2007年03月

2007年03月27日

イラク特措法の延長について

本日、自民党の政審、総務会をイラク人道復興支援特措法の一部を改正する法律案が了承されました。
今後は、閣議決定を経て、国会で審議される予定です。


 今国会に政府から提出を予定している、いわゆるイラク人道復興支援特措法の一部を改正する法律案の必要性について、説明します。


 この法律案は、今年の7月31日で期限を迎えます。そこで、政府・与党はイラク人道復興支援特措法の期限(4年間)を2年間延長するというものです。

 イラク人道復興支援特措法は、国連安保理決議第千四百八十三号を踏まえ、イラク国民による国家再建に向けた自主的な努力を支援する国際社会の取組に関し、日本が主体的かつ積極的に寄与するため、人道復興支援活動等を行うこととしています。
そうすることで、日本を含む国際社会の平和及び安全の確保にも資することを目的としています。
 現在、同法に基づき、イラクにおいて、日本の航空自衛隊部隊が、国連及び多国籍軍に対する空輸支援を実施しています。

 イラク政府は、テロの頻発や宗派間対立の激化等、現在も厳しい国内情勢が続いていることに対し、事態の改善に向けて努力を傾注しており、今後数年が、情勢の打開と復興に向けて鍵を握る重要な時期であると考えられます。

 国際社会においては、まず国連は、国連イラク支援ミッションの活動を今後少なくとも数年間は継続したいとの意向です。一方、多国籍軍は、イラクの国家再建と復興支援の実施上の基礎となる治安確保のため任務を継続しております。
 
 今後、イラク政府が治安権限を引き継いでいく場合にも、イラク治安部隊の訓練等の各種支援を行うと想定されています。
また、復興支援活動も継続実施しており、多国籍軍の撤収が早期に実現する可能性は低いと言えます。
 
 このような中、航空自衛隊は、輸送活動を着実に実施し、国連及びイラク政府等から高く評価されております。
 
 国連は、潘基文(パンキムン)事務総長から安倍総理大臣宛に、また、カジ事務総長特別代表から在イラク足木(あしき)臨時代理大使宛てに書簡を発出し、空輸支援の継続的な提供に対する謝意表明とともに、この支援の継続を希望する旨、述べています。
 
 イラク政府は、マーリキー首相の安倍総理大臣宛て書簡にて、国連と多国籍軍のための空輸支援の継続の検討を要請しております。先週訪日したハーシミー副大統領からも、安倍総理を始め同様の要請がなされています。

 イラク情勢の現状から、冒頭に述べた本特措法の目的は未達成です。イラクの安定と復興は、国際社会共通の重要課題であると同時に、石油資源の九割近くを中東地域に依存する日本自身の国益にも直結する課題であり、日本は、引き続き国際社会と協力して主体的かつ積極的に寄与していく必要があります。
 
 航空自衛隊の空輸支援についても、復興支援に引き続き腰を据えて取り組む姿勢を示し、また、これを安定的・継続的に実施するためにもある程度まとまった期間が必要です。
 
 なお、部隊の要員の安全確保に引き続き万全を期すべきことは当然であります。


(参 考)

1 イラク特措法の目的と意義

(1)イラク特措法の目的は、イラクの国家再建へのイラク国民による自主的な努力を促進・支援しようとする国際社会の取組に対して、日本として協力しようというものです。

(2)これは、日本が国連安保理決議1483を踏まえ主体的かつ積極的に寄与するために、人道復興支援活動及び安全確保支援活動を行うことで、イラクの国家の再建を通じて我が国を含む国際社会の平和及び安全に貢献するものです。

(3)同法の期限は、本年7月31日です。
 陸上自衛隊がムサンナー県で人道復興支援活動等を実施し、所期の目的を達成したため昨年7月下旬までにサマーワでの活動を終了しました。しかし、航空自衛隊は輸送活動を継続しています。

(4)イラクの安定と復興は、中東地域全体の平和と安全に関わる国際社会共通の重要課題であり、安保理決議1483及び累次の安保理決議は、国連加盟国がイラクの再建のために貢献することを求めています。
 同時に、石油資源の9割近くを同地域に依存する我が国自身の国益にも直結します。

 以上を踏まえ、我が国はイラク人自身による国造りの努力を主体的に支援していく必要があります。


2 現在の国際社会の取組

(1)国連イラク支援ミッション(UNAMI)はイラク国内で種々の人道復興支援を実施していますが、バグダッドの本部と重要な活動拠点たるエルビル事務所との間の関係者の移動は、治安等の理由から大きく制約されている状況です。
 航空自衛隊は、週1回、国連のためにクウェートを起点にバグダッドとエルビルの間を運航することで、国連要員の貴重な移動手段を提供しています。
 国連は、潘基文事務総長を始め、我が国に対する書簡において、活動を続ける上での航空自衛隊の継続的かつ安全な輸送支援の必要性を強調しています。

(2)多国籍軍は、イラクの国家再建及びこれに対する国際社会の復興支援の円滑な実施にとり必要不可欠の基礎をなすイラク国内の治安の回復と確保のための各種任務を継続すると同時に、人道復興支援も実施しています。


3 今後の国際社会の取組の見通し

(1)現在、イラクは、テロの頻発や宗派間対立の激化等、厳しい情勢が継続しています。イラク政府は事態の改善に向け努力を傾注しており、今後数年が国造りへの鍵を握る重要な時期となっております。

(2)国連イラク支援ミッションの活動は、安保理決議によるマンデートが前提ではありますが、国連関係者は今後少なくとも数年間は活動を継続したいとの意向です。
 来年後半には、活動の基盤強化を予定しています。

(3)多国籍軍が早期に撤収する可能性は低く、今後の治安権限移譲後もイラク治安部隊に対する各種支援(訓練等)、復興支援の活動を継続していく見込みです。


4 イラク特措法の期限延長の必要性及び期間

(1)イラクの安定化・復興の本格化には相当程度の時間が必要と見込まれます。
 航空空自衛隊の活動が「主要かつ死活的役割を果たしている」とするマーリキー首相の書簡を始め、航空自衛隊の活動継続を求めるイラク政府の希望は強く、また、国連及び多国籍軍からの、日本の空輸支援継続への期待も高いものがあります。
 イラク国民による自主的な努力を支援するとの特措法の目的はまだ達成されておらず、航空自衛隊による輸送支援を安定的に続けることが必要です。
 イラクの現状を考えれば、引き続き復興支援に腰を据えて取り組む姿勢を示す必要があり、そのためには、ある程度の長期間枠を設定すべきです。

(2)以上を踏まえ、政府としては、2年間の期間を定めて効力を延長することとし、実際の活動は、延長後の同法の同期間内において、今後のイラクの治安・復興状況、国連や多国籍軍各国の動向等を見極めつつ、適切かつ柔軟に実施していく方針です。 


「ヒゲの隊長」佐藤正久・元陸上自衛隊イラク先遣隊長の講演(その1)

ヒゲの佐藤
「ヒゲの隊長」佐藤正久・元陸上自衛隊イラク先遣隊長の講演が、第25回日本論語研究会で行われました。

当日は、約100名の聴衆で、佐藤正久氏の講演に多くの人が感動していました。

その講演録ができましたのでお届けします。


日時 平成一九年三月一七日(土)一六時三〇分〜一八時
場所 慶應義塾大学第一校舎一階一〇二教室
講師 佐藤正久(元陸上自衛隊イラク先遣隊長「ヒゲの隊長」)
演題 「自衛隊と国際貢献」


はじめに


 皆さん、こんにちは。ただいまご紹介を頂きました「ヒゲの隊長」の佐藤です。
 本物です(笑)。
 皆さん、いかがでしょうか。よく「テレビと違う」と言われますが本物です(笑)。
 
 最近、痩せたものですから、同僚から「お前、イラク人に似てきたな」と言われます(笑)。
 テレビというのは、全体を映すのには具合が悪いものです。
 どうしても一部だけを切り取って、それを全体として映す。その代わり、もの凄く影響が強いです。
 
 イラクでの人道復興支援についても多くの皆さんがテレビを見て知る。
 そしてイメージする。
 現場で動いた人間からすると、かなりの国民の皆さんが実際とは違ったイメージを抱いているような気がします。
 今日は、そんな現場の話をしたいと思います。


(一)「郷に入れば郷に従え」

 私が最初、先遣隊長としてサマーワに入りました。しばらくして、嫁さんに電話したら、
「あんた何やってんの。あれだけ心配して送り出したのに、テレビで見たら、いつも楽しそうにメシばっかり食っている」と(笑)。
 そんなことを言われました。
 でも現場はそんなに甘くはありません。

 そしてサマーワに行く時に、当時の陸上幕僚長から部屋に呼ばれました。
 「また怒られるのかな」と思いながら部屋に入りました。
 「すぐに終わればいいな」と思って立ったままいましたら、「佐藤、座れ」と言われました。
 
 そしてたった一言。
 「佐藤、郷に入れば郷に従え」
 それだけでした。一言だけでした。
 それはどういう意味か。
 私は、その方とずっと一緒に仕事をしてきましたので分かりました。
 つまり、「あとは佐藤に任せた、現場の風は現場でないとわからない。市ヶ谷ではわからない。しかし、現地にとけ込むことは忘れるな」ということだったんです。

 私は国際貢献の現場に立ったのは過去三回あります。
 最初はカンボジア。
 これは外務省に出向している時に、ジーパンにポロシャツで情報活動をやった。
 二回目がゴラン高原です。そこで第一次のゴラン高原派遣輸送隊長として活動しました。
 そして三回目がイラク。それぞれ全く違います。
 
 違うんですが、先ほどの陸上幕僚長の言葉は、今回がピッタリ合っていました。
 現地で約半年間、活動しました。
 その間、「郷に入れば郷に従え」という言葉を胸に秘めながら仕事をしました。
 帰る直前、ある部族の長に呼ばれ、「佐藤、この地に残ってほしい。残ってサマーワの地を再建して欲しい」と言われました。

 そして、「もしも残ってくれたら家もやる、土地もやる、嫁さんもやる」と(笑)。
 「日本に嫁さんがいます」と言いましたら、「佐藤、そんなの問題ない」と言うんです。
 「お前がイスラム教に改宗したら、四人までOKだ。日本に一人、サマーワに三人だ」と言われました(笑)。
 それから日本よりイラクの方が挨拶は上手です。
 特にサマーワは、昔の日本が残っているような感じです。目と目が合えば、まず笑顔。知っている人なら近寄って行って握手をします。そしてホッペにキスをします。右、左、右とキスをする。
 昔の日本があったんです。
 
 日本に帰って銀座の街を歩いた時、本当に悲しくなりました。日本人は、まず顔が疲れています。そして下を向いて早足で歩く。
 サマーワではあり得ません。
 私も何度もホッペにキスをされました。そして親しくなると唇にキスをする。
 おじさんに唇を奪われたことは何回もありました(笑)。
 それでも笑顔です。時には舌まで入ってきました(笑)。でも笑顔です。
 
 とにかく溶け込む気持ちがあれば何でもできるんです(笑)。
 これが現場なんです。


2007年03月26日

いわゆる慰安婦問題で米国メデイアの対日批判が激化

 米国(3月24日)のワシントン・ポスト紙、ヘラルド・トリビューン紙が慰安婦問題で対日批判をしている。

 ワシントン・ポスト社説は、日本が拉致問題で国際的支持を得たいのなら、慰安婦問題で犯した罪を認めるべきであると論じている。

(ワシントン・ポスト)
 安倍首相は、第2次大戦中に朝鮮半島の女性を慰安婦として日本が誘拐したことに日本政府が直接関与したことを否定したが、それにより北朝鮮による日本人の拉致に関して北朝鮮の回答を求める日本政府の道義的立場を強化すると思っているかも知れない。
 結果は正反対だ。
 もしも安倍氏が拉致された日本人たちの運命を知ることに国際的支持を求めるならば彼は率直に日本が犯した罪に対する責任を認め、彼が誹謗した犠牲者たちに謝罪すべきだ。


 テンプル大学日本校アジア研究部長のジェフ・キングストン氏が、ヘラルド・トリビューン紙では、安倍首相は慰安婦問題で近隣諸国との関係を悪化させ、対米関係を困難にしたと述べている。
 そして、慰安婦問題を日本の戦争責任の一環として取り上げ、日本は戦争責任を率直に認め、償いをすることによって和解を図るべきであり、ドイツが50億ドルの基金をつくったように、日本も失望に終わったアジア女性基金に代わって、新しい「アジアの未来のための基金」をつくり、近隣諸国との架け橋とすべきであると論じている。

(ヘラルド・トリビューン)
 安倍首相はまたもやリーダーシップを発揮することができない人物であるように見える。
 彼は慰安婦たちの人格を侮辱することにより近隣諸国との関係を悪化させ、対米関係を困難にした。
 アメリカではこれら犠牲者に関して、自分たちに都合の悪いことは忘れるという日本の健忘症に対して批判的な決議を議会が通過させると思われる。
 この問題において日本政府は孤立無援だ。


(コメント)

 慰安婦問題について、米国の主要紙の批判はとどまらない。
 ワシントン・ポスト紙までが、安倍首相が慰安婦を誹謗したと述べているような状況のもとでは、日本が何を言っても無駄か。
 
 この問題を取り上げること事態が日本にとっては政治的には「マイナス」と言わざるを得ない。


shige_tamura at 14:20|PermalinkComments(1)TrackBack(0)clip!安倍晋三 

駐留軍等の再編の円滑な実施に関する特別措置法案に対する自民党・河井克行国防部会長の代表質問

ガム
 3月23日(金)、衆議院本会議で、「駐留軍等の再編の円滑な実施に関する特別措置法案」に関する各党の代表質問が行われました。

その時の自由民主党・河井克行国防部会長の代表質問です。


 自由民主党の河井克行でございます。
 私は自由民主党を代表して、ただいま議題となりました「駐留軍等の再編の円滑な実施に関する特別措置法案」について久間章生防衛大臣に質問をいたします。

 初めに、わが国を取り巻く安全保障環境の変化と米軍再編の意義、そしてこの特別措置法案の必要性についてお尋ねいたします。
 
 昨年五月、日米安全保障協議委員会、いわゆる「2+2」において、「再編実施のための日米のロードマップ」が合意されるとともに、日米同盟の重要性について改めて確認がなされました。

 今回の米軍再編について、私は二つの意義を強調したいと存じます。

 第一に、北東アジアの平和と安定を図り、日本の独立と平和を守る安全保障戦略に資すること。
 二つ目は、基地の地元負担の軽減、特に全国の米軍基地の75%が集中する沖縄県民の負担軽減への貢献です。
 
 まず安全保障戦略上の意義ですが、今回の米軍再編は日本米両国が近年の安全保障環境の変化にいかに対応するべきかという問題意識から始まっていると考えます。

 日本周辺・北東アジアの環境はこの数年で激変しました。
 北朝鮮による昨年七月の弾道ミサイル連続発射、昨年十月の核実験実施。透明性が確保されないままで毎年十%以上の割合で増強される中国の国防予算。そして極東ロシア軍も最盛期に比べると大幅に削減された状態にはありますが、近年は訓練活動などに増加の傾向が見られます。一方で米国は、「九・一一同時多発テロ」以降、新たな脅威への対応という観点から世界規模の米軍再配置を行いつつあります。
 
 米軍再編は、こうした安全保障環境の変化に対して、日本の自衛隊と在日米軍がより強固に結びつき、日米安全保障体制を強化する取り組みであります。つまり米軍再編とは、まさにいま私たちが直面している安全保障の諸課題に対して、『答え』を出す動きであると私は評価しております。
 
 米軍再編二つ目の意義は、基地がある地元負担の軽減、特に沖縄県民の負担軽減であります。今年は沖縄が本土に復帰して三十五年、節目の年です。いまこそ目に見えるかたちで沖縄の負担軽減を実現するべきですし、中でも、普天間飛行場の危険性を一刻も早く除去することが沖縄の皆様の強い強い要望であることを私たちは深く認識しなければなりません。この普天間飛行場の移設について、平成八年、当時の橋本龍太郎内閣総理大臣の強力な指導力により日米間で電撃的な合意がなされてから既に十年余りが過ぎました。第二次橋本内閣の防衛庁長官として、推進に努力された久間大臣におかれては、今度こそ移設を実現させようと並々ならぬ決意をお持ちのことと拝察いたします。この普天間飛行場の移設を一日も早く実現するためには、既に日米間で合意された政府案を実行に移すことが最も現実的な方法であると考えますが、この取り組みへの久間大臣のお考えをお示しください。

 つづいて、再編法案の具体的な点について三つお尋ねいたします。
 
 初めは米軍再編の所要経費です。再編を進めるためにどれくらいの国民負担が生じるのかを明らかにすることによって、米軍再編に対する国民の理解はより深まります。再編経費の見積もりの現状および将来の見通しをお尋ねします。
 
 二番目は、再編交付金についてです。
 この法案には、米軍再編の結果、基地負担が増える自治体に対する新たな交付金制度が設けられております。米軍再編はわが国全体としては基地負担の軽減につながるものです。が、一部の自治体で基地負担が増加してしまうことは避けられない事実なんです。負担が増える自治体のご理解なくして、米軍再編を進めていくことは困難です。
 こうした負担を受け入れていただく自治体はすなわち、日本の平和と安全という国の根幹にかかわる政策にご協力をいただく自治体であり、国として交付金を出すことは、当然なことでしょう。久間大臣、この再編交付金をどのような考え方で、どのような方法で交付するのか、お尋ねいたします。
 また政府は、平成十七年十月のいわゆる「中間報告」の発表以降、米軍再編に対する地元の理解と協力を得るべく、説明に努めていますが、関係する自治体のすべてからご理解をいただいているわけではないのが実情です。地元に対する調整を今後いかに進めていくのかについてもあわせてお尋ねいたします。
 
 三番目は、在沖縄海兵隊のグアム移転についてです。沖縄県から米軍基地の県外移設が求められてきましたが、こうした中、日米間の協議の結果、わが国の平和と安全を損なうことなく、かつ、沖縄の基地負担を軽減させるものとして、沖縄海兵隊のグアムへの移転が合意されたことは、大きな前進であると評価しています。
 先だって私は、山崎拓団長のもと、「与党安全保障プロジェクトチーム」の一員として、グアム島に赴き、この目で米軍基地の施設の現状などを見るとともに、現地の行政関係者や米軍関係者と意見交換を行ってきました。
 
 調査の結論は、一つ、グアム島には十分な土地面積があり、土地の確保については問題がない。二つ、グアム島民は在沖縄海兵隊の移転を歓迎している。三つ、社会基盤の整備が現状では不十分のため、米国も自ら相当規模の投資を行う予定であり、わが国としても応分の貢献を行うことが重要。といったことです。

 また現地を視察した私の率直な感想は、このグアム移転は決して世界規模の米軍再編に日本が渋々お付き合いをするという後ろ向きの考えではなく、日本の国益を追求するために、この好機を積極的に活用するのだという戦略的な発想をむしろもつべきだということです。

 このようなグアムの施設整備に要する経費を日本が分担する理由と、それにより何が達成されるのか、お尋ねいたします。
 
 今回の米軍再編は、両国の安全保障分野において、日米安保条約改定以来最大の事業と言えます。日本と米国が息長くお互いに協力し合って、この大事業を成功させることを心から期待いたし、私の質問を終わります。ありがとうございます。



2007年03月23日

安全保障政策形成過程における自民党政調会の役割

PHP総合研究所で、2月23日に行った講演がPHP総合研究所ホームページに掲載されました。

 冷戦後、日本の安全保障政策は大きく変貌してきたが、田村氏は自民党政策スタッフとして、そのほとんどすべてに関わってきた。『新憲法はこうなる』(講談社)『憲法と安全保障』『日米安保と極東有事』(以上南窓社)など、著作も数多い。田村氏の多彩な活動ぶりは、氏のブログを通じても知ることができる。
 今回は、政策現場を知りつくす安全保障のエキスパートである田村氏に、自民党政務調査会の役割について存分に語っていただいた。(2007年2月23日実施)

※この議事録はPHP総合研究所の責任でまとめたものです


はじめに−日米の政策決定過程の違い


 自民党の政策決定過程に関しては、今日連れてきた丹羽文生君との共著で出した『日本の連立政権』(振学出版)『政治と危機管理』(内外出版)という本に詳しく書かれています。あとでこれらの本を読んでいただくとさらに知識が深まるのではないかなと思います。

 この2月21日に、財団法人日本国際交流センター主催でアメリカの連邦議会のスタッフの代表団と議論する機会がありました。民主党関係者は来なかったのですが、共和党関係者が5名来た。そして日本側は僕を含めた自民党、それから民主党、公明党のスタッフが参加して、中には政策秘書の方もいて議論したんですけど非常におもしろかった。

 それはどういうことかというと、アメリカと日本の政策決定プロセスは、まったく違うということなんです。日本の学者たちの中には、「アメリカでこういうふうにうまくいってるのに、なんで日本ではうまくいかないのか」って言う方がおりますけども、システムが全然違うんですよね。大統領制と議院内閣制、あるいはそこにおける政党の役割ってまったく違うんです。それをきちんと踏まえないと変な議論になると感じました。

 アメリカの場合は、政策決定にはほとんど政党は介入しない。すべて議員個人で判断することになるって言うんです。だから議員スタッフの数が多いんですね。ウェイン・アラード上院議員という共和党のコロラド選出の議員の秘書に、「秘書の数は何人だ」ってきいたら、45人だと。45人のスタッフがいるんです。下院議員でも政策立案に関わるスタッフが4人から6人もいると。日本の場合はどうかというと、3人の公設秘書プラス数名です。日本の場合はオンリーワンですからね、政策秘書っていうのが。

 それから、政治関係のスタッフは1年で5割から7割半ぐらいどんどん入れ替わるとも言っていました。若い人が多くて給料も安いということもあるけれども、大学だとかシンクタンクとか、それから民間に行ったりとか、ロビイストになったりとか、そういう人事交流がものすごく盛んなんですね。だからそういうのができると。じゃあ日本はどうかっていったらそういうのがない。

 日本は政治に関する人材というのは、官僚、霞ヶ関っていうのが圧倒的に多いわけですよ。自民党だってスタッフは、200人いませんから。その中で、政調のスタッフは30人程度ですからね。それでやっているわけです。

 それからアメリカから来られた女性の連邦議会のスタッフのオニールさんという人が、フォーリー元下院議長の言葉として、面白いことを言っていました。「野党は敵ではない」、「野党は野党なんだ」と。「むしろ上院と下院の対立、そっちのほうが大きいんだ」と。まさにそこは日本と全然違うんですね。大統領選挙のときは政党が「うわっ」と出てきますけど、それ以外の政策決定では、政党の存在っていうのはないわけですから。

以下、 この続きはPHP総合研究所ホームページをご覧下さい

2007年03月22日

『安岡正篤一日一言』(安岡正泰監修、致知出版社)

安岡4月21日(土)の日本論語研究会に安岡正泰先生が登場します。

そこで、今回、先生のべストセラー『安岡正篤一日一言』(安岡正泰監修、致知出版社)から、素晴らしい言葉を紹介します。


51ページ
3月17日 利益と義理 

 佐藤一斎の言志後録に曰く
 君子亦(また)利害を説く。利害は義理に本づく。
 
 小人亦義理を説く。義理は利害による。
 
 同じく云(い)う。Pの功名は道徳便(すなわ)ち是(これ)なり。
 Pの利害は義理便ち是なり。

 
 君子―人格者、立派な教養のある人は、どうかすると利害などというものは説かないように誤解する者がある。人間に利害はつきもので君子も利害を説く。
 然(しか)し君子の説く利害は義理が根本である。



3月18日 利益と義理 
 
 義とは実践の法則であり、理とはその理由である。
 君子のいう本当の功名手柄は、人間としていかにあるべきかの道徳から出る。

 つまり本当の利益というものは、義理にかなうものでなければならぬということである。

 ところが世の中の利害というものは大抵義理に反して打算にはしる。
 これが問題である。


たむたむのコメント

 昨今の経営者の金、金、金・・・というのは問題で、我々は、時々、安岡正篤先生のような偉大な人物の残した言葉を学ぶことが必要である。

2007年03月20日

民主党CM第2弾は昔の社会党か共産党のようだ

民主党CM第2弾が、21日から全国放送される。

音楽は、沖縄参院補選を意識して、「花」だ。

CMは、

30秒バージョン

ナレ: 今日本中で生活格差が広がっています。
    雇用格差
    医療格差
    地域格差
    がんばった人が報われるのは当然だけれど
    弱い人に痛みを押し付ける政治は今すぐ変えなければなりません
小沢: 「いまこそ生活維新を」
ナレ: 民主党です

このコマーシャルは、民主党のホームページを見れば、わかる。

これをみた、某新聞記者は、「昔の社会党や共産党のようなコマーシャルだ」と解説してくれた。

自民党が改革をして、景気を良くしよう、額に汗して頑張る人が報われる社会に、と頑張っている。

だから、民主党のコマーシャルも「がんばった人が報われるのは当然だけれど」と言っている。

その上で、「弱い人に痛みを押し付ける政治は今すぐ変えなければなりません」というのだが、「日本中で生活格差が広がっています」という民主党とは?


 多くの国民が住宅ローン返済で苦しんでいる時に、建設業者などから受けた政治資金で、超高級マンションをいくつも購入する小沢氏は、政治家として、どういう神経を持っているのだろうか。

 「法律に違反しなければ何をしてもいい」、「国民は困っていても俺には関係ないこと」というのだろうか。
 
 日本の立派な政治指導者は、自分のことよりも国民大衆の生活を心配したものである。さらに小沢氏は、これらマンションの一部は、自ら理事を務める国際交流団体や民間会社にも貸しているという。
 
 小沢氏は政治家というより、まるで不動産業者のようである。
 
 この他にも小沢氏は、東京都世田谷区深沢に敷地約五〇〇坪の豪邸を持ち、「毎年、元旦になると、自分を慕う国会議員や後援者を招いて、大広間で新年会を開いている」(民主党関係者)という。
 
 鳩山由紀夫幹事長に至っては、東京都文京区音羽にある「鳩山会館」(音羽御殿)で毎年、大勢の民主党の国会議員らを招いて「桜を観る会」を開催し、陽気に酒を飲み、ワンサカ騒ぐ始末だ。

 そんな立場にいる人々が国民の前で「自民党は格差社会を生み出した。民主党は本当にまじめに働く人が報われる公正な社会をつくる」と言っても、何の説得力も持たない。


『人間の品格』(内外出版)がまもなく出版されます。


shige_tamura at 15:47|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!民主党 

国民投票法案の野党の対応

国民投票法案について

3月18日の「日曜討論」(NHK)で、野党側のスタンスのおかしさが明確になりました。

とりわけ「憲法改正以外への国民投票の適用を議論すべき」という民主党の主張のおかしさ(論点のすり替え)が浮き彫りになりました。

「手続法である(・・なのに反対はおかしい)」という主張に加え、

今度は、「憲法をどうするかは国民自身が決めること」であるのに
なぜそれを「主権者たる国民に委ねられないのか」ということです。

憲法改正のための国民投票法案なのに憲法以外をテーマにするというのですから、まったくおかしな主張です。

野党は、「国民を信頼していないのか」と思います。


shige_tamura at 14:34|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!憲法改正 
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