2008年03月

2008年03月31日

防衛大学校卒業式 来賓祝辞(北岡伸一氏)

防衛大1平成19年度防衛大学校卒業式 来賓祝辞

 卒業生の皆さん、ご家族ならびに関係者の皆さま方、本日はまことにおめでとうございます。
 卒業生の皆さんは、これまでの勉学の日々を懐かしく回顧しつつ、これからの責任の重さについて覚悟を新たにしつつ、この日を迎えられたと思います。国の安全を担う皆さんの出発に立ちあう機会を与えられたことは、私にとって、この上ない喜びであります。

 しかるに、現在の日本には、閉塞感、無力感が漂っています。少子化の進行で人口は減り始めました。日本はもはや第一級の経済大国ではないという見方も広がっています。
 日本の周辺では、北朝鮮の動きが依然として不透明です。日本の最も重要なパートナーである米国の力に陰りが見られます。そして中国は、目覚ましい発展の中に、大きな不安を抱えています。

 皆さんの周囲を見渡せば、防衛省と自衛隊に、考えられないようなミスや不祥事が起こっています。まことに残念なことです。
 しかしこういう時にこそ、日本人はその歴史を振り返り、また広く世界を見渡してほしいと思うのです。

 私はかつて国連大使としてニューヨークで勤務して参りましたが、200近い国連加盟国の中で、日本は特別の位置にある国です。

 すなわち日本は、19世紀の半ば、西洋中心の国際社会に編入されて以来、さまざまな苦労を重ね、わずか50年で大国とみなされるようになりました。この間、250年続いた幕府中心の体制を変革し、次いで維新の主役である薩摩長州を含む藩を廃止し、さらに、武士身分そのものを廃止するという大変革をなし遂げました。

 その後、方針を誤り、戦争に敗れましたが、焦土から再び立ち上がり、経済大国となりました。
 日本の民主主義も、途中で挫折はしたものの、議会開設から118年、自由民権運動から数えればさらに長い歴史を持っています。非西洋諸国の中ではまったく例外的なものです。
 このように発展した日本は、世界の多くの国々にとって、まぶしいような存在なのです。多くの国々が、いつか日本のようになりたいと切望しています。その日本が、現在程度の停滞で元気をなくしてどうするのかと、私は思うのであります。

 こうした世界史の中におけるユニークな位置ゆえに、日本は世界の事柄に広く、深く関与すべきだと考えます。経済のみならず、政治や安全保障においても、そうすべきだと思うのです。
 
 実際、現代の世界で安全を維持するためには、自国とその周辺だけに視野を限るわけにはいきません。テロとの戦いから感染症に至るまで、広く世界との関与が必要です。
 世界各地における地域紛争や国内紛争についても、日本は積極的な役割を果たすべきです。しかし、遺憾なことに、国連の平和維持活動に対する日本の参加は、参加人員の数でみる限り極めて低調で、主要国の中で最下位です。
 こうした平和維持活動は、それ自身、日本にとって有意義なものです。それによって、現地の政府や民衆との交流を深め、他の参加国とも交流を深め、さらに重要なことに、演習では得られない多くの貴重な経験をすることができます。
 
 そして、こうした世界の平和と安定に貢献する姿が、日本が地域で重きをなす所以であります。アジアにおける日本の比較優位は、自由、人権、民主主義といった普遍的価値にコミットしていることです。これらが普遍的な価値である限り、日本は世界中の自由と人権と民主主義に、さまざまな方法で、積極的に貢献すべきです。いわゆる国際貢献は、その意味でも、決して自衛隊の付随的な任務ではなく、まさに日本の安全保障政策の中核的な部分であります。

 にもかかわらず、安全保障における日本の国際貢献が低調なのはなぜか。それは、戦後日本の防衛政策が、第二次大戦への反省と、冷戦への対応という、二つを基礎として作られ、そのまま変化していないところにあると考えます。

 日本は自衛隊を国外に出さず、米軍との密接な関係の下で自国の防衛に専念し、それによって西側の一員として責任を果たしてきました。それは、当時にあっては適切な選択でした。しかしこの間作られた制度や政策の中には、すでに時代に合わなくなっているものが少なくありません。

 昨年の防衛省における不祥事も、つまるところ、過度の対米依存と過度の国内重視と、無関係ではありません。

 日本の安全保障政策は、今後とも平和愛好的なものであるべきですし、日米同盟も断固堅持すべきです。しかし、もう少し世界に目を広げた、もう少し自立的な安全保障政策が必要です。そうした方向への変化こそ、グローバル・プレイヤーとして日本に必要であり、また日米の信頼関係をかえって強化するものであると信じます。

 軍事の本質は予測不可能性です。戦争において、人は相手の裏をかこうとするものです。したがって、いかなる事態にも想像力をもって柔軟に対応する能力が肝要なのですが、日本の安全保障政策の中には、硬直した惰性的な思考と行動が、色濃く残っているといわざるをえません。

 もちろん諸君は政府の方針に忠実に行動するのであり、それを超えた柔軟性というのはありえないものです。しかし、将来のいかなる事態にも対応できるよう、歴史を紐解いて教訓を求め、また世界情勢に対する研究を怠らず、絶えず研鑽を続けてほしいのです。その基礎を、この防衛大学校は諸君に提供してくれたものと信じます。

 この困難な時代に、国家のもっとも重要な任務に就かれる諸君に、あらためて心からの敬意を表して、私の祝辞といたします。

平成20年3月23日

東京大学法学部教授  北 岡 伸 一


2008年03月28日

日本論語研究会の予定

福田(左の写真は北京で買ってきた福田総理の本です)

4月から7月までの予定が決まりました。

*会場は、全て慶應大学・三田キャンパスです
 (港区三田2−15−45)(JR田町、地下鉄三田下車)


今回
第37回 
1、日 時 4月12日(土)16時30分〜18時
2、場 所 慶應義塾大学 大学院校舎1階 311号室
3、講 師 岩越豊雄・(社)国民文化研究会理事、寺子屋「石塾」主宰、
元小田原市立小学校校長
(テーマ、教育再生のために−親子で『論語』を素読する気運を−)


第38回 
1、日 時 5月17日(土)16時30分〜18時
2、場 所 慶應義塾大学 大学院校舎1階 311号室
3、講 師 安達俊雄・シャープ(株)代表取締役副社長
(テーマ、「官」と「民」私の経験)

第39回
1、日 時 6月14日(土)16時30分〜18時
2、場 所 慶應義塾大学 第1校舎1階 102番教室
3、講 師 豊島典雄・杏林大学総合政策学部教授
      (テーマ、未定)

第40回
1、日 時 7月5日(土)16時30分〜18時
2、場 所 慶應義塾大学 第1校舎1階 102番教室
3、講 師 番匠幸一郎・陸上自衛隊幹部候補生学校長、第1次イラク復興支援群長
(テーマ、陸上自衛隊幹部候補生のリーダー教育について)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
〇参加費 300円(家族は2人以上で500円、学生は無料です)
〇問い合せ先  田村重信(代表幹事)
 Eメールstamura@hq.jimin.or.jp へ連絡下さい。電話―3581−6211(職場)   

 事務局〒105−0002 港区三田2−15−45 慶大・南館20510
日本論語研究会03−5427−1328(直通) FAX 03−5418−6584(共同)
(参考)日本論語研究会の日程(2週間前と1週間前に2回)と研究会の内容などは、ブログに掲載しています。 ブログ「たむたむの自民党VS民主党」http://tamtam.livedoor.biz/


防衛大学校における校長式辞

防衛大平成19年度卒業式式辞

 防衛大学校本科第52期生424名、大学院・理工学研究科修士課程61名、博士1名、ならびに総合安全保障研究科(修士)18名の諸君が、本日それぞれの課程を修め、ここ小原台の生活に別れを告げる時を迎えました。本校の全教職員とともに、心より諸君にお祝い申し上げます。おめでとう。
 
 また、諸君をこれまで育て、支え、励ましてこられた御家族の皆様には、とりわけ感慨深いものがあることを拝察致します。心からなる感謝と祝意を表します。
 
 本日、この式典に、国務多端の中、福田内閣総理大臣、石破防衛大臣のご臨席を賜りましたこと、ならびに小泉元内閣総理大臣、前国連大使北岡伸一教授をはじめ、内外多数の来賓各位にご参列いただきましたことは、誠に光栄であり、厚く御礼を申し上げます。
 
 世界の士官学校の中で、防大には二つの特徴があります。一つは陸海空の統合士官学校をいち早く始めたことです。もう一つは大学院の課程をもあわせ持つことです。 本日、80名の研究科生を送り出せたことは、私どもにとって大きな喜びであり、誇りです。学術の研鑽を積んだ諸君の活躍を祈ります。
 
 また、本日の卒業生には、世界各国からの留学生22名が含まれております。言語と文化のハンディを越え、成績優秀者に与えられる学科褒賞をタイからの留学生ピーラサック学生が受けたことに祝意を表したいと思います。留学生諸君の今後の母国での活躍、そして母国と日本との架け橋として働かれることを祈念いたします。
 
 本日、52期生の卒業を迎えたことは、プラス4年の56年の歴史を本校が刻んできたことを意味します。かつて軍人が軍事一辺倒に傾き、日本が戦争に未来を託して破綻した後の局面に、防大は創設されました。それだけに、吉田首相、槇初代校長をはじめ創設に関わった先人たちは、軍人精神を豊かな人間性の中に治め、軍事を広く国際関係の中に治めることに留意されました。
 
 防大教育は「科学的な思考力、広い国際的視野、豊かな人間性」を目標として参りました。すぐに役立つ術科訓練よりも、生涯にわたる活動を支える知的・肉体的・精神的な「器」をつくることに主眼を置いて参りました。諸君はこの防大の伝統の中で自己を築き、本日を迎え訳であります。
 
 「長い平和の時代」とも呼ばれる冷戦は終わり、世界は、今激動の時代に入りました。危機があいつぐ中で、自衛隊は国防という究極の任務に備えつつも、地震などの自然災害から国民を守り、さらにPKO活動などのため世界各地に赴く時代を迎えました。その時代、21世紀の防大教育はいかにあるべきなのか、私どもは考えて参りました。
 
 一つ、東奔西走する中で精神の拠点を見失えば、「忙」すなわち「心を失う」ことになりましょう。幸い防大には槇校長が築かれたすばらしい伝統があります。槇記念室をつくろう。防大生が週末などにそこにたたずみ、幹部自衛官としての自らの生き方を黙想することができるように。
 
 二つ、防大生は教育訓練中の身であり、災害救援の任務は与えられていない。が、万一、地震などの災害のため、周辺の住民がガレキに埋もれる事態を招くなら、防大生はその人々の「生存救出」のために迅速に出動しよう。その想定をもって、諸君は去年9月1日、防災訓練を行いました。
 
 三つ、諸君は将来、本来任務となった国際平和協力活動のため、部隊を率いて世界各地に赴く。そのための知的基盤として、理工系であれ人社系であれ、防大生全員が、少なくとも一つは異なる社会を内側から知る地域研究を、今後は履修することにしたい。
 
 四つ、大学院の高等教育を充実したい。諸君は卒業後、陸海空それぞれの幹部候補生学校に進み、本格的な術科訓練を始めることになります。若き日にしっかりと術科を修め、是非有用の自衛官となってもらいたいと思います。ただ3佐から1佐に進む過程で、諸君は別の素養をも求められることでしょう。より大きな規模の部隊の指揮統率に携わり、あるいは統合作戦、安全保障政策への感覚が望まれることでしょう。

 本校は総合安全保障研究科に、博士課程を増設します。国際化し、高度化する世界の安全保障環境の中で、防衛省は政策官庁の実を築く必要があり、その人材養成を防大は担いたいと思います。
 
 近年の防衛省・自衛隊の相次ぐ不祥事は、諸君にも衝撃を与えたことと思います。しかし「持ち場を捨てるな」「苦しい時にこそ逃げや弁明に陥らず、真正面から立ち向かえ」と言い交わしてきた諸君です。学生綱領として「廉恥、真勇、礼節」を定め、奉じてきた諸君です。幕僚長や防衛大臣、さらには総理大臣が国民におわびせねばならぬような事態を、諸君は決して起こさないものと信じます。それどころか、災害救援やPKO活動において、すでに自衛隊が内外で得ている高い評価が、さまざまな事態に臨む度毎に本物であることを、諸君が凛として明らかにするものと確信しています。
 
 少子化時代に育った諸君にとって、ここ小原台での団体生活はきつかったと思います。しかし試練をひとつひとつ越えてきたことが何者にも変えがたい諸君の資産です。諸君にとって小原台は、つらかったこと、楽しかったことを超えて、魂の故郷として意識されることと思います。胸を張って幹部自衛官への道を歩んで下さい。諸君の生涯にわたる健闘を祈り、私の式辞と致します。

平成20年3月23日
防衛大学校長  五百籏頭 眞


2008年03月26日

防衛大学校卒業式における内閣総理大臣訓示

防衛大1 伝統ある防衛大学校の卒業式に当たり、卒業生諸君に心からお祝いを申し上げます。 
 皆さんの規律正しく、凛々しい勇姿に接し、自衛隊の最高指揮官として、心強く、頼もしく思います。
 また、学生の教育に尽力された五百籏頭大学校長をはじめとする教職員の方々に敬意を表するとともに、日頃から防衛大学校にご理解とご協力を頂いている御来賓の皆様に感謝申し上げます。
 本日は、卒業生諸君が巣立ち、新たな任務につく、よい機会ですので、私の思うところを述べたいと思います。

 戦後、わが国は、自由な民主社会を築くとともに、経済成長を実現し、世界の先進国として国際社会の信頼を得るに至りました。
 その基盤となったのは、何よりもまず、わが国の平和と独立です。 これを守るために、自衛隊が、変化する安全保障環境の中で、半世紀にわたり果たしてきた役割には、極めて大きなものがあり、国民も自衛隊に信頼を寄せてきました。

 昨今、世界は、テロとの闘いや大量破壊兵器の拡散阻止をはじめとする安全保障上の新たな課題を抱えています。
 成熟した先進国であるわが国にとって、平和で安定した国際社会はかけがえのない財産であり、その中で、できる限りの役割を果たしていかなければなりません。
 日米同盟と国際協調を基本に、世界の平和と安定、そして発展に貢献する「平和協力国家」として、わが国は、地域や世界の共通利益のために汗をかく、魅力に満ち、志のある国をめざしています。
 今も、自衛隊が、インド洋における補給支援活動、イラク及びクウェートにおける人道復興支援活動、ゴラン高原やネパールにおける国際平和協力業務を実施し、国際社会で高く評価されていることは、私の誇りです。
 今後、自衛隊は、諸君の参加も得て、わが国の防衛はもとより、国際社会においても一層大きな役割を果たしていくことを確信しています。

 しかし、そのために、防衛省、自衛隊がしっかりと取り組まなくてはならない喫緊の課題があります。 それは、国民の信頼を取り戻すことです。

 先般のイージス艦の衝突事故、昨年来のさまざまな問題により、長年培われてきた防衛省、自衛隊に対する国民の信頼は大きく損なわれました。いかなる状況にあっても、ひと時もゆるがせにできないのが国の防衛であり、それだけに国民は、今、信頼できる防衛省、自衛隊を強く望んでいます。
 私は、この国民の期待の重みをしっかりと受け止め、防衛大臣と共に、問題点や原因を明らかにし、全力を挙げて、防衛省、自衛隊の改革を実行する決意です。
 卒業生諸君は、この大切な時期に自衛隊幹部への道を歩もうとしていますが、国民の信頼あっての自衛隊であるということを常に忘れずにいただきたい。
 そして、今変わらんとする自衛隊の新たな息吹となってほしいと思います。
 その際、今後、諸君の基礎体力となるのは本校で受けた教育ではないでしょうか。 初代防衛大学校長であった槇智雄さんは、戦前の士官教育の反省に立ち、本校を「人間をつくる教育」の場と位置づけ、広く深い学問と「厳正な規律」の実践による人格育成を重んじられましたが、諸君は、この教えを実践し、幹部として成長されることを期待してやみません。
 
 卒業生諸君、わが国が国際社会の中で永く平和と繁栄を享受できるように、その礎となり、常に国民と共にあり、国民を守り続けていくという使命を確認し、新たな任務に精励されることを切望します。
 諸外国からの留学生の皆さん、本校留学を通じて育まれた友情の絆を大切にし、祖国と国際社会のために御活躍されることを期待します。

 結びに、諸君の今後のご活躍と防衛大学校のますますの発展を祈念し、私の訓示とします。
 皆さん、卒業おめでとう。

    平成二十年三月二十三日
              内閣総理大臣 福田 康夫

2008年03月25日

「女子大生ちあきの 頑張れ アジャアジャ!―韓国交換留学」(山崎ちあき著 振学出版)

山崎
昨日、「女子大生ちあきの 頑張れ アジャアジャ!―韓国交換留学」(山崎ちあき著 振学出版)の出版を祝う会が開かれ、僕も参加した。
著者の山崎ちあきさんは、拓殖大学大学院の国際協力学研究科で博士課程に在籍している。
この本は、彼女が拓殖大学の時に韓国に交換留学した時の体験記である。
この本が出版できたのは、両親のお陰である。

 はじめにで、
 
 今回、本を出版することになったのは、両親の一言だった。留学する前から両親には「留学中のできごとを毎日書き留めておくように」と言われていた。「もしかしたら、いつか私が『留学記』という形で本を出せるときが来るかもしれないから」と言っていた言葉が印象的だった。 

―とあるように、すべては彼女のお父さん、お母さんのお陰であり、昨日は、彼女に「親に感謝の気持ちを忘れないこと」と言っておきました。

 本は、一気に読みましたが、とても面白かった。
 まさに、「韓国に留学したいけど不安、言葉は、学校生活は、・・・」、「韓国の事をもっと知りたい、文化・生活・日韓関係・・・」と思っている人に、最適の本だ。

これは、チャレンジ・スピリッツに満ち満ちた、ある女子大生の韓国留学生活の記録である。

彼女が留学の不安を乗り切った『ケンチャナヨ』と『アジャアジャ』の精神。
「行ってしまえば何とかなる」、「一生懸命頑張れば、相手も認めてくれる」―。
こうして彼女の留学生活は、多くの、かけがえのない友人を得ることになった。

海外に留学したいが、言葉が、お金が、習慣が・・・と思い悩むあなた!
本書を一読すれば、あれこれの不安が一挙に解消すること請け合い。
あなたの背中をポンと押してくれる本だ。


shige_tamura at 12:31|PermalinkComments(1)TrackBack(0)clip!本の紹介 

2008年03月24日

防衛大学校における防衛大臣訓示

防衛大最高指揮官である福田康夫内閣総理大臣ご臨席のもと、卒業式を開催するに当たり、防衛大学校本科、理工学研究科、総合安全保障研究科の卒業生諸君にお祝いを申し上げるとともに、訓示を申し述べる。

 本科卒業生諸君の多くは、この後「事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に努め、もって国民の負託に応える」ことを中核とする服務の宣誓を行い、自衛官として任官する。わが国に多くの職業があり、そこに貴賤の別はまったくないが、私は「自らの危険を顧みず、職務を完遂」し、「祖国の独立と平和を守る」自衛官は、そうであるが故にもっとも崇高な職業であると固く信じるものである。
 わが国には多くの諸外国に見られるような極めて厳しい軍法も、軍事裁判所も存在していない。諸君のこの誓いに我が国の独立と平和がかかっているのである。
 宣誓をし、任官せんとする諸君にあっては、どうかこの宣誓の重さを噛みしめてもらいたい。そして、国家としてもこれに誠実に応える責務があると私は考えている。

 9/11同時多発テロから七年、イラク戦争の開始から五年が経過した。テロ行為は、我々が基本的な価値として、多くの国とともに尊ぶ民主主義、人権の尊重、思想・言論・信教の自由などを全否定するものである。
 かつ、国家間の戦争と異なり、弱い者に対する攻撃を繰り返すことにより恐怖を連鎖させ、己の目的を達成しようとする断じて許すことのできない行為である。
 テロとの戦いは、懲罰的な抑止力が必ずしも有効ではない、対象は民間人に紛れていることが多く、その終期もはっきりしないなど、ある意味、通常の戦いよりもはるかに困難であり、これに大量破壊兵器やミサイルなどの運搬手段の拡散が加わる危険性があることに、今日の事態の深刻性がある。
 我々はこのことを明確に意識しなくてはならない。
 さらに、北東アジアにおいては、欧州とは異なり、従来型の伝統的な構造も依然として存在している。自衛隊において、諸君が幹部として取り組まねばならない課題は、冷戦期よりも遥かに多いのである。

 服務の宣誓には、「政治的活動に関与せず」とも記されている。いつも申し上げることであるが、再度言っておく。
 これは、比肩するもののない実力を背景として政治を壟断することがあってはならない、との意味であり、決して政治に対して意見してはならないことを意味するものではない。「与えられた権限と装備の中で全力を尽くす」ことをエクスキューズとしてはならない。
 自衛隊に何ができて何ができないのかを、権限と装備を与える立場の政治が知らずしてどうして有効な抑止力が発揮できるのか。どうして適切な外交がなしうるのか。そして、さらに強い抑止力を保有するために、権限を、装備をどうすればよいのか。それは今後、多くの部下の生命を預かり、第一線において職務に邁進する諸君が最も知ることになるのである。
 総理のお言葉にもあったように、自衛隊は国内外から高い評価を得ている一方において、国内においては様々な事象が生起している。この落差は一体何に起因するものなのか。

 適切な文民統制を実現し、国民に信頼される新しい自衛隊を作るためにも、政治に対して意見することが自衛官の権利であり、義務でもあることを忘れてはならない。

 かつて我が国は、彼我の力を国民に知らしめることなく、精神論を鼓舞して米英をはじめとする連合国と戦い、悲惨な結末を迎えた。あの戦争はいかなる手段をもっても、回避すべきものであったと私は思っており、開戦に至る経過において、政治と軍の責任はあまりにも重い。今に言う「文民統制」が機能しなかった顕著な例であり、
 そしてそれは僅か七十年近く前のことでしかないのである。敗戦後、我が国は軍事を中核とする安全保障の本質と真正面から向き合うことがなかった。未来は常に過去の延長線上にあるのであり、歴史を学ばないものは必ずその失敗を繰り返すのではあるまいか。
 かつて英国の宰相パーマストンは「わが英国にとって永遠の同盟も、永遠の敵も存在しない。あるのはただ永遠の英国の国益のみである」と喝破したと伝えられる。我が国が基調とする日米同盟も、決して所与のものではなく、たゆみない努力の積み重ねによって初めて継続されるものである。

 諸君にあっては、「日米戦争と戦後日本」をはじめとする五百旗頭学校長の多くの著作、猪瀬直樹氏の「空気と戦争」、角川文庫から出ている「太平洋戦争・日本の敗因」などを熟読されることを強く望むものである。

 留学生諸君にあっては、防衛大学校において学んだことを祖国のため、十分に生かされることを、そして願わくは、諸君が架け橋となり、諸君の祖国――インド、インドネシア共和国、モンゴル国、大韓民国、ルーマニア、タイ王国、ベトナム社会主義共和国――と日本国が、ともに手を携え、国際社会の平和を構築するために生かされることを期待する。

 故あって任官しない諸君にあっても、本校で学んだことを今後の人生において最大限生かされたい。平和はただ政治と自衛隊にのみによって創出されるものではない。国民一人ひとりの意識こそが肝要なのであり、諸君に期待する所以である。

 我々は否応なく時代の劇的な転換点に生きている。ここにいる者すべてが、心を合わせ、力を合わせてともに、新しい、素晴らしい歴史を創ろうではないか。

 終わりに臨み、教育に当たられた五百旗頭学校長をはじめとする教職員諸兄に心より敬意を表するとともに、ご父兄各位にもお祝いを申し上げ、私の訓示とする。

                     平成二十年三月二十三日
                         防衛大臣 石破 茂


木村三浩(一水会代表)君の出版記念会

木村
木村本


  








 3月21日(金)の木村三浩(一水会代表)さんの出版記念会に参加しました。
 木村さんとは、慶応大学法学部・小林節教授のゼミの関係で知り合いました。彼には、僕の日本論語研究会にも参加していただいたこともあり、また、かつて私は彼の主宰する勉強会で講師として講演したこともありました。
 今回の出版記念会では、小林節教授が幹事を勤めました。

 出版記念会では、木村さんの交友の広さを感じました。
 自民党からも、加藤紘一・平沢勝栄・井脇ノブ子、民主党からも長島昭久といった国会議員に加え、女優の浅香光代さん、作家の猪瀬直樹氏、ジャーナリストの有田芳生・江川紹子氏など多くの著名人が参加していました。

 本は、『憂国論』(彩流社)、『男気とは何か』(宝島社)の2冊です。帰ってから2冊とも読み、いろいろと勉強になりました。一本筋が通っている感じの本でした。
 
『男気とは何か』(106項〜107項)で、最近のブログについて以下のことが書かれていました。


 インターネット上で、嫌韓・嫌中を騒いでいる連中は、自分の名前をさらさないで便所の落書きみたいに卑怯なことを言っている。上海総領事の問題もあったが、日本ではネットウヨクによる罵倒が激しかった。
 表に出てきて堂々と批判するならいいが、自分は顔を見せずに安全な場所から無責任に煽ることに、私は反対だ。相手の気持ちを踏みにじるチョンだチャンコロだという蔑視の言葉を使うのも、私は反対だ。
 彼らは満たされてないんだろう。匿名の場所で代理満足を得たいのだろうが、それが本当の満足になるとは思えない。不満を叩きつける場所が、顔も姿も見せない匿名の場所だなんてあまりにもケチくさい話だ。
 嫌韓を訴えること自体は言い分もある程度理解できるし、言論の自由もあるので否定しないが、やり方に問題がある。
 彼らのタチの悪さは、気に入らないやつがいたら、日本人でもみんな朝鮮人に仕立て上げてしまうことだ。私も朝鮮人呼ばわりされた。私が朝鮮高校相手に、どれだけケンカしてきたかを知らないんだろう。
 ネットウヨクは、精神が貧しい。



 僕もブログは実名で書くべきだと思います。


防衛大学校の卒業式

防衛大1

防衛大











 防衛大学校の卒業式が昨日(23日)行われました。
 僕も来賓で参加しました。
 写真は、壇上から撮ったものです。

 福田総理、石破防衛大臣、そして、小泉元総理も出席されていました。
 
 小泉元総理は、地元という関係もあって、毎回必ず出席されます。
 本当に、毎回続けて出席するということは、とてもできないことです。

 「継続は力なり」と言いますが、小泉元総理の力の源泉を今回も防衛大学校の卒業式で、直接身近に感じることができました。

 小泉元総理から、スギ花粉で困っている話を直接お聞きしました。
 
 卒業生は、皆「いい顔」をしていました。

 元財務省次官だった細川興一氏が防衛大学校客員教授になられていて、今回、お会いしました。

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