2007年01月

2007年01月26日

木村貢宏池会元事務局長

 今朝、木村貢宏池会元事務局長から電話をいただきました。
「数日前から電話していたけれど、ブログで、僕の本を紹介してくれてありがとう」
というものでした。
 木村さんの本は、丸善本店で見付けて購入し、『総理の品格』(木村 貢著、徳間書店) を僕のブログで紹介したわけです


 なお、今朝の日本経済新聞(1月26日)に、木村貢宏池会元事務局長のインタビュー記事が載ってましたので掲載します。
 かつて、池田勇人、大平正芳、鈴木善幸、宮澤喜一といった総理を誕生させた、「名門派閥・宏池会」への思いが伝わります。



「宏池会元事務局長・木村氏 躊躇せず合流を」


 故池田勇人元首相の秘書で、宏池会の事務局長を長く務めた木村貢氏に聞いた。

―旧宮沢派系の古賀、谷垣、麻生三派が再結集する「大宏池会」構想は実現するか。

「一緒になった方がいい。一緒になって考えを練って方針を強くはっきり出していけばいい。今は躊躇(ちゅうちょ)しているというか『今の流れがこうだから』と最初から思っているのではないか」

―古賀派会長の古賀誠氏、丹羽雄哉総務会長ら有力者のうち大宏池会のトップは?

「自分としては古賀さんや丹羽さんと思うが、みなが集まる中で適当な人が出てくればいい」

―昨年の総裁選には谷垣禎一、麻生太郎両氏も出馬し、結局、清和会(町村派)から三代続けて首相が出た。

「人材は宏池会にもいる。古賀さん、丹羽さんだけでなく谷垣さん、麻生さんも首相の資質を持っている」

―池田元首相なら今の政治状況をみて何と言うと思うか。

「思い切ってやれ、躊躇せずに国のためとなると思うことはやれと言うのではないか。迷ったら国のためになっているか考えろと常々おっしゃっていた」


論語

論語おととい、敬愛するアドエー社の星野社長から、「小学館の『サライ』2月1日号が論語特集をしているので、是非買って読むように」との電話がありました。
そこで、早速買って読みました。

とても役に立ちました。
孔子のことはもとより、『論語』の聖地「孔子廟(びよう)」を見る、学ぶ
とくに、文士が心酔した『論語』の言葉が面白かった。
夏目漱石、武者小路実篤、谷崎潤一郎、幸田露伴、下村湖人、井上靖などと『論語』の関係が「なるほど、そうだったのか」といった新発見もありました。

ここで、『論語』の一節を紹介します。

最近、僕も思うことですが、それは「人との付き合いかた」です。
『論語』は、とても役に立ちます。


孔子(こうし)曰(いわ)く、益(えき)する者(もの)の三友(さんゆう)あり。
損(そこ)なう者の三友あり。

直(ちょく)なるを友(とも)とし、諒(りょう)なるを友とし、多聞(たぶん)なるを友とするは、益するなり。

便辟(べんへき)なるを友とし、善柔(ぜんじゅう)なるを友とし、
便佞(べんねい)なるを友とするは、損なうなり。「季氏(第十六)4章」


【現代語訳】

孔先生の教えは。
自分にとって有益な三種の友がある。[逆に]有害となる三種の友がある。

まっすぐな友、義理堅(がた)い友、博識の友、これは有益である。

しかし、追従(ついしょう)する友、裏表(うらおもて)のある友、口先の巧みな友、これは有害である。


これは大いに参考になりますね。口のうまい人、調子の良い人には気を付けないといけません。



なお、次回の「日本論語研究会」の予定です。

*会場は、全て慶應大学・三田キャンパスです
(港区三田2−15−45)(JR田町、地下鉄三田下車)

第24回
1、日 時 2月10日(土)16時30分〜18時
2、場 所 慶應義塾大学  大学院校舎1階 311号室
3、講 師 石 平(せき へい) 評論家・哲学者
「私は『毛首席の小戦士』だった」(飛鳥新社)などの著書で有名
(テーマ、日本で学んだ論語と儒教の心)


第25回
1、日 時 3月17日(土)16時30分〜18時
2、 場 所  慶應義塾大学  第1校舎1階 102教室
3、講 師 「ひげの隊長」佐藤正久・元自衛隊イラク先遣隊長
      (テーマ、自衛隊と国際貢献)

      
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
〇参加費 300円(家族は2人以上で500円、学生は無料です)

〇問い合せ先  田村重信(代表幹事)
 Eメールstamura@hq.jimin.or.jp へ連絡下さい。電話―3581−6211(職場)    事務局〒105−0002 港区三田2−15−45 慶大・南館20510
日本論語研究会03−5427−1328(直通) FAX 03−5418−6584(共同)

(参考)日本論語研究会の日程(2週間前と1週間前に2回)と研究会の内容などは、ブログに掲載しています。 ブログ「たむたむの自民党VS民主党」http://tamtam.livedoor.biz/



自民党の政務調査会の朝食会が始まった

山崎 拓2 国防部会2











(上の写真左は、山崎拓安全保障調査会長。右は、久間章生防衛大臣です)

今朝(1月26日)から自民党の政調会の朝食会が本格化してきました。
さっそく、僕の担当する国防部会三部会(国防部会・安全保障調査会・基地対策特別委員会合同会議)が、朝8時から始まりました。
担当の僕らは、7時半には出勤です。

今日は、河井克行国防部会長の進行で、
挨拶は、山崎拓安全保障調査会長、大野功統基地対策特別委員長、久間章生防衛大臣が行いました。                    

議 事は、平成19年度防衛関係予算(案)について
2.防衛省設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案 
3.駐留軍等の再編の円滑な実施に関する特別措置法案(仮称)
でした。
役所側の説明の後、活発な議論が行われました。

その結果、防衛省設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案は了承されました。
今後は、駐留軍等の再編の円滑な実施に関する特別措置法案について、さらに検討を行うこととなりました。

 
石破  茂石破茂元防衛庁長官が僕の前の席でしたので、ブログ用の写真を取りました。

shige_tamura at 10:28|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!自由民主党 

2007年01月25日

防衛省移行記念式典での中曽根元内閣総理大臣祝辞

1月9日に行われた防衛省移行記念式典での中曽根元内閣総理大臣祝辞をお送り致します。とても素晴らしい挨拶です。


 防衛省の御誕生、誠におめでとうございます。

 昨日は成人式でしたが、今日は防衛庁自衛隊の成年式にあたるおめでたい日で、 喜んで参上いたしました。

 私は、防衛庁長官を務めた者として、辞めた後も防衛庁や皆さんのことが非常に 気がかりでありましたが、ともかく、幹部及び皆さんは、よく我慢をされ、隠忍自重されて、本当に御苦労様であったと申し上げたい。と同時に、今日を期して精進なさったその成果が、本日ここに訪れたことを心からお祝い申し上げる次第であります。

 次は、いよいよ憲法上にこの防衛関係の名称並びに役目を明記するという仕事が あり、それは、そう長い年月を要することではないと思っています。安倍総理もそれを心がけておられますし、我々一同もそのつもりでありまして、次の任務に向かって、より一層志を固めて前進し、皆さんの御精進を更にお願いを申し上げる次第であります。

 そこで、この機会に、自衛隊、防衛庁発足時の一つの問題点を申し上げて、将来の参考に供してみたいと思うのであります。
 
 実は、昭和28年に吉田茂首相が、いわゆる「バカヤロー解散」をやりまして、吉田自由党は少数内閣に転落しました。そこで、重光改進党、鳩山自由党、吉田自由党、3党連立内閣が誕生したわけです。その時、我々重光改進党は、日本の防衛体系の転換を以前から強く要求しておりました。吉田単独内閣では国会を乗り切れない状況で、結局3党協定をやろうということになり、その中の一つの大きな問題が防衛問題をどうするかという事でありました。
 当時、既に警察予備隊は保安隊になっておりましたが、保安隊というような中間的なものでいつまで日本が保つはずがない。もっと正規な防衛力を中心にした考え方にして国の歩みを整えなければならない、というのが我々の考えでもあったわけであります。
 
 結局、各党から代表が出て、新しい法律を作ろうと言うことになりまして、自由党からは西村直己さん、鳩山自由党からは中村梅吉さん、改進党からは私が出まして、3党協定を作ったものです。

 その際に問題になったのは、憲法上、必要最小限の防衛力とは如何なるものかということでありました。結局は、必要最小限の防衛力とは、国際情勢、あるいは科学技術の変化によって当然変化していくべきものであり、固定されるべきものではないとそういう定義で、我々は一致したわけであります。

 次の問題は、最も重大ないわゆるシビリアン・シュープレマシーをどのように考えるかということでありました。いわゆる文民統制という問題であります。
 日本が大東亜戦争に負けた原因の一つは、統帥権独立の問題があった。
 我々が新しい自衛隊あるいは防衛庁を創るに際しては、この問題を解決しなければいけないと、非常に強い意識を持って統帥権独立を否定する体系にしようとしたわけであります。
 ですから軍政あるいは軍務、両方とも一体的なものをどのようにして創るかということが中心で、日夜苦心をしておったのであります。
 実は、その会議の最中に、辻政信代議士が、「お前たちが作ろうとしているものは何の役にも立たん。統帥権の独立を認めずしてどうして戦いが出来るか」と、大声で怒鳴り込んできたものであります。
 我々はそれに対して、「戦争に負けた原因は統帥権独立の問題がある。この問題を解決せずして新しい体系が出来るはずがない。今までのような旧慣例に基づいて新しい防衛体系が世界的に出来るかどうか、これは検討を要する問題だ」と、辻さんに反論をして、今のような体系にしたのであります。

 しかし、このシビリアン・シュープレマシーという概念はなかなか難しい概念であり、我々が体系を創った時には、内局を作り参事官制度というものにして、大臣や政務次官の意向がそこへ直流して動く、大臣や政務次官は国会の意向を受け継いでそれを実行する。
 そういう体系にしたものであります。
 それについては、様々な議論や、旧軍人の反論等がありました。
 がしかし、我々はこの体系で新しい体系を作っていくのだという確信をもって今の体系にしたものであります。
 
 シビリアン・シュープレマシーの意味は、文民優位でありますが、これは防衛庁の内局の優勢を示すという意味ではない。
 国会や政治家の統制の優位を示すものである。
 それを受けて大臣や政務次官が実行するものである。そのような明確な観念を持って行っているものであり、この防衛庁の内部における内局と、あるいは第一線の部隊、統制関係などの皆さんとの融合調和を前提にして、先の大戦に鑑み、我々は、そういう体系で新しい力を作っていこうということであった。

 シビリアン・シュープレマシーというのは内局の文官の優勢を示すものではない。 これは、我々も明確に考えていたことであり、大臣や政務次官、国会、政治の優位というものを示すものである、ということを確認したものであります。

 いよいよ防衛省が前進いたしますが、この問題は古くしてまた新しい問題であり、 省となれば、自主性、独立性が更に強まってきますが、それだけにこのシビリアン・ シュープレマシーを、今後も堅持していくということが一番大事なことではないかと、この法案を作った一人として申し上げておきたいと思うのであります。

 いよいよ本日以降、皆さんは今まで以上に胸を張って、世界に日本に逞しく御奉公出来る状況になりました。
 
 どうぞ皆様方、健康に留意されまして、国家国民のために、また、世界の平和のために更に御努力なさることを心から祈念申し上げまして、御挨拶といたします。どうも有り難うございました。


父・安岡正篤の教え、安岡正泰氏の講演

安岡1安岡2











23日の夜、「アジア文化フォーラム」の会合で、「父・安岡正篤の教え」というタイトルの安岡正泰氏の講演を聴きました。
安岡正泰氏は、安岡正篤氏の次男で、最近のベストセラー『安岡正篤一日一言』(致知出版社)の監修者でもあります。

正泰氏は、偉大なお父さん(安岡正篤氏)とすごした思い出を静かな語り口でお話をしていただきました。
その中で、安岡氏は儒教の徳政を重んじる立場から、日本の満州進出について、「間違っている。それは、そこに住んでいる地域の人々を追い出して日本から開拓団を送り込むことだ」と批判したそうです。

先の戦争の敗因を、^拈者の間違い、科学力のなさ、と述べ、戦後については、奸人(かんじん)=心のねじけた人。悪人。 
が跋扈すると予測されました。

そうした中で、東洋古典を大事にし、人間学の普及に努められたのでした。

「人間は、人間のこと、すなわち自分のことがわかっていない」
「自分を見失っていく、物質的になっていく、それは人間として恥ずかしいこと」
「物事を安易に考え、行動に走ってしまう。それは、真の人間ではない」
「自らを反省し、修め、律する」
「正しい人間として、世のため人のために尽くしていく」

安岡氏は常に「一燈(灯)照隅」(いっとうしょうぐう)といわれていた。

一人の力は弱い、しかし、一人が正しい心を持って仕事をし、自らの足元を照らしていけば「万燈照国」となるというのです。


『安岡正篤一日一言』の1月31日には、「一燈照隅 万燈照国」の説明があります。
 要するに、少数の真剣な求道者のみが時勢の運命を徹見(てっけん)し、社会を善導することができるのである。
 能(よ)く一隅を照らす者にして始めて、能く照衆・照国することもできるのである。
 微力をあきらめてはならぬ。
 冷に耐え、苦に耐え、煩(はん)に耐え、また閑(かん)にも耐えて、激せず、躁(さわ)がず、競(きそ)わず、随(したが)わず、自強してゆこう。
 


今度、安岡正泰氏に日本論語研究会でお話していただくようお願いしました。



2007年01月24日

いじめ調査に協力しない日教組

民主党の支援団体の日教組が問題を起こしている。
それが、読売新聞(1月24日)の社会面で明らかになった。
以下、記事を掲載する。


いじめ調査 協力するな   北海道教組 自殺後、道教委実施に対し


 北海道教育委員会が昨年12月に行ったいじめ実態調査に対し、北海道教職員組合(北教組)が道内全21支部に、協力しないよう「指導」していたことが23日、明らかになった。多くの学校では協力したものの、小樽市では、教員が調査回答や回収を拒否。このため市内の一部の学校では校長が保護者に直接、回収協力を求める事態になった。

 北海道では昨年9月、滝川市の小6女児のいじめ自殺が発覚。道教委は同12月、実態把握などのため、札幌市教委が独自に調査をした同市立小中高校生を除いた、全道の小中高生と教員計約46万人を対象に調査を行った。児童生徒にはいじめられた経験やどんな行為をいじめと思うかなどを尋ね、教員には、いじめに対処した経験などを聞いた。

 小樽市教委によると、実施前、北教組小樽市支部から「協力できない」と通告された。「調査結果を指導に生かすことが必要」と説得したが、支部側は「結果がどのように使われるか不透明」「調査を実施することで問題が早期に解決するかどうか見えない」――などとして協力を拒否したという。教員らが協力を拒否した学校では校長、教頭が回収を代行。市教委は全校から回収したが、教員からの回答率は3割にとどまった。

 北教組本部の小関顕太郎書記長は読売新聞の取材に対し、調査への組織的な非協力を文書で指導したことを認め、「いじめの実態は学校現場で把握し、対応している。全道一律の調査は必要ない」などと話している。



shige_tamura at 12:52|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!ニュース 

民主党は、在日の外国人でも党員になれる

民主党の党員は、「在日の外国人」でもなれるということが、人気ブログ「依存症の独り言」でわかりました。
これが民主党の本質なのでしょう。
なお、自民党の党員は、「日本国民」となっています。


(自民党の党則)

第一章の二  党   員
第  三 条 本党は、本党の目的に賛同する日本国民で、党則の定めるところにより忠実に義務を履行するとともに、国民大衆の奉仕者として積極的に党活動に参加するものをもって党員とする。


(民主党規約)

第2章 党員等
(党員)
第3 条 本党の党員は、本党の基本理念および政策に賛同する18歳以上の個人(在外邦人及び在日の外国人を含む)で、入党手続きを経た者とする。



(参考)
産経新聞(1月20日)「主張」参院副議長 総連系献金の説明求める

 民主党の角田義一(つのだ・ぎいち)参院副議長(群馬選挙区)が3選を果たした平成13年の参院選の際、自身の選挙対策本部で総額約2520万円の寄付を受けながら、政治資金収支報告書に記載していない疑惑が浮上している。しかも寄付が禁じられている外国人の団体である在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)系の「在日本朝鮮群馬県商工会」から、50万円の献金を受けたと伝えられている。

 事実なら言語道断であり、国民への背信行為だ。まず自ら進んで説明責任を果たさなければならない。国権の最高機関である国会の枢要な地位を占めている人の最低限の責務である。

 鳩山由紀夫民主党幹事長は19日の記者会見で、参院執行部が調査していることを明らかにした。参院まかせというのでは、危機感は薄い。国民の多くは、民主党がこの問題にどう対処するかを注視している。

 政治資金規正法は、政党や資金管理団体などが献金を受けた際、政治資金収支報告書への記載を義務付けている。同時に外国人や、外国人が主たる構成員の団体から政治献金を受けることを禁じている。

 内部資料によると、角田氏は参院選前後の13年5〜8月に「陣中見舞い」名目などで、約90の企業・団体と約130の個人から献金を受けたものの、それを記載せず、ヤミ献金として処理した疑いが持たれている。

 収支報告書の虚偽記載は5年以下の禁固または罰金、外国人団体からの寄付を受けた人は3年以下の禁固または罰金に処せられる。いずれも時効とみられるが、政治家としての道義的責任は免れない。とくに総連系団体からの献金は看過できない。

 角田氏は旧社会党群馬県本部委員長を務め、平成元年に同党公認で参院議員に初当選したあと、平成9年に民主党入りした経歴を持つ。

 旧社会党が朝鮮労働党と友党関係にあったことは知られている。社民党に変わっても、副党首の渕上貞雄参院議員らが13年12月、朝鮮総連本部強制捜査に対し「不当な政治弾圧」と警察庁に抗議している。

 違法の総連系団体の献金の有無については、角田氏だけでなく、民主党の北朝鮮への姿勢も問われる重大問題なのである。



shige_tamura at 08:57|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!民主党 

2007年01月23日

小林節慶應義塾大学教授の書評

自由民主
(月刊・自由民主 2月号)に、慶應義塾大学教授 小林 節先生の「僕の本」書評が掲載されました。


田村重信 著『新憲法はこうなる ―美しいこの国のかたち―』 
講談社 定価1、050円




「なぜ改憲が必要なのか、わかりやすい啓蒙書」

 もはや、憲法改正を論ずることはかつてのようにタブーではない。
 むしろ、その争点は、それは改正か改悪か? そのグループや論者がいかなる新憲法を目指しているかに移っている。
 そのような状況の中で、この問題についていわば政権与党内のトップ・ブレインと呼んでもよい専門家が啓蒙書を公刊した。
 
 著者・田村重信氏は、現在、自由民主党本部職員として政務調査会首席専門員を勤める傍ら、慶應義塾大学大学院法学研究科で「憲法」と「安全保障」を講ずる篤学の士である。
 氏は、まず、憲法改正が自民党の政権公約として前面に出て来た歴史的経緯を、党本部で責任ある仕事をしてきた者ならではの観点から簡潔に説明している。
 これは、歴史の舞台裏を見ているようでおもしろい。その上で、自民党のトップ・ブレインらしく、対する護憲派の偽善を分かり易く切って捨てている。
 
 本書の中心部分は、第六章 新憲法はこうなる『早わかり憲法改正Q&A50』である。そこでは、改憲の必要性、前文、天皇制、九条、権利と義務の関係、新しい人権、政官関係、司法改革、財政改革、地方分権等の主要論点について、自民党の立場が明快に説明されている。

 もちろん、その立場や主張について、私を含めて読者は皆それぞれに反論や異論もあるだろう。
 しかし、賛否いずれの立場の人にとっても、本書が、近い将来に国民に対して改憲を仕掛けて来る自民党の立場を知る便利な図書であることに変わりはない。

 本書の帯には、
「この本を読んでもまだ憲法九条は輝いていますか?」
「五年以内に必ずこうなる!」
と、実に大胆に刺激的な文言が書かれている。
 
 だから、改憲論議に関心のある人ならば、この本を目にしたら手に取らずにはいられないだろうし、手にしたら読まずにいられないだろう。

 ところで、私は友人として田村氏とずいぶん長い付き合いになるが、同氏はここ数年、『論語』に傾倒している。
 そのような田村氏が最近しばしば示す姿勢は、私利私欲を捨てることと、良心に照らして信念は堂々と主張することであるが、同氏が本書で一貫しているのもその姿勢である。

(慶應義塾大学教授  小林 節)


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