2009年09月

2009年09月30日

地経学で読む爆走中国(森田靖郎著、原書房)

本 最近は、書店でたくさんの中国本が並んでいる。
 この本は、歴史・地理・経済を連結する「地経学」で中国を読み解き、国際情報戦に翻弄される日本に活を入れる、という帯の解説だ。
 最初は、米中サイバーテロ・電脳戦争の話からだ。とても面白い。
 今回は、中国が提唱する「東アジア共同体」の箇所を以下に引用した。


 私は、オリンピックがスポーツの祭典だけとは思っていない。政治的な、地政学的な要素を含んでいることは、これまでのオリンピックを見ても明らかだ。一九三六年のベルリン・オリンピックと二〇〇八年の北京オリンピックは政治プロパガンダという面から見れば共通性がある。
 ベルリン・オリンピックは、ドイツが世界に軍事的成果をアピールするための舞台として利用した。
 だがオリンピック後、ドイツの国家社会主義政策が行き詰まり、その矛盾を解決すべく膨張政策に転じた。それが第二次世界大戦へと導いた。
「北京オリンピック後、中国が同じ道を歩むという危険性がある」
 と、袁博士は指摘する。
 中国は、ヒトラーの「国家社会主義」と似た政治体質がある。中国が提唱する「東アジア共同体」は、ドイツの膨張政策に近い。
「ヒトラーはレーベンスラウム(生存圏)としてドイツ民族が満足に暮らせる資源と市場を確保するために、ドイツの東側、ウクライナに至る地域を支配下に置こうと、軍事的な拡大政策を取ってきた。
 これが第二次世界大戦に繋がった。中国の東アジア共同体は、この生存圏と同じ考えだ。また、牋譴弔量餌押一つの言語、一つの国家瓩鮠Г┐襯劵肇蕁爾劉爛▲鵐轡絅襯后淵淵船后Ε疋ぅ弔砲茲襯ーストリア併合)″は、中国のチベット人やウイグル人の民族浄化、台湾併合政策と同じ発想だ」

 ポスト・北京オリンピック、中国がこれから向かう道は、否応なく地球が歩く道ということにもなりかねないと、袁博士も危険視する。
 かつてイギリスのチャーチルは第二次世界大戦の回想録で、「防ぐことが容易であったにもかかわらず、ナチス・ドイツの膨張に対し決然たる意思を示さずにいたことが、ヒトラーの暴走を生み、まったく必要のない無用の戦争に至った」と、悔いている。
――世界の盟主を目指す、中国の暴走をどうやって食い止めるのか。
「チャイナ“9”シンドローム……。世界の市場で中国頼み現象が起きる」
 中国人が世界で大きな顔して商売をしているということだと、袁博士はいう。経済の成長率を維持するために、石油をはじめ天然資源を、少なくとも一〇年分は独り占めにしようとなりふり構わぬ資源漁りが続けられているだろう。中国の資源外交政策は、まさしく「爆食」である。地球の資源や食糧を食い尽くしてしまうのではないか。
「中国の光と影」
という言葉で、袁博士は中国の今後の発展を評した。

「楽観的な見方では二〇二〇年までは、中国の経済は減速するにしても成長を続けるでしょう。一方、悲観的な見方では二〇一〇年の上海万博後に、中国のバブル経済が崩壊し、暗い未来が待っている」

shige_tamura at 12:54|PermalinkComments(1)TrackBack(0)clip!本の紹介 

谷垣禎一新総裁の記者会見(9月28日)

谷垣 禎一谷垣禎一新総裁)このたび自由民主党総裁に就任いたしました谷垣禎一でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 今回の自民党総裁選挙は、結党以来の大敗北を受けまして、自民党再生なるかならぬかということを占う総裁選挙でございました。
 私はこの総裁選の最中、全国各地を遊説に回ったわけでございますが、一つは、自民党は厳しく反省しなければならないというお気持ちが国民の間に強いことも感じましたが、それと同時に、自民党にはしっかり再生をしてもらって、頑張ってもらわなきゃいけない、自民党の使命はまだまだあるはずだと、こういう多くのお声にもお会いをすることができまして、こういう皆さんのお気持ちにこたえていけば、自民党再生は必ず果たせる、こういうような思いもこの選挙戦でさせていただいたわけでございます。

 そして、こういう国民の皆さまのご期待に応えていくためには、自民党は結党の原点に返りまして、政治は国民のものである、結党の宣言にあるこの精神をしっかり踏まえていかなければならないと思います。そして自民党は国民のために何をする政党であるかということをぎりぎり問い詰めて、それを正直に国民の皆さまにぶつけていくことが必要ではないかと思います。

 具体的に申しますと、私どもは保守政党としての大道を歩んでいくべきだということになろうと思います。しかしそのためには、思い切った党改革も必要であろうかと思います。
 私はこの党改革、そして自民党をもう一回政権につける、政権を奪還する、その先頭に立って全力を尽くしたいと思っております。そしてもう一回、自民党を再生させて、自由民主党が国民の皆さまのためにしっかり働く、こういうことを果たしてまいりたいと思っております。
 どうぞよろしくお願いを申し上げまして、ご挨拶といたします。どうもありがとうございます。

質問)総裁選についての勝因と得票数の評価をお聞かせください。
 また、総裁選で善戦した河野さん、西村さんを、党の執行部として処遇する考えはあるのかどうか、そのあたりをお聞かせ願えますでしょうか。

谷垣)勝因ということですが、私は今回の総裁選で、先程ご挨拶で申しましたように、自民党は国民のために何をする政党であるか、保守主義の原点に立って、家族や地域の絆、あるいは国を愛する心、そういうものを大事にして、国民の皆さまの気持ちを吸い上げていく、そういう政党に再生しなきゃならないということを申し上げました。
 そしてそのためには、〃みんなでやろうぜ〃ということで、結束して、元気に進んでいくことが必要であるということを申し上げました。このことが多くの党員の方々にご支持をいただいたのではないかと思っております。
 それで党員票も、あるいは国会議員の票も、6割を超える票をいただいたわけでございますので、これだけのご支援をいただいたということを大切にして、全力を挙げて頑張りたいと思っております。
 それから、河野さん、西村さんをどう処遇するかというご質問でありますが、これは私、選挙中もかねがね申し上げていたように、全員野球でやっていくと。選挙が終わればノーサイドである。
 これから党の仕事は、一つは党運営、党の運営の問題もございますが、それと同時に、野党になりますと国会論戦というのに、政策も磨き、政策でもって与党と向かい合っていくということがなければなりません。いろんな場でいろんな方の活躍が必要でございます。そういう中で、お若くしてあのお二人はアンビシャスに手をお挙げになったわけでありますから、お二人の活躍の場を当然つくっていかなければいけないだろうと思っております。

質問)いまも全員野球のお話がありましたが、総裁選の最中に派閥のあり方と世代交代が大きな争点になったと感じました。谷垣総裁は派閥を今後どうされて、解消のほうに向かうのか、それとも存続していくのか、派閥の将来についてお考えをお聞かせください。
 あと、世代交代についても、進めるべきだと思うか、それともそれは自然に任せるというか、現状のあり方を肯定的にとらえていらっしゃるのか、それも併せてお聞かせください。

谷垣)派閥につきましては、いわゆる派閥の弊害と言われてきた問題があると思います。要するに、党という、ある意味で公的な機関、派閥というのは必ずしも公的な基礎を持っているわけではないわけですが、それが党を壟断するようなことはけしからんというご議論がありまして、それは絶対に排除しなければならないのは当然のことだろうと思います。
 ただ、派閥の弊害弊害ということが言われますが、派閥というのは中選挙区時代にある意味での必要性、自民党同士も選挙で戦わなきゃいけないという必要性から生じてきたところが大きかったわけでありますが、今日は小選挙区になりまして、小選挙区では自民党の候補者は一人しかいない。
 そういう中で、派閥の存在意義というものは大きく薄れてきたことは間違いないと思います。
 そういう中で、特に今度は野党になりますと、今まで派閥が果たしてきたと言われる、例えばポストの配分とか、こういうような機能も……あんまり野党になるとポストなんかございませんから、ますます派閥というものは、力が弱まっていくといいますか、本来持っていた意義は薄れていくと思います。
 結局残るのは、仲の良い議員たち、あるいはものの考え方が共通している議員たちが、それぞれ政策の勉強しようとか、そういうことは当然あってしかるべきことですから、そういう機能としてはこれからたぶん残っていくだろうと思います。
 ただ一つ考えなきゃならないことは、まだ自民党は中選挙区時代の慣行から完全に脱却してないところがございます。つまり、党の新しい議員をどうするかというリクルート、あるいは新人発掘、それから当選してきた若い議員の教育、こういうのはかつては派閥が中心となってやってまいりました。
 今でも、なかなか党ではそこまで行きかねていて、派閥かそういう新人発掘機能や、あるいは新しい議員の教育機能を果たしているところがありますので、もう少し党でそういう新人を発掘してくる機能、あるいは当選された方の指導といいますか、そういう機能を強めていかなければいけないということはあるだろう。これはやらなきゃならないと思っております。

質問)鳩山総理、それから小沢幹事長率いる民主党と、谷垣自民党との一番の対立軸は何でしょうか。また、これを次期、来る参議院選挙で一体何を訴えて戦うつもりでしょうか。
 加えまして、鳩山総理の献金問題については、説明が尽くされたとお考えでしょうか。

谷垣)今の民主党と自由民主党の違い、自由民主党はどういう党であったかといいますと、こういう表現が適当かどうかわかりませんが、草の根の日本人のいろいろな思い、願い、こういうものをうまく吸い取って、くみ上げて、それを政策にして実現してきた党だと。これは自民党のよい伝統だと思います。
 むしろそういうものが弱ったから、今回、選挙に敗けたのかもしれません。これからもそういう機能を自民党は担っていかなきゃなりませんし、そういう国民の皆さまの気持ちを吸い上げることによって、戦争に敗けた後、やっぱり平和な国にしなきゃいけないとか、自由な国でありたいとか、あるいは繁栄した国にしたい……戦後、皆さんそう思われたはず、それをうまく吸い上げてきたわけですね。
 民主党という党は、もちろん民意をくみ上げる機能を持っておられないとは私は申し上げませんが、そういう草の根の方のお気持ちを吸い上げてくる機能なり、党の成り立ちは、はるかに自民党のほうが上だと思っております。
 それで、民主党は選挙のやり方においても、労働組合に基礎を置いたところがたぶんにおありではないかと思っております。
 それから政策面でもずいぶん違うところがあるのではないかと思います。私どもは保守政党としての一種の哲学というか、人間観に立って、政策を進めてまいりまして、これからもそうしなきゃいけないと思うんですね。それはどういう人間観かといいますと、個人の努力、個人の工夫、そういうものは重んじなければいけないねというのが一番基礎にあるわけですね。
 その上で、家族であるとか、あるいは地域の共同体の絆というものも大事にしていこう。つまり、自ら助くるものは助くという、自助の気持ちの上に、そういう共同体の共助、共に助けるという気持ちを大事にして、それで及ばない場合には、政治なり行政が出ていく、つまり公の助け、公助というものを積み上げていくべきではないかと。だいたい自民党はそういう考えに立っているわけです。
 民主党のマニフェストを拝見しますと、これは子ども手当等々もそうでありますが、きわめて大きな社会福祉といいますか、そういうものを目指されているんだと思います。しかもそれを、じゃ、例えば子育てであれば、保育園を充実しようとか、そういうようなことでお考えになるよりも、直接家計に補填をしようというようなことを考えておられる。これは自民党のように自助、共助、公助という組み合わせでやっていこうという人間観といいますか、哲学とはずいぶん違う考え方ではないかと思っております。
 ですから、一見似たように政策であっても、それを支えるものの考え方はかなり違っているのではないかなと私は思っております。
 これから国会が始まりますと、われわれは野党ですから、当然与党の政策の、賛成すべき点はもちろん健全野党として賛成しなきゃなりませんが、与党の政策の問題点をきちっと追及していく、これは野党の持っている役割ですね。それをしっかりやっていく中で、私たちのものの考え方と野党の考え方の違いというものを浮かび上がらせていきたいと思っております。
 具体的に申しますと、それだけ大きな福祉とか、大きな政府を志向されるとしますと、当然それに伴う負担があるはずでございます。ところが、その点は民主党はあまりはっきりというか、全然言っておられないと私どもには見えるわけですね。
 これを続けますと、たぶん財政破壊というようなことにもなりかねないわけですので、その問題点をしっかり衝いていくということではないかと思います。

 それから、鳩山さんの献金問題ということですが、これはまず、総理ご自身が説明責任をきちっと果たされるということが大事ではないかなと私は思っております。  今、世論調査を見ますと、細かい数字は忘れましたけど、おそらく7割以上の七十数%の方が、総理は説明責任を十分果たしておられないという感じ方をしておられるということは、やっぱり総理も重くご覧にならなければいけないと思います。
 私どもは、初めからケンカを仕掛けようというわけではありませんが、そういう流れを見て、問題が解明されていないなというときには、そういうことをきちっと指摘するのは野党の当然の役割でありますから、そのときは国会で闘志を持って、しっかりと糺していかなければならないと思っております。

質問)人事はいつごろまでに行うのかということと、これまでテレビなどでも幹事長は力量のある方なんていう発言もありますけれども、どのようなイメージを持たれているんでしょうか。
 もう一つ、総裁選では実力主義の適材適所という話をされていましたけれども、党内にはまだ人事で影響力を行使しようとする重鎮の方も見られるようにぼくには見受けられます。総裁選では党内のいろいろな声に耳を傾けるとおっしゃっておられましたけれども、人事をするに当たってリーダーシップをどのように発揮されるのか、お話しいただければと思います。

谷垣)なかなか人を知るというのは簡単なことではありません。いろんなご意見があるだろうと思います。よくいろんなご意見にも耳を傾ける必要があるんですが、最後はやっぱり自分がきちっと判断して、これが総裁たるものの責任でございますから、私の目から見て適材適所である、一番このポストではこの方が能力を発揮されるだろうという方を指名させていただきたいなと思っております。
 それで、いつまでということでありますが、国会論戦というようなこともいろいろ考えなければならないし、いろんなことがございますが、選挙は静岡、神奈川の参議院補欠選挙がもう目前に迫っているわけですので、そう時間を取るわけにはいかないだろうと思います。今晩ゆっくりそのへんを考えまして、結論を出したいと思っております。
 それからもう一つ申し上げておかなければならないことは、今まで自民党の組織というのは、与党であることを前提にしてつくってあったということもございますし、野党になりますとどうもちょっと組織のあり方が、これでいいのかというようなこともあると思います。
 そのへんも併せて考えて結論を出さなければいけないんだろうと思っております。

質問)新総裁は保守の原点に立ち返ってということをおっしゃっていますけれども、もう民主党や公明党の中で議論を始めています、在日外国人の地方参政権の問題、夫婦別姓の問題についてはどういうお考えでしょうか。

谷垣)これは党でしっかりまた議論していただく必要があると思います。ただ、私個人として言いますと、日本におられる外国人の参政権の問題については、慎重であるべきだというふうに思っております。
 と申しますのは、地方自治体がやっておられることは、ほんとに生活に身近なことばかりでも必ずしもないということがございますね。例えばこの港にどう船を入れるかというような問題とか、いろんなことがございますので、私はそこらは慎重に考えるべきだと思っております。
 それから夫婦別姓の問題については、これも私の個人的な見解でございます、いろんな立場から夫婦別姓のご議論があると思います。それで、私はやや議論が混乱しているなと思っておりますが、別姓を唱えられる方というのは二派おありだと思うんですね。一つは、非常に個人主義的な、個人を中心にお考えになる方は、別姓を言っておられる方が多いと思います。もう一つは、韓国などはたぶんそうだ、中国もそうだと思いますが、血統といいますか、伝統、自分たちの流れを重んじられる方は、自分はどこそこの家の出身である、だから結婚しても名前は変わらない、こういう制度を取っておられるところもあるんだと思いますね。日本の夫婦同姓、同じ姓をするというのは、親子を中心とした核家族の名称ということに姓がなっているんだろうと思います。
 私は家族を大事にする立場から言いますと、家族の呼称というものはあったほうがいいのではないかというふうに思っておりまして、この問題も、夫婦別姓に関しては私は慎重な立場でございます。

質問) 国民に向けてご自身の最大のPRポイント、ここを見てほしいという点は何でしょうか。
 また、地方を回って、今回の選挙で厳しく反省しろという声をちょうだいしたということなんですが、今までの自民党のどこを反省して、これから来年の参院選に向けてどう改善されていこうというおつもりでしょうか。二つお願いします。

谷垣)平凡な男であまりセールスポイントというのもあるとは自分では思っておりませんが、あえていいところ、あるいは欠点を探しますと、非常に我慢強いところ。多少困難があっても我慢強く乗り越えていくというのが、長所じゃないかなと思います。いま欠点はとはおっしゃらなかったけど、欠点は、我慢強すぎて我慢しすぎることが欠点であると思っております。
 それから反省すべき点は何か。
 これは、政策面でも日常の政党活動の面でもいろいろございます。それで、要するに今、景気も非常に悪いわけですから、多くの方がご自分のお仕事や、あるいは自分の住んでおられる地域の先行きというものを心配しておられるわけですね。それに対して、十分われわれはこたえてこれたのだろうかという点が、一番の反省でございます。
 いろいろそれに対する手当て、政策を用意したものもあるんですが、それが必ずしも皆さんの胸にストンと届くような説明と、理解していただけるような政治活動が伴っていなかったということがあるんだろうと思います。それを煎じ詰めて言えば、結局、国民の目線といいますか、国民の皆さんのほうと十分しっかり向かい合っていたのかどうかという反省になるわけでございます。
 したがって、これからそれを克服していく方法は、私も総裁選中にお約束したことの一つに、来年の参議院選挙までにとにかく47都道府県全部、自分の足で入って、そこにおられる、一生懸命自民党を支えておられる方々と対話をするということを申し上げましたけれども、自民党の運動もそういう草の根の方々と十分心を通わせるような国民運動を展開していくということではないかなと思っております。

質問)先程人事のところで、与党を前提とした組織のあり方を考え直すような趣旨の話で、それは例えば4役の総務会長とか政調会長とか選対委員長とか、どこか組織をなくすというか、改編するというようなことを前提におっしゃっているのか。
 あと、河野さんや西村さんに活躍の場をとおっしゃったのは、具体的にどのようなことを考えているのかというのが2点。
 選挙中には毎年総裁が代わったことを反省点としておっしゃったかと思うんですけど、参院選に進退といいますか、すべて懸けるというよりも、任期2年しっかり務め挙げるというようなお気持ちでいまいらっしゃるのか、その3点を。

谷垣)組織のあり方ですが、一つは、自民党の総裁は、今まではですよ、総理大臣であることがほとんどでしたから、自民党総裁というのは、総裁になったらすぐ官邸に入って、スタッフも何も官邸のスタッフだと、こういうことで、党は幹事長がだいたい取り仕切るという形になっていたわけですね。
 ところが今回、私は官邸に入るなんていうことは全然ないわけですから、今までと同じだとやることがなくなってしまうわけでございまして、総裁と幹事長の役割分担、そしてどう一緒にやっていくかということであります。
 ですから、総裁、幹事長、例えば選挙態勢にしますと、今までは選挙対策委員長、それでいいのかと、総裁、幹事長、それから例えば選挙……どういう名前を付けるかは別として、そういうラインといいますか、そういうようなことを考えていかなきゃいけないんじゃないかと、一つ思っております。
 もう一つは、政権構想会議といいますか、その中には当然党の再生といいますか、党改革も含まれますけれども、同時に、先程申し上げた自民党はいったい国民のために何をやる政党であるかというようなことを含めて、政権に戻っていくためにどういうことを基本的に考えなきゃならんのかというのを、かなり基本的に議論していかなきゃいけないと思うんですね。
 何かそういう議論する組織を、私の下につくる必要があるのではないかと考えております。
 それから、野党になりますと、やっぱり国会論戦というのが非常に重要になってくるわけですので、政務調査会の役割というのも今までとは違ってくるわけですね。政府がやっていることの事前審査というのではなくて、実際国会の現場に来たときにどういう議論をしていくかということになりますと、政調と国会対策の役割というのは共通してくる面があります。
 そういうことを考えて、名称はもう少し考える必要がありますが、シャドウキャビネットと言われるようなものを考える必要があるんだろうと思っております。そういうようなことを含めて、これからどういう人事をしていくかということを考えたい、これが人事でしたね。2番目は何でしたっけ。

質問)河野さんと西村さんの活躍の場を具体的に。

谷垣)それはこれからよく考えさせていただきます。

質問)3点目は任期の問題です。2年間、しっかり務める。

谷垣)私の任期、2年間でしたっけ。3年じゃなかったかと思いますが、もちろんその3年間、しっかり務めあげるという前提で、頑張るということだろうと思います。

質問)シャドウキャビネットに関することなんですが、現職の議員に限らず、今回、落選者の方も登用するという考えはおありでしょうか。

谷垣)まだ具体的にそこまで考えてはおりません。ただ、これは総裁選中に申し上げてきたところでありますが、わが党には、国際金融ならこの方とか、安全保障政策ならこの方と、誰もがなるほどあの人が言ってるのかと耳を傾けるような重鎮もおられますし、それから若い方が、勉強してどんどん頑張っておられるという方もある。
 そういう両方の組み合わせをしていく必要があるのじゃないかなと思います。

shige_tamura at 10:24|PermalinkComments(3)TrackBack(0)clip!自由民主党 

民主党の篠原孝衆院議員も公設秘書から寄付

 今朝(9月30日)の読売新聞に「公設秘書の寄付、篠原議員も…350万円」という記事が載っていました。いろいろと出てきます。以下、掲載します。


 民主党の篠原孝衆院議員(長野1区)関連の政治団体に、元公設秘書が1年間にわたって国から支給された給与から約350万円を寄付していたことがわかった。
 元秘書は「篠原氏から寄付を依頼された」と読売新聞の取材に証言している。国会議員秘書給与法は、公設秘書への寄付の勧誘や要求を禁じている。

 政治資金収支報告書などによると、元秘書は篠原氏の資金管理団体「緑政会」などに計約350万円を寄付。私設秘書から公設秘書になる際、篠原氏から「公平を期すために寄付をして、公設秘書を務めてください」と依頼され、合意したという。

 篠原氏は「そのように同意を求めたことはあるが、強要したわけではなく、勧誘にはあたらない」と話している。
 篠原氏によると、私設秘書と公設秘書で給与に差があるため、同意を得て差額分を公設秘書に寄付してもらっていたという。この元秘書を含む7人の公設秘書が2004〜08年、篠原氏関連の政治団体に計約1860万円を寄付していた。

 民主党は9月15日の常任幹事会で、公設秘書から寄付を受けることの禁止を決めており、篠原氏は「見直しに従い、今年は寄付を受けない」としている。
 公設秘書の寄付を巡っては、同党の下条みつ衆院議員(長野2区)の元公設秘書2人が「下条議員に言われて給与の一部を寄付していた」と証言している。

shige_tamura at 10:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!民主党 

民主5議員の団体 政治活動費で飲食

 毎日新聞に、川端達夫文部科学相らが政治活動費(国庫から支出される政党交付金)で飲食したと報道された。
 これは、問題になりますね。

民主5議員の団体 クラブ、キャバクラ ニューハーフパブ
…政治活動費で飲食
(9月30日) 毎日新聞


 政権交代を受け、毎日新聞が要職に就いた民主党議員の政治資金を調べたところ、江田五月参院議長(岡山選挙区)=会派離脱中=や川端達夫文部科学相(衆院滋賀1区)ら5議員の政治団体が、女性従業員らに接客される「キャバクラ」などへの支払いを「政治活動費」として計上していたことが分かった。支出は03〜07年に計500万円超。支出した政治団体には党本部からの寄付を主な収入源とする団体もあり、原資には国庫から支出される政党交付金が含まれ、使途の妥当性を巡って議論を呼びそうだ。

【キャバクラ、スナック、ニューハーフショー…支出例の図入り】民主5議員団体:「行きたいという後援者がいて…」

 毎日新聞は民主党の閣僚や主要幹部について、昨年公開された07年分政治資金収支報告書からさかのぼり、過去5年分の報告書を調査。支出先の会社名などを基に調べたところ「クラブ」「キャバクラ」「ラウンジ」「ニューハーフショーパブ」など風営法2条2号で定められた店への支払いを、5議員の計7団体で確認した。

 江田氏の資金管理団体「全国江田五月会」は東京・西浅草のキャバクラなど計11店で27件、計237万円余を支払った。同会は07年、選挙対策費として党本部から2000万円の寄付を受け、これは同年の全収入の半分。川端氏が代表の「民主党滋賀県第1区総支部」と同氏の資金管理団体「川友政治研究会」、政治団体「達友会」は東京・赤坂のクラブや新宿のニューハーフショーパブなど6店で14件、計114万円余を支払った。

 ほかにクラブなどへの支出が確認されたのは、直嶋正行経済産業相(参院比例)の秘書が会計担当者を務める政治団体「直嶋正行後援会」で3店8件、計146万円余▽松野頼久官房副長官(衆院熊本1区)の資金管理団体「政治システム研究会」で2店3件、計51万円余▽松本剛明衆院議院運営委員長(同兵庫11区)の資金管理団体「松本たけあき後援会」で2店2件、計34万円余。

 民主党は03〜07年に計約548億円の政党交付金を受け、これは党本部の全収入の約8割。同党が所属議員に配る「政党交付金ハンドブック」は、交付金から酒を伴う飲食費の支出を禁止している。【政治資金問題取材班】

 ▽江田事務所の話 議員は(接客飲食店での会合に)参加しておらず、会員や支持者、秘書らが参加した。(不適切との)指摘にかんがみ、支出のあり方を(五月会の)役員会で検討してみたい。

 ▽川端事務所の話 法に基づいて正確、適切に記載している。それ以上は答えられない。

 ▽直嶋事務所の話 収支報告書の記載通りで間違いない。それ以外は答えられない。

 ▽松野氏の代理人弁護士の話 いかがわしい風俗店とは違い、打ち合わせの場所として活用している。不適切とは思わない。

 ▽松本事務所の話 このような費用は個人負担せよとのご指摘はごもっとも。議員から相当額の寄付を(返還分として)受けることを検討したい。

 ◇ことば 風営法2条2号

 風営法2条2号は「客の接待をして遊興または飲食をさせる営業」を規定。女性従業員らが同じフロアで接客する「クラブ」「キャバクラ」などがこれに当たるとされる。主にカウンター越しで接客する「スナック」でもフロア接客する場合は同様。毎日新聞は、該当するとみられるケースを集計した。

shige_tamura at 09:48|PermalinkComments(1)TrackBack(0)clip!民主党 

2009年09月29日

民主党の「子ども手当」の問題点

 今日(9月29日)、産経新聞「正論」で、民主党政権発足に寄せて 新渡戸文化学園短期大学学長・中原英臣氏が、民主党の「子ども手当」の問題点を指摘しています。
 以下、掲載します。

 ■「手当」による新たな格差を懸念

 今回の衆議院選挙で民主党が掲げたマニフェストの中で最も注目度の高い政策は、子育て支援を目的に中学卒業までの子供1人に対して月額2万6000円、年間で31万2000円を支給する「子ども手当」と思われる。
 マニフェストには初年度の平成22年度は半額支給、23年度からは全額支給とあるが、そうなると23年度からは5兆円を超える財源が必要になる。その財源は児童手当と配偶者控除の廃止や扶養控除の一部廃止などで補うことになる。

 そのため単身世帯と子供のいない共働き世帯は増税にならないが、子供が高校生以上の専業主婦世帯は年収とは無関係に増税となる。
 おそらく民主党は専業主婦世帯はゆとりがあると考えたのだろうが、そうとは限らない。会社を経営している金持ちの場合、妻が役員をしていることが少なくない。そうした妻は税制上は専業主婦でないので、もともと配偶者控除など受けてはいない。高校生以上の子供がいる専業主婦の中には、親の介護などでやむなく仕事を辞めた女性も多いはずである。

 ≪少子化対策には保育充実≫

 さらに、子ども手当が年間31万2000円ということは、中学卒業までの15年間に468万円が支給されるから、子供が3人いる世帯の子ども手当は総額で1404万円になる。これは地方によっては一戸建ての家が買える金額である。子ども手当で得をする世帯と負担が増える世帯では、最大で年間120万円の差が生じるという東レ経営研究所の試算もある。
 世帯によってこれだけ大きな差が出る子ども手当は新たな世帯間格差を生じかねない。鳩山首相にはモットーである「友愛」を感じる政策を実行してほしい。

 ところで、子ども手当は子育て支援にはなるが、少子化対策としての効果には疑問がある。首都圏で14施設の学童保育を運営するキッズベースキャンプが共働きの保護者を対象に実施したアンケートによると、子ども手当が出たらもう1人産みたい人は12%しかいないのに、産まないという人が45%、どちらとも言えない人が43%もいる。
 「産まない」と「どちらとも言えない」という人に理由を聞くと「保育園、学童などの預け先が不足している」という回答が最も多く26%もいた。この数字から、少子化対策には、子ども手当よりも保育の充実が先ということがわかる。

 9月7日に公表された厚生労働省の調査をみても、認可保育所に申し込んでも満員で入れない待機児童が、前年の30%増で2万5384人もいる。これでは日本中に待機児童が溢(あふ)れているようだが、保育所の定員数は213万2081人なのに、実際に保育所を利用している児童は204万974人と定員数を下回っている。意外なことに保育所の定員数からみると保育所は不足していない。

 東京や神奈川には待機児童がたくさんいるが富山、石川、福井など9つの県には待機児童がいない。医療と同じように保育にも地域格差があるが、地方に問題が多い医療の地域格差と違い、保育は待機児童が多い都会に問題がある。
 待機児童の解消のために保育所を増やすとしても地域の状況を考慮する必要がある。

 ≪所得制限で財源の捻出も≫

 それでは保育所さえ増やせば少子化問題は解決されるかというと、そうではなくて、保育の分野では量だけでなく質も問われる。保育所というハードも大切だが、子供を自宅で預かる保育ママの普及といったソフト面の整備も大切である。
 ハードだけでなくソフトもということになると、保育時間を延長して子供を預かる「延長保育」や通常の保育と違って手間のかかる「零歳児保育」、生まれたばかりの乳児を対象とする「産休明け保育」、子供を預けている実家の親が病気になったときの「緊急一時保育」といったサービスも充実していく必要がある。こうした保育に必要な保育士の養成も重要な課題といえる。

 さらに、子育てと仕事を両立させている女性には悩みがある。それは子供が病気になったら仕事を休まなくてはならないことである。そうしたときに必要なのが「病児保育」と「病後児保育」である。風邪などの軽い病気の子供を引き受ける病児保育は、小児科医のいる医療機関に保育室を設置すればいいだけだから、すぐに解決できる。

 インフルエンザが治っても他人に感染させる可能性がある間、保育所に預かってもらえない子供を預かるのが病後児保育である。病児保育や病後児保育の整備は有効な少子化対策となりうる。
 鳩山内閣に望みたいのは、子ども手当の支給に所得制限を設けることで世帯間格差をなくすと同時に、予算を捻出(ねんしゅつ)し少子化対策になる保育所の増設、保育士の養成、保育内容の充実などを進めてほしいということに尽きる。


shige_tamura at 11:03|PermalinkComments(2)TrackBack(0)clip!民主党 

2009年09月28日

谷垣禎一元財務相氏が新総裁に

谷垣 禎一<自民総裁選>谷垣氏が新総裁に 2氏を圧倒
9月28日14時39分配信 毎日新聞

 麻生太郎前首相の後継を決める自民党総裁選は28日投開票され、谷垣禎一元財務相(64)が党所属国会議員票と地方票合せて300票を獲得し党両院議員総会を経て第24代総裁に選出された。
 谷垣氏の得票は国会議員票(199票)のうち120票、地方票(300票)のうち180票といずれも過半数を占めた。

 河野太郎元副法相(46)は計144票(国会議員票35票、地方票109票)。西村康稔前外務政務官(46)は計54票(国会議員票43票、地方票11票)だった。無効票は国会議員票で1票。

 河野、西村両氏は世代交代や派閥解消などを訴えたが、衆院選惨敗を受け挙党体制構築を強調した谷垣氏が2氏を圧倒した。

 谷垣氏は両院議員総会で「もう一回我が党が国民の信頼を取り戻し、政権復帰できるように全身全霊を傾けて職務にあたりたい」とあいさつした。谷垣氏は今後党役員人事に着手する。

 谷垣氏は衆院京都5区選出で当選10回。財務相、党政調会長などを歴任。06年9月の総裁選に出馬し「消費税率10%」による財政再建などを訴えたが、当選した安倍晋三元首相、麻生前首相に次ぐ3位だった。



■ 谷垣禎一総裁が初の記者会見 (平成21年 9月28日)

 わが党第24代総裁に就任した谷垣禎一新総裁は、28日夕、党本部で総裁として初めての記者会見に臨んだ。
 この中で谷垣総裁は、総裁選で国会議員と全国の党員からの6割の支持を与えられたことに謝意を表明。

 「保守政党としての大道を歩んでいく」として、党再生と政権奪還に向け、全力で取り組んでいく決意を強調した。国会対応については、「賛成すべきことは健全な野党として賛成するが、与党の政策の問題点は追及するという野党の役割を果たす」との考えを述べた。

 記者からの「自民党として反省すべき点は何か」との質問に対して、「国民の目線と十分に向かい合っていなかった」との認識を示し、「できるだけ早期に47都道府県に足を運び、地域の意見に耳を傾けたい」との意向を表明した。

shige_tamura at 15:38|PermalinkComments(3)TrackBack(0)clip!自由民主党 

陸上自衛隊の素顔(監修・小川和久、小学館)

陸自陸自











 『陸上自衛隊の素顔』(監修・小川和久、小学館)が出版される。間もなく書店に並ぶ。
 アマゾンでは予約注文ができる。
 陸上自衛隊、国内最大の国家公務員、その実情を国民は知らない。
 今こそ、その素顔を知る必要がある。
 この本、写真も満載だ。さすが、監修の小川和久氏の本だけあって読みやすい。
 今回は、第1章 なぜ、陸上自衛隊か?の冒頭部分を記述した。
 
 陸上自衛隊は今、大きな岐路に立たされている。国際貢献や災害派遣などで任務が拡大する一方、政府は緊縮財政を理由に自衛隊にも大きな“リストラ”を求めようとしているからだ。言うまでもなく、自衛隊は陸上、海上、航空の3自衛隊で編成されている。総兵力は24万人あまりだが、そのうち半数以の14万人あまりが陸上自衛隊に所属している。一方、予算規模で比較した場合、防衛予算約4兆8000億円のうち、陸自に振り分けられるのは3分の1の約1兆7000億円。もちろん装備などの差はあるものの、単純に隊員1人当たりの予算で言えば、陸自はかなり低く抑えられている。

 一旦“クリストラ”が計画されれば、最も多くの人員を抱える陸自が真っ先に対象にされるのは明らかだ。民間企業では、未曾有の経済危機でリストラの嵐が吹き荒れ、正社員の雇用を守るために非正規社員が解雇されるという事態が起きているが、自衛隊においては、陸自が“雇用調整弁”の役割を担わされている面は否定できない。

 しかし、冒頭で述べたように、陸自の任務は拡大している。そして忘れてはならないのは、海上自衛隊であれ航空自衛隊であれ、その任務を遂行するには港湾や航空基地を守り支える陸自の力が不可欠という点だ。海自、空自に比べて地味なイメージの陸自ということもあり、これまでその役割やあるべき姿が積極的に論じられてきたとは言えない。平成21年末に向けて策定される中期防衛力整備計画(中期防)や自民党内で活発化しつつある敵基地攻撃論でも、話題になるのは最新鋭戦闘機や空中給油機、イージス艦や潜水艦といった海、空の兵器ばかりだが、陸自なくして本土防衛も敵基地攻撃も実現しないことは軍事専門家なら誰もが同意することだろう。

 だからこそ、本気で陸上自衛隊の現状と将来像を考えておく必要がある。そして、優秀な陸上自衛官を育てなければならない。本書はそうした視点に立ち、国民が身近に知ることが少なかった陸上自衛隊の素顔を明らかにすることを目的にしている。陸自にとって耳の痛い話も書く。保守とかリベラルといった政治的立場とは関係なく、すべての国民が知っておくべき「祖国を守る人々の真の姿」を明らかにしたい。読者諸賢には、先入観を排して、自衛隊の真実を直視し、あるべき姿をお考えいただければ幸いである。

shige_tamura at 13:30|PermalinkComments(1)TrackBack(0)clip!本の紹介 

暫定税率廃止 財政にも環境にもよくない

 民主党の政策で、一番良くないと思うのが、ガソリンの暫定税率廃止だ。
 これは、ガソリンが急騰したときに、民主党が悪乗りして「ガソリンの暫定税率廃止」を叫び、それが、そのままマニフュストにもなり、今度はそれを実行することになるが、問題は多い。
 今日(9月28日)の読売新聞は、その点を批判している。以下、掲載します。


暫定税率廃止 財政にも環境にもよくない(9月28日付・読売社説)


 ガソリンが安くなればドライバーには朗報だ。だが、減税であく財政上の大穴は、どう埋め合わせるのだろう。
 藤井財務相が、ガソリン税や軽油引取税などに上乗せされている暫定税率を来年4月から廃止する方針を表明した。
 実現すれば、ガソリンの小売価格は1リットルにつき25円下がる。その反面、国と地方は、あわせて消費税1%分に相当する2・5兆円の財源を失ってしまう。

 鳩山内閣は温室効果ガスの国内排出量を1990年より25%削減するという厳しい中期目標を掲げるが、暫定税率の廃止は地球温暖化対策にも逆行しよう。廃止は撤回すべきである。

 民主党は昨年3月、「ガソリン値下げで国民生活を守る」として暫定税率の期限延長に反対した。この結果、根拠法が失効して暫定税率は昨年4月にいったんなくなった。約1か月後に当時の与党の再可決で復活した経緯がある。
 それ以来、暫定税率の廃止は民主党の看板政策となってきた。党内の一部にあった慎重論を抑えて来年度の廃止を打ち出したのは、来夏の参院選に向け、新政権の成果としたい思惑からだろう。

 しかし、国の財政は巨額の財源を手放していい状況ではない。度重なる景気対策で今年度の新規国債発行額は44兆円に達し、税収は当初の予想をさらに下回ることが確実と見られている。
 民主党は「歳出のムダを減らせば減収分は穴埋めできる。地方には迷惑をかけない」というが、具体策は不明確なままだ。

 今年度から道路特定財源が一般財源化され、ガソリン税などの税収は、福祉や医療、教育などに回せるようになった。しかし、今年度予算では、税収の9割が相変わらず道路予算に使われ、一般財源化はかけ声倒れになっている。

 新政権は道路予算を洗い直し、一般財源化を名実ともに実現することにまず力を注ぐべきだ。
 道路整備のために導入された一時的な上乗せ税率が35年も続いてきたのが問題というなら、暫定税率を本則として位置づけし直すことを検討すべきであろう。
 民主党内には暫定税率をいったん廃止した後、その一部を取り込む形で地球温暖化対策税を創設する構想もある。工場などの温室効果ガス排出を抑えるため、あわせて産業分野への新たな環境関連課税も検討されるとみられる。
 だが、新たな企業課税は経済界の活力をそぎかねない。拙速な導入は禁物だ。

shige_tamura at 09:54|PermalinkComments(3)TrackBack(0)clip!民主党 
ランキング一覧

人気blogランキング

人気blogランキングに参加しました。
応援よろしくお願いします。
月別アーカイブ
最新コメント