2009年01月

2009年01月27日

与党・海賊対策等に関するプロジェクト・チーム中間取りまとめについて

与党 与党・海賊対策等に関するプロジェクト・チームの中間取りまとめについて解説します。
 これは、平成21年1月22日に「与党・海賊対策等に関するプロジェクト・チーム中間取りまとめ」として決定されました。

 その経緯及び内容について説明します。

 昨年、ソマリア沖・アデン湾における海賊被害は111件もあり、内42隻がハイジャックされるなど深刻な状況となっております。
 こうした中で、ソマリア周辺海域の海賊対策への各国の協力を呼びかける国連安保理決議1816等が発出されるなど国際的な取り組みが強化されてきております。
 また、日本船主協会及び全日本海員組合から航行の安全確保のため自衛隊艦船の派遣要請もあり、我が国国民の生命、財産を、我が国自身が守るという観点から早急な対策が求められておりました。

 このような情勢を踏まえ、本年1月7日の与党政策責任者会議において「与党・海賊対策等に関するプロジェクト・チーム」の設置が決定され、海賊対策の新法制定について、及び新法制定までの間に現行法制下で何ができるのかについての検討を命ぜられました。
 自民党の中谷元衆議院議員と公明党の佐藤茂樹衆議院議員の両議員が、同プロジェクト・チームの共同座長として、先ずは、現行法制下で何ができるのかにつき、5回に亘り集中的に議論し、本年1月22日に「中間とりまとめ」を決定しました。

 この「中間とりまとめ」では、3月上旬を目途に「海賊行為への対処等に関する法律(案)(仮称)」を提出し、その成立を期する旨決定するとともに、当面の応急措置として、海上警備行動の発令などを求め、
 ?海賊対処の主体、
 ?海上警備行動による保護の対象、
 ?海上警備行動における武器使用、
 ?海賊行為に対する司法警察業務の運用、
 ?国際協力、
 ?海賊対処に関する具体的な計画の策定、
 ?国民の理解を得る努力、
 ?国会との関係、の八項目を政府に要請することにつき了承を頂きました。

 今回の「中間とりまとめ」は、本日(1月27日)の与党政策責任者会議に報告されて、麻生総理に申し入れが行われることになっています。

 以下が、「中間とりまとめ」です。

平成21年1月22日
与党・海賊対策等に関するプロジェクト・チーム中間とりまとめ

 国連海洋法条約等に即した海賊行為の抑止及び取り締りのための「海賊行為への対処等に関する法律(案)(仮称)」を3月上旬を目途に国会に提出し、成立を期するものとする。
 なお、当面の応急措置として、昨今のソマリア周辺海域における海賊事案の急増・多発が、我が国国民の生命及び財産並びに海上交通の安全に対する深刻な脅威となっている現状にかんがみ、以下の対策を講じることを要請する。

1 海賊対処の主体 
我が国における海賊対処の主体は、第一義的には海上における法執行機関である海上保安庁である。しかしながら、ソマリア周辺海域における海賊に対して、海上保安庁が対処することは極めて困難である現状にかんがみ、自衛隊法第82条の規定に基づく海上における警備行動(以下「海上警備行動」という。)を発令し、自衛隊が対処するものとする。また、これに加えて当該海賊に対する司法警察業務に関しては、海上保安庁が当たるものとする。
 これらの任務を遂行するに当たり、自衛隊及び海上保安庁は、準備段階を含め緊密に連携し相互に協力するものとする。

2 海上警備行動による保護の対象
海上警備行動の保護対象は、基本的には日本国民の生命又は財産であるが、具体的な保護の対象となり得るものは、以下の通りとする。 なお、具体的な保護の対象に関する船舶運航事業者等との連絡調整に関しては、国土交通省が当たるものとする。
(1)日本籍船
日本籍船は保護の対象に該当する。
(2)外国籍船の日本人
外国籍船に乗船する日本人乗組員又は日本人乗客は、保護の対象に該当する。
(3)その他の船舶
我が国の船舶運航事業者が運航する日本関係船舶や、外国籍船に積載されている我が国の積荷についても、公共の秩序の維持の観点から海上警備行動による保護の対象に該当し得る場合がある。

3 海上警備行動における武器使用
ソマリア周辺海域における海賊に対しては、自衛隊は海上警備行動の武器使用権限である警察官職務執行法第7条により対処するものであるが、その具体的な運用基準に関しては、関係省庁が必要な協力を行い、防衛省が作成する。

4 海賊行為に対する司法警察業務の運用 
 海賊行為に対する司法警察業務については、自衛隊が行う保護業務の円滑な遂行を考慮しつつ、自衛艦に同乗するなどした海上保安官が行う。業務遂行にあたっては、事案に応じ、自衛隊が対処した海賊について、海上保安官が所要の捜査を行うこととし、身柄や関係証拠等の取扱いを含めその現実的方策について、政府において適切に対応していくものとする。

5 国際協力について
 ソマリア及び近隣沿岸国の治安維持能力、海上保安能力等の向上のための国際協力を引き続き推進するほか、今般の当面の措置を講ずるに際し、ソマリア周辺海域において海賊対処に当たっている国又は国際機関とは緊密に連携し協力する。

6 海賊対処に関する具体的な計画の策定
 政府は、海上警備行動の準備に直ちに着手し、速やかに海賊対処に関する具体的な計画を策定し、与党PTに報告するものとする。

7 国民の理解を得る努力
 政府は、海賊対処に関する国民の理解を得る観点から、ソマリア沖における海賊の現状、国際的な取り組みや我が国の対処について、あらゆる機会を捉えて、丁寧な説明を行うとともに、より積極的な広報を行う。 

8 国会との関係
海上警備行動を発令した場合には、政府として所要の報告を国会に対して行うものとする。

2009年01月26日

加藤良三氏(日本プロ野球コミッショナー、前駐米大使)の講演、その6

加藤 昨年11月29日、第43回日本論語研究会での日本プロ野球コミッショナー・加藤良三先生の素晴らしい講演「日米関係―アメリカについて感じたこと―その6」をお届けします。

6. 情報の重要性

 私の古巣であった外務省には、何人かは素晴らしい人がいて、いろんなことに危機感を持つ。その中の一人が持っていた危機感は情報についてです。日本では、湯水だけでなく、情報もただなんですね。

 情報というものは、本来の国家目的のためにどう使われるべきかということを離れて、全然別の目的のために切り売りされているという印象を持ちます。

 その私の後輩曰く、日本の情報のシステムはクラゲ型ですね、ぶよぶよとしていて一つ一つの触手は刺すのですが、それらを統合する中央の頭脳(central brain)がないなと。全くその通りです。漏れるべきでない情報が漏れて、伝わるべき情報が総理に伝わらない。

 おそらく官民の別なしに、そうだと思います。情報に対する緊張感が薄れているのです。
 中国の政治体制、中国の行動をどう評価するかは別にして、中国には情報というものについての緊迫感、緊張感があると思います。日本は情報に対する感覚が弛緩しています。この辺が戦争と絶縁したことが不可避的にもたらした負の面だと思っています。

プレジデント 2009 2.2号「勝ち残る人が読む本 落ちる人の本」 

本今回の『プレジデント』は、09年版「役職・課目・場面別」厳選600冊!
 「勝ち残る人が読む本 落ちる人の本」の特集だ。
 これは保存版 逆風にモノをいう!勝ち本600冊―というものだ。
 こういう時にこそ、後で、本を読んだ数の違いが人生を左右します。

これは、本当に僕の実感です。

shige_tamura at 16:37|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!本の紹介 

日本論語研究会は大盛況でした

山本山本











 24日(土)、慶應義塾大学(三田)の「日本論語研究会」では、100名を超える参加者が集まり、超満員でした。
 講師は、山本卓眞(富士通名誉会長)氏で、テーマは、「先人に学ぶ」でした。
 とても役に立ち、感動的な話でした。
 以下が、山本卓眞氏のレジメです。


  先人に学ぶ 
     
1 忘れえぬ人々

  島田安也部隊長   極限状況の下で
            祖国の再建に力を尽くせ
  尾高朝雄教授    眞理の探求は生易しいことでない
            軽挙妄動・付和雷同の戒め
  小林大祐課長    ともかくやって見よう     新事業
     (社長)   天才・池田を活躍させた名伯楽    exempt 1号
  岡田完二郎社長   戦略的経営  情報、選択、集中   営業重視  
            社内動員
            開発投資と損益管理  10年で売り上げ10倍  自律
  
  小倉昌男社長  飽くなき独創 骨折損の草臥れ儲け 官僚との戦い
          障害者への配慮・行動


2 先人の足跡

  聖徳太子    元寇     独立
  明治維新    改革 大政奉還  廃藩置県  武士消滅  富国強兵
  独立維持   薩英戦争   馬関戦争   武士の存在
  三つの世界史的偉業
 
 2.1 日清・日露戦争  大国との戦い    日本将兵の規律
            世界、アジア諸国への衝撃
 2.2 大東亜戦争  人種差別・植民地の終焉  人類の基本道義確立
            アジア、アフリカの独立   偉大な歴史
 2.3 経済発展    日本のODA・企業進出とアジア雁行発展、  

            78小平開放経済  86ペレストロカ  91ソ聯崩壊              共産計画経済の決定的敗北
            銃によらない大東亜共栄圏:H.Stackpole’90
 
 先人の志 アジア自立共栄  勝海舟  岡倉天心  河口慧海  松嶋一等兵
     人種平等     国際連盟で主張  牧野伸顕:Wilson
          

3 日本の文化   美しい国土

   文武両道   金銭より名誉    貧乏を恥とせず
   私より公   理性、有能、規律  窃盗極稀     ”高貴“
   戦略性欠如  国家の危機を真剣に考えない、文化的弱点
          情報感覚   自己主張:謙譲の美徳     
   日本の志   共存共栄   国際道義



* 次回の日本論語研究会で、僕が講演します。

*会場は、全て慶應大学・三田キャンパスです
 (港区三田2−15−45)(JR田町、地下鉄三田下車)


第46回
1、日 時 2月21日(土)16時30分〜18時
2、場 所 慶應義塾大学 大学院校舎1階 311号室
3、講 師 田村重信(日本論語研究会代表幹事)
(テーマ、継続することが目的―5年目を迎えた日本論語研究会)

第47回
1、日 時 3月14日(土)16時30分〜18時
2、場 所 慶應義塾大学 西校舎1階 516教室
3、講 師 溝本(安岡)定子(文の京こども論語塾講師)
(テーマ、「祖父・安岡正篤とこども論語塾」)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

〇参加費 300円(家族は2人以上で500円、学生は無料です)
〇問い合せ先  田村重信(代表幹事)
 Eメールstamura@hq.jimin.or.jp へ連絡下さい。電話―3581−6211(職場)    事務局〒105−0002 港区三田2−15−45 慶大・南館20510
日本論語研究会03−5427−1328(直通) FAX 03−5418−6584(共同)
(参考)日本論語研究会の日程(2週間前と1週間前に2回)と研究会の内容などは、ブログに掲載しています。 ブログ「たむたむの自民党VS民主党」http://tamtam.livedoor.biz/

小沢一郎民主党代表の金脈を撃つ 執念の調査報道スクープ! 連続追及第15回

週刊小沢











 小沢一郎民主党代表の金脈を撃つ 執念の調査報道スクープ! 連続追及第15回
ジャーナリスト 松田賢弥
裏ガネ疑惑 西松建設が手に入れた狆沢王国甬雎杆共事業
―岩手県内だけで受注額は13ヵ所約193億円。政治献金は現職知事にまで―

 今朝、発売の『週刊現代』ぼ連載です。記事の冒頭と終わりの部分を掲載します。
 全文は週刊誌をお読みください。


 1月20日夜、準大手ゼネコン「西松建設」の約20億円にものぼる巨額裏ガネ事件の捜査は、ついに経営トップにまで及んだ。
東京地検特捜部は、国沢幹雄前社長(70歳)を外為法違反の疑いで逮捕したのだ。
 国沢には、「西松建設」が実体を隠した「ダミー」の政治団体を設立し、そこを通じて自民党や民主党の複数の国会議員への政治献金やパーティー券購入によって総額約4億8000万円にのぼる牋稻仝ザ皚瓩鮖惻┐靴慎燭い盪たれている。
 この牘れ蓑瓩箸覆辰神治団体は「新政治問題研究会」(95年設立。以下、新政研)と「未来産業研究会」(99年設立。以下、未来研)だ(双方とも06年に解散)。
 本誌前号でも触れたように、03年から06年で両団体の献金を最も多く受け取った政治資金管理団体は、民主党代表・小沢一郎(66歳)が代表を務める「陸山会」で、その総額は2100万円だった。小沢が最高顧問に就いている「民主党岩手県総支部連合会」(以下、民主党岩手県連) への1100万円と、小沢自身が代表の「民主党岩手県第4区総支部」(以下、民主党岩手第4支部)への1400万円を加えると、献金総額は4年間で実に4600万円にものぼる。

 「西松建設」が行った牋稻仝ザ皚瓩呂修谿柄阿砲眩未襪海箸できる。「岩手県報」によると、民主党岩手第4支部に00年、両団体から200万円、同じく01年は600万円、02年は700万円の計1500万円の献金が行われていた。
 さらに、民主党岩手県連には03年、「西松建設」の子会社「松栄不動産」(東京都港区)から100万円の献金が行われていた。
「松栄不動産」は「西松建設」の裏ガネを管理する役割を担っていたとされ、1月14日には前社長の宇都宮敬(67歳)が外為法違反の疑いで、「西松建設」の前副社長・藤巻恵次(68歳)らとともに東京地検に逮捕されている。

 岩手県は小沢の故郷であり、小沢は絶大な影響力を保持している。現県知事・達増拓也を衆議院議員(岩手l区)から県知事に担ぎ出したのも小沢だった。
「西松建設」の二つの「ダミー団体」が民主党岩手県連に献金していた03年から06年の4年間は、ちょうど達増が民主党岩手県連の会長に就いていた時期でもあるのだ。

 あまりに露骨な政界工作が行われ、岩手は狎松哨泪諭辞瓩農められていたといっても過言ではない。いつたい「西松建設」は岩手で何をしていたのか――。

(略)


「献金の効果が現われている」


 県の「西松建設」への発注状況について、別の県議はこう憤った。
 「『西松建設』が『ダミー団体』を通じて小沢や達増に多額の政治献金をした効果が如実に現れているとしかいいようがない。なかでも、『花巻空港」の工事は誰がみても取り過ぎだろう。民主党は達増県政の与党だ。彼らには発注側として責任がある。『西松建設』の牋稻仝ザ皚瓩魏召法愧里蕕覆った』で済まそうとするなら県民は納得しない」
 しかし、小沢は政治家としてまともな説明責任を果たそうとしない。
 日本大学法学部の岩井奉信教授はこう指摘する。
「そもそも『西牧建設』に不正に作ったおカネがあって、その『西松建設』から小沢さんに献金がなされているわけです。前社長が逮捕されたのですから、コンプライアンス的にも問題がある企業だということ。小沢さんが知っていたとか、知らなかったという問題は別です。最後に献金されたのが06年だと、政治資金規正法の時効(3年)になってしまいますが、時効の問題は別にして、倫理的に返金して襟を正すのが妥当だと思います」

 「政権交代」の主張の前には、ゼネコンからデタラメな政治献金を受けていた猊埓記瓩睫簑蠅砲覆蕕覆い隼廚辰討い襪箸靴燭藺膣岼磴い澄小沢に「国民による、国民のための政治」などと口にする資格はどこにもない。(文中一部敬称略)

shige_tamura at 11:46|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!小沢一郎 

アメリカが隠し続ける金融危機の真実(ベンジャミン・フルフォード著、青春出版社)

ベンジャベンジャミン・フルフォード氏の『日本がアルゼンチンタンゴを踊る日』(光文社)を読んで以来、時々、氏の本を買って読んでいた。
 今回は、米国の金融危機にからんでのもので、それなりに参考になった。
 以下は、エピローグを掲載する。

 エピローグ
 新たな世界通貨がパラダイムの終わりを告げる

 こんなシミュレーションが現実になるかもしれない。
 ある日突然、あなたの口座が凍結されてしまう。振り込まれたばかりの給料とそれまでの預金を合わせた160万円の普通預金が引き出し不能だ。政府と銀行からは「通貸切り替えのための一時的な処置」というアナウンスがあり、1週間後には平常に戻ると説明される。

 だが、約束の期日に銀行へ行って口座を確認すると、そこには80万円相当の額の預金しか残っていなかった・・・・。消えた80万円はどこにいったのか。それは国の抱えていた借金を相殺し、ドルに代わる新通貨制度を安定させるために使われてしまったのだ。
 そこまではありえない?と思っただろうか。
 しかし、そんな過激なことが行われる未来が、すぐそこに近づいている。
 それは何も私ひとりだけが予測している未来図ではない。
 
 たとえば、投資家のジョージ・ソロス。これまで金融市場で儲けまくってきた男が08年のダボス会議で、いち早くドルの終焉について語った。
「金融市場には保安官が必要になる。世界はドルを買い増すことに消極的だ」「現在の危機は、ドルを国際通貨とする時代の終焉を意味する。ワシントン・コンセンサスではなく、新しい保安官が必要だ」

 EUで強い影響力を持つドイツの財務相シュタインブリュックも、連邦議会の演説でアメリカの衰退をはっきりと語った。

「世界は金融危機前とは一変するだろう。米国は世界の金融システムにおける超大国の座を失い、世界の金融システムは一段と多極化する」「ウォール街は決して元通りにはならない」

 G20金融サミットの直前には、フランスのサルコジ大統領が「ドルはもはや基軸通貨ではない」と語り、「第二次世界大戦終了時、ドルは確かに唯一の世界通貨だったが、今日もそうだとは言い難い。20世紀につくられた制度をそのまま21世紀に持ち込むことはできない、というのがフランスの立場だ」と述べた。

 そして、今後の世界経済のキャスティングボートを握る中国でも、人民日報にこんな論文が掲載された。
「世界は、国際機関を通じた民主的なやり方で、米国(ドル)が主導してきた従来の通貨システムを変更する必要がある。アジアと欧州の間の貿易は、ドルではなく、ユーロ、ポンド、円、人民元で決済する必要がある」

 ドル基軸通貨制を堅持したい日本政府の意向で、日本のメディアではあまり報じられないが、アメリカ、イギリス、日本を除く世界各国は、すでにドル後の通貨体制、世界経済がやってくることを予期して動き出している。

 つまり、今回の金融危機を契機としてドルの基軸通貨制が崩れ、新たな世界通貨が生まれる……というのは突飛な主張ではない。むしろ、そうならざるえないところまで今の仕組みにガタがきてしまっただけなのだ。むろん、ポンドからドルへの移行期に混乱があったように、産みの苦しみはあるだろう。その痛みは世界各国が応分に負担することになる。

 だが、実体経済に対して増えすぎてしまった数値だけのマネーを一度削除しなければ、世界がいい方向に変わることはできない。乱暴な言い方だが、中央銀行のコンピュータをリセットし、再起動させてゼロからやり直す。その新通貨がどんな名称になるのかはまだわからないが、イメージとしては新通貨のもとにドル、ユーロ、円、人民元、ルーブルなどが並び立つ形になっていくだろう。

 たしかに今、ひとつのパラダイムが終わろうとしている。ドルを骨董品として額に入れて飾る時代が訪れた。そんな歴史の転換期に立ち会っていられることは、私たちにとって幸せなことなのかもしれない。

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2009年01月23日

加藤良三氏(日本プロ野球コミッショナー、前駐米大使)の講演、その5

加藤 昨年11月29日、第43回日本論語研究会での日本プロ野球コミッショナー・加藤良三先生の素晴らしい講演「日米関係―アメリカについて感じたこと―その5」をお届けします。

5.インド洋での給油法(補給支援特措法)の意義

 インド洋での給油法案についても、こうした根本論が欠けている。
 戦争と絶縁しているが故に緊張感の欠如がある。日本がインド洋にテロとの戦いの文脈で、しかも軍事目的でなくて、自衛隊の艦船を派遣したとき、米国の日本をよく知る政治の要職にある人達は、こぞって、私に対し、日本は随分素晴らしい戦略的前進を遂げたと言いました。

 即ち日本は、軍事力ではなくて、経済、技術力、文化、政策の一貫性、そういうものを寄せ集めて、高い地位を保ってきているのですが、経済に於ける石油の比重はまだまだ大きい。
 二度にわたるオイルショックを経験しましたから、日本のエネルギーの節約(energy conservation)は世界に冠たる成果であると思っています。70%80%もあった石油の依存度が50%まで落ちている。それでもまだ50%です。その99%が輸入であり、92%くらいは中東から来ているわけです。

 中東から、アラビア湾、インド洋、マラッカ海峡、ロンボク海峡、南シナ海、東シナ海、台湾海峡、バシー海峡、この6千海里以上の長い長いシーレーンを通ってその石油は日本に到達するわけです。

 そのシーレーンの安定、日本の国力の根源にとって枢要であるシーレーンの安定を誰が保つのか、まだ国際社会は十分な回答を出し得ないでいます。これからもなかなか出し得ないのではないかと危惧します。

 絶対条件ではないけれども、必要不可欠な条件の一つは米国のプレゼンスだろうと思います。国際機関が十分な能力を発揮できないことが現実である今日、米国のプレゼンスは国際公共財という意味合いを持っていると思いますが、日本が何もしないで済むことを意味しない。

 テロとの戦いを契機に日本が数隻でもインド洋に給油活動のために自衛隊の艦船を送ったということを、世界中が、中国も韓国も含めて、こぞって賞賛した、誰も反対しなかった、日本のシーレーンの安定にとって不可欠のインド洋が、日本の海でもあることを世界に納得させたことは素晴らしい。

 ところがあたかも日本が悪いことでもしたかのように、引き上げると言うことになった、もし引き上げて日本がインド洋でのプレゼンスを消すという事態が長い間続いたら、その次に日本がシーレーンで自らの国益を守るということのために何かしようとして、同じように船を出そうとした場合にエキストラコストがかかるかもしれないぞ、そのときまでの状況によって文句をつける国が出て来るかもしれないぞ、との指摘を受けました。

 そういうときに東京の外務本省から訓令を受けました。日本から渡した油が一滴たりともイラクに使われていないだろうなという質問です。
 訓令だから米国政府にぶつけます。米国の戦いが正しいかどうかは別ですが、米国は現実にアフガニスタン、イラクで取り込み中なわけです。そのときに、日本の油は一滴たりともイラクにまわっていないでしょうねと夜な夜な確認を求められ、確証を提示せよとせまられると、やはり現場はくたびれてくるのです。

 日本からの油は使いにくい油だ、いつ切られるかわからない油だと、米国として本格的に依存すべき油かどうかわからない油だと、そういう声になるのです。
ブッシュ大統領の評判は現時点においては非常に芳しくなくて、むしろ私から見ると不公平なほど彼に厳しい意見が多いのですが、ブッシュさんの評価は米国の歴史、世界の歴史が将来決めるべきものだと思っています。

 しかし、ブッシュさんは、こと日本の貢献に関しては、それを非常に高く評価していて、最高の政治レベルで、日本の貢献というのは実に重要であって、国際社会の努力に必要不可欠な努力の一部だと言い続けて、全部蓋をかぶせてきたわけです。しかし、現場ではそういう不満が渦巻いていました。この辺のセンスのなさというのは戦争の絶縁というものと無縁ではないと思います。

日本人が知らない恐るべき真実(安部芳裕著、晋遊舎新書)

本 僕の息子が「おやじ、この本面白いから読んだらいいよ」といって渡された本です。
 一読して、役に立った。
 その中で、これは心配というところを掲載します。

 世界の開発途上国の累積債務を合計しても約389兆円にしかなりません。日本は他国と比べ財政規模が余りにも大き過ぎるので、この巨額の負債は国際機関であっても救済できないのです。(参考、日本は国・地方の負債は581兆円)
 日本の財政破綻はIMFが助けられる規模ではありませんが、日本が自力で再建ができない場合、国の経営権は失うことになる可能性が大きくなります。
 2002年2月14日の衆議院予算委員会で「ネバダ・レポート」という文書が取り上げられ、金融・財政関係者の間で話題となりました。米国の金融専門家たちは日本の財政状態を、もう既に回復不可能なほど財政破綻が進んでおり、これを改善するためには相当大胆な改革を断行しなければならず、日本が自らこのような改革をやることはないので日本は遠からず破産すると見ているようです。この経済金融レポートには「日本がIMFの管理下におかれたときの予測」を書いていて、下記8項目の改革が行われるであろうと予測しています。

仝務員の総数、給料は30%以上カット、及びボーナスは例外なく全てカット。
公務員の退職金は100%全てカット。
G金は一律30%カット。
す餾弔陵払いは5〜10年間停止。
ゾ暖饑任20%に引き上げる。
Σ歙悩把禪造魄き下げ、年収100万円以上から徴税を行う。
Щ饂裟任鯑各して不動産には公示価格の5%を課税、債券・社債については5〜15% の課税、株式は取得金額の1%を課税。
預金は一律1000万以上のペイオフを実施し、第2段階として預金額を30〜40%財産税 として没収する。

(略)

 移動する資本

 貨幣改革論者たちにとって利子の次に問題とされるのが「移動する資本」の問題です。
 お金は自己増殖するために利益を求めて移動するのです。
 昔はたいてい街の中心に商店街があり、そこで地元の人たちが生活に必要なモノを調達していました。しかし、大資本がやって来て大型店舗をつくると、人々は安くて品揃えの多い大型店舗で買い物をするようになります。
 大型店舗は大量仕入れによって物を安く仕入れることができます。一時期、街は活況を呈し、人々もそれにつられて集まってきます。しかし、続々と大型店舗ができてくると、その地域での売上げを伸ばせなくなり、大資本は次なる市場を求めて移動します。
 その地域からお金をガッポリ持ち去って…。しかし、住民はそれに伴い移動することはできません。その地域にはお金だけでなく雇用も失われます。失業者がたくさん出て、街は一気に活力を失います。人々は不安になり、更に出費を抑えることで経済が滞ってしまいます。こうして破壊され、寂れた街がたくさん出てきています。

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