがいかがでしょうか。「東アジア共同体」という7文字以外に具体的な構想をお持ちですか。
 インド洋の補給支援についても「単純延長はしない」とし「大きな文脈の中で対処していく」としていますが、「大きな文脈の中で」とはどういう意味でしょうか。
 鳩山内閣の外交は、海外の報道で“思いつき外交”などと揶揄され始めています。もっと継続性を重視し、国際的信頼関係を大切にする重厚な外交を行っていただきたいものだと考えます。

5)CO2
 次に、地球温暖化対策についてお尋ねします。
 総理はマニフェストに忽然と掲げた90年比25%削減という数字をいきなり国際公約として提示してしまいました。あまりにも実現可能性の乏しい法外な数字だと専門家や経済界などの間で反論も多いところであり、国際公約としてしまう前に、まず国内での検証や議論を十分に尽くすべきだったのではないでしょうか。
 このままでは、国民に膨大な負担を強い、日本経済と国民生活に極めて重い足かせをはめ、かつ、あげくの果てに国際的信用も損ねることになるのではありませんか。きちんとした科学的検証や国民的論議をまず行うべきだったのであって、日本がそんな高い目標を乗り越えられるかどうかについて、「私は確信しております」というだけでは、まったく非科学的で、国民はますます不安になるばかりではないでしょうか。

6)郵政民営化
 郵政問題についても一つお聞きしておかねばなりません。
 今回、鳩山内閣として、日本郵政株式会社の社長に財務次官OBの斎藤次郎氏を充てることを決めたと発表しましたが、郵政民営化をどうするかについて新政権として国民的議論を尽くし、きちんとした方向を決めてから人選をするべきだったのではないでしょうか。また、指名委員会の手続き等を経ないまま、総務大臣の認可権や財務大臣の議決権をも越えていきなり亀井大臣が事実上の指名をするというのは、法令の規定に基づくものとは言えず、株式会社の経営に対する政府の関与の仕方として越権であると言わざるを得ないのではないでしょうか。
 この人事は、明らかに“わたりのあっせん”そのものであり、天下り・わたりの根絶を主張していた民主党が自ら言わば政治主導でわたりをあっせんしたものにほかなりません。民主党は、野党時代に、官僚出身ということで日銀総裁人事に反対しました。退職後5年経った方は官僚出身だからだめ、14年たったらもういいだろうというのであれば、いったい何年経ったら「過去官僚」でなくなるのか総理の見解を求めます。

7)JAL
 日本航空の再建はその途上にあり、途中であれこれ言うつもりはありませんし、不測の影響を与えるつもりもありません。しかし、生きている会社のことであり、慎重に対処すべきです。新しい政策が不具合を巻き起こす可能性があります。そうした“政治空白や大臣の不用意な発言”による風評被害で生じた穴を、税で穴埋めするなど、国民の理解をおよそ得られないのではないでしょうか。国交大臣への見解をおうかがいします。

8)国と地方
 国と地方の関係についてお尋ねします。
 総理は「国が地方に優越する上下関係から、対等の立場で対話していける新たなパートナーシップ関係へ抜本的に転換」すると言われましたが、今回の予算の見直しにおいては、八ツ場ダムの中止をはじめとして、地方の関係者の方々から断腸の思いを吐露する声があがっているものが数多くあります。また、子育て応援手当の廃止のように、それこそ国と地方のパートナーシップで円滑に進めていたものを紙一枚で止めてしまうようなものもあり、鳩山内閣がやっておられることはむしろ「国が地方に優越する上下関係」を構築するようなことになっているのではないでしょうか。よもや、八ツ場ダム、川辺川ダムのように、民主党が立候補者を立てていないところでは例外だということではないと思いますが、地方に対する本当の意味でのパートナーシップを実行していただきたいと考えますがいかがでしょうか。

9)八ツ場ダム
 八ツ場ダムについてお聞きします。前原国交大臣は先日この問題について、治水・利水の観点から再検証をされるとおっしゃっておられますが、そもそもマニフェストを作ったときにこうした検証を全くせずに中止を決めたのですか。なぜ川辺川ダム、八ツ場ダムの二つが明示的に中止で、他と区別されたのか根拠をお示し下さい。関係都県の知事がおっしゃっておられるように再検証するなら中止を撤回すべきだと思いますが、大臣の見解を問います。

10)行革
 この国会に提出予定の国家公務員給与法についてもお聞きします。民主党はマニフェストにおいて、新規の政策の為の財源の一つとして人件費2割カットで1.1兆円とかかげています。当然のことながら人件費を2割カットするためには給与を2割引き下げるか、定数を2割削減するか又その組み合わせが必要となります。来年の給与がこの給与法にあるように人事院勧告通りになるとすれば、給与は今年とほぼ同水準ということであり、定員を2割カットしなければマニフェストにあげられた1.1兆円の節約は出来ないことになります。先般出された概算要求には当然定員2割カットが前提となって提出されていると考えますが財務大臣に見解を求めます。

四、政権運営・政治姿勢

 ほかにも多々お尋ねしたいことがありますが、改めて各委員会等の場でお伺いすることとしつつ、最後に総理の政治姿勢にかかわることをお聞きします。総理は先日、「国民が赤字国債を増やすなというならマニフェストの見直しもあり得る」という趣旨の発言をされましたが、2つの意味でおかしいのではありませんか。
 まず、子ども手当等や高速道路の無料化などあらゆるばらまきをして本当に大丈夫なのかという疑問に対して、あなたは「日本の大掃除をいたしましょう」とか「まったく心配しておりません」と言いつのり、ムダ排除で財源は十二分に確保できるとしていたのに、いつの間に財源を赤字国債に頼らざるを得ないかの如き話になったのですか。議論のすり替えも甚だしく、公約違反を誤魔化そうとするものであります。
 また、「国民が(赤字国債の増発を)やめろと言うなら(マニフェストの実行を)やめます」などと、もともと非現実的であったマニフェストを履行できないことについて責任転嫁、責任逃れをしようとするものであり、情けないと言わざるを得ません。多くの国民は「こんなうまい話しはあるのかな」と思いながらも、もっともらしい行程表のとおり予算の組み替えや無駄の削減、埋蔵金の活用などで、赤字国債を全くふやさずに子供手当、高速道路無料化、などの政策ができるのならいいよねという事で鳩山マニフェストを選んだのです。こうゆう論理のすりかえは総理大臣としてはもとより、為政者として恥ずべき姿勢ではありませんか。その姿勢こそ私はこの代表質問において問い質さねばならないと思っています。国民の皆さんも、そんな総理の発言を聞いて、ますます「不安」になったのではないでしょうか。民主党に任せようとしたら、自分たち国民に拠りけりだと逆に他人任せなことを言われたのですから。そういう姿勢で政治をされるのであれば、議会制民主主義の意味はなく、個々の政策テーマごとに直接選挙すればよいということにもなります。鳩山総理の為政者としての見識が問われると思いますが、総理のご所見をお伺いいたします。

 それから、故人献金問題について、「ご迷惑をおかけした」というひと言で片付けていただいては困ります。「捜査に協力」などということで誤魔化していただくわけにも参りません。これまで民主党は、国会の場で説明しろとさんざん主張して来たではありまんせんか。それを総理大臣の問題となったのに、どうして説明責任を果たそうとしないのですか。所信表明演説で、予算の透明化などと言いつつ、その直後に、ご自分の疑惑については不透明化しようという姿勢で、国民がうなずけるはずがありません。
 鳩山総理は以前「秘書の罪は議員の罪」などと言っておられました。その考えは今も変わりありませんか。  
 特に、この問題は、西松建設事件などでおっしゃっておられましたように、「献金した側の所業であって議員の側としては知らなかった」などと言えるものではなく、これは紛れもなく鳩山議員事務所自身が行った不正行為なのです。ですから、総理自身が、当然に明確な説明をする必要があると考えますがいかがでしょうか。

 故大平総理は、老子の、「大国(たいこく)を治むるは小鮮(しょうせん)を煮るが如くす」という言葉をよく引いておられました。政治には実行の前の十分な議論・検証をする繊細さが必要だということです。いたずらに社会民主主義的なばらまきを講じて、“先楽後憂”のようなさかさまの政治で国家・国民を誤った方向に導いてはなりません。今民主党政権が為すべきことは、非現実的なマニフェストの実現に汲々とするのではなく、我が国の将来を見据え、経済再生への戦略を立て、財政健全化への道筋と中長期を見渡した責任ある賢明な方針を明らかにされることだと思います。これこそが政権に課せられた責務ではないでしょうか。鳩山総理が為政者として、総理として、不協和音を奏でる素人指揮者ではなく、真のリーダー・シップを示されますよう望みまして、私の代表質問を終わります。

shige_tamura at 10:55|PermalinkComments(3)TrackBack(0)clip!自由民主党 

2009年10月28日

自民党・西村康稔代表質問

(平成21年10月28日)

1.はじめに(民主党政権へのエールと危惧)

 私は自由民主党・改革クラブを代表し、谷垣総裁に続きまして鳩山総理の所信表明演説に対し質問を行います。

 私は陛下の開会式におけるお言葉を謹んで拝聴致しました。 まずはじめに、天皇陛下御即位20年、御成婚50周年をお集まりの、国会議員、国民の皆さまとともにお祝い申し上げたいと存じます。
 また、不幸にも2年ぶりの台風上陸や風水害などによって被害を受けられた皆さま方に対し、心よりお見舞い申し上げます。政府におかれましては、被災者へのきめ細やかな対応、速やかな復旧を要望致します。

 さて、鳩山政権が高い支持率のもと、スピード感をもって仕事に取り組まれていることに、エールを送りたいと思います。特に、中堅・若手の副大臣、政務官が最前線で仕事をしておられます。同世代の政治家として大いに頑張って頂きたいし、私たち自民党も、私をトップバッターに、これからわが党の中堅・若手の精鋭が論戦を挑んで参ります。よりよい政策、よりよい国づくりができるように、政策を競い、大いに切磋琢磨していきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

 しかし、個々の仕事の中身に目を転じますと、その内容、手法には大いに疑問があります。特に、日本経済の先行きや外交政策、意思決定の進め方、即ち「見せかけの政治主導」に大きな疑問、不安を覚えます。これから、こうした点について質問させて頂きます。

2.内政
〃从兩策
〔マクロフレーム・国家戦略室〕

 まず、経済政策についてであります。今般、鳩山内閣では、21年度補正予算について3兆円近い執行停止・削減を決められました。私たちは、このことについて大きな疑問があります。

 私たちは、将来の税収源としての「新産業育成、成長戦略」を見据えながら、「当面の景気対策」として「経済を下支え」し、3年で日本経済を立て直すために、まさに「政治主導」で21年度補正予算を編成しました。
 本来、予算とは、日本経済、特に地域の厳しい現状を踏まえつつ、一方で将来の成長戦略、財政規律、そうした長期のマクロフレームに基づき、編成するものです。そうした方針なしに、予算を削減したり、編成するのはおかしいのです。鳩山政権は予算編成のやり方をわかっておられないのではないでしょうか。そもそも、そうした大方針を立てるために作られたのが国家戦略室と理解していたのですが、国家戦略室が何も仕事していませんね。鳴物入りで就任された菅副総理、まったく存在感がないじゃありませんか。まさに看板倒れです。一体何の仕事をされているのですか。

 そして、全ての省庁の副大臣、政務官がみんなそろって役所にこもり、何の方針も無く、使ってない予算を「ムダ」とし、削ること、それが「政治主導」なのでしょうか。国民の皆さん、このみせかけの「政治主導」を是非見抜いて頂きたいと思います。

 鳩山総理、総理はムダを省けば財源はあるとおっしゃいましたね。私たちも気がつかなかったムダがあれば、それは喜んで一緒に削減しましょう。しかし、削減を決められた補正予算3兆円も全てムダなんですか。地域医療の整備や小中学校の耐震化工事、太陽光発電の設置もムダなんですか。もしムダというなら、来年度予算に付け替えたりはされないでしょうね。
 まずはこのムダの定義、根拠について是非具体的にお答え下さい。

 しかも、95兆円を超える概算要求は何ですか。何の基準も方針も無く、マクロフレームもなく、そんな予算編成がありますか。いつまでも無責任な野党のつもりでは困ります。

 そもそも現下の経済情勢をどう考えておられるんですか。私たちの補正予算の効果により、景気は持ち直しの兆しが見られたものの、鳩山政権による「理念なき補正予算の執行停止」、これにより景気の腰が折られ、税収はさらに落ち込みました。また、「閣僚らによる不注意な発言に伴う株価・為替の迷走」、さらには、いとも簡単に公約を覆された、鳩山総理の「国債増発容認発言」など、こうした政治姿勢で、市場関係者の間では、景気の二番底、三番底への懸念が非常に強まっており、「鳩山不況」と言われ始めています。鳩山総理のご見解をお示し下さい。

〔成長戦略の欠如〕
 所信表明では、「子ども手当」などで「家計」を刺激して外需主導から内需主導に転換し、経済成長を実現するとしています。内需主導への転換の必要性はわかります。
 しかし、社会保障への不安があり、しかも、鳩山総理の「国債増発容認」との姿勢は、将来にツケを回す懸念が強まり、消費は増えるわけがありません。消費者の財布のひもはより固くなってしまいます。
 さらには、「最低賃金改正」「製造業への労働者派遣禁止」など、企業の国際競争力を削ぎ、産業の空洞化を加速しかねません。現に、民間調査によれば、約2割の企業がこれらの制度改正により製造拠点の海外移転を考えています。
 所信表明で言及された「緑の産業」や「情報産業」も私たちが従来から進めてきた政策であり、「科学技術で世界をリードする」と言いながら、産学官共同研究や最先端研究開発支援など、こうした関連の補正予算も執行停止となっています。言っていることとやっていることが違うではありませんか。
 総理は、「日本の未来をつくる」予算を切ってしまっているのです。
 仕事を増やさず、将来の産業の芽を摘み、どうやって経済を豊かにし、税収を増やすのでしょうか。税収を増やさずにどうやって「子ども手当」を配るんですか。安易に借金を増やすんですか。
 抽象的な理念だけでは、経済は活性化しません。
 私は、国際競争力の観点から思い切った法人税減税も必要だと考えますが、将来の産業の育成の具体策も含めた、日本経済の将来像をお示し頂き、持続的な経済成長に向けた具体的な政策を総理にご提示頂きたいと思います。

〔中小企業政策について〕
 中小企業が厳しい経営環境にあることは認識を共有しております。中小企業の資金繰り支援も大事です。私たちも、公的金融機関の融資や信用保証の充実を図ってきました。
 政府は、「貸し渋り・貸し剥がし是正法案」を提出予定とのことですが、その内容は明らかになっていません。仕組みによっては、貸し手の金融機関も、借り手の中小企業もモラル・ハザードに陥りかねません。金融取引の安定、中小企業の発展の視点から大いに議論していきたいと思います。
 同時に、中小企業政策としては仕事をつくることも大事なのです。東大阪市、大田区、川口市といった、世界有数の技術を持った中小企業の集積地域も不況に苦しんでいます。例えば、こうした地域を「世界の試作品センター」とすべく支援を行うなど、希望の見える中小企業の成長戦略を示すべきですが、総理、いかがでしょうか。

⇒浩民営化見直し
 さて、今般の日本郵政の社長人事には、大変驚きました。
 民主党は常に「脱官僚・天下り根絶」を声高に謳い、全ての国会同意人事について、官僚OBに反対されてきたのではなかったのですか。言うこととやることが違うじゃないですか。明らかに「天下り」「渡り」です。「脱官僚」と逆行します。大多数の国民はそう思っていますよ。

 郵政民営化の方針を大きく変更するならば、その理由と郵政事業の将来像を国民に明確に語るべきではないでしょうか。肥大な官業をよみがえらせるのですか。民主党政権が目指すのは組織の大掃除と言いながら、結局、「官」主導で資源配分をする非効率な「大きな政府」をつくるということなんですか。

 私たち自民党は「官」から「民」への大方針の下、非効率な政府部門をできるだけ小さく簡素にし、民間の力、即ち個人や企業の自助努力を基本に、市場・競争を通じて経済活動を活性化するとの考え方に立っています。

 かつての大英帝国は、「大きな政府」により凋落しました。菅副総理は、英国まで行政のあり方を勉強しに行かれたそうですが、英国で一体何を学んでこられたのですか。仕事をしなくとも、格好のいい名前のポストをつくることだけを参考にされたのでしょうか。
 郵政民営化の方針を転換し、さらに、前言を翻し、あえて財務省トップを社長に据えた、鳩山総理のお考えをお尋ね致します。

子ども手当、農業戸別所得補償
 鳩山民主党政権の「大きな政府」への志向は、子ども手当や農業の戸別所得補償制度にしても見受けられます。各々5兆4千億円や1兆円もの巨額の資金を、財源を明示することもなく、「官」が一律に配分するやり方です。

 しかし、「子ども手当」については、配偶者控除や扶養控除を廃止してまで所得の高い層にも一律に支給するのでしょうか。
また、地方議会や市町村の手続きや事務作業を考慮すると極めて無理があるにもかかわらず、来年6月からの支給を考えておられるとのことですが、本当でしょうか。それなら何故、この臨時国会に法律を提出されないのですか。

 しかも、今年度の定額給付金について、鳩山総理自身が当時「国家予算を使った選挙買収だ」との主張をされていました。間違いありませんよね。私はその言葉をそっくりそのまま鳩山総理にお返ししたいと思います。

 所得制限を設けて、本当に子育てに厳しい世帯には重点的に支援するというのなら議論の余地はあります。合わせて、一定の質を担保しながら保育所の整備を加速する、あるいは、子育ての悩みを分かち合い、母親のサポートを行うNPOの活動を支援する。また、子育てと仕事を両立できる労働環境を整備する、こうした取り組みを私たち自民党として提案したいと思います。

 子ども手当として全員に配るということにこだわることなく、限られた財源を、真の子育て支援となるよう、有効に配分し、協力して進めていこうじゃありませんか。子育てを支援するNPOの活動や、病児保育などのコミュニティ・ビジネスといった『新しい共同体』のいぶき・・・を一緒に応援しようではありませんか。
 鳩山総理と、そして所得制限を主張しておられた福島尐子化担当大臣にお伺いしたいと思います。

〔全国一律の標準的な単価による所得補償の不公平性、非効率性の固定など〕
 また、農業の戸別所得補償制度について、全国一律の標準的な生産費と販売価格の差額を補償すると聞いておりますが、例えば、米の場合、品種・地域、さらには、大規模農家と、小規模農家、中山間地域の農家などによって、状況は大きく異なります。したがって、全国一律の所得補償では、不公平が生じるばかりか、結果として、農業の現状を固定化し、規模の拡大や品種改良などに取り組む農家の自主的な努力を削ぐことになりませんか。
 もちろん、農家の皆さんの経営安定のための政策は必要です。わかりやすい簡素な制度にすることも必要です。競争力強化に取り組む農家の方々の努力も評価をしながら、そうした努力を促すことも大切です。
いかなる制度がいいのか、是非建設的な議論をして参りたい。総理のお考えをお伺いします。

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 さて、「鳩山不況」が言われ始める中、雇用情勢は今後一層悪化することが懸念されています。現に、高校生、大学生の新規採用も大変厳しい状況にあります。

 先日、「緊急雇用対策」を取りまとめられましたが、残念ながら、中身を拝見すると、従来より我々の政権で進めてきたことばかりで、何ら目新しいものはありません。
 我々の政権においては、この不況を脱するには3年はかかるとの認識の下、補正予算において基金を設け、年度をまたがる雇用対策を展開していました。本気で雇用対策をお考えなのでしょうか。そうだとすれば、何故、こうした雇用対策関連の補正予算の執行を停止したのですか。
 是非、総理のお考えをお伺いします。

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〔補正予算の執行停止〕
 こうした補正予算の執行停止については、何より全国に大きな不安が拡がっています。現実に予定されていた事業の執行が停止し、年末・年度末に向け地域の経済や雇用への多大な影響が懸念されています。総理、この認識はございますか。
 さらに地方自治体では、議会での議決や様々な関係手続を進めてきただけに、大きな混乱を招いています。予算プロセスを「オープンにする」との所信表明とは全く異なり、実態は政務三役が密室で作業を行い、「地域主権」と言いながら、地方との対話を無視した政治手法です。
 また、わが党は、経済環境、生活環境が一段と悪化している過疎地域について、過疎関係者と協議を行うなど、新過疎法制定に向けた準備を進めて参りましたが、政府は単純延長を考えておられるようです。総理の過疎対策に対する御所見をお伺いします。

社会保障
 さて、混乱はこれだけに止まりません。長妻大臣、大臣は「ミスター年金」と呼ばれ、こつこつ資料に当たられ、その粘り強さには敬意を表するところでございます。しかし、最近では、「ミスター検討中」と呼ばれておられるそうですね。

 長妻大臣、年金だけならともかく、医療や福祉、そして雇用対策まで担当されるのは荷が重いのではないでしょうか。インフルエンザの予防接種の方針も二転、三転していますね。雇用対策も我々の行ってきた政策の寄せ集めしか打ち出せないのは無理もありません。年金以外の医療・福祉のことがわからないということであれば、いつでも代わって差し上げますよ。

 特に、地域医療の不安は日に日に増大しています。医師不足や救急医療体制の整備のための補正予算「地域医療再生臨時特例交付金」のうち、750億円もの予算を停止したのはどういう認識からですか。地域は本当に困っています。

 私たち自民党は、反省に立ち社会保障費2200億円削減の方針を撤廃し、地域医療の再生に予算を重点配分すべきだとの認識の下、医師不足や救急医療患者のたらい回しをなくすために、この補正予算を組みました。地域毎に工夫をし、医療機関再編、リニューアルなど、地域医療の再生のために、この予算を活用しようとした矢先でありました。
 こうした地域の努力を一体どうされるつもりですか。かつて大臣が指摘された通り、地方の医療は崩壊寸前です。

 また、がんや小児分野の未承認薬の開発支援などの予算も執行停止にされました。期待していた多くの患者さんから落胆の声が、私の下に多く寄せられております。「人の命」こそ、何より大事にするとおっしゃっていたのではないのでしょうか。まさに「見せかけの友愛」です。こうした予算まで停止した総理のお考えをお伺いしたいと思います。

 そして、何より国民の皆さんが安心できる(年金・医療・福祉の)社会保障制度の構築が不可欠であります。政権が代わるたびに制度が変わるのは避けるべきです。是非、超党派での「社会保障制度協議会」の設置を提案したいと思いますが、総理、いかがでしょうか。
 民主党は野党時代には、与党だった私達のこうした呼びかけに応えて頂けませんでしたが、これだけ多くの議席を得られたのですから、懐深く、国民のために是非一緒にやろうではありませんか。総理のお考えをお伺いします。

3.外交・安保

〔在日米軍再編、普天間移設〕
 次に、外交・安全保障政策についてお伺い致します。
 沖縄における米軍再編は、「沖縄県の基地負担軽減」とともに、いかにして在日米軍と自衛隊による「抑止力を確保する」、この2つの要請に応えるのが、日米合意であります。

 普天間の移設なくして、海兵隊のグアム移転や在沖縄海兵隊の縮小、土地の返還もあり得ません。具体的代替案を示さず、先送りにするだけでは、沖縄県民の負担は軽減されません。

 鳩山総理をはじめ閣僚の発言が二転三転し、沖縄県民を不安にしています。さらに、アメリカも呆れさせてしまっている現実を見てはおれません。10月22日付のワシントンポスト紙では、日本が「私たちにとって新たな厄介な問題」となっているとの強い懸念を示す報道がされるなど、アメリカでは鳩山政権の安全保障政策を強く批判する声が高まっております。

 東アジア首脳会議の冒頭でわざわざ総理が異例ともいえる「日米同盟の重要性」を表明しなければならないほど、アメリカ側から不満をぶつけられていたのではないですか。しかし、所信表明でも何ら具体策を示さず、一国の責任者・総理として無責任極まりない。総理は、「抑止力の確保」の意味をわかっておられるのでしょうか。一体どうお考えなのでしょうか。

〔インド洋補給支援活動、アフガニスタン民生支援〕
 また、インド洋での補給活動は、他国から高く評価されており、わが国のシーレーン防衛にもつながる、極めて有意義な活動です。私達は、このインド洋での補給活動を続けるための法案を議員立法で提出することにしております。
 これを中止して、治安の極めて悪いところに、さらに民間人を送るのか、それとも、資金支援だけで済ます、いわゆる「小切手外交」に戻ろうとされているのでしょうか。総理にその方針を示して頂きたいと思います。

〔自衛隊の海外活動の一般法〕
 私は、私自身が事務局長を務める超党派の「新世紀の安全保障を考える若手議員の会」で前原国土交通大臣とともに、自衛隊の海外派遣の一般法をつくろう、との勉強・活動を行って参りました。前原大臣、そのお考えに変わりはございませんか。
 また、閣僚の中には、そもそも2006年2月の党定期全国大会で「現状、明らかに違憲状態にある自衛隊」と採択した社会民主党の党首も、大臣として閣内に入っておられます。福島大臣、自衛隊は「違憲」とお考えですか。お答え願います。また、このような前原大臣の考え方に賛同なさいますか。お二人には、政治家として信念を持った責任ある答弁を求めたいと思います。

〔領土問題への対応〕
 次に、総理の言う「友愛外交」について伺います。総理の外交姿勢に対し我々が特に憂慮するのは、国の根幹である領土についてであります。これは「友愛」という言葉で曖昧にはできない重要な問題であります。

 かつて、総理は「四島一括返還では、島は1000年経っても返らない」と述べたと伝えられています。
 「友愛」を掲げられるあまり、相手側に対し、領土問題の譲歩などの期待を与えないよう、是非とも総理には、北方領土の四島一括返還、竹島問題における考え方を、この場で国民に説明して頂きたいと存じます。

 また、単に「友愛」では済まされない北朝鮮問題に対して、どのような方針で臨まれるのか、拉致・核・ミサイルに対する方針をこの場でお聞かせ下さい。

4.教育

 次に、教育問題について伺います。

 自民党は「改正教育基本法」の理念を実現し、子ども達がわが国の歴史や伝統に誇りを持ち、国を愛し、将来の主権者たる自覚を育む政策を進めて参りました。しかし、政権交代により、こうした教育政策についても我々は大変危惧しております。

 「新政権のめざす教育のあるべき姿」については、先日の所信表明演説においても何ら明確な姿が国民に示されず、教育の経済的な支援についてしか触れられておりません。教育もお金で解決ですか。鳩山政権のめざす教育の内容や教育行政は何なのか。「教育基本法」との関係を含め、将来像・具体像をお示し下さい。

5.政治とカネ

 最後に鳩山総理の故人献金問題についてお伺い致します。
 総理は、ご自身のブログなどで「秘書の責任は、政治家の責任」と述べておられ、所信演説では「国民の皆様にご迷惑をお掛けした」、「捜査に全面的に協力する」と表明しております。
 しかし、マスコミの調査によれば、7割以上の国民が「納得していない」と回答しております。

「捜査に全面的に協力する」というのであれば、そして、「政治主導」を掲げておられるのですから、政治に対する信頼を高めるためにも、故人献金の全容を「国会で全面的に明らかにする責務」があります。

 また、先日、報道された、鳩山家からの2億円の偽装献金は事実なのですか。事実でないとすれば正式に抗議をされたのでしょうか。
 この献金の仕組みの全てを知っておられる総理ご自身から、国会の場で是非全容を自ら進んで明らかにして頂きたい、と思います。

6.おわりに

 「不易流行」という言葉がございます。松尾芭蕉が「奥の細道」の旅の間に体得した概念と伝えられております。
 不易は変わらないこと、即ちどんなに世の中が変化しても状況が変わっても絶対に変わらないもの、変えてはならないもの。
 逆に流行は、社会や状況の変化に応じて変わってゆくもの、あるいは変えなくてはならないもののことをいいます。

 私達は、責任ある野党として、政府・与党に何でもかんでも反対するつもりは毛頭ございません。是非、国民にとってより良い政策となるよう、変革を恐れず国会の場において建設的な論戦、議論を行って参りたいと存じます。
 しかし、目先の利益にとらわれ、結果として後世に不利益をもたらし、そして国民の生命・財産、国益を危うくさせるような政策や我々が大切にしてきた歴史・文化・伝統、さらには民主主義の根幹を揺るがすようなことには、一切妥協は致しません。私たち自民党はこれを守って参ります。

 地域に根ざした草の根政党として、真の国民政党として、『あの過酷な夏の悔しさをバネに』自民党の再生に期待する8割もの国民の声にしっかりと応えて参ります。政府を厳しくチェックし、責任を果たすことをお約束申し上げ、私の質問を終わります。

shige_tamura at 16:06|PermalinkComments(2)TrackBack(0)clip!自由民主党 

自民党総裁・谷垣禎一(代表質問)

(平成二十一年十月二十八日)

一、はじめに

 私は自由民主党・改革クラブを代表して、一昨日の鳩山総理の所信表明演説について質問致します。
 間もなく十一月十二日を迎えますが、本年は天皇陛下ご即位二十年という誠に喜ばしい年であり、国民こぞってお慶び申し上げたいと存じます。
 さて、先の総選挙によって私たち自由民主党は大幅に議席を失い、野党になりました。われわれ自民党は、国民の批判に改めて真摯に耳を傾け、わが国の発展のために真の国民政党として再生を遂げねばならないと決意いたしております。過去のしがらみからは脱却します。個別の支持や利益のみを追求することではなく、国民の皆様と志を同じくした公正な政治を旨とし、「政治は国民のもの」であるとのわが党立党の原点に立ち返ります。その一環として、まずは私自ら全国津々浦々を行脚し、謙虚かつ丁寧に皆様の想いを伺いに参ります。
 選挙において厳しいご叱責をいただいた一方、多くの有権者のご支援をいただいたことも事実です。「日本のために自民党がしっかり再生すべきである」との暖かいご声援も非常に多くいただきました。われわれは、身を引き締めて、いかにしてわが国を豊かにしていくか、国会において真剣な議論を重ね、批判のための批判や歓心を買うための嘘まやかしに陥らず、将来に責任ある政治を行い、国民にとって最良の選択肢を示すことによって期待に応えていかねばならないと思っております。
 わが党は五十五年体制の下、常に与党という慢心があり、それゆえに政権運営にどこかその驕りがあらわれていたのかもしれません。この度、新しく政権をあずかる立場となった民主党の姿勢を参考にすべき点は見習いたく存じます。しかしながら、選挙期間中も、「自民党には不満があり、民主党には不安がある」ということが合い言葉のように言われました。民主党の政策や政権運営には大局的に、また随所に無理があり、日本の将来を託すことは非常に危険だと考えております。国民の皆様も、「そんなうまい話があるものか」といった率直な不安を直感したからこそ、自民党にもしっかりしろとの声がかくも多く寄せられているものと推察いたします。
 私共は十分な国会審議を通じて、国政を正して参りたいと存じます。本日はまず代表質問で新政権の政治姿勢と基本政策のありようについて、時間の許す限り問い質したいと思います。


二、所信表明演説を受けて

 一昨日、総理の所信表明演説を拝聴させていただきました。「友愛」政治から国政全般までご自身の言葉で語られた演説であったと敬意を表しますが、情緒的に過ぎ、理念先行、具体像は全く見えてこないという感は否めません。変えるというのは、それはまさしくこれからであって、わが党は言葉ではなく行動を注視してまいりたいと存じます。それから何より、一つ解せないことがございました。選挙中あれだけ喧伝された「マニフェスト」の文字が一言もなかったことです。私が以前から愛用していた「絆」という言葉が、キーワードとして使われていたこととは対照的であります。 鳩山内閣は、マニフェストの実行を国民と契約され、義務付けられた内閣だと国民は認識しております。しかるに、内政・外交から象徴的には日本郵政の人事にいたるまで、約束違反・言行不一致ばかりが見受けられます。政権をとったらガラリと変わるご都合主義が許されていいものでしょうか。まずは、総理のマニフェスト実行にかける決意のほどを伺います。総理はマニフェスト発表の記者会見において、達成できない場合は「政治家として責任をとる」と明言されました。これは具体的にどのように責任をとられるのかお教えください。


三、政策の理念・国のかたちについて

 われわれ自民党は、自助・共助・公助による絆社会を打ち立てたいと考えております。あくまでもまず個人の自由と努力が基本として尊重されるべきであります。それを家族や地域社会など顔の見える間柄同士で共に支え合う温かさを大事にし、そしてそれだけでは立ち行かないところを、住民全体、あるいは国民全体で相互に助け合う公的互助システム、すなわち公助が必要です。それが真に個人を大切にするとともに、お互いが助け合う真心をも大切にする絆社会だと考えます。
 これに対し、鳩山政権の政策は、各家庭にまんべんなく巨額の支給をするなど、いきなり公助ありきの社会をつくろうとしております。それでは、一時的な人気取りではあっても、個々人の努力や創意工夫に応えることにはなりません。自助努力を阻害し、日本が厳しい国際競争の中で勝ち抜いていく底力も削ぎ落としてしまいます。そのうえ高額所得者など必要のない人にまで、貴重な税金をただ漫然と投入することになります。頭ごしに生活の「糧」を万民に与えるのではなく、いかにそれを自ら得るかの「すべ」を与え、生きる「力」を備えてもらうようにすることこそが、政治の正しい役割なのではないでしょうか。総理のお考えを伺いたく存じます。

 現在、社会保障制度や財政の持続可能性への懸念が、国民の将来に対する大きな不安の要因ではないでしょうか。これを払拭し、わが国が目指すべき「国のかたち」は、大きな負担を余儀なくされる北欧諸国のような大きな政府でもなく、また、国民皆保険制度がなくセーフティネットが不十分とされるアメリカのような小さな政府でもなく、適切な規模の「中福祉・中負担」国家だと考えます。
 しかるに民主党は、のっけからとてつもないばらまきを行い、概算要求における歳出規模も一気に百兆円近くに迫ろうという勢いです。そのような大きな政府にすることは、結局は国民に大きな負担を押し付けることになり、そのことに口を拭っておられることは極めて無責任であると考えます。民主党は「高福祉・低負担」でわが国が存続できるとお考えなのでしょうか。低負担を補える打ち出の小槌をお持ちなのでしょうか。あるいは、「高福祉・高負担」の国家を目指そうとしているのでしょうか。総理ご自身、わが国のあり方をどうお考えなのかご見解を伺います。


四、鳩山政権が掲げる政策について

 政権発足後四十日余り経ちましたが、鳩山政権の政策は、戦略性や政策体系としての一貫性がまったく欠如しているものと断ぜざるを得ません。各パーツのいいとこ取りのホッチキス留めであったり、国内の政治的局地戦を優先するあまり、大きな国益を損ねている感が否めません。

 まずは経済財政運営等についてお伺いいたします。
 わが国経済は世界同時不況の煽りを受けて深刻な危機に直面しましたが、景気の底割れを防ぐべく、矢継ぎ早に経済対策を採ってきたところです。特に今年度補正予算では十五兆円もの対策を講じました。しかし、世界経済は、今なお先行き不安材料を抱えており、二番底懸念が指摘されております。にもかかわらず、民主党はその補正予算を取り崩すことにのみ力を傾注し、地方の方々から次々と不安の声が上がっています。これでは景気の二番底を自ら作り出しているようなものです。
 先般、無駄排除などと大義名分を立て、補正予算のうち二兆九千億円余りの執行を停止されました。国民に不安や戸惑いを与えておいて、いたずらに“政治空白”をもたらすだけではありませんか。凍結された事項について、無駄かそうでないかの判断基準を、総理は是非具体的にお示しください。併せて、百兆円以上だ九十二兆円以下だという議論まで閣内で持ち上がっていたようですが、今後の経済対策も踏まえつつ、来年度の予算編成では総額何兆円規模が必要か、総理と亀井国務大臣のご見解をお聞かせください。

 ここで強く指摘しておきたいのは、この政権には経済成長戦略が欠けているということです。そもそも、成長の目的とは、国民所得を上げ、雇用を増やすことにあります。それを何よりも優先させるべきなのです。子ども手当や高速道路料金の無料化などによって家計を潤すことが何よりの景気対策だと言っておられますが、それは財源となるべき他の歳出削減とトータルでみれば、今の景気をかえって冷え込ませることになりませんか。それに加え、最低賃金や労働者派遣制度の見直しも掲げておられます。最低賃金について言えば、総理のご地元の北海道では六百七十八円の水準ですが、これを千円程度に引き上げられる企業がどれほどあるのでしょうか。かえって深刻な雇用問題を引き起こすのではないでしょうか。
 企業は、雇用機会をつくるという意味で家計にとっても大切な存在です。さらに、「コンクリートから人へ」と主張されていますが、ダムや道路は治水やライフラインともなって国民生活を守るセーフティネットです。浅薄なキャッチコピーでは国民の安心・安全は守れません。企業や公共事業を国民生活にとって非効率なものや有害なものといたずらに決め付けているのではありませんか。
 総理が描かれる成長戦略は何をもって成長につなげるのか、景気や雇用を何をもって改善するのか、根拠があればそれも含めてお聞かせください。

 民主党はマニフェストで、無駄排除で九.一兆円も捻出できると主張し、総選挙においても、政権交代すれば予算の“組み替え”によって一割くらいはすぐに無駄をなくせるという主張を繰り返しておられました。総理は選挙期間中の党首討論で、歳出削減について「まったく心配しておりません」とこともなげに言われました。
 そうであれば、七.一兆円と言われる来年度の新規歳出の財源は、九.一兆円の歳出削減によってなおオツリが来るはずであり、現段階で国債増発の議論など出てくるはずはありません。責任をもってまずはそれを確実に実行すべきです。ここに改めて、歳出削減を速やかに実行してみせるとお約束ください。今までの予算は無駄だらけだからこそ、それを財源に新規の恒久的な施策ができると公言したのですから、それに見合う恒久財源を示すべきです。補正はがしのような単年度の財源、「埋蔵金」を充てるといったフィクションで世を欺くことがないよう、責任ある政治を求めます。総理の明確な意志を改めてお示し願います。

 さらに、マニフェストでは新規歳出十六.八兆円の財源を同額見出すとしていますが、仮に財源が確保できたとしても、それを片っ端から使い切ってしまう訳ですから、財政収支の改善は全くなされません。そればかりか、高齢化等による社会保障費の自然増で収支は悪化する一方となります。既に来年度の予算編成においても、税収が借入れを下回るのではないかという状況ですが、これでは債務残高が膨らむばかりで、まさに破綻のシナリオです。
 これほど無計画な予算が組まれていくならば、市場からの信用は失墜し、金利は高騰、住宅ローンや中小企業の借入金の金利も跳ね上がり、国民経済が立ち行かなくなるのは必至です。良いことばかりを国民に吹聴した結果、大惨事をもたらすようで責任ある政党と言えるのでしょうか。少なくともわが党は、累増する社会保障費を賄うべく、消費税を含む税制抜本改革を行うこととし、その道筋も含めて先の通常国会で法制化したところです。それにひきかえ民主党は、二年前の選挙では、マニフェストに「二千十一年度には国・地方の基礎的財政収支を黒字化する」と書いていましたが、今回のマニフェストでは財政健全化に向けた姿勢は全く見られません。こういった姿勢の後退を国民にどう説明されますか。政府として、どう責任をもって財政健全化を進めていくのか、財政健全化目標は不必要とお考えなのか、成長率の見通し等を含めたマクロ経済・財政運営の基本方針と併せて総理のお考えを具体的にお示しください。

 次に外交・安全保障政策等について伺います。
 外交・安全保障政策は、国家の根幹に関わる極めて重要な政策であるとともに、国際社会におけるわが国の果たすべき責任を明確に示すものでもあります。これまで築き上げてきた各国との信頼関係を前提としてさらに発展させていくことが、わが国の国益に合致するものであり、政権が代わっても変更にあたっては極めて慎重な検討が必要です。
 また、昨日も北澤防衛大臣は、普天間の現行案容認、給油活動を海賊対策に転用するなどのお考えを示されましたが、新政権発足以来、鳩山総理、岡田外務大臣、北澤防衛大臣等、閣僚の発言に多々食い違いが見られますが、そのことによって各国からわが国に不信の念をもたれ、外交関係に支障をきたすのではないかとたいへん危惧しております。
 民主党は、日米地位協定の改訂を提起することをマニフェストで明確に掲げられました。米軍再編、普天間基地移設問題や在日米軍のあり方についても見直しの方向で臨むとされております。さらには、政権として補給支援法の単純延長もやらないことも明言されております。これらの問題について総理のご見解を賜りたいと存じます。 総理は緊密かつ対等な日米同盟を標榜されておられますが、一歩間違えばそれどころか、日米の信頼関係に亀裂が生じ、安全保障政策が立ち行かなくなるのみならず、両国の経済関係や国内の様々な施策に波及し、国民の生命・財産を大きく脅かすことになります。明確な代替案もないまま、日米間の合意事項を一方的に見直すということであれば同盟関係の弱体化にもつながりかねません。具体的にどこをどう変えるのか、総理はぜひ明確にご説明願います。また、普天間問題については、福島国務大臣からも伺いたく存じます。
 なお、昨夜の護衛艦「くらま」とコンテナ船の衝突事故につきましては、一刻も早い原因の究明を願います。

 地球温暖化問題について伺います。
 総理は、温室効果ガスを九十年比二十五%減という目標をいきなり国際公約されました。この問題への対応の本質は、中国、米国などの大排出量の国々を国際的な枠組みに入れ、実効ある削減を図っていくことです。今後いかなる交渉戦略で米中の参加を実現しようとしているのでしょうか。
 総理は米中が「意欲的な目標」を出すことを前提条件としているようですが、その具体的な中身は何でしょうか。オバマ大統領の主張している九十年比横ばいは、意欲的な目標にあたるのでしょうか。相手への要求が曖昧なままでカードを切るのは交渉ではなく単なるパフォーマンスです。年末のコペンハーゲン会合で米中の実効ある枠組み参加が決まらなければ、どう対応されるのでしょうか。今後のシナリオをよく考えて提案されたのでしょうか。
 また、二十五%削減達成のための方策やそのコスト、経済成長率や産業空洞化への影響、家計への負担、雇用に対する影響をどう考えているのでしょうか。一国の総理が国際公約するときにこれらの検討をしないで数字を言うことはありえません。これまでの政府の試算では、失業者の百二十万人増、所得の十六%低下等の数字を出しています。どこがどのように間違っているから二十五%削減に踏み切ったのでしょうか。一部には、海外から排出権を買ってくればよいという議論もあるようですが結局は国民負担です。どのくらいの負担を想定しているのでしょうか。
 地球温暖化問題に、各国は国益をかけて厳しい国際交渉をしています。これらは、国際交渉を進めていくうえでわが国の国益を守るために当然検討すべきことです。国民に納得できる交渉戦略と裏付けとなる数字を示すことを強く求めます。総理ご自身の言葉でご開陳願います。


五、政権運営への不安と堂々たる国会論戦の要求

 当面の政権運営について伺います。
 政治主導の予算編成や経済財政運営の司令塔として鳴り物入りで国家戦略室を設けたにも関わらず、未だに十分な体制が整っておらず、行政支出総点検会議は行政刷新会議に看板がかけ変わっただけの状況です。経済財政諮問会議が無くなり、成長戦略も財政健全化のビジョンも、鳩山内閣として議論する場がありませんが、国家ビジョンが無いだけではなく、ビジョンを打ち立てる「つもり」「姿勢」が欠落しているのではないでしょうか。国民生活がかかっている予算編成についても全体をどう組み立てるのか、その司令塔の不在をどうお考えでしょうか。この役割は、総理なのか菅大臣なのか仙谷大臣なのか、或いは藤井大臣なのか、それとも財務官僚なのか、どういう分担でどなたが主導されるのか、総理として内閣の方針をお答えください。

 「マニフェストどおりやる」と、マニフェストを金科玉条のごとく各大臣が言っておられますが、高速道路の無料化、暫定税率の廃止などのように専門家が異論を唱えている項目や、八ッ場ダムのように地元関係者の声を無視して掲げた項目もありますし、温室効果ガス削減目標のように科学的検証や国民的議論があまりにも欠落したままの項目もあります。各々の政策が問題をはらみ、実現可能性が極めて疑わしいものも散見され、一部の人間が拙速につくったとしか思えないような内容のマニフェストであります。
 はっきりと申し上げます。民主党のマニフェストは「羊頭狗肉」です。政権についた以上は、「看板」だけではなく、国民に提供する「商品」を早急に見せていただきたく存じます。自民党は、民主党の掲げた看板の多くは無責任であり、公正でもないと反対してきましたが、野党の当然の責務として、今後も徹底的に政策論で戦います。選挙前につくられたマニフェストの内容にはまったく問題はないと総理は今、言い切れますか。総理のご認識をお聞かせください。

 また、政策決定過程においては、関係者の意見に耳を傾け、議論を尽くす姿勢が必要ではないでしょうか。政治主導を呼号する政務三役と委縮した行政官の関係では、具体的な事実関係の把握にも支障を来すのではないでしょうか。関係者や国民の声を真摯に受け止めるとともに、真に国民のためとなる総合的・大局的判断を政治家が自らの責任において行うことこそが「政治主導」であると考えます。むやみやたらな「政治主導」は、政治家を無駄な些事にかかずらわせるあまり、最終判断や責任といった本来の責務をおろそかにさせるばかりか、政治権力の行使に必要な自制心を失わせ、政治主導という名の「政治暴走」になりかねません。八ッ場ダムの問題や日本郵政の人事にその萌芽を感じておりますが、総理の言われる「政治主導」とは何たるかをご説明ください。

 そもそも、「マニフェストどおり」と言い募るだけでは、「言論の府」たる国会審議は事実上無意味になり、代議制民主主義の否定とならざるをえません。国権の最高機関を大切にし、国政を決定するに当たっては、国会での審議を十二分に尽くされるべきと考えます。さらには、政府に入っていない与党議員については、意見を政策に反映する場が十分にはありませんが、それで民意を汲み上げることができるのでしょうか。国会議員の仕事は委員会と本会議の採決への出席のみで事足りるのでしょうか。党や国会のことは小沢幹事長に任せるなどということではなく鳩山総理の明確な姿勢をお聞かせ願います。そのうえで、堂々とわれわれ野党と国会論戦に臨まれることを強く希望いたします。
 また、総理のいわゆる「故人」献金の問題等について連日のように報道されております。政治とカネの問題を明確にされることは、自民党におられた頃からの総理の政治家としての原点であったと存じます。であるからこそ、総理自らこの問題について国民の納得される説明をされることを望みます。


六、おわりに

 政治に夢が無いと言われて久しいですが、あえて政治は夢を語り、国民に希望の光を示さなければなりません。わが国の歴史や伝統・文化、美しい四季折々の自然に「おおらかな自信」を持ち、築き上げた先人達に率直な敬意を感じるからこそ、それらをつくり継承してきた個人の理性ある自由と努力の可能性を信じるものであります。私は、それらを礎に新しい「夢」をつくってまいる所存です。
 わが党は、野党の立場にはなりましたが、不毛な政争をやるつもりは毛頭ございません。正論を吐き続けます。国民のためになるという目的が同じであれば、与党に対案を出して議論を尽くします。協力できることがあれば協力を惜しみません。もちろん、その前提として、政治は「正直に」現実を国民に打ち明けなければ、「うたかたの夢」になることも忘れてはなりません。
 民主党の皆様におかれましても、マニフェストを提示し選挙に勝利した以上、それを実現することはもとより、鳩山総理及び民主党が発言された政治姿勢については、将来とも堅持していただき、責任ある政権与党として精進されることを願い、私の質問とさせていただきます。(以上)

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2009年10月27日

補給支援特措法・北朝鮮特定貨物検査特措法を議員立法で提出了承

防衛今日、自民党の国防等合同部会で補給支援特措法・北朝鮮特定貨物検査特措法を議員立法で提出することが了承されました。
 
 鳩山内閣がインド洋での海上自衛隊による給油活動を「単純延長しない」方針を示していることを受け、内閣・外交・国防・国土交通・法務・財務金融合同部会は27日、給油活動を1年継続するための補給支援特措法案を対案として今国会に提出することを了承した。

 会議の冒頭、石破茂政務調査会長は「わが党は責任政党として、どうするのだという立法をきちんとぶつけていきたい」と提出の意義を示した。

 議員からは、「給油の継続に期待を表明しているパキスタンなどには、どこの国が給油を行うのか」など継続中止の影響を懸念する声が出された。

 また、この日の会議では、先の通常国会で民主党の審議拒否により廃案となった北朝鮮特定貨物検査特措法案についても議員立法で提出することを決めた。
 鳩山政権は、社民党に配慮して、海上保安庁のみで対応できない時に自衛隊が対処できる規定を削除する方針だが、わが党は先の通常国会で廃案となったものを提出する。
北朝鮮特定貨物検査特措法案は、同日、政権政策委員会(旧政審)と総務会で了承された。これは、みんなの党も共同提案となる。

所信表明演説の誤り

 昨日の鳩山総理の所信演説、たしかに平易で分かりやすかった。
 しかし、一国の総理として極めて情緒的だった。

 演説の中で、僕もブログで紹介した『日本でいちばん大切にしたい会社』(坂本光司著、あさ出版)の日本理化学工業株式会社の例が引用されていて良かったと思ったのですが、

 「鳩山総理所信表明演説」(人の笑顔がわが歓び)

 先日、訪問させていただいたあるチョーク工場のお話を申し上げます。
 創業者である社長は、昭和三十四年の秋に、近所の養護学校の先生から頼まれて二人の卒業生を仮採用しました。毎日昼食のベルが鳴っても仕事をやめない二人に、女性工員たちは「彼女たちは私たちの娘みたいなもの。私たちが面倒みるから就職させてやってください」と懇願したそうです。そして、次の年も、また次の年も、養護学校からの採用が続きました。


「創業者である社長は、昭和三十四年の秋に、近所の養護学校の先生から頼まれて」
と所信表明にありますが、これが事実と違うので驚きました。

 事実は、創業者である社長は大山要蔵さんで、養護学校の先生から頼まれたのは
のちに社長になる当時は専務の大山泰弘さんでした。
 ですから、所信表明演説をもっと丁寧にチェックしたうえで今後、演説すべきでしょう。


 『日本でいちばん大切にしたい会社』(坂本光司著、あさ出版)より

 昭和十二年(一九三七)に設立された「日本理化学工業」は、主にダストレスチョーク(粉の飛ばないチョーク)を製造しており、五〇年ほど前から障害者の雇用を行っています。
 そもそものはじまりは、近くにある養護学校の先生の訪問でした。昭和三十四年(一九五九)のある日、一人の女性が、当時東京都大田区にあった日本理化学工業を訪ねてきたそうです。
 「私は養護学校の教諭をやっている者です。むずかしいことはわかっておりますが、今度卒業予定の子どもを、ぜひあなたの会社で採用していただけないでしょうか。大きな会社で障害者雇用の枠を設けているところもあると聞いていますが、ぜひこちらにお願いしたいのです」
 障害をもつ二人の少女を、採用してほしいとの依頼でした。
 社長である大山泰弘さん(当時は専務)は悩みに悩んだといいます。


【日本理化学工業沿革】
http://www.rikagaku.co.jp/profile/history.htm

昭和12年 2月 東京都大田区蒲田に日本理化学工業株式会社設立
(初代社長 大山要蔵)資本金8万円
昭和28年 9月 衛生無害のチョークとして文部省あっせん品に指定される
昭和31年 4月 日本工業規格(JIS)表示許可工場となる(東京)
昭和35年 3月 知的障がい者雇用を2名よりスタート
昭和37年 7月 大山はな代表取締役に就任
昭和40年 3月 労働大臣石田博英先生ご一行工場視察
昭和42年 9月 北海道美唄市に美唄工場を開設
昭和43年10月 常陸宮同妃両殿下が美唄工場にご来臨
昭和47年10月 北海道善行賞を授賞する(美唄工場)
昭和48年 6月 皇太子同妃両殿下(現天皇皇后両妃殿下)に知的障がい者の雇用状況を説明するため、専務取締役大山泰弘が東宮御所に参上
昭和49年 1月 大山泰弘代表取締役に就任


 創業者である社長は、初代社長 大山要蔵氏で、専務が現在の大山泰弘代表取締役なのです。

shige_tamura at 17:09|PermalinkComments(4)TrackBack(0)clip!鳩山由紀夫 
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